泣きメロ復活!
Title:WHERE YOU STAND
Musician:TRAVIS
TRAVISというと、どうしても比較対象として思い浮かぶのがCOLDPLAYとKEANE。いずれも、内省的な美メロを書くイギリスのギターロックバンド。デビュー時期も似ていて、イギリスで大ヒットを記録していることから、比較してしまいます。
ただ、ご存知の通り、既にイギリスを飛び出して、世界的な人気を獲得しているCOLDPLAYや、デビュー作以来、すべてのアルバムでチャート1位を記録しているKEANEと比べると(日本での知名度はいまひとつですが)、TRAVISは、後塵を拝している形になってしまっています。特に前作「Ode To J.Smith」は全英20位という残念な結果になってしまい、このアルバムの話題も、日本では以前と比べると、ちょっと寂しいものに感じます。
もっとも、前作「Ode To J.Smith」は、バンドサウンドをより多くいれてきて、あらたな境地を探ろうとした結果、いまひとつな作品になってしまっていました。それだけに、新作も、期待半分不安半分だったのですが・・・これが、TRAVIS復活を感じさせる傑作に仕上がっていました。
TRAVISの魅力といえば、やはりそのメロディー。「泣きメロ」などと称される美しいメロディーラインが魅力的。決して派手さはないものの、心に染み入るメロディーが大きな特徴。今回のアルバムは、前作で少々不足気味だった彼らの持ち味、泣きメロが全面的に復活したTRAVISらしい作品になっていました。
タイトルナンバーである「WHERE YOU STAND」も、彼ららしいメロディーの良さが堪能できる傑作でしたが、個人的にインパクトがあったのが、その前の「REMINDER」。わかりやすいサビがインパクトある一方、TRAVISらしい涙腺を刺激するようなメロが印象的なナンバーになっています。他にも冒頭を飾る「MOTHER」や、「A DIFFERENT ROOM」など、TRAVIS節が味わえる、美メロポップが並んでいて、彼らの持ち味が存分に発揮できるアルバムになっていました。
もうひとつTRAVISと、COLDPLAYやKEANEが異なる点として、COLDPLAYやKEANEが、その人気と比例するようにスケール感を獲得し、スタジアムバンドの装いを楽曲からも感じられるのに対して、TRAVISは、いい意味でのインディーっぽさを残している点。今回のアルバムでも、素朴なポップソングはインディーっぽさそのもの。このシンプルな曲づくりも、彼らの大きな魅力に感じます。
で、前作ではチャート20位と苦戦した彼らも、本作では全英チャート3位と見事復活を遂げたらしく、それもこのアルバムの内容を考えれば納得か?日本でも、またもっと人気が伸びてくれるといいと思うんですけどね。
評価:★★★★★
TRAIVS 過去の作品
Ode to J.Smith
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