「スキヤキ」のステージを見て購入
Title:SANGRE BUENA
Musician:MARIANA BARAJ
アルゼンチンのシンガーソングライターでパーカッショニスト、マリアナ・バラフのニューアルバム。先日参加した、ワールド・ミュージックフェス「スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド」で来日し、そのステージを見て、はじめてその名前を知り、音を聴いたシンガーでした。その時の情熱的でパワフルなボーカルと、迫力あるパーカッションのリズムに魅了され、ニューアルバムが発売されたばかり、と知り、さっそく購入してきました。
「スキヤキ」の時のステージは、パーカッションのリズムのみをバックとした、ほぼアカペラでその歌声を聴かせてくれました。緊張感あるそのステージがインパクトがありました。今回のアルバムに関しても、そのステージのイメージで聴き始めたのですが・・・アルバムの印象は、ライブとは大きく異なるものでした。
アルバムでは、フルバンドでの演奏がメイン。楽曲によっては、ホーンセッションやストリングスも入り、軽快でにぎやかなサウンドを聴かせてくれています。彼女のボーカルの歌唱力は、このアルバムからも感じられますが、ライブの時のように、その声量を前面に押し出したものではなく、さらりと歌い上げています。
メロディーに関しては、フォルクローレをベースとした、ラテンミュージックの要素をふんだんに感じられるポップス。こちらは、ステージと大きく異なるものではありませんが、パーカッションだけのリズムで味わった時とはイメージが大きく異なります。アルバムを聴いた印象だと、かなり垢抜けたポップなイメージ。ラテンらしい哀愁あふれるメロディーの曲もあるものの、「LA HORA」など、欧米や日本のヒットチャートの中で並んでいても全く違和感のないような、インパクトあるポップなメロディーを聴かせてくれます。
彼女に関しての紹介文を読むと、「ジャズやエレクトロニカの要素」に言及しているのを多くみかけるのですが、今回のアルバムに関しては、こういう要素はなく、基本的にシンプルなポップスに徹しているように感じます。それだけに「ワールドミュージック」というジャンルに関係なく、いい意味でとても聴きやすい内容。特に、フォルクローレの要素とポップスの要素のバランスが絶妙。ラテンらしい要素をきちんと残しつつ、適度に垢抜けたポップに仕上げており、フォルクローレ的な要素を楽しみたい人にも、ポップとして聴きたい人にも楽しめるようなアルバムになっていました。
最初は、ライブで衝撃を受けた、パーカッションのリズムと彼女のパワフルなボーカルが前に出ていないことから、ちょっと残念にすら思ったアルバムでしたが、それとはまた異なる魅力が楽しめたアルバムでした。「スキヤキ」のようなステージも素晴らしかったですが、こういうスタイルでのライブも見てみたいかも。
評価:★★★★★
| 固定リンク
「アルバムレビュー(洋楽)2013年」カテゴリの記事
- 44年ぶり(2013.12.29)
- 荒々しいトラックが強烈(2013.12.24)
- あの傑作アルバムの続編(2013.12.23)
- 早くも2作目!(2013.12.21)
- 驚愕のライヴ!(2013.12.15)
コメント