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2013年9月16日 (月)

そろそろブレイクしてほしいが・・・

Title:I'M FREE
Musician:a flood of circle

何の混じりっけなしに、ロックンロールを楽しめるガレージロックバンド。ミッシェル解散後、そういうバンドがなかなかいなくなってしまいましたが、そんな中、無条件でカッコいいといえるガレージロックを奏でる数少ないバンドが彼ら、a flood of circle。ミッシェルの不在を埋めるバンド、といっても過言ではありません。

特に今回のアルバムに関しても、1曲目タイトルナンバーの「I'M FREE」から、インストナンバーの「All The Young Rock'N'Rollers」までの流れが痺れるほどカッコいい!正統派ガレージバンドという装いで、雰囲気もどこか危険な匂いを感じさせる尖ったサウンド。大げさではなく、ミッシェルが好きな人ならば、この前半の構成には心震えるものがあるのではないでしょうか。

ただ、これだけカッコいいロックンロールを奏でていながらも彼ら、なかなかブレイクできません。もっとも、その理由もよくわかるんですよね。最大の理由は、ボーカルがちょっと軽い・・・。ここのサイトでも、彼らのアルバムを取り上げるたびに言及しているのですが、佐々木亮介のボーカルは、端整で聴きやすい反面、軽く、バンドサウンドにマッチするだけの重みがありません。それなので、残念ながら楽曲に重厚感があまり感じられない点、マイナスになっています。

また、この端整なボーカルゆえに、ポップ路線に走ると、急にベタなJ-POPみたいになってしまい、ガグっと来ることも少なくありません。今回のアルバムでも、「Diamond Rocks」あたりがそんな印象を受けてしまいました。

とはいえそれでもここ最近は、以前に比べてそんな弱点の部分が後ろに下がり、ガレージバンドとしての強みがより前面に出てくるようになった感じが。本作も、あれ?といった部分もあったものの、アルバム全体としてはガレージロック好きなら文句なくお薦めできるような傑作に仕上がっていたと思います。

そんな彼らも2007年のデビューからアルバム5枚、ミニアルバム4枚というハイペースでのリリースを続けています。徐々に作品の内容も安定してきただけに、そろそろブレイクしてもいいころかも、と思うのですが・・・。さてさて。

評価:★★★★★

a flood of circle 過去の作品
泥水のメロディー
BUFFALO SOUL
PARADOX PARADE
ZOOMANITY
LOVE IS LIKE A ROCK'N'ROLL
FUCK FOREVER


ほかに聴いたアルバム

May The House Be With You/SUGIURUMN

約5年ぶり(!)となるSUGIURUMNのオリジナルアルバムは、全編歌モノ。ヒダカトオルや曽我部恵一、畠山美由紀、さらに元WINOの吉村潤なんて懐かしい名前も。もっとも、SUGIURUMN自体、懐かしい名前になりつつありますが(^^;;前半はビートが強いロッキンなナンバーが、後半は爽やかなポップチューンが並ぶ構成。特に新鮮さはないものの、壺を押さえたポップな内容が聴きやすいという、いつものSUGIURUMNらしいアルバムになっていました。

評価:★★★★

SUGIURUMN 過去の作品
Midi In Midi Out
Do You Remember That Night?

Diamond In Your Heart/東京スカパラダイスオーケストラ

前作からわずか8ヶ月のインターバルでリリースされたスカパラのニューアルバム。タイトルチューンはthe HIATUS細美武士がボーカルとして参加し、話題となっています。ロッキンなナンバーから歌謡曲風なナンバー、ソウル風ナンバー、バラードナンバーなど、わずか8曲という中に、様々なタイプの曲が収録されているあたりはスカパラらしい音楽性の広さを感じます。

評価:★★★★

東京スカパラダイスオーケストラ 過去の作品
Perfect Future
PARADISE BLUE
WILD SKA SYMPHONY
Goldfingers
HEROES
Sunny Side of the Street
on the remix
Walkin'
欲望

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