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2013年10月11日 (金)

ラテン音楽への深い愛情

ここ数年、いわゆるワールドミュージックとカテゴライズされる音楽もいろいろと聴きかじっているのですが、そんな中、以前から気になっていて読んでみたラテン音楽へのガイドブック「ラテン音楽名曲名演ベスト111」。もともと1999年に刊行された本を改訂し、さらにCDをつけて再発売した本らしいです。

タイトル通り、ラテン音楽の名曲名演を111曲取り上げ、その1曲1曲に解説を付しているスタイル。「知っていないと話にならない10曲」からスタートし、「歴史を変えた曲」「楽器の名演」「ラテンアメリカの真実がみえる曲」「日本人がしびれた曲」などにカテゴライズしながら紹介しています。

また紹介する曲もラテン音楽全般を幅広く取り上げているのが特徴的。ラテンというとまずイメージしそうなマンボだったり、あるいはレゲエやソン、ブラジル音楽や中南米のあらゆる国の曲を紹介しています。さらに中南米にとどまらず、中南米以外からうまれたラテン音楽も積極的に紹介。中には美空ひばりの「お祭りマンボ」なんていう和製ラテン音楽まで紹介。その幅広さには舌を巻きます。

楽曲に対する解説も、単なる曲の解説にとどまらず、ラテン音楽やミュージシャンの歴史、関連する楽器の紹介や、中南米の文化・歴史にからめたもの。個人的な思いいれをつづったものや歌詞を紹介するものなど様々。また、筆者は何度も中南米諸国に足を運んでいるみたいで、机上で論じられるような音楽論とは異なり、リアリティーを感じさせますし、なによりもラテン音楽に対する強い愛情も感じます。1曲1曲の紹介がちょっとした物語にもなっていて、単純なガイドブック以上に読み物としても楽しめた本でした。

ただし一方ではあまり馴染みのないラテン音楽の世界で、次々と固有名詞が飛び出してきたので正直ちょっと読みにくい部分があったのも事実。特に、人名か知名か音楽用語か歌詞の一部か、読んでいてよくわらなくなった部分も少なくありません。最後に索引を入れたり、途中でラテン音楽にからむ用語解説もあったり、初心者にも伝えようとする努力は強く感じたものの、正直初心者がラテン音楽全体を俯瞰するには厳しい部分もありました。

そういう意味では、ある程度ラテン音楽の歴史や、有名どころのミュージシャンを押さえたような人が読むと、一番楽しめるかも。いわばラテン音楽の歴史やミュージシャンを時間軸に沿って紹介したような本が縦糸だとすると、この本は、楽曲を使ってラテン音楽の広がりや楽しみ方を紹介するような横糸のような書籍。索引とか使いながら、前に戻ったりしつつ読めば、この本でも「縦糸」を補完する楽しみ方も出来たのかもしれませんが・・・。

しかし、この本をもっともお薦めしたいポイントは筆者の愛情あふれる文章もさることながら、附属するCD。この手のCD付書籍は珍しくありませんが、ほとんどは30分程度の短さに、数曲が収録されているだけ。でもこの本には、70分以上のCD容量ギリギリの内容に25曲も収録しているという大ボリューム。さらに本に紹介されている名曲ばかりなのは当たり前として、名演だったり、時として入手困難なレア音源も。この本、2,800円なのですが、CDだけでも十分もとが取れる内容でした。

このCDに収録されている曲も、ラテンらしい軽快な曲、あるいは哀愁あふれる曲はもちろん、アフリカ色の強い曲だったりポップス色が強い曲だったり、さらにはしゃれたジャジーな雰囲気の曲だったり様々。さらにラテン音楽の幅広さを知ることが出来るCDで、書籍を見事に補完している・・・というよりも、このCDだけで十分「ラテン音楽入門」として成り立っています。

そんな訳で、完全な初心者というよりも、ちょっとラテン音楽を聴きかぎりはじめた方にお薦めできそうな書籍ですが、私のようなほぼ初心者という人でも特にCDではラテン音楽の魅力を味わうことの出来る1冊でした。

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コメント

色んなジャンルに手を出すようになったけど、音だけではなかなか理解出来なくて、こういうガイド本に書かれてる曲の背景・エピソードを参考にしてようやく納得したりと、今でも頼りにしてしまいますw
早速この本も購入して付録のCDを聴きながら楽しく読んだところです。感謝!

投稿: toolbeat | 2013年10月13日 (日) 13時23分

>toolbeatさん
この本、作者のラテン音楽への愛情があふれていて、いろいろと参考になりますよね。特に、CDを聴きながらだととても楽しめます。気に入っていただけたようでよかったです!もしtoolbeatさんもラテン音楽でいいアルバムとかにであったら、よかったら教えてください~。

投稿: ゆういち | 2013年10月29日 (火) 00時28分

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