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2013年9月22日 (日)

懐かしさの中にも新しさが

Title:LIFE ANEW
Musician:高橋幸宏

オリジナルアルバムとしては、4年4ヶ月ぶりとなる高橋幸宏のニューアルバム。今回の作品は、本人のドラム&ボーカルに加え、ギターにジェイムス・イハ、ベースに高桑圭、キーボードに堀江博久、管楽器にゴンドウトモヒコという布陣での作品。バンドサウンドでのアプローチは、ソロでははじめての試みだそうです。

ただ、とはいっても、基本的に楽曲の雰囲気やメロディーラインはいつもの高橋幸宏。確かに、エレクトロのアプローチが目立った最近の作品の中で、ちょっと雰囲気の異なる作品かもしれませんが、ベースの部分は変わりません。

今回のアルバムでは、彼のルーツである60年代や70年代のロック、ポップスからの影響を強く感じるのも大きな特徴。暖かい雰囲気のポップソングには、リアルタイムでその時代の音楽を聴いていない私にもどこか懐かしさを感じます。

そういう意味でも今回の作品、聴いていて安心できる大人のロックに仕上がっています。一流どころをそろえたバンドの布陣は、もちろん安定感もありますし、メロディーラインも、派手なインパクトはないものの、耳にすんなりとなじむポピュラリティーがあり、ある種の人なつっこさも感じました。

しかしその一方で、ところどころエレクトロ的な要素も入っているのがおもしろいところ。オールドスタイルな雰囲気漂う楽曲と、今風のエレクトロの要素が上手く混ざり合っているあたりに、とてもおもしろさを感じさせると同時に、決して「懐メロ」に走ったわけではなく、いまでも最先端で走り続ける高橋幸宏の実力を感じました。

陳腐な言い方かもしれませんが、「とても良質なポップソング」、そう感じたアルバム。広い層の方に文句なしにお薦めできる、そんなアルバムです。

評価:★★★★★

高橋幸宏 過去の作品
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GOLDEN☆BEST


ほかに聴いたアルバム

LUCKY/TOWA TEI

豪華ミュージシャンが数多く参加して話題のTOWA TEIのニューアルバム。椎名林檎や浜野謙太、さらには、上で紹介した高橋幸宏をはじめ、細野晴臣、坂本龍一といったYMOメンバーが勢ぞろいしています。そんな豪華メンバーを配しつつ、作品としてはいつものTOWA TEIらしい作品。洒落た雰囲気のエレクトロポップが並んでおり、気持ちよく楽しめることの出来る1枚です。

評価:★★★★

TOWA TEI 過去の作品
BIG FUN
MACH2012

ゆえに、密度の幻想は綻び、蹌踉めく世界は明日を『忘却』す。/te'

相変わらずの意味深タイトルがインパクトありまくりのエモインストバンド、te'の最新作。いつも楽しませてくれる楽曲タイトルは、妙に文学的に走りすぎたのかいまひとつなのですが、肝心の楽曲の中身は素晴らしい演奏を聴かせてくれます。ダイナミックなギター、ベース、ドラムが絡み合うサウンドは、聴けば聴くほど深みにはまっていきそう。ただ、その一方、メロディーは意外とポップにまとまっているだけに、さらっと聴きやすいのも大きな特徴。そのバランスが絶妙で、ここ数作の中で一番の出来ではないでしょうか。

評価:★★★★★

te' 過去の作品
まして、心と五感が一致するなら全て最上の「音楽」に変ずる。
敢えて、理解を望み縺れ尽く音声や文字の枠外での『約束』を。

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