頭からっぽにして楽しめる
Title:Right Thoughts,Right Words,Right Action
Musician:FRANZ FERDINAND
前作からすっかり間があいてしまいました、イギリスのロックバンド、FRANZ FERDINANDの約4年ぶりとなるニューアルバム。そんな久々のニューアルバムは、彼ららしい聴いていて楽しくなるアルバムに仕上がっていました。
思えば前作「TONIGHT」では、それまでもポップではじけたようなダンスミュージック路線から一歩後退し、新たな一歩を踏み出したものの、FRANZらしさが薄れてしまい、少々物足りなさを感じるアルバムでした。
それから4年7ヶ月。前作が思ったほどの出来ではなかったので期待半分不安半分で今回のアルバムを聴いたのですが・・・まず1曲目「Right Action」を聴いた段階で、「お、このアルバムは期待できるかも!」と感じました。この「Right Action」は、実にFRANZらしいダンサナブルなギターロック。ポップなメロディーラインに、軽快なギターリフが妙に人懐っこい楽曲で、聴いているだけで楽しくなってくる楽曲でした。
そんな彼ららしい軽快なポップソングは次から次へと続いて行きます。「Love Illumination」は、前作を彷彿とさせるようなちょっと憂いを帯びたメロディーながらも、軽快なダンスポップに仕上がっていますし、「Stand On」も同様に人懐っこいメロディーラインに、途中の転調が癖になるような彼ららしいポップソング。
そして中盤のインパクトとなっているのが「Bullet」。こちらも勢いのあるダンスポップで、つんのめるようなテンポのリズムに、インパクトあるポップなメロディーが耳に残ります。後半にはミディアムテンポの楽曲もありますが、基本的にリズミカルなポップソングが主体。アルバム全体35分という短さもあり、勢いが持続したまま、あっという間に聴けてしまう作品になっていました。
転調を多用した癖のあるメロディーに、音数を絞ったシンプルなアレンジという特徴も、いままでの彼ら通り。難しいことを考えずに、ポップなメロディーラインとダンサナブルなリズムを楽しめるアルバムで、素直に音楽の楽しさを味わえる、そんなアルバムでした。
前作「TONIGHT」は、次の一歩に進んでいく作品、というように感じました。ただ、長いインターバルを置いてリリースされた新作は、次の一歩というよりも、再び原点を見つめた作品のように思います。逆に、「TONIGHT」で少々迷走気味になりはじめ、本作で仕切りなおした、というのが正しい見方だったのかもしれません。次はもっと短いインターバルで新作を、期待しています。
評価:★★★★★
FRANZ FERDINAND 過去の作品
TONIGHT
| 固定リンク
「アルバムレビュー(洋楽)2013年」カテゴリの記事
- 44年ぶり(2013.12.29)
- 荒々しいトラックが強烈(2013.12.24)
- あの傑作アルバムの続編(2013.12.23)
- 早くも2作目!(2013.12.21)
- 驚愕のライヴ!(2013.12.15)
コメント