全盛期のライブ音源
Title:LIVE AT SYLVIO'S
Musician:MAGIC SAM&SHAKEY JAKE
以前にも紹介したことがあるのですが、今回紹介するのは、1969年にわずか32歳という若さで夭逝したブルース・ギタリスト、MAGIC SAMのライブ音源。彼は、50年代から60年代にかけて活躍し、その後を期待されながらも若くして世を去りました。「もし、彼が長生きしていたら・・・」という妄想は、ロックリスナーにとってはジミヘンが対象になりそうですが、ブルースリスナーにとってはおそらく彼でしょう。その「妄想」を埋めるかのように、未発表音源が発掘され発売されているのはジミヘンと同様でしょう(もっとも、ジミヘンの場合、生前に録音した大量の未発表録音があるのですが)。
今回のライブ音源は、1966年12月に、シカゴのクラブ、シルヴィオズでのライブの模様を収録したもの。彼と、彼の叔父であるSHAKEY JAKEとのコラボライブでの模様が収録されています。厳密には未発表音源ではなく、80年代にLP、90年代にCDが発売されていたそうですが、現在では廃盤になり入手困難に。それが今回、69年のライブの模様を収録した2曲と、本人へのインタビューをおさめたトラックも追加となり、再リリースとなりました。
MAGIC SAMの音源なのですが、叔父とのコラボライブということで彼がメインを取るのは8曲(+今回追加された2曲)のみ。ただ、SHAKEY JAKEがメインを取るステージでも、彼はバックでギターを弾いており、しっかりとMAGIC SAMの魅力的なギタープレイを味わうことが出来ます。
ジャケット写真には、いかにも普段着といった感じのサムの姿が写っていますが、ライブの雰囲気も、そんなアットホームな雰囲気が漂う、肩の力が抜けたもの。特に、ノイジーなギターサウンドは、迫力があり、ロックリスナーにもカッコいいと十分感じられるのではないでしょうか。エッジの効いたギターを聴かせてくれる「BACKSTROKE」や、ミディアムバラードながらも、力強いギターが印象に残る「SHE'S NINETEEN YEARS OLD」あたりは、サムのギターの魅力を存分に感じることが出来ます。
名盤という評価も高い、彼が生前残した数少ないオリジナルアルバム「WEST SIDE SOUL」発売直前のライブだっただけに、脂ののりきったステージが魅力的。かなりパワフルなギターサウンドを主軸とした、バンドサウンド主体の構成は、ロックリスナーにとっても聴きやすく、また、ブルースの王道路線もしっかりと引き継いでおり、そういう意味では、ロックの原点として、ブルースを聴いてみたいなぁ、と思っているようなロックリスナーにもお薦めできるライブ音源だと思います。
ちなみに10月には、彼のこちらは完全な未発表音源のライブ盤のリリースも予定されているとか・・・こちらも非常に楽しみです!
評価:★★★★★
MAGIC SAM 過去の作品
LIVE 1969 RAW BLUES!
| 固定リンク
「アルバムレビュー(洋楽)2013年」カテゴリの記事
- 44年ぶり(2013.12.29)
- 荒々しいトラックが強烈(2013.12.24)
- あの傑作アルバムの続編(2013.12.23)
- 早くも2作目!(2013.12.21)
- 驚愕のライヴ!(2013.12.15)
コメント