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2013年9月

2013年9月30日 (月)

中津川 THE SOLAR BUDOKAN その3

その2より

Nakatsugawa07

←こちらの写真はメインステージです。

子供ばんど@REDEMPTION STAGE

続いてはサブステージで、おととし再結成し、今年25年ぶりとなるアルバムをリリースした子供ばんどのステージ。子供ばんどについては、タレントや俳優として活躍している(最近は以前ほど見かけなくなってしまいましたが・・・)うじきつよしが以前いたバンド、ということだけ知っていて、どんなバンドなのか全く知らず、個人的にちょっと「謎のバンド」みたいなイメージがありました(笑)。で、全く音を聴いたことない状態でステージを見たのですが、これが予想以上に素晴らしいステージでした。

バンドサウンドはかなり骨太で、ハードなロック。ただ、一方で意外とメロディアスだったり、バンドサウンドは比較的シンプルだったりと、どちらかというとオルタナティヴロック的な要素も強く感じる演奏で、活動していた時期は80年代なのですが、80年代的な匂いはあまり感じず、むしろその後の90年代以降の要素を強く感じました。

うじきつよしもテレビのバラエティーや俳優としてみせる顔とは全く違う、「ロックおじさん」といった感じ(笑)。完全にロッカーとしての顔になっていました。ただ、途中のMCはかなりユーモラスで、ここらへんはタレントとして活躍していた彼らしい感じ(笑)。

90年代以降、長く活動を休止していたとは思えないような現役感もあるステージで、正直、予想していたよりもはるかに良いステージでした。これは是非ともCDでも聴いてみたいし、ライブにも足を運んでみたいです。

MANNISH BOYS@REVOLUTION STAGE

そして続いてはメインステージに戻り、斉藤和義と中村達也のユニット、MANNISH BOYSのライブに。最初はMUDDY WATERSの「MANNISH BOY」が流れる中、ライブがスタート。「MANNISH BOYSのテーマ」からはじまりました。

前半は、斉藤和義のギターと中村達也のドラムだけのステージ。せっちゃんのライブは先日見たばかりですが、彼のギターはあきらかにその時よりもヘヴィー。中村達也のドラムは迫力あるヘヴィーなものというよりは、丁寧にビートを刻んでいるという印象で、せっちゃんのギターとはりあっている、というよりも2人でともに音楽を作り上げている、というイメージ。ただ、2ピースの演奏ながらも迫力あるサウンドを作り上げていて、2人の演奏だけで魅せられてしまうステージでした。

中盤の「ないない!」ではせっちゃんと中村達也のパートがチェンジ。強烈な社会批判の歌詞が特徴的なこの曲ですが、ライブでは途中、曲が中断。「このたび内閣総理大臣に就任した中村達也です」という挨拶から、ちょっとしたコントに。「リニアもたくさん電気を使うように再稼動を」と中村達也が言ったり、せっちゃんが、例の東京五輪招致のプレゼンにかけて「世界にむけてよくもあんな嘘を」と言ったり、かなり強烈な皮肉をコントのように繰り出していました。

その後はベース+キーボードに堀江博久が参加。タイトな前半と比べて、音に厚みの増したステージに。さらに「あいされたいやつらのひとりごと」では、ご存知名古屋弁が曲に出たり、名古屋の有名店が歌詞に盛り込まれたりする曲なのですが、さほどそこに歓声がわかなかったのはちょっと露骨すぎるから?それとも名古屋じゃなくて岐阜だから??ただ、途中にワンフレーズだけ「ずっと嘘だった」をせっちゃんが歌った時は会場が一気に沸きました。そして最後はまた「MANNISH BOYSのテーマ」で締めくくり。50分に及ぶステージが終わりました。

さてMANNISH BOYSのステージ、途中にあまりMCも入れず、一気に突っ走るようなライブでした。先日見たせっちゃんのステージが、まったりとした雰囲気だったのに対して、こちらは尖ったようなイメージのステージ。社会批判も強烈な曲が多いMANNISH BOYSですが、ステージでも社会に対する強烈なメッセージが印象的な、熱いステージでした。

岡本真夜@RESPECT STAGE

そんなMANNISH BOYSのライブから一転、RESPECT STAGEのトリを飾る岡本真夜のライブは、ロック主体のメンバーの中でちょっと異色とも言えるラインナップ。この日は、彼女の弾き語りとアコギ1本での聴かせるステージとなりました。

ライブはいきなり広末涼子に提供した懐かしい「大スキ!」のカバーからスタート。その後も「Alone」、さらにアコギ1本だけで「宝物」「Will…~未来へのプレゼント」と90年代の彼女の曲が続き、懐かしい気持ちになりながら、その歌声に耳を傾けます。その後の「Smile」では、途中のパートを観客に歌わせたりして、会場を盛り上げていました(ただ、歌わせるパートがちょっと難しくて、ギターの方にも突っ込みを入れられていました(笑))。

最後は「みんなもきっと聴きたかった曲」ということで再度ピアノ弾き語りでおなじみの大ヒット曲「Tomorrow」へ。サビの部分ではみんなで大合唱となりました。この日はハードなロックの曲ばかりを聴いてきましたが、やはりこういうポップもいいなぁ、としんみりした気分になりながら、ステージは幕を下ろしました。

岡本真夜のライブ、基本的に1曲1曲の間にMCの入る、まったりした気分のステージでした。岡本真夜ははじめてライブを見たのですが、ほんわかしたとてもかわいらしい方でその雰囲気が会場にまで伝わっていました。ロックフェスの中で毛色の違う彼女でしたが、ステージには予想以上に多くの方がつめかけていて、「Tomorrow」ではみんな合唱。なんだみんなやはりポップも好きなんだ、ということも感じました。

ちなみにRESPECT STAGEの横ではライブペインティングということで画家の方がリアルタイムで絵を描くパフォーマンスを行っていたのですが、そこのステージに乗って、4、5歳くらいの小さな子供が2、3人、岡本真夜の曲にあわせておもいっきり飛び跳ねて踊っていたのがすごくかわいらしくて印象に残りました。この日、一番ほんわかした出来事だったかも。

THEATRE BROOK@REVOLUTION STAGE

そしてこのフェスの大トリを飾るのが主催者佐藤タイジ率いるTHEATRE BROOK。岡本真夜のステージと重なっていたため終盤から参加となりました。ちょうどステージに来た時は、ゲストコーラスの堂珍嘉邦が呼び出されたところ。彼がコーラスに参加し1曲披露した後、最後に彼らの代表曲「ありったけの愛」。歌詞の「その上の太陽は ありったけの愛だけで出来てると思いませんか?」というフレーズが、まさにこのフェスにピッタリのナンバー!この曲では、このフェスの参加者が次々とステージに登場!OKAMOTO'SやSOIL、ACIDMAN、MANNISH BOYSの2人やうじきつよし、山口洋や武藤昭平、冷牟田竜之に畠山美由紀、さらにさきほどまでライブをしていた岡本真夜も登場。まさに最後を締めくくるのにふさわしい賑やかなステージになりました。

最後を締めくくる佐藤タイジのMCでは、「来年も絶対やります!」と高らかに宣言。会場は盛り上がり、幸せの気分の中、このフェスが幕を閉じました。

そんな訳で、21日22日の2日間にわたるロックフェス中津川THE SOLAR BUDOKAN。幸運なことに、2日間、全くの雨も降らず大成功のうち幕を下ろしました。ちなみに、ライブが終わったちょっと後にいきなりゲリラ豪雨のような大雨が会場を襲ったとか(私は既にバスに乗り込んだ後でした)。このタイミングの良さといい、実に恵まれたフェスだったと思います。

今回、はじめてのフェスだったのですが、正直、ほとんどマイナス面が見つからないほど、会場の雰囲気、観客のマナー、トイレ、食事、運営その他諸々、文句のないフェスでした。観客の多すぎず少なすぎず。行きも帰りもバスはほとんど待たずに(ただ行きのシャトルバスは時間によっては1時間程度の待ちになったみたいですが)ストレスをほとんど感じませんでした。

今回は太陽光でロックフェスという趣旨で行われたイベント。和田唱や山口洋などもMCで言っていたのですが、やみくもに「反対」を叫ぶのではなく、代替案を提示してポジティブな雰囲気を出しているという点も、このイベントの雰囲気をよくしている大きな要素だったと思います。

また、それに加えて、参加したミュージシャンの面子も絶妙。OKAMOTO'Sや黒猫チェルシーのような期待の若手から、トライセラ、ACIDMANのような中堅、ベテラン勢もBUCK-TICKのような30代40代あたりにアピールできるミュージシャンから、チャボ、泉谷しげるような、もっと上の世代のミュージシャンまでバラエティーに富んでいて、かつ、どのミュージシャンも実力派揃い。正直、最初発表されたラインナップを見た時はちょっと地味かな?とも感じたのですが、どのステージも大満足。いろいろなフェスに足を運びましたが、これだけ「ハズレ」のないフェスも数少ないかもしれません。

そんな幅広いラインナップを反映してか、観客層もかなり広かったのも印象的。10代の若者から、20代30代、さらには家族連れも多かったですし、この手のフェスでは珍しい、50代あたりの観客もチラホラ。まさにすべての世代が楽しめるイベントになっていました。

個人的にいままでいろいろなフェスに足を運びましたが、フジやサマソニ、エゾロック、ここ最近はまっているスキヤキあたりを含めても、会場の雰囲気、運営の良さ、ライブの素晴らしさ、トータルで考えても、私がこれまでに行ったことのあるフェスの中でも指折り上位に入るフェスだったと思います。こんな素敵なフェスが、地元から比較的気軽に行けるような場所で開催されたことがとてもうれしくなりました。是非、来年も開催してほしい!来年も是非とも足を運びたい、そう思ったフェスでした。

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2013年9月29日 (日)

中津川 THE SOLAR BUDOKAN その2

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その1より

←こちらは当日の会場地図とタイムテーブル。クリックすると拡大します。

TRICERATOPS@REDEMPTION STAGE

そして続いては、この日一番のお目当て、TRICERATOPSのステージ。トライセラのライブは正直、かなり久しぶり。このフェスの参戦を決めた要因のひとつが、彼らが参加していたことでした。

この日のステージは、いきなり「FEVER」からスタート。鉄板のナンバーで会場を盛り上げます。さらに「Future Folder」に、新曲「氷のブルー」。新曲は、かなりブルージーなナンバーで、一時しんみりとその演奏に聴き入ります。

その後、機材トラブルがあったみたいで、ちょっと長めのMCに。和田唱のカッコつけたMCは相変わらず。ドラムスの吉田佳史が名古屋出身なので、「中津川は小学校の頃、林間学校みたいなのに来て以来2度目です」というMCに、軽く拍手が起こったり(笑)。ちなみに、同じ名古屋出身の中村達也も、前日、同じことをMCで言っていたとか。そうだよねぇ、名古屋出身者にとって、中津川といえば、小学校の時に行くキャンプですよねぇ(笑)。

さらに続く「Fly Away」は大好きなナンバーのひとつなので聴けたのがうれしかった!「BELIEVE THE LIGHT」はちょっと意外な感じもしたのですが、ゴリゴリのギタープレイを前に出したアレンジに、バンドらしさを前面に出せる曲ということからの選曲でしょうか。そしてラストは「トランスフォーマー」で会場を盛り上げてライブは終了しました。

久々のトライセラのライブでしたが、やはり楽しい!サブステージという小さいステージだったのがちょっと寂しかったのですが、ライブバンドとしての実力をあらためて認識できたライブでした。7月のワンマンに行こうかどうか迷って、結局、このフェスがあったので見送ったのですが・・・また彼らのワンマンには足を運ばなくてはいけないですね!

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山口洋(HEATWAVE)@RESPECT STAGE

トライセラが終わると急いでRESPECT STAGEへ(右の写真)。RESPECT STAGEは、ステージが斜面になっていて、のんびりと芝生の上に座りながら楽しめるステージになっています。ステージに到着したのが16時ちょっと過ぎ。ライブスタートが15時50分だったのですが、もう「次が最後の曲です」というタイミングでした・・・。

でも、その最後の曲が、一番聴きたかったご存知「満月の夕」。ソウルフラワーのバージョンよりも、もっとゆっくりソウルフルな雰囲気。歌詞も結構違っていました。短い時間でしたが、芝生の上に座って、彼の歌声にしばし聴き入ってしまいました。ほとんどライブは見れず残念でしたが、「満月の夕」が聴けて、とても満足することが出来ました。

ACIDMAN@REVOLUTION STAGE

その後もちょっと会場をブラブラしていたのですが、結局はメインステージのACIDMANへ。彼らのライブを見るのもかなり久しぶり。3ピースバンドながらも、かなりの分厚い音を奏でる迫力あるステージが印象的。結局見たのは2曲くらいでしたが、爆音が会場をつつみ込む、圧巻されるステージでした。

泉谷しげる@REDEMPTION STAGE

そして続いては泉谷しげるのステージ。その知名度からか、サブステージながらもかなりの観客が集まっていました。泉谷しげるのライブはもちろんはじめて。音自体もほとんど聴いたことなく、最初はフォーキーなステージになるのかなぁ、と思ったのですが、実際にはじまると、これがなんと楽曲はバンドを率いてのかなりハードでヘヴィーなロック。その年齢を感じさせない迫力のステージにビックリしてしまいました。

さらにそのステージでおもしろかったのはその偽悪的なMC。最初のメンバー紹介ではメンバーがソロパートを弾きだすと、それを「電気の無駄」といきなり止めて「俺より目立つな」と言ったり、1曲目を終わると「次が最後の曲です」といきなり言い出し、観客が「え~」と反応すると「俺だって、次の仲井戸麗市を見たいんだ!」と叫んだり(笑)。さらに、「みんな曲にあわせて飛べ!」という号令のもと、みんなで一緒のタイミングでジャンプすると曲を止め、「無理にあわせるな!北朝鮮じゃないし!」と言い出したり、とにかく最初から最後までユニークなMCで観客を笑わせ、わかせていました。

後半、彼の曲では唯一知っていた「春夏秋冬」を演った時も、最初、みんなで手拍子しだすと曲をストップさせ「手拍子するな!これはじっくり聴く曲なんだ。そんなんだから田舎のロックフェスって言われるんだ」なんてことを言い出したり(笑)。でも、演奏の方は最初から最後まで若手には負けない迫力のあるロックンロールを聴かせてくれました。もう、大ベテランの彼でしたが、現役どころか下手な若手に負けない若々しさを持っていることが実感できたステージでした。

さらに途中、「写真を撮ってブログに載せるの面倒だから、みんな俺のこととってブログに載せろ!」なんてことを言い出して、大撮影大会に(笑)。そのコメントを真に受けて、アップしました↓もし、問題があったらお手数ですが、ご連絡ください。

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仲井戸"CHABO"麗市 with THEATRE BROOK@REVOLUTION STAGE

そして続いては、そのチャボのステージ。この日はTHEATRE BROOKを率いてのステージでした。泉谷しげるのライブで熱狂した後、またビールと軽いおつまみを調達しに行ったため、序盤はちょっと見れず。私がステージ前についた時には、「上を向いて歩こう」をちょうど歌いだしたところでした。RCサクセションのカバーバージョンでの披露で、最後には「永六輔、中村八大、坂本九、・・・忌野清志郎!」とその名前をあげ、観客を沸かせました。

その後は、「こんな天気のいい日に雨の歌を歌うのはなんなのですが」といいながら、ストーンズの「Rain Fall Down」のカバーや「ガルシアの風」などを挟んだ後、やはり一番盛り上がったのは最後でしょう。なんとHEATWAVE山口洋や、OKAMOTO'Sのオカモトショウ、TRICERATOPSの和田唱などをステージ上に呼び寄せ、みんなでRCサクセションの「雨上がりの夜空に」を熱唱。会場は一体となり大盛り上がりとなりました。この時は私も会場前方にかけつけ、一緒に熱唱。感動的な瞬間でした。

その3

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2013年9月28日 (土)

太陽の力で出来たロックフェス

中津川THE SOLAR BUDOKAN 2013

会場 中津川公園内特設ステージ 日時 2013年9月22日(日)

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THE SOLAR BUDOKAN。もともとは昨年12月、日本武道館で、シアターブルックの佐藤タイジ提案の元に実現した、太陽光発電のみで行われたライブイベントでした。そのライブイベントが、野外ロックフェスに拡大し、なんと中津川で開催が決定。地元近くでの珍しい大規模ロックフェスということで参加してきました。

会場は、中津川駅から15分程度の場所。予想以上にかなりきれいに整備された公園で、かなり大きな体育館や、野球場も。また、かなりきれいに整えられた芝生も、一面に整備されていました。

また、会場には太陽光パネルがかなりの量、敷き詰められていました。下の写真の向うに見えるのが、メイン会場のREVOLUTION STAGEです。

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中津川駅から比較的スムーズにシャトルバスで会場に到着したので、一番手OKAMOTO'Sがはじまるまで会場をブラブラ。客の入りも混み過ぎてもなく、少なすぎず、ちょうどよい感じ。会場の中にある体育館の中には、かつて中津川で行われた「中津川フォークジャンボリー」の貴重な資料が展示してあり、過去に同じ中津川で行われたイベントへの敬意を感じられました。

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↑こちらは食べ物のブースが並んだゾーン。ちょっと少なめだったような感じもしましたが、特に混雑もなく、エスニック系から地元の食材をつかった料理まで、おいしくいただけました。

OKAMOTO'S@REVOLITION STAGE

まずこの日一番手でスタートしたのがOKAMOTO'S。個人的に、この日のお目当ての一組。以前からライブを見たかったのですが、今回、はじめてそのステージを見ることが出来ました。

演奏がはじまると、そのタイトなバンドサウンドにまず惹かれました。特にリズム隊が刻むヘヴィーなビートがカッコいい。若手ながらも、バンドとしての実力を感じます。ただ、最初ちょっと残念に感じたのは、それに載るオカモトショウのボーカルがちょっと弱いこと・・・。特に1曲目は英語詞の曲だったのですが、ちょっとつたない英語詞もあって(ニューヨーク出身のはずですが・・・)最初はちょっと「うーん」となってしまいました。

ただ、後半になるとその印象も薄れていきます。オカモトショウがステージ上をアグレッシブに動き回り、観客も朝一番からどんどんとテンションがあがっていきます。後半のルースターズカバー「恋をしようよ」みたいな軽快なナンバーでは、むしろあのボーカルがピッタリ。実力派揃いのこの日のフェスの中では、ちょっと分が悪かった感もありますが、朝一番の会場をしっかりと暖めたステージでした。

黒猫チェルシー@REDMPTION STAGE

続いては、メインステージ横のサブステージで黒猫チェルシーのライブ。黒猫チェルシーのステージを見るのははじめて。個人的には黒基調の服装でのガレージロック、を予想していたのですが、ボーカル渡辺大知は素肌に派手なジャケットといういでたち(笑)。派手な雰囲気の服装は、むしろサイケっぽかったかも。

ちょっと暑くなってきた会場の中、木蔭に入って後ろの方でのんびりと見ていたのですが、ガレージロックというよりはハードロックに近い雰囲気。アグレッシブな演奏を聴かせてくれた、ロックでハードなステージでした。

SOIL&"PIMP"SESSIONS@REVOLUTION STAGE

黒猫チェルシーの後は再びメインステージへ。ジャズバンド、SOIL&"PIMP"SESSIONSのステージ。前見たのが2006年のステージなので、彼らを見るのは久しぶり。ジャズ、とはいっても、その演奏はかなりパンキッシュでジャズよりもロックののりで楽しめるステージでした。

特にメンバーの一人である「社長」は、その役割が「アジテーター」。時には拡声器で観客をあじりまくります。でもこの社長は、恰幅が良い格好に、派手な服装、さらにヒゲをはやしたスタイルがちょっと髭男爵に見えてしまいました(笑)。ただステージは、サックスやトランペットで激しく吹き鳴らされる音や、ウッドベースが奏でるヘヴィーなリズムがカッコよく、ジャムバンドっぽい演奏だったのですが、会場は終始大盛り上がりのステージでした。

私はSOILは途中で引き上げ、昼食を。ホルモン焼きそばと、地元中津川の飛騨牛と、中津川でとれたトマトをつかったカレーライスをおいしくいただきました。

TAIJI at THE BONNET@REDEMPTION STAGE

昼食を食べていると、サブステージから聴こえてきたのがTAIJI at THE BONNETの演奏。このフェスの主催者、佐藤タイジの別働隊バンドなのですが、音もどんなバンドかもはじめて。で、ステージを見ると、どこかで見たことあるような面子が・・・と思ったら、これがかなり豪華なメンバー。ベースはなんとウエノコウジ!ギターはうつみようこに、キーボードに奥野真哉、ドラムスがコレクターズの阿部耕作。小さいサブステージながらも、豪華感まんさいのメンバーでのステージでした。

それだけの面子が集まっているわけなので、その演奏も一級品。最初ステージ前に到着したときは、かなりメタリックな曲を奏でていましたが、その後はハードロックやパンクなどのテイストの強い曲。どれも比較的にヘヴィーな曲でカッコいい!途中、うつみようこがボーカルをとった曲があったのですが、こちらはちょっとメスカリンっぽかったかも。正直、全く知らないバンドで期待もしていなかったのですが、予想以上にカッコいいステージに、途中から思いっきり盛り上がっていました。

BUCK-TICK@REVOLUTION STAGE

さて、続いては結成30年のベテランバンドBUCK-TICKの登場。ご存知80年代から90年代にかけて一世を風靡し、「ヴィジュアル系」に大きな影響を与えたバンド。今なお高い人気を誇り、この日もBUCK-TICKのグッズを身に着けたファンが多く見受けられました。

彼らのステージを見るのは私はこれがはじめて。メンバーは、さすがにあまり「お化粧」はもうしていないものの・・・ボーカル櫻井敦司だけは、全身黒の衣装に、しっかりとメイクが。まさに一人ヴィジュアル系(笑)。いや、でも十分カッコいいです。

そんな彼らのステージは、さすがベテランだけあって、卒のない安定した演奏。ヘヴィーという感じよも、むしろ打ち込みのビートを入れたダンサナブルな楽曲が多く、意外や意外、踊れる曲が多く、こういう野外のフェスでも映えそうな曲を多く演奏してくれました。

特にそんなステージの軸になっていると感じたのが、ドラムスヤガミトールのドラムスで、タイトなドラムスの演奏が彼らのステージをギュッと引き締めているように感じました。トライバルなビートと琉球音階を取り入れた、沖縄音楽の雰囲気を感じる「Memento mori」が彼らの音楽性の広さを感じ、今回のステージの中でもベストな1曲でした。

ちなみにこの日唯一、黄色い歓声が起こったのが彼らのステージ(^^;;途中、櫻井敦司がマイクを観客席に落としてしまうというトラブルがありつつ、ちょっと苦笑いしたものの、その後はステージでのイメージを崩さずに、マイクコードをたぐりよせてパフォーマンスの一部のように見せていたのが印象的でした。

その2へ続く

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2013年9月27日 (金)

渋い!

Title:AM
Musician:ARCTIC MONKEYS

約2年ぶりとなるARCTIC MONKEYSのニューアルバム。全英チャートではデビューアルバム以来、チャート1位という記録を5作連続に伸ばし、ビルボードチャートでも、2ndアルバム「Favorite Worst Nightmare」以来のベスト10入りを記録するなど、ギターロックの大物新人バンド不在が叫ばれる中、着々とその人気を伸ばしています。

前作「SUCK IT AND SEE」では、メロディーをより前に出してきた楽曲が目立っていましたが、新作では一転、ARCTIC MOKEYSらしいヘヴィーでゴリゴリのギターリフを前に出したような曲が目立ちます。特に序盤、1曲目の「DO I WANNA KNOW?」や2曲目「R U MINE?」は、まさにそんなギターリフを前面に押し出した、ヘヴィーロック色が強いナンバー。そのロッキンなバンドサウンドに耳を惹かれました。

そんなバンドとしてのへヴィネスが目立つアルバムでしたが、アルバム全体の印象としては、「渋い」というイメージを抱きました。特に中盤以降、ミディアムテンポのナンバーが目立ち、バンドとしての勢いはあまり感じられません。ただその一方で、力強いバンドの演奏としてその基礎体力を強く感じます。

また、「渋い」という感想は、メロディーラインについても。もともと、突き抜けた派手なメロディーを書くようなバンドではありませんでしたが、今回のアルバムでは、特に哀愁を感じさせるメロディーが目立っています。メロウな「NO.1 PARTY ANTHEM」や、アコギの音色にも哀愁を感じる「FIRESIDE」あたりはまさにその典型例。そのメロディーにも聴き入ってしまう作風でした。

一番最初に、「新人バンド」という書き方をしたのですが、彼らも既にデビューから7年目。新人という時代はとっくに過ぎ、「中堅」の領域に入ってきました(昔ならそろそろ「ベテラン」なのでしょうが、キャリア10年、20年のバンドがざらにいる中では、まだまだ「ベテラン」には早いでしょう・・・)。そんな彼らにとって、バンドとしての底力を感じるサウンドや、哀愁あるメロディーは、中堅バンドとして、勢いだけではない大人の階段を昇った作品に感じました。

アルバムとしては間違いなくいいアルバムだったと思うのですが、ただ、個人的にはちょっと地味なアルバムだったかも。何回か聴いていくと、徐々にはまりそうな予感もあるのですが・・・。

評価:★★★★

ARCTIC MONKEYS 過去の作品
Humbug
SUCK IT AND SEE

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名古屋圏フェス・イベント情報(9/27)

管理人の予定策定という実用を主目的とした、名古屋近辺の音楽イベント一覧。週一で更新の予定。週末中は微妙に変わっているかも。

主な選定基準は

複数ミュージシャンが参加する野外ライブや、複数のイベント会場で同時に行われる、ライブサーキット的なイベント。

ジャンルはポップス全般。ジャズも含む。演歌、クラシックは除く。

場所は、名古屋から新幹線を使わず日帰り圏内。具体的には東海3県と、静岡の掛川あたりまで、長野の木曽地域、滋賀の米原、彦根、長浜あたりまで。

一応、それぞれのイベントに、「行きたい度」をつけました。

行きたい度 ★★★★★ ⇒是非とも行きたいイベント
行きたい度 ★★★★   ⇒出来れば行きたいイベント
行きたい度 ★★★    ⇒お金と時間に余裕があれば。
行きたい度 ★★      ⇒タダ券が手に入り、暇なら。
行きたい度        ⇒行きません。

「行きたい度」はあくまでも管理人の趣味・主観によるものです。そのため、イベント自体の良し悪しとは一切関係ありません。ご了承ください。

9/27 主な更新
・Zip Autumn Square 追加出演者発表
・NAGO-STEP!!!3D 第2弾出演者発表
・KAZOKU FES.2013 最終出演者発表
・森、道、市場~川へ、旅へ~ 最終出演者発表
MusicShower 2013、四日市JAZZフェスティバル、中津川THE SOLAR BUDOKAN 2013 終了

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2013年9月26日 (木)

アルバムでは初の1位

今週のアルバムチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

アルバムでは初の1位獲得です。

1位はavexのダンスグループ、AAA「Eighth Wonder」が獲得。シングルでは過去2作、1位を獲得している彼らですが、アルバムでは初の1位獲得となりました。ただ、初動売上4万6千枚は、前作「777~TRIPLE SEVEN~」の5万4千枚よりダウン。谷間の週に助けられた形での1位獲得となりました。

2位3位には、西野カナのベスト盤が再度ランクアップ。2位に先週3位の「Love Collection~mint~」3位に先週4位の「Love Collection~pink~」という結果になりました。売上的には先週の5万1千枚/4万9千枚から2万6千枚/2万5千枚と大きくダウン。ただ、今後、ロングヒットが期待されます。

続いて、4位以下の初登場。まず4位に小渕健太郎「ツマビクウタゴエ~KOBUKURO songs, acoustic guitar instrumentals~」が入ってきています。ご存知コブクロの小渕健太郎のソロアルバム。「蕾」や「ここにしか咲かない花」など、コブクロの名曲をギターインストでカバーしています。

6位には、人気男性声優宮野真守「PASSAGE」がランクイン。これで2作目のベスト10ヒット。初動売上1万7千枚は、初のベスト10ヒットとなった前作「FANTASISTA」の1万2千枚よりアップ。

7位には・・・こんな位置に入ってきました、浜崎あゆみ「ayumi hamasaki 15th Anniversary TOUR ~A BEST LIVE~」。今年行ったアリーナーツアーの模様を収録した、自身初となるライブアルバム。企画盤ということでファンズアイテムなのですが、それにしても初動売上1万5千枚でこの位置というのはあまりにも寂しい結果・・・。直近はフルアルバム「LOVE again」で、この初動5万3千枚よりダウン。

8位は、ゲームソフト「アイドルマスター」で使われたキャラソンの代表曲を集めたベスト盤765PRO ALLSTARS「THE IDOLM@STER 765PRO ALLSTARS+ GRE@TEST BEST! -THE IDOLM@STER HISTORY-」がランクインしてきています。アイドルマスター関係でのアルバムベスト10入りは、8月12日付チャート10位の「THE IDOLM@STER LIVE THE@TER PERFORMANCE 04」以来。直近作では9月9日付チャートで15位に「THE IDOLM@STER LIVE THE@ATER PERFOMANCE 05」がランクインしています。本作の初動売上は1万4千枚。その前作の初動6千枚より大きくアップ。

9位には韓国の5人組バンドFTISLAND「THE SINGLE COLLECTION」がランクイン。2枚組になるシングルベストですが、初動1万2千枚は、直近のオリジナル「RATED-FT」の3万2千枚より大きくダウン。ベスト盤がこれだけオリジナルを下回るというのは、いかに固定ファン以外に知名度を広げていないということでしょう。

最後10位には、アメリカのプログレッシブ・メタル・バンドDream Theater「Dream Theater」が入ってきています。初動売上1万1千枚は、前作「A Dramatic Turn of Events」の1万2千枚からほぼ横バイ。相変わらず日本での根強い人気を感じます。

今週のアルバムチャートは以上。チャート評は、また来週の水曜日に!

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2013年9月25日 (水)

え・・・まさかの1位返り咲き

今週のシングルチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週1位はなんと返り咲きで1位獲得のEXILE「EXILE PRIDE~こんな世界を愛するため~」が先週の3位からランクアップ。4月15日付チャートから24週ぶりに1位返り咲きとなりました。

シングル1位返り咲きは2007年のミスチル「しるし」以来約6年ぶり。ただしもちろんこれには裏があって、露骨な売上戦略が批判を浴びています。

参考サイト:EXILE、驚愕の「おまけ商法」 CD発売5か月後に「オリコン1位」返り咲き

詳細は参考サイトを参照していただくとして、ただ、EXILEのやり方もあんまりですが、その一方で、複数枚買い戦略が当たり前のように横行しながら、それに対する対策も全く行わないオリコンにも大きな問題があるような感じもしますけどね。これではますます私たちリスナーが感じる「ヒット曲」と、オリコンチャート上の「ヒット曲」が乖離していき、リスナーの音楽離れが加速していくだけなんですが。

そんなEXILEに敗れて初登場2位になったのは元AKB48前田敦子「タイムマシンなんていらない」。まあ、この手の売上水増し戦略といえばAKB48のお家芸なので、自業自得といった感じですが。初動売上6万枚は、前作「君は僕だ」の13万6千枚の半分以下という急減。

続く3位初登場はK-POP。少女時代「GALAXY SUPERNOVA」がランクイン。ガーリーだった前作に比べて、EDM風のナンバーがもうちょっと大人な雰囲気に戻っています。初動売上5万枚。前作「LOVE&GIRLS」の4万2千枚よりアップ。ようやく下げ止まった感も?

続いて4位以下ですが、今週は、1位を除いてすべて初登場という結果に。まず4位に男性アイドルグループLead「GREEN DAYS」がランクイン。メンバーの鍵本輝出演のTBS系ドラマ「ぶっせん」オープニングテーマ。初動4万1千枚は、前作「Upturn」から横バイ。

5位はゆず「友~旅立ちの時~」。かなり壮大な雰囲気のナンバーで、「第80回NHK全国学校音楽コンクール」中学校の部課題曲はいかにもといった感じ。初動売上2万8千枚は前作「REASON」の4万1千枚からダウン。前作は「HUNTER×HUNTER」エンディングテーマだったので売上を伸ばしていましたが、今回はちょっと苦戦気味。

6位には、男装の女性アイドルグループ風男塾「男装レボリューション」が入ってきています。初動売上1万7千枚は、前作「下を向いて帰ろう」の1万5千枚から若干アップで6位は自己最高位。これ、一応「女性アイドル」なんですが、ターゲットは宝塚みたいに女性なんでしょうか?

7位はSCANDAL「OVER DRIVE」。ご存知アイドル色が強い女性4人組バンドなのですが、新作はあの中田ヤスタカが作詞作曲プロデュースで参加して話題になっています。ただ、中田ヤスタカらしいエレクトロナンバーではなく、ギターロック。結果、中田ヤスタカの色はあまり出ていない無難なJ-POPになっていて、あまりおもしろみがない・・・。初動売上1万5千枚は、前作「下弦の月」の2万8千枚からダウンしていますが、こちらは10月にアルバムリリースを控えている影響と思われます。

8位は女性アイドルグループBiS「Fly」がランクイン。BiSはこれが2作目のベスト10入り。初動売上1万4千枚は、前作「DiE」の1万2千枚よりアップ。楽曲はアイドルっぽくないエモロックなナンバーですが、でもこれって結局、ロックリスナー層を狙ってるってのがミエミエで、あざとさしか感じないんですが。

9位はアニメのキャラソン。小日向未来(井口裕香) 「戦姫絶唱シンフォギアG キャラクターソング8(歪鏡・シェンショウジン)」。アニメ「戦姫絶唱シンフォギアG」登場キャラクターによるキャラソン8週連続リリースのラスト。先週10位にランクインした第7弾暁切歌(茅野愛衣) 「戦姫絶唱シンフォギアG キャラクターソング7(獄鎌・イガリマ)」に続くベスト10入り。初動売上1万2千枚も、第7弾の1万枚から若干アップしました。

最後10位には斉藤和義「Always」がランクイン。今回はせっちゃんらしい軽快でウキウキしてくるようなポップナンバー。これで5作連続のベスト10入り。初動売上は9千枚で、前作「ワンモアタイム」から横バイ。

今週のシングルチャートは以上。アルバムチャートは、また明日に!

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2013年9月24日 (火)

雰囲気がガラリと変わった久々の新作

Title:Hesitation Marks
Musician:NINE INCH NAILS

2009年のツアーの後、活動を休止していたNINE INCH NAILS。2013年になり活動再開を宣言し、今年の夏にはフジロックにも出演し、大きな話題になりました。そして、ついに待望のニューアルバムをリリース!2008年に、自身のサイトから先行ダウンロードさせて話題となった「The Slip」以来、5年ぶりとなるニューアルバムとなりました。

このアルバム、最初聴いた時は、その内容に少々戸惑いを覚えました。NINE INCH NAILSといえば、名盤として名高い「The Downroads Spiral」をはじめとするインダストリアル。ガツンと来るヘヴィーなサウンドが特徴的。当然、久々の新作も、そんなヘヴィーな音を期待してアルバムにのぞみました。

しかし、聴こえてきたのはエレクトロのサウンド。もちろん、もともとエレクトロのサウンドは多く取り入れていたトレント・レズナーでしたが、インダストリアル色の薄い軽いサウンドに最初は戸惑いました。

かといって、サウンドの作りこみの見事さはいままでのトレント・レズナーそのまま。ひとつひとつ精密に積み上げたようなサウンドが楽曲にみっちりとおさめられており、かつ、それぞれの曲にバリエーションがあり、リスナーを飽きさせません。間違いなく、アルバムのクオリティーは一級品。でも、この軽いエレクトロサウンドはNINE INCH NAILSがやるべき音なんだろうか??そういう疑問がどうしてもつきまとってしまいました。

ただ、とはいうものの何度か聴くうちに徐々にアルバムの内容にはまっていきました。特に、リズミカルなエレクトロサウンドが心地よい「disappointed」、パンキッシュな「everything」からダンサナブルなビートにかぶるギターサウンドがおもしろい「satellite」の3曲の流れに特にはまってしまいました。他にはトライバルなビートが心地よい「running」も素晴らしかったです。

後半「i would for you」のようにインダストリアルのテイストを残した曲もありましたが、概ね、いままでのNINE INCH NAILSとガラリを雰囲気を変えた今回のアルバム。ひとつのところに留まらず、常に新しい音を求めるトレント・レズナーのスタイルは理解しつつも、正直、今でも「この方向性ならトレント・レズナーでなくてもいいのでは?」という感想も持っています。

しかし、今回のアルバムの出来の良さは、そんな後ろ向きの感想を上回る内容だったと思います。聴けば聴くほど新たな発見がある傑作でした。

評価:★★★★★

NINE INCH NAILS 過去の作品
GhostI-IV
THE SLIP

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2013年9月23日 (月)

人気のミックステープシリーズ第5弾

Title:Dedication 5
Musician:Lil Wayne

Dedication5

アメリカで人気のラッパー、Lil Wayne。彼のミックステープシリーズ、Dedicationの第5弾が発表されました。

[mixtape] Lil Wayne ‘Dedication 5

全29トラック、1時間半以上にも及ぶボリュームのあるミックステープ。いつも豪華なゲストも話題ですが、今回もまた豪華。The WeekndにT.I.、Chance The Rapperらが参加という参加陣が目を惹きます。

29トラックにも及ぶ作品は、これといってコンセプチャルなものは感じず、Lil Wayneから産み出された楽曲を、まずは発表した、といった感じでしょうか。そのため、ある種の自由さを、このアルバムから感じました。

また、その自由さのために、バリエーション豊富なのも今回のアルバムの大きなポイントでしょう。メロウな女性ボーカルを聴かせる「I'm Good」からスタートし、「New Slaves」ではエレクトロの要素もあるトラックが登場。同じエレクトロの要素でも「Started」はミニマルなトラックが耳を惹きます。

その後もトラックがちょっとユーモラスな「Thinkin About You」やちょっと物悲しげでメロウな「Cream」など後半に入ってもバリエーションある楽曲が続きます。

後半、トークを収録したトラックもあり、英語が出来ない私にとっては、何を言っているのかわからないのが残念なところ(^^;;まあ、トークに限らず、ミックステープには和訳がつかないので、リリックの内容が不明なのがちょっと残念なのですが・・・。

そんな感じで、いい意味で統一性ないバリエーションある内容がために、29トラック1時間半以上というボリューム満点のアルバムでしたが、最後まで飽きずに聴くことが出来たアルバム。次から次へと飛び出す楽曲は、次の展開が見えず、そういう意味でもとても楽しめたアルバムでした。

ちなみにダウンロードはこちらもしくはこちらから。興味ある方は是非。HIP HOP好きなら聴き逃せない作品です。

評価:★★★★★

LIL WAYNE 過去の作品
THA CARTER III
THA CARTER IV
Dedication 4


WIRE 12 COMPILATION

毎度おなじみ電気グルーヴ主催のレイヴイベント、WIREに参加したミュージシャンたちの曲を集めたコンピレーションアルバムの、こちらは2012年度版。毎度、豪華なメンバーが顔を並べていますが、今回も王道のテクノナンバーから、実験的なナンバーまで様々。個人的にはトライバルな雰囲気のリズムが心地よいPortable「Albatross」や、まさに王道、フロアでの盛り上がりがCDを通しても伝わってきそうなDUsty Kid「Polybolo」がよかったなぁ。

評価:★★★★★

WIRE COMPILATION 過去の作品
WIRE 06 COMPILATION
WIRE 08 COMPILATION
WIRE 09 COMPILATION
WIRE 10 COMPILATION
WIRE 11 COMPILATION

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2013年9月22日 (日)

懐かしさの中にも新しさが

Title:LIFE ANEW
Musician:高橋幸宏

オリジナルアルバムとしては、4年4ヶ月ぶりとなる高橋幸宏のニューアルバム。今回の作品は、本人のドラム&ボーカルに加え、ギターにジェイムス・イハ、ベースに高桑圭、キーボードに堀江博久、管楽器にゴンドウトモヒコという布陣での作品。バンドサウンドでのアプローチは、ソロでははじめての試みだそうです。

ただ、とはいっても、基本的に楽曲の雰囲気やメロディーラインはいつもの高橋幸宏。確かに、エレクトロのアプローチが目立った最近の作品の中で、ちょっと雰囲気の異なる作品かもしれませんが、ベースの部分は変わりません。

今回のアルバムでは、彼のルーツである60年代や70年代のロック、ポップスからの影響を強く感じるのも大きな特徴。暖かい雰囲気のポップソングには、リアルタイムでその時代の音楽を聴いていない私にもどこか懐かしさを感じます。

そういう意味でも今回の作品、聴いていて安心できる大人のロックに仕上がっています。一流どころをそろえたバンドの布陣は、もちろん安定感もありますし、メロディーラインも、派手なインパクトはないものの、耳にすんなりとなじむポピュラリティーがあり、ある種の人なつっこさも感じました。

しかしその一方で、ところどころエレクトロ的な要素も入っているのがおもしろいところ。オールドスタイルな雰囲気漂う楽曲と、今風のエレクトロの要素が上手く混ざり合っているあたりに、とてもおもしろさを感じさせると同時に、決して「懐メロ」に走ったわけではなく、いまでも最先端で走り続ける高橋幸宏の実力を感じました。

陳腐な言い方かもしれませんが、「とても良質なポップソング」、そう感じたアルバム。広い層の方に文句なしにお薦めできる、そんなアルバムです。

評価:★★★★★

高橋幸宏 過去の作品
Page by Page
GOLDEN☆BEST


ほかに聴いたアルバム

LUCKY/TOWA TEI

豪華ミュージシャンが数多く参加して話題のTOWA TEIのニューアルバム。椎名林檎や浜野謙太、さらには、上で紹介した高橋幸宏をはじめ、細野晴臣、坂本龍一といったYMOメンバーが勢ぞろいしています。そんな豪華メンバーを配しつつ、作品としてはいつものTOWA TEIらしい作品。洒落た雰囲気のエレクトロポップが並んでおり、気持ちよく楽しめることの出来る1枚です。

評価:★★★★

TOWA TEI 過去の作品
BIG FUN
MACH2012

ゆえに、密度の幻想は綻び、蹌踉めく世界は明日を『忘却』す。/te'

相変わらずの意味深タイトルがインパクトありまくりのエモインストバンド、te'の最新作。いつも楽しませてくれる楽曲タイトルは、妙に文学的に走りすぎたのかいまひとつなのですが、肝心の楽曲の中身は素晴らしい演奏を聴かせてくれます。ダイナミックなギター、ベース、ドラムが絡み合うサウンドは、聴けば聴くほど深みにはまっていきそう。ただ、その一方、メロディーは意外とポップにまとまっているだけに、さらっと聴きやすいのも大きな特徴。そのバランスが絶妙で、ここ数作の中で一番の出来ではないでしょうか。

評価:★★★★★

te' 過去の作品
まして、心と五感が一致するなら全て最上の「音楽」に変ずる。
敢えて、理解を望み縺れ尽く音声や文字の枠外での『約束』を。

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2013年9月21日 (土)

初来日のステージも素晴らしかった!

Title:SARAWOGA
Musician:OLIVER 'TUKU' MTUKUDZI&THE BLACK SPIRITS

ジンバブエが産んだアフリカ音楽のスーパースター、オリヴァー・ムトゥクジのニューアルバム。8月に富山で行われたワールドミュージックのフェス「スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド」で初来日を果たし、私も見に行きました。こちらは昨年リリースされたオリヴァーの60枚目(!)となる最新アルバム。ライブの内容も素晴らしかっただけに、もちろん、このアルバムも聴いてみました。

そのライブでも感じたのですが、彼の音楽の特徴は、そのサウンドとメロディーがとても優しいという点。ギターを中心としたサウンドは、ともすればフュージョンっぽささえ感じられそうな、コンテンポラリー色の強いサウンド。メロディーにしても、60歳になる彼の深みのあるボーカルが生かされるような、しんみりと聴かせるものが多いのが特徴的です。

そのため、楽曲としては、かなり垢抜けたものを感じました。やはりアフリカ音楽は、欧米のポップスとはちょっと異なる癖のあるメロやサウンドが多い中で、彼の楽曲はポップという感覚で聴ける、かなり聴きやすい作品なのではないでしょうか。

ただ、その一方で、決してアクの抜けたコンテンポラリー音楽に終わっていない点は強調しないといけないでしょう。アフリカ音楽らしい、ボーカルとコーラスのコール&レスポンズに、オリヴァーの伸びやかで包容力あるボーカルがやはり耳を惹きます。

さらにそこに所々入るパーカッションのリズムがまた魅力的。このパーカッションにからむギターとのコラボもまた絶妙で、それにオリヴァーの伸びのあるボーカルが重なることによって、独特の魅力を生み出して、ついつい聴き入ってしますアルバムになっています。

ちなみに今回のアルバム、2010年に交通事故で亡くした彼の息子に対して捧げられたアルバムだったとか。国内盤についてくる大意訳によると、「Haidyoreke」では「時間は取り戻せないから賢く使おう」と歌ったり、「Unoterera」は「後悔先にたたず」という意味だったり、さらには「Muteuro」は「主の祈り」として、聖書の一節をつかったりしているそうです。さらにタイトルの「Sarawoga」自体が「ひとりぼっち」という意味らしく、息子を失ったその心境を、歌詞から強く感じることが出来ます。

もっとも、先日の「スキヤキ」で行われた、オリヴァーへの公開インタビューの際、ジンバブエで行われたオリヴァーの、なくなった息子に対する追悼ライブイベントに参加した方の話が出たのですが、その時も、決して悲しい雰囲気になることなくエンタテイメントなステージを見せてくれたとか。このアルバムでも、楽曲の雰囲気として暗い部分はほとんどなく、実に楽しく魅力的なポップソングを聴くことが出来ます。あくまでも音楽は楽しむもの。先日のその公開インタビューでも彼は音楽の「癒し」の側面を強調していましたが、様々な背景を抜きにして、純粋にその音を楽しむことこそ、オリヴァーの意図するところかもしれません。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

Election Special/Ry Cooder

昨年11月に行われたアメリカ大統領選挙に焦点をあわせてリリースされた、タイトル通りの「選挙スペシャル」。露骨に民主党を支持し、共和党をこき下ろした内容で、日本で言えば、先日に参院選にあわせて「アンチ自民党」なアルバムを出すようなもの。アメリカのAmazonでのレビューを見る限り、強烈なアンチもいるものの、概ね高評価で受け入れられている点、日本とは政治に対する土壌の違いを感じます。

アルバム自体は、ルーツ志向で、その主張の強さと反して、肩の力が抜けたようなアルバムに仕上がっています。選挙にあわせてリリースするため、必要以上に凝らなかったのが、逆に良い効果となっているのでしょうか?その歌詞の内容はともかく、メロディー、サウンドに関しては、彼らしい傑作になっていたと思います。歌詞にしても、個人的にはこういういいたいことをストレートに主張できる土壌は、アメリカの良い点ですね。日本でも、別に露骨な自民党批判をする必要はないですが、もうちょっと政治に対してメッセージを発するミュージシャンとか増えてもいいと思うのですが・・・。

評価:★★★★★

Ry Cooder 過去の作品
Pull Up Some Dust And Sit Down

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2013年9月20日 (金)

全盛期のライブ音源

Title:LIVE AT SYLVIO'S
Musician:MAGIC SAM&SHAKEY JAKE

以前にも紹介したことがあるのですが、今回紹介するのは、1969年にわずか32歳という若さで夭逝したブルース・ギタリスト、MAGIC SAMのライブ音源。彼は、50年代から60年代にかけて活躍し、その後を期待されながらも若くして世を去りました。「もし、彼が長生きしていたら・・・」という妄想は、ロックリスナーにとってはジミヘンが対象になりそうですが、ブルースリスナーにとってはおそらく彼でしょう。その「妄想」を埋めるかのように、未発表音源が発掘され発売されているのはジミヘンと同様でしょう(もっとも、ジミヘンの場合、生前に録音した大量の未発表録音があるのですが)。

今回のライブ音源は、1966年12月に、シカゴのクラブ、シルヴィオズでのライブの模様を収録したもの。彼と、彼の叔父であるSHAKEY JAKEとのコラボライブでの模様が収録されています。厳密には未発表音源ではなく、80年代にLP、90年代にCDが発売されていたそうですが、現在では廃盤になり入手困難に。それが今回、69年のライブの模様を収録した2曲と、本人へのインタビューをおさめたトラックも追加となり、再リリースとなりました。

MAGIC SAMの音源なのですが、叔父とのコラボライブということで彼がメインを取るのは8曲(+今回追加された2曲)のみ。ただ、SHAKEY JAKEがメインを取るステージでも、彼はバックでギターを弾いており、しっかりとMAGIC SAMの魅力的なギタープレイを味わうことが出来ます。

ジャケット写真には、いかにも普段着といった感じのサムの姿が写っていますが、ライブの雰囲気も、そんなアットホームな雰囲気が漂う、肩の力が抜けたもの。特に、ノイジーなギターサウンドは、迫力があり、ロックリスナーにもカッコいいと十分感じられるのではないでしょうか。エッジの効いたギターを聴かせてくれる「BACKSTROKE」や、ミディアムバラードながらも、力強いギターが印象に残る「SHE'S NINETEEN YEARS OLD」あたりは、サムのギターの魅力を存分に感じることが出来ます。

名盤という評価も高い、彼が生前残した数少ないオリジナルアルバム「WEST SIDE SOUL」発売直前のライブだっただけに、脂ののりきったステージが魅力的。かなりパワフルなギターサウンドを主軸とした、バンドサウンド主体の構成は、ロックリスナーにとっても聴きやすく、また、ブルースの王道路線もしっかりと引き継いでおり、そういう意味では、ロックの原点として、ブルースを聴いてみたいなぁ、と思っているようなロックリスナーにもお薦めできるライブ音源だと思います。

ちなみに10月には、彼のこちらは完全な未発表音源のライブ盤のリリースも予定されているとか・・・こちらも非常に楽しみです!

評価:★★★★★

MAGIC SAM 過去の作品
LIVE 1969 RAW BLUES!

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名古屋圏フェス・イベント情報(9/20)

管理人の予定策定という実用を主目的とした、名古屋近辺の音楽イベント一覧。週一で更新の予定。週末中は微妙に変わっているかも。

主な選定基準は

複数ミュージシャンが参加する野外ライブや、複数のイベント会場で同時に行われる、ライブサーキット的なイベント。

ジャンルはポップス全般。ジャズも含む。演歌、クラシックは除く。

場所は、名古屋から新幹線を使わず日帰り圏内。具体的には東海3県と、静岡の掛川あたりまで、長野の木曽地域、滋賀の米原、彦根、長浜あたりまで。

一応、それぞれのイベントに、「行きたい度」をつけました。

行きたい度 ★★★★★ ⇒是非とも行きたいイベント
行きたい度 ★★★★   ⇒出来れば行きたいイベント
行きたい度 ★★★    ⇒お金と時間に余裕があれば。
行きたい度 ★★      ⇒タダ券が手に入り、暇なら。
行きたい度        ⇒行きません。

「行きたい度」はあくまでも管理人の趣味・主観によるものです。そのため、イベント自体の良し悪しとは一切関係ありません。ご了承ください。

9/20 主な更新
・Zip Autumn Square 出演者発表
・響の森CAMP2013 出演者発表
・東濃フェス2013秋、
Eccentrip Journey-Open Air Party 2013-、飲み放題!ビアガーデン音楽フェス、アイドルウェイブin名古屋ビアガーデンフェス 終了

続きを読む "名古屋圏フェス・イベント情報(9/20)"

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2013年9月19日 (木)

「スキヤキ」のステージを見て購入

Title:SANGRE BUENA
Musician:MARIANA BARAJ

アルゼンチンのシンガーソングライターでパーカッショニスト、マリアナ・バラフのニューアルバム。先日参加した、ワールド・ミュージックフェス「スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド」で来日し、そのステージを見て、はじめてその名前を知り、音を聴いたシンガーでした。その時の情熱的でパワフルなボーカルと、迫力あるパーカッションのリズムに魅了され、ニューアルバムが発売されたばかり、と知り、さっそく購入してきました。

「スキヤキ」の時のステージは、パーカッションのリズムのみをバックとした、ほぼアカペラでその歌声を聴かせてくれました。緊張感あるそのステージがインパクトがありました。今回のアルバムに関しても、そのステージのイメージで聴き始めたのですが・・・アルバムの印象は、ライブとは大きく異なるものでした。

アルバムでは、フルバンドでの演奏がメイン。楽曲によっては、ホーンセッションやストリングスも入り、軽快でにぎやかなサウンドを聴かせてくれています。彼女のボーカルの歌唱力は、このアルバムからも感じられますが、ライブの時のように、その声量を前面に押し出したものではなく、さらりと歌い上げています。

メロディーに関しては、フォルクローレをベースとした、ラテンミュージックの要素をふんだんに感じられるポップス。こちらは、ステージと大きく異なるものではありませんが、パーカッションだけのリズムで味わった時とはイメージが大きく異なります。アルバムを聴いた印象だと、かなり垢抜けたポップなイメージ。ラテンらしい哀愁あふれるメロディーの曲もあるものの、「LA HORA」など、欧米や日本のヒットチャートの中で並んでいても全く違和感のないような、インパクトあるポップなメロディーを聴かせてくれます。

彼女に関しての紹介文を読むと、「ジャズやエレクトロニカの要素」に言及しているのを多くみかけるのですが、今回のアルバムに関しては、こういう要素はなく、基本的にシンプルなポップスに徹しているように感じます。それだけに「ワールドミュージック」というジャンルに関係なく、いい意味でとても聴きやすい内容。特に、フォルクローレの要素とポップスの要素のバランスが絶妙。ラテンらしい要素をきちんと残しつつ、適度に垢抜けたポップに仕上げており、フォルクローレ的な要素を楽しみたい人にも、ポップとして聴きたい人にも楽しめるようなアルバムになっていました。

最初は、ライブで衝撃を受けた、パーカッションのリズムと彼女のパワフルなボーカルが前に出ていないことから、ちょっと残念にすら思ったアルバムでしたが、それとはまた異なる魅力が楽しめたアルバムでした。「スキヤキ」のようなステージも素晴らしかったですが、こういうスタイルでのライブも見てみたいかも。

評価:★★★★★

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2013年9月18日 (水)

女性アイドルグループが目立つ

今週は、アルバム初登場が少なめだったので、シングル、アルバム同時更新です。

今週のシングルチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週1位は、堂本剛「瞬き」が獲得。

本人主演のドラマTBS系ドラマ「天魔さんがゆく」主題歌であるこの曲。本人作詞作曲で、ここ最近続いている、古式ゆかしい雰囲気のするミディアムポップ。1位獲得は2009年リリースの「RAIN」以来、3作4年ぶり。初動9万5千枚は、前作「Nijiの詩」の7万6千枚よりアップしています。

続いて今週2位はまたも出てきました、ハロプロ系の女性アイドルグループJuice=Juice「ロマンスの途中」がランクイン。初動売上3万7千枚。これがメジャーデビュー作ではじめてのベスト10ヒットでいきなり2位初登場となりました。

今週は、この曲を筆頭に、女性アイドルグループが目立つチャートになっています。他に初登場は5位にTHE ポッシボー「乙女!Be Ambitious!」、6位にベイビーレイズ「暦の上ではディセンバー」がそれぞれランクインしています。

THE ポッシボーは初動1万5千枚で、前作「全力バンザーイ!My Glory!」の1万2千枚よりアップ。ベイビーレイズは、ご存知、大人気ドラマNHK朝の連続テレビ小説「あまちゃん」挿入歌。初動1万3千枚は前作「ベイビーアンビシャス!」の最高位15位初動1万1千枚よりアップ。初動売上はタイアップ効果の割りには・・・といった感じですが、今どきアイドル系では珍しい1種リリース(前作は4種リリース)なので、実際には、タイアップ効果はもっとあったのでしょう。

ただ・・・確かに「あまちゃん」はおもしろいドラマで人気があるのは間違いないのでしょうが・・・最近、やたらその関連グッズが目に付いて、公共放送のドラマにも関わらず、やけに商業主義的な部分が気になります。その中で、さすがにこういう形での新人アイドルのプッシュというのは、やりすぎでは?「1種リリース」という点がせめてもの良心かもしれませんが・・・。

他に今週は7位にAKB48「恋するフォーチュンクッキー」、9位にHKT48「メロンジュース」がランクインしており、10曲中5曲が女性アイドル系というチャートになりました。

続けます。3位はEXILE「EXILE PRIDE~こんな世界を愛するため~」が先週9位から6ランクアップでベスト3返り咲き。例のごとく、ライブ会場での売上が加算された模様です。

さて、続いては4位以下の初登場ですが、まず4位にポルノグラフィティ「青春花道」がランクイン。ホーンセッションを入れた軽快なポップチューンがいかにもポルノらしいナンバー。初動売上2万6千枚は、前作「瞬く星の下で」の3万4千枚よりダウン。ここ最近、初動3万枚前後で推移してきましたが、本作ではちょっと落ち込んでしまいました。

そして8位には奥田民生「風は西から」が入ってきました。マツダ企業広告「Be a driver.」オフィシャルソング。彼らしいほどよく力の抜けたギターロックで、ドライブにもピッタリな爽快なナンバー。初動売上1万1千枚は、前作「拳を天につき上げろ」から横バイでした。

初登場最後10位に暁切歌(茅野愛衣) 「戦姫絶唱シンフォギアG キャラクターソング7(獄鎌・イガリマ)」がランクイン。アニメ「戦姫絶唱シンフォギアG」登場キャラクターによるキャラソン8週連続リリースの7曲目。ベスト10入りは5作目月読調「戦姫絶唱シンフォギアG キャラクターソング5(鏖鋸・シュルシャガナ)」以来。初動売上は1万枚で、先週13位にランクインした第6弾雪音クリス(高垣彩陽)「戦姫絶唱シンフォギアG キャラクターソング6(Bye-Bye Lullaby)」の初動1万1千枚から若干のダウンでした。


今週のアルバムチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

こちらはギターロックバンドの初登場が目立ちます。

まず1位はスピッツ。ニューアルバム「小さな生き物」が見事1位獲得です。1位獲得は2007年リリースの「さざなみCD」より6年3作ぶり。ただ、初動売上7万6千枚は、企画盤だった前作「おるたな」の4万8千枚は大きく上回りましたが、オリジナルとして前作「とげまる」の9万5千枚からはダウンしてしまいました。

2位はジャニーズ系アイドル山下智久「A NUDE」がランクインしています。初動売上は6万3千枚で、前作「エロ」の8万枚。ソロでは3作目ですが、10万1千枚→8万枚→6万3千枚と、初動売上の減少傾向が続いています。

3位は、先週1位だった西野カナ「Love Collection~mint~」が2ランクダウン。ちなみに先週2位の「Love Collection~pink~」は続く4位にランクインしています。

さて、今週は初登場があと3枚のみだったのですが、いずれもギターロックバンドの作品。1位スピッツとあわせて、珍しく、ギターロック系が目立つチャートになっています。

8位に氣志團「氣志團入門」、9位ASIAN KUNG-FU GENERATION「ザ・レコーディング at NHK CR-509 Studio」、10位ストレイテナー「Resplendent」がその3枚。まあ、この並びで氣志團を入れるのは微妙という声も聞こえてきそうですが(笑)彼らも立派な「ギターロックバンド」であるわけで。

氣志團はタイトル通りの「入門盤」的なセルフカバーアルバム。初動売上1万1千枚で、前作「日本人」の16位5千枚からアップ。ベスト10入りは2005年の「愛 羅 武 勇」以来、約8年ぶりの返り咲きとなりました。

アジカンは今年4月、NHK BSプレミアムで放送された「ザ・レコーディング ~ASIAN KUNG-FU GENERATION~」で一発録りレコーディングをした音源を収録した企画盤的な内容。初動売上1万枚は、直近作「ランドマーク」の5万2千枚よりダウンしていますが、企画盤的内容を考えると、仕方ないところ。

最後ストレイテナーも5曲入りのミニアルバム。初動売上は8千枚。直近はベスト盤「21st CENTURY ROCK BAND」の初動1万1千枚で、こちらよりダウン。直近オリジナル「STRAIGHTENER」は1万枚だったので、それを考えると、健闘した数字か・・・。

そんな訳で、シングルアルバム一気に更新した今週のチャートは以上。チャート評は、また来週の水曜日に!

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2013年9月17日 (火)

ロックンローラーの共演

JFL 20TH ANNIVERSARY LIVE FOR THE NEXT

斉藤和義/THE BAWDIES

会場 Zepp Nagoya 日時 2013年9月12日(木) 19:00~

Liveforthenext

斉藤和義とTHE BAWDIESの対バンライブに行ってきました!J-WAVEやZIP FMが所属するFMネットワーク、JAPAN FM LEAGUEの20周年を記念して開催されたライブイベント。今、旬のミュージシャン2組の共演に、チケットはあっという間に売り切れる・・・と思ったら、あっさり買えました(^^;;

仕事先から直行し、7時ちょうどに会場入り。意外と売り切れなかった・・・ものの会場はギッシリ満員。なんとか後ろの方に場所を確保すると、すぐにTHE BAWDIESのライブがスタートとなりました。

いきなり「ワン・ツー・スリー~」というシャウトからスタートし、「1-2-3」からスタート。THE BAWDIESはおととしのサマソニ以来2度目のステージなのですが、ライブハウスで見るのは今回がはじめて。とにかくまず感じたのは、音がぶっとく、グルーヴィー。ライブバンドとしての実力の高さを感じます。重低音が身体を揺らすサウンドがとても心地よく、知らず知らずのうちに踊ってしまうステージでした。

序盤は「IT'S TOO LATE」や「ROCK ME BABY」でいきなり観客を盛り上げます。途中のMCは比較的短めで、次から次へと曲を展開していき、勢いのあるステージを見せてくれます。かと思えば、途中「Lemonede」みたいな曲でちょっとクールダウン。さらに中盤では、今度リリースされるという新曲を披露してくれました。この新曲はちょっとソウルテイストは薄めでポップなナンバーになっていました。

途中のMCは、ボーカルのROYが、美容室でドラムスのMARCYに偶然会ったエピソード。普段、ほとんど話さないMARCYらしいですが、美容室ではちょっと別人のように話していた姿に驚いたという話をしていました。

後半も、ファンを盛り上げる盛り上げる。「KEEP ON ROCKIN'」では、観客とコールアンドレスポンズ。そして最後は「HOT DOG」「SING YOUR SOUL」で締めくくり。ライブは最高潮になりつつ、熱いステージが幕を下ろします。ライブは45分程度。ちょっと短い感じもしましたが、彼ららしいとてもストイックなロックンロールを推し進めるステージが印象的。非常に密度の濃い45分間でした。

その後は休憩が入って、斉藤和義の登場です。斉藤和義のライブは、なんと2000年のワンマンライブ以来13年ぶり!(先日のバンプと同じだ・・・)かなり久々のステージとなってしまいました。

そんな彼のステージは、いきなり「やさしくなりたい」からスタート。おなじみのヒット曲に歓声があがります。その後も「月光」と、最近のナンバーが続きました。

せっちゃんのステージは、THE BAWDIESとは異なり、途中、まったりとしたMCをはさみながら、のんびりした雰囲気で進みました。今回のJFL20周年を記念ソング「カーラジオ」や、さらに、せっちゃんもJFLと同じくデビュー20年ということで(だから呼ばれたのでしょうが)、そのデビュー曲「僕の見たビートルズはTVの中」!懐かしい曲の登場にはちょっとうれしくなりました。

さらにその後にはバンドメンバーの紹介があったのですが、その豪華さにもビックリ。ギターはキセルの辻村豪文、ドラムスが玉田豊夢、ベースには初恋の嵐の隅倉弘至、さらにもうひとりギターに、The Birthdayの藤井謙二。この豪華な面子だけに、非常にロックなステージをみせてくれていました。

その後は、また新曲「Always」などをはさみ、こちらもおなじみの「ずっと好きだった」、さらには「ベリー ベリー ストロング~アイネクライネ~」で締めくくりました。

もちろんその後はアンコール。やがてメンバーが再び戻ってくると、これもせっちゃんの代表曲「歩いて帰ろう」へ。これで会場のテンションも一気にあがります。そして、さらにはなんとここでTHE BAWDIESのメンバーが再登場!せっちゃんのバンドメンバーと一緒に、斉藤和義とTHE BAWDIESの共通項ということで、THE BEATLESの「I wanna be your man」を披露してくれました。途中、バリバリのギターソロも加わり、原曲よりもさらにロック度が増した演奏に。なぜかTHE BAWDIESのMARCYはタンバリンを片手に、緊張していたようですが(^^;;会場は最高潮のまま、2組あわせて2時間強のステージが終わりました。

THE BAWDIESと斉藤和義、両者ロックンロールを主軸としながらも、そのステージの雰囲気はかなり異なって感じました。いわば勢いで突っ走り、若々しさを感じられるTHE BAWDIES。一方、グダグダしながらマッタリとした空気をかもしだしながらもライブを進めていく斉藤和義。THE BAWDIESは、どこか危うさを持っているステージながらも、一方ではそれが良い緊張感となり、斉藤和義は安定したステージでどっしりと構えてみることが出来るステージ。ただ、両者、そのスタイルは異なれど、文句なしにカッコいいロックを聴かせてくれました。

THE BAWDIESでも斉藤和義でも踊りまくってしまい、かなりクタクタになってライブ会場を後にしました。それだけ楽しいライブだった、ということで。やはりどちらも最高です!どちらもまた、是非ともライブを見てみたいと思ったステージでした。でも、THE BAWDIESワンマン、なかなかチケット取れないんだよなぁ・・・。

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2013年9月16日 (月)

そろそろブレイクしてほしいが・・・

Title:I'M FREE
Musician:a flood of circle

何の混じりっけなしに、ロックンロールを楽しめるガレージロックバンド。ミッシェル解散後、そういうバンドがなかなかいなくなってしまいましたが、そんな中、無条件でカッコいいといえるガレージロックを奏でる数少ないバンドが彼ら、a flood of circle。ミッシェルの不在を埋めるバンド、といっても過言ではありません。

特に今回のアルバムに関しても、1曲目タイトルナンバーの「I'M FREE」から、インストナンバーの「All The Young Rock'N'Rollers」までの流れが痺れるほどカッコいい!正統派ガレージバンドという装いで、雰囲気もどこか危険な匂いを感じさせる尖ったサウンド。大げさではなく、ミッシェルが好きな人ならば、この前半の構成には心震えるものがあるのではないでしょうか。

ただ、これだけカッコいいロックンロールを奏でていながらも彼ら、なかなかブレイクできません。もっとも、その理由もよくわかるんですよね。最大の理由は、ボーカルがちょっと軽い・・・。ここのサイトでも、彼らのアルバムを取り上げるたびに言及しているのですが、佐々木亮介のボーカルは、端整で聴きやすい反面、軽く、バンドサウンドにマッチするだけの重みがありません。それなので、残念ながら楽曲に重厚感があまり感じられない点、マイナスになっています。

また、この端整なボーカルゆえに、ポップ路線に走ると、急にベタなJ-POPみたいになってしまい、ガグっと来ることも少なくありません。今回のアルバムでも、「Diamond Rocks」あたりがそんな印象を受けてしまいました。

とはいえそれでもここ最近は、以前に比べてそんな弱点の部分が後ろに下がり、ガレージバンドとしての強みがより前面に出てくるようになった感じが。本作も、あれ?といった部分もあったものの、アルバム全体としてはガレージロック好きなら文句なくお薦めできるような傑作に仕上がっていたと思います。

そんな彼らも2007年のデビューからアルバム5枚、ミニアルバム4枚というハイペースでのリリースを続けています。徐々に作品の内容も安定してきただけに、そろそろブレイクしてもいいころかも、と思うのですが・・・。さてさて。

評価:★★★★★

a flood of circle 過去の作品
泥水のメロディー
BUFFALO SOUL
PARADOX PARADE
ZOOMANITY
LOVE IS LIKE A ROCK'N'ROLL
FUCK FOREVER


ほかに聴いたアルバム

May The House Be With You/SUGIURUMN

約5年ぶり(!)となるSUGIURUMNのオリジナルアルバムは、全編歌モノ。ヒダカトオルや曽我部恵一、畠山美由紀、さらに元WINOの吉村潤なんて懐かしい名前も。もっとも、SUGIURUMN自体、懐かしい名前になりつつありますが(^^;;前半はビートが強いロッキンなナンバーが、後半は爽やかなポップチューンが並ぶ構成。特に新鮮さはないものの、壺を押さえたポップな内容が聴きやすいという、いつものSUGIURUMNらしいアルバムになっていました。

評価:★★★★

SUGIURUMN 過去の作品
Midi In Midi Out
Do You Remember That Night?

Diamond In Your Heart/東京スカパラダイスオーケストラ

前作からわずか8ヶ月のインターバルでリリースされたスカパラのニューアルバム。タイトルチューンはthe HIATUS細美武士がボーカルとして参加し、話題となっています。ロッキンなナンバーから歌謡曲風なナンバー、ソウル風ナンバー、バラードナンバーなど、わずか8曲という中に、様々なタイプの曲が収録されているあたりはスカパラらしい音楽性の広さを感じます。

評価:★★★★

東京スカパラダイスオーケストラ 過去の作品
Perfect Future
PARADISE BLUE
WILD SKA SYMPHONY
Goldfingers
HEROES
Sunny Side of the Street
on the remix
Walkin'
欲望

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2013年9月15日 (日)

13年ぶりのワンマン!

BUMP OF CHICKEN 2013 TOUR 「WILLPOLIS」

会場 日本ガイシホール 日時 2013年9月9日(月) 18:30~

Bump_live1

先日、ベスト盤を2枚同時にリリースしたBUMP OF CHICKEN。それに続くライブということで、ベスト盤的な選曲になりそう・・・という期待もあり、久しぶりにワンマンに足を運んでみました。彼らのワンマンライブに行くのは、メジャーデビュー直前の2000年、渋谷クワトロでのライブ以来(!)。実に13年ぶり。イベントなどでのステージも、2004年に「RUSH BALL」で見た以来なので、実に9年ぶりのステージとなりました。

日本ガイシホールは立ち見も出るほど満員。アリーナはブロック制のスタンディングだったので、客の入りとしてはいままで見たここでのライブでは一番だったかも。やがて時間を5分ほど過ぎると、まずは会場にラヴェルの「ボレロ」が流れ出します。それがやがて徐々に大きくなると会場の雰囲気も盛り上がってきて、ライブがスタートとなりました。

最初はなぜかアニメの映像からスタート。ジブリ映画に出てくるような飛行艇にのり、光る石のようなものを捜し求めるショートムービーが数分ながれます。その後、そのアニメを流していたスクリーンが降り、そこにはメンバーが!1曲目「Stage of the ground」からスタートとなりました。

まずライブの第一印象としては、とにかく派手なライブだなぁ、ということでした。アニメ映画からスタートした演出もそうですが、1曲目でいきなり花火も打ち上がり、銀のテープも舞うなど、特効の連続。2曲目「firefly」の時には、大きな風船が観客席の上を舞いました(それも、無線をつかって、曲にあわせていろいろな色に変化していきました)。

Bump_live2

さらにおもしろかったのは、観客全員に配られた⇒このリストバンド。白い部分に無線機がしかけてあり、曲にあわせてバンドの部分が光ります。私のリストバンドは黄色だったのですが、他にも赤や緑、青、白などがあり、それが順番に点滅していき、とてもきれいな風景が観客席に広がり、ファンとしてもそれによって一体感を覚える演出になっていました。

前半はそんな特効の連続で会場は盛り上がり、MCへ。いや、久しぶりのライブなので感想がちょっと「いまさら」感があるのは申し訳ないのですが、最近のバンプのMCはベースのチャマこと直井が担当しているんですね~。昔の藤原の毒舌満載の粋がったMCのイメージが(13年たった今でも(^^;;)強かっただけに、予想以上に「普通」のMCだったのは、ちょっとビックリしました。

その後は「sailing days」でまた盛り上がった後、しんみりと聴かせる曲のコーナーへ。「ゼロ」「プラネタリウム」「花の名」としんみりと聴かせてちょっとクールダウンした後は、藤原君の「この曲知ってる?」というワンフレーズ聴かせて会場が盛り上がり「うれしいよね」と答えた後は「ダイヤモンド」へ!13年前にも聴いた懐かしいメジャーデビュー曲に、私個人もうれしくなってしまいました。

それが終わると、なんとメンバー全員がステージ上から観客席へ。ファンと握手をしながら、会場後方に設けられたセンターステージへと移ります。ここでアコースティック編成で「グッドラック」、さらにユーモラスな「かさぶたぶたぶ」を披露してくれました。後方のファンにとっては、思わぬ間近での演奏に、会場はまた盛り上がります。

そして再び前のステージへ。ここからは一気に盛り上がります。「メーデー」「カルマ」個人的に聴きたかった「車輪の唄」ときておなじみ「天体観測」へ。最後は「fire sign」で締めくくり。後半は再び大きな風船が会場を舞い、最高のテンションのまま本編が終わりました。

もちろん、その後はアンコールへ。こちらは意外とあっさりメンバーが再登場。Tシャツなどの物販宣伝のMCをやった後、「宇宙飛行士への手紙」そして「真っ赤な空を見ただろうか」で締めくくりました。最後は、ステージ上から観客をバックとして記念撮影。さらにメンバー全員でまた観客席に降りたり、タオルなどを観客席に投げ入れたり。最後は、チャマが敬礼のポーズで「WILLPOLISツアー、行ってまいります!」と宣言し、会場を去っていきました。

さて、そんな訳で、13年ぶりのバンプワンマン。まずはとても楽しかったです!というか、この間のベスト盤を聴いてから、久しぶりにバンプ熱が再燃しているかも(笑)。いまさらながらですが、やはりバンプはいい曲をたくさん書いているなぁ。全2時間半のライブ。あっという間のとても楽しい時間でした。

ただ、ライブ自体を言えば、ちょっと不満も。まず第一に音が悪かった・・・(苦笑)。さすがに13年前のような演奏の酷さはなかったとはいえ、決してライブで魅了されたり、その音に圧倒されたりするようなステージではなく、バンプの曲が好き!という方でないと、積極的にはお薦めしがたいかも。また、2時間半という長さの割りにはちょっと曲が少なめだったのも残念。「K」とか「ガラスのブルース」とかも聴きたかったな・・・。

チャマを中心としたMCもすっかり丸くなってしまいましたし(笑)、メンバー4人が和気藹々と演っている雰囲気のステージは好印象だったかも。特効やスクリーンでの演出をバリバリ使ったステージに、さすがはアリーナクラスの人気のミュージシャンだ、と感じました。

しかし一方で、楽曲自体はあくまでも4人のみ。とてもシンプルなギターロックで、演出抜きにステージ上の彼らだけ見つめると、その演奏スタイルは13年前と変わりません。ともすれば、そのまま下北沢のライブハウスで演奏できそうなスタイル。いくら大きくなっても、ギターロックバンドとして、変わらない部分を持ち続けている彼らの姿に、うれしくなりました。

そんな訳で13年ぶりのワンマンでしたが、次はもうちょっと短いスパンで行きたいなぁ。心に染みるような名曲の数々に、幸せな気分になれるライブでした。

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2013年9月14日 (土)

76歳の新作が2枚組!

Title:RHYTHM&BLUES
Musician:BUDDY GUY

御年76歳。数少なくなってしまったブルースのリビング・レジェンド、BUDDY GUY。昨年のフジロックにも来日し、その元気な姿を見せてくれましたが、なんと、またもやニューアルバムをリリース。それも2枚組でのリリースというのが驚きです。

その2枚は、タイトル通り、「RHYTHM」盤と「BLUES」盤の2枚。基本的に大きな差はありませんが、あえていえば「RHYTHM」は、よりソウル、あるいはブルースロック色が強い作品が並び、「BLUES」には、王道のブルース色の強い作品が並んでいました。

また、今回のアルバムで大きな特徴は、多くのロックミュージシャンがゲストとして参加している点。「Evil Twin」では、エアロスミスのスティーヴン・タイラー、ジョー・ペリー、ブラッド・ウィットフォードと共演。さらには「Blues Don't Care」では、最近話題の若手ギタリストGary Clark, Jr.が参加しています。豪華なゲスト陣が、彼のリビング・レジェンドとしての地位を裏付けています。

さて、そんな新作ですが、BUDDY GUYは、相変わらずギターをギュンギュンと弾きまくっています。76歳になっても全く衰えるところなし。現役感バリバリで、力強いプレイを聴かせてくれています。ゲストが多く参加していますが、そんなゲストに遠慮することなし(笑)。正直、あまりゲストは目立たなかった感じが・・・。

ただ、そのBUDDY GUYのパワーとは反面、アルバムの内容的には、ちょっと物足りなさを感じました。特に「RHYTHM」盤の方は、全体的にいかにもなブルースロックといった感じ。少々様式化されてしまっているように感じましたし、サウンドをにぎやかに色づけした結果、大味になっているようにも思いました。

「BLUES」盤の方も・・・ま、こちらも典型的なブルースといった感じですが、それでももうちょっと音的には引き締まった感じがして、こちらに関してはかなり楽しめました。

全体的にはBUDDY GUYの現役感にうれしく感じながらも、ちょっと物足りなさが否めないアルバム。そういう意味で4は、その変わらぬお元気な姿に敬意を表しての★1つ追加といった感じで・・・。でも、これだけお元気なら、また是非日本にも来てほしいなぁ。

評価:★★★★

Buddy Guy 過去の作品
LIVING PROOF
Live at Legends

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2013年9月13日 (金)

アメリカンロックの伝統継承者?

Title:MADE UP MIND
Musician:TEDESCHI TRUCKS BAND

現代の3大ギタリストの一人といわれるデレク・トラックスと、その奥さんで、ブルーギタリストのスーザン・テデスキを中心とするバンド、デデスキ・トラックス・バンド。デビュー作である前作「Revelator」が大きな話題となり、グラミー賞で最優秀ブルース・アルバム賞を獲得するなど、高い評価を受けました。

本作は、そのデビュー作に続く2作目。ブルース・ロックを主軸に、ファンクの要素を取り入れたり、シタールを取り入れたりした前作に比べると、本作はまとまりもあり、よりその方向性が明確になっていました。そして、1曲目の「MADE UP MIND」をはじめ、デレク・トラックスが鳴り響かせるブルージーなギターサウンドは相変わらずしびれるものがあります。そして、それにのる、スーザンのボーカルは、ちょっと泥臭さのあるサウンドに、ちょうど良い清涼感を与えています。

また、ブルース・ロックという軸をベースとしながらも、「PART OF ME」のようなソウル色の強い曲、一方では「WHISKEY LEGS」などハードロック色の強い曲などをバランスよく聴かせてくれます。ブルース、ロック、カントリーなどの要素を様々取り込み、ルーツ・オリエンテッドに仕上げた楽曲は、古き良きアメリカ・サザンロックといった色合い。まさに、ジャケット写真のバッファローと蒸気機関車の世界です。

ただ、それだけに、楽曲としては少々様式化しちゃっている部分もあったのでは?という印象も受けました。前作も、どこか新鮮味の欠ける部分を感じたのですが、本作は、さらに古き良き時代のアメリカンロック路線を突き進んだ結果、どこかで聴いたことがあるような雰囲気になってしまったように思います。

よくも悪くも優等生的なバンドだよなぁ。確かにこういうタイプのブルースロックは、今の時代、ともすれば「伝統を継承する」ようなスタンスになってしまうのかもしれません。まあ、こういタイプの音を求める人がいる限り、少々様式化してもこういう音を聴けるのがうれしいのかもしれませんが・・・。

もっとも、そのブルージーに聴かせるギターといい、メロディーといい、バンドの演奏といい、どれもクオリティーは十分に高いもの。そういう意味では、決して悪いアルバムではないと思うのですが、聴き終わった後、ちょっと物足りなさも感じるアルバムでした。

評価:★★★

TEDESCHI TRUCKS BAND 過去の作品
Revelator

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名古屋圏フェス・イベント情報(9/13)

管理人の予定策定という実用を主目的とした、名古屋近辺の音楽イベント一覧。週一で更新の予定。週末中は微妙に変わっているかも。

主な選定基準は

複数ミュージシャンが参加する野外ライブや、複数のイベント会場で同時に行われる、ライブサーキット的なイベント。

ジャンルはポップス全般。ジャズも含む。演歌、クラシックは除く。

場所は、名古屋から新幹線を使わず日帰り圏内。具体的には東海3県と、静岡の掛川あたりまで、長野の木曽地域、滋賀の米原、彦根、長浜あたりまで。

一応、それぞれのイベントに、「行きたい度」をつけました。

行きたい度 ★★★★★ ⇒是非とも行きたいイベント
行きたい度 ★★★★   ⇒出来れば行きたいイベント
行きたい度 ★★★    ⇒お金と時間に余裕があれば。
行きたい度 ★★      ⇒タダ券が手に入り、暇なら。
行きたい度        ⇒行きません。

「行きたい度」はあくまでも管理人の趣味・主観によるものです。そのため、イベント自体の良し悪しとは一切関係ありません。ご了承ください。

9/13 主な更新
・太陽の宴2013 開催決定!
・今池"遊覧"音楽祭 追加
・ピーストライブ2013 追加
・KAZOKU FES.2013 第4弾出演者発表

・森、道、市場~川へ、旅へ~ 第3弾出演者発表
・TOYOTA ROCK FESTIVAL 最終出演者発表

続きを読む "名古屋圏フェス・イベント情報(9/13)"

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2013年9月12日 (木)

着うた系ミュージシャンのベスト盤が上位に

今週のアルバムチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

2作同時リリースのベスト盤が、ワンツーフィニッシュ

今週は、デビュー5周年となる西野カナの、2枚同時にリリースしたベスト盤が1位2位を獲得。1位「Love Collection~mint~」2位「Love Collection~pink~」という結果になりました。

初動売上はそれぞれ14万7千枚と14万6千枚。ベスト盤ながらも直近のオリジナル「Love Place」の16万7千枚からダウンしており、厳しい結果で、浮動ファン層をほとんど確保できていない状況の模様。ちなみに西野カナといえば、「会えない」歌詞が話題に(というよりも嘲笑)なっていますが、先日、タモリが「会えないことに憧れている」と言った発言が的確すぎて膝を打ちました。今の時代、ネットの普及でいつでも繋がることが容易になってしまったために、「会えない」という状況にある種の憧れを抱いているのでしょうか。

西野カナの歌詞のチープさも話題ですが、個人的にはそれを上回っているのが(苦笑)3位初登場ソナーポケット「ソナポケイズム SUPERBEST」。こちらもベスト盤です。奇しくも西野カナ、ソナーポケットという、着うたで人気を獲得したミュージシャンのベストが今週は上位に並びました。こちらは初動売上4万5千枚で、直近のオリジナル「ソナポケイズム4~君という花~」の3万9千枚からはアップ。

続いて4位以下の初登場曲ですが、まずは4位。絢香「遊音倶楽部~1st grade~」が入ってきています。新作はJ-POPのカバーアルバム。ミスチル、サザン、スピッツ、平井堅、さらには斉藤和義やRADWIMPSと、男性シンガーのカバーが多く、なんとな~く、彼女の好みのタイプの方向性が読み取れるようなカバーに?

6位にはハロプロ系アイドルグループ℃-uteの8枚目となるアルバム「(8) Queen of J-POP」がランクイン。かなり大胆不敵なタイトルですが(苦笑)。初動売上は1万1千枚。前作はベスト盤「(2)℃-ute神聖なるベストアルバム」で初動1万6千枚最高位12位、オリジナルとしての前作「第七章『美しくってごめんね』」は初動6千枚最高位15位。℃-uteといえば、シングルチャートでは上位の常連ですが、アルバムではこれが2作目のベスト10入り。シングルでは直近の「悲しき雨降り」が初動で6万枚も売っていますから、いかに水増しされたか・・・・・・。

初登場最後。10位にはイギリスのロックバンド、ARCTIC MONKEYS「AM」がランクインしています。ベスト10入りは2009年の「Humbug」で記録した4位以来2作ぶり。ただし、初動売上は7千枚とベスト10としてはかなりの低水準で、前作「Suck It And See」の最高位12位初動1万枚よりダウンしてしまっています。

さて、今週はまたしても返り咲き組が。8位に、ロングヒットを続けているCHRIS HART「Heart Song」が先週の13位からランクアップで2週ぶりにベスト10に返り咲いています。売上も7千枚から8千枚にアップ。ベスト10入りは、低水準のヒットチャートに助けられてのものですが、相変わらず根強い人気を感じさせ、まだまだロングヒットは続きそうです。

今週のアルバムチャートは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2013年9月11日 (水)

対馬海峡マッチ?

今週のシングルチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週1位2位は日韓のアイドルグループが獲得。

1位はAKB48の姉妹グループで福岡を拠点とするHKT48の2枚目のシングル「メロンジュース」が獲得。初動売上は26万枚で、前作「スキ!スキ!スキップ!」からは微増。一方2位は韓国のアイドルグループ東方神起「SCREAM」。初動13万4千枚で、こちらは前作「OCENA」の14万枚から若干のダウンとなっています。映画「貞子3D2」主題歌。3なのか2なのかよくわかりませんが、それ以上に和製ホラーの代表格「貞子」の主題歌にK-POPって、その選曲センスってどうなの?

福岡のグループと韓国のグループでさながら対馬海峡マッチとなった今週。もっとも「福岡のグループ」といってもAKBがらみのこの手のグループは、形だけ拠点を地方においても、地方性はあまり感じられないのですが。もっとも、それはK-POPも、韓国のグループというだけで音楽的に韓国っぽさを感じられない点、一緒なのですが。

3位はavexのダンスグループAAA「恋音と雨空」。彼らにしてはちょっと珍しいタイトルですが、今回は聴かせるミディアムナンバーになっています。初動売上3万7千枚は、前作「Love Is In The Air」の4万7千枚からダウン。

続いて4位以下の初登場曲です。4位はアイドルグループCheeky Parade「無限大少女∀」。初動売上2万8千枚は、前作「C.P.U!?」の1万8千枚よりアップで4位は自己最高位タイ。

5位には女性シンガーソングライターmiwa「Faraway」が初登場。フジテレビ系アニメ「銀の匙 Silver Spoon」オープニングテーマ。キュートな感じのかわいらしいポップソング。初動売上2万2千枚は、前作「ミラクル」の2万3千枚から微減。ただ、前作はアルバムの先行シングルだったことを考えると、思ったより苦戦気味か。

そして今週7位から10位まで並んだのがテレビアニメ「Free!」のキャラクターソング。

7位 松岡凛「TVアニメ『Free!』キャラクターソング Vol.3/Break our balance」
8位 竜ヶ崎怜「TVアニメ『Free!』キャラクターソング Vol.5/DIVE&FLY」
10位 葉月渚「TVアニメ『Free!』キャラクターソング Vol.4/FUN!!」

いずれも今風のエレクトロアレンジを用いていますが、アイドルテイストを前面に押し出していて、ファン以外はちょっと聴くのが辛いかも。表題通り、キャラソンの第3弾から第4弾で、Vol.1、Vol.2は8月19日付チャートで、それぞれ17位、16位にランクイン。ただ初動売上高は、Vol.3が1万8千枚で、Vol.2の1万6千枚は上回りましたが、その他はそれぞれ1万5千枚、1万4千枚という結果に。低水準のチャートに助けられてのベスト10ヒットになりました。

今週のヒットチャートは以上。アルバムチャートはまた明日に!

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2013年9月10日 (火)

頭からっぽにして楽しめる

Title:Right Thoughts,Right Words,Right Action
Musician:FRANZ FERDINAND

前作からすっかり間があいてしまいました、イギリスのロックバンド、FRANZ FERDINANDの約4年ぶりとなるニューアルバム。そんな久々のニューアルバムは、彼ららしい聴いていて楽しくなるアルバムに仕上がっていました。

思えば前作「TONIGHT」では、それまでもポップではじけたようなダンスミュージック路線から一歩後退し、新たな一歩を踏み出したものの、FRANZらしさが薄れてしまい、少々物足りなさを感じるアルバムでした。

それから4年7ヶ月。前作が思ったほどの出来ではなかったので期待半分不安半分で今回のアルバムを聴いたのですが・・・まず1曲目「Right Action」を聴いた段階で、「お、このアルバムは期待できるかも!」と感じました。この「Right Action」は、実にFRANZらしいダンサナブルなギターロック。ポップなメロディーラインに、軽快なギターリフが妙に人懐っこい楽曲で、聴いているだけで楽しくなってくる楽曲でした。

そんな彼ららしい軽快なポップソングは次から次へと続いて行きます。「Love Illumination」は、前作を彷彿とさせるようなちょっと憂いを帯びたメロディーながらも、軽快なダンスポップに仕上がっていますし、「Stand On」も同様に人懐っこいメロディーラインに、途中の転調が癖になるような彼ららしいポップソング。

そして中盤のインパクトとなっているのが「Bullet」。こちらも勢いのあるダンスポップで、つんのめるようなテンポのリズムに、インパクトあるポップなメロディーが耳に残ります。後半にはミディアムテンポの楽曲もありますが、基本的にリズミカルなポップソングが主体。アルバム全体35分という短さもあり、勢いが持続したまま、あっという間に聴けてしまう作品になっていました。

転調を多用した癖のあるメロディーに、音数を絞ったシンプルなアレンジという特徴も、いままでの彼ら通り。難しいことを考えずに、ポップなメロディーラインとダンサナブルなリズムを楽しめるアルバムで、素直に音楽の楽しさを味わえる、そんなアルバムでした。

前作「TONIGHT」は、次の一歩に進んでいく作品、というように感じました。ただ、長いインターバルを置いてリリースされた新作は、次の一歩というよりも、再び原点を見つめた作品のように思います。逆に、「TONIGHT」で少々迷走気味になりはじめ、本作で仕切りなおした、というのが正しい見方だったのかもしれません。次はもっと短いインターバルで新作を、期待しています。

評価:★★★★★

FRANZ FERDINAND 過去の作品
TONIGHT

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2013年9月 9日 (月)

高揚感あるリズムが魅力的

Title:800% NDAGGA
Musician:JERI-JERI

今回紹介するアルバムは、ジャンル的にはアフリカ音楽。ただし、このJERI-JERIというプロジェクトは、ドイツはベルリンに拠点を置くジャーマン・ミニマル・テクノのプロデューサー、マーク・エルネストゥスによる企画。彼が、アフリカはセネガルのダンス音楽、ンバラのミュージシャンたちとコラボして作り上げたプロジェクトがJERI-JERIだそうです。

今回のプロジェクトは、誤解をおそれずにいってしまえば、イメージ的には非常にアフリカらしい音を聴くことが出来ます。全編にパーカッションのリズムが流れ高揚感あふれます。それもポリリズムの複雑なリズムは、身体が動き出すのと同時に、そのリズムにも聴き入ってしまう魅力が。そこへ重なる現地ミュージシャンの伸びやかなボーカルが、妙な呪術的な雰囲気をかもし出しています。(もっとも、アフリカの音楽=パーカッションが鳴り響く音楽では決してないことは重々承知ですが)

全編高揚するポリリズムの響きは、アフリカ音楽としての魅力以上に、ダンスミュージックとしても非常に魅力的に感じます。特に今回のアルバムで感じるのは、やはりマーク・エルネストゥスの手によるプロジェクトだからでしょうか、どこか垢抜けた部分を感じました。

例えば「MBEUGUEL DAFA NEKH」などは、トランシーなリズムは、むしろクラブ音楽に直結するものを感じますし、「BAMBA」のリズムも、少々ダビーな雰囲気を醸しており、こちらもどこか垢抜けたものを感じました。

そういう意味では、アフリカ音楽や、アフロビートなどが好きな人もはまりそうな反面、ダンスミュージック好きにもお薦めできそうなアルバム。アフリカ音楽の入口としてもちょうどよいかも。彼らを聴いた上で、同じセネガルのスーパースター、ユッスー・ンドゥールあたりを聴いてみるのはいかが?「ワールドミュージック」の範疇ですが、そういう枠組みにはまらず、比較的多くのリスナーにお薦めできそうな傑作です。

ちなみに同時発売で、このアルバムのダブヴァージョン「Ndagga Versions」も発売されています。こちらも聴いてみようなぁ。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

DAYS GO BY/THE OFFSPRING

相変わらず特に日本では高い人気を誇るメロコアバンドの4年ぶりとなる新作。相変わらずオフスプらしい、人なつっこいメロディアスな曲が魅力的で、メロコア好き、洋楽リスナーに留まらず、普段邦楽しか聴いていない人にもアピールできそう。ただ、さすがに彼らも大人になったからか、楽曲はいままでに比べるとちょっとおとなしめで、メロディーを聴かせるような曲が多かったような。

評価:★★★★

THE OFFSPRING 過去の作品
RISE AND FALL,RAGE AND GRACE

Fortune/CHRIS BROWN

前作「F.A.M.E.」はよくありがちなポップソングという感じでいまひとつ面白みを感じなかったのですが、最新アルバムではさすがにその本領を発揮か?今回もエレクトロアレンジのポップソングがメインなのですが、メロウでポップな楽曲が、耳の残る良質なポップアルバムに仕上がっていました。

評価:★★★★

CHRIS BROWN 過去の作品
F.A.M.E.

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2013年9月 8日 (日)

デビュー20周年

Title:イエモン-FAN'S BEST SELECTION-
Musician:THE YELLOW MONKEY

昨年、デビュー20周年を迎えたTHE YELLOW MONKEY。2004年の解散から、そろそろ10年近くが経つのに、いまだに高い人気を誇っています。このアルバムは、そのデビュー20周年企画の最後を飾るベストアルバム。ファン投票により上位となった楽曲を集めたアルバムだそうです。

ちなみに、このなんともいえないジャケットを飾っているのはお笑いコンビ・野性爆弾の川島邦裕だそうです。Amazonのレビューを見る限り、かな~~り評判悪いんですが(笑)。まあ、もっとも、この奇妙さからいって、評判悪いこと前提で狙ったとしか思えないのですが(笑)。

また、今回アルバムタイトルになった「イエモン」という略称。コアなファンからは敬遠されていたそうですが(よくある話)、「イエモン」という愛称を受け入れてもらうため、また、新しいファンにも手にとってもらえやすいように、あえてこのタイトルにしたとか。

そういうこともあって、80分55秒という、CDとしては最長の時間となったものの、アルバム1枚に収まったというのは、新しいファン向けなのでしょうか。最近リリースされる、いわゆるオールタイムベストは、多くが3枚組。でも、そういうアルバムってボリュームが多すぎて、手を取るのにちょっと躊躇しちゃうんですよね・・・。そういう意味では、まさに初心者向けのアルバムと言えるかもしれません。

さて、肝心の内容なのですが、名曲揃いなのは言うまでもありません。ファン投票の上位16曲を、カウントダウン形式で並べただけという構成も、無骨といえば無骨。ただ、ファンにとっては、どうしても「自分だけのベスト」とかけ離れてしまう部分もあるのでしょうから、変な調整が入らないほうがいいのかも。

で、あらためて彼らの曲を聴くと、いまさらながらなのですが、THE YELLOW MONKEYって、歌謡ロックの完成形だ、という印象を受けます。日本人の壺をつくような、どこか和風、歌謡曲っぽいメロディーながらも、その一方ではグラムロックやオルタナロックなど、洋楽ロックの影響も強く感じます。そのため、90年代のバンドブーム以降、いまだにJ-POPを席巻するビートロックバンドみたいに、ベタなポップになることもなく、かといってクレイジーケンバンドみたいに、「歌謡曲」の面を強く出すこともなく、まさに日本だけのロックのスタイル「歌謡ロック」を見事に体現化したバンドのように思います。そういう意味では、もっと評価されていいバンドなのかも・・・。あらためて彼らの実力を感じたベストアルバムでした。

評価:★★★★★

THE YELLOW MONKEY 過去の作品
COMPLETE SICKS


ほかに聴いたアルバム

HOMELAND 11 blues/tacica

フルアルバムとしては、約2年ぶりとなるtacicaの新作。tacicaというと、最近ボーカルの猪狩翔一がチャットモンチーの橋本絵莉子との結婚を発表し多くの野郎ロックファンのやっかみの対象となり話題となりました。

ただ、彼らのアルバムは何枚か聴いているのですが、どれもポップなメロディーが悪くはないのですが、良くありがちなギターロックバンドの枠組みを出ておらず、いまひとつインパクトが薄いような・・・。その印象は残念ながら本作でも変わらず。聴いている時はそれなりに楽しめるものの、後に残らないアルバムでした。

評価:★★★

tacica 過去の作品
jacaranda
jibun

ASOBITUNES

原宿で、様々なイベントを行い、中田ヤスタカやきゃりーぱみゅぱみゅなど、多くのミュージシャン、モデルが所属するイベント会社、ASOBISYSTEM。そこの所属ミュージシャンの楽曲を集めたオムニバスアルバムがリリースされました。なんといっても、capsuleやきゃりーぱみゅぱみゅなど、今をときめくミュージシャンたちの楽曲が収録されているだけに、大きな注目を集めました。

中田ヤスタカ・・・とイメージされるように、基本的にはいま流行りのEDMの楽曲がメイン。さすがに中田ヤスタカがらみの楽曲については文句なしに楽しめる名曲ばかりでしたが、一方では、よくありがちなEDMという感想に留まってしまうような曲もチラホラ。総じて、エレクトロが好きなら最後まで楽しめるアルバムだとは思うのですが、玉石混合、という印象も同時に受けたオムニバスでした。

評価:★★★★

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2013年9月 7日 (土)

クリープハイプがブレイクした訳

Title:吹き零れる程のI、哀、愛
Musician:クリープハイプ

メジャーデビューシングル「おやすみ泣き声、さよなら歌姫」が、いきなりオリコン7位に初登場し、一躍話題のバンドとなったクリープハイプのメジャー2枚目のアルバム。このアルバムもオリコンチャート6位にランクインしており、今、最も注目されるバンドの一組です。

まず耳に残るのは作詞作曲を主に手がけるボーカル尾崎世界観の声。彼のハイトーンボイスが絶妙なインパクトがあります。かなり癖のあるボーカルなので、最初はちょっと聴き続けるのは厳しいかなぁ・・・とも思うのですが、聴けば聴くほど、クリープハイプの曲になくてはならないものになっているから不思議です(笑)。

このハイトーンボイスが、楽曲を中性的なものとするのでしょう。孤独を抱えたような人の恋愛などの感情を描いた歌詞が特徴的ですが、楽曲によって、あるいは聴く人によって主人公が男性にも女性にも取れるのは、このハイトーンボイスがあるから。

また、楽曲自体も基本的にはシンプルなギターロック。もちろん、これだけ人気のあるだけ、メロディーには十分なインパクトがあります。ただ、楽曲自体、ずば抜けて個性的か、と言われるとまあ、よくあるタイプ。しかし、尾崎世界観のハイトーンボイスが加わることにより、クリープハイプのみが持つ大きなインパクトを与えています。

もうひとつ、彼らがこれだけ一気にブレイクした大きな理由は、歌詞の構成にあるように思いました。例えば「ラブホテル」でいきなり「夏のせい」を3回繰り返すサビは、いやでも頭にこびりつきます。「夏のせい」というわかりやすいキーワードを、いきなり冒頭に持ってきて、かつ3回も繰り返すという構成だけで、グッとリスナーを惹きつけられてしまいます。

さらに「社会の窓」では

「オリコン初登場7位その瞬間にあのバンドは終わった
だってあたしのこの気持ちは絶対シングルカット出来ないし」

(「社会の窓」より 作詞 尾崎世界観)

と、デビューシングル「おやすみ泣き声、さよなら歌姫」が、いきなりオリコン7位になったことすら歌詞のネタとして、ここらへんもリスナーの耳を惹きつけます。

こういうインパクトある歌詞を、楽曲の肝となる部分に上手く織り込んでいるなぁ、と感じます。彼らがこれを意識的にやっているのか無意識なのかはわかりませんが、こういう歌詞構成の上手さこそが、彼らがメジャーデビュー後いきなりブレイクした大きな理由のように感じました。

まだまだ、これからも数多くの名曲を聴かせてくれそうな彼ら。これからの活躍も楽しみです!

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

STATEMENT/徳永英明

途中、例のカバーアルバム2枚とカバーアルバムのベスト盤を挟んで4年ぶりとなるニューアルバム。バラードがメインとなり、安定感のある作品。安心して聴ける大人のアルバム、といった感じですが、「なみだのブルース」みたいなムード歌謡曲に近いような曲もあり、大人になるとそちらの方向に行ってしまうのかなぁ、という不安も(もっとも、カバーアルバムの流れで、「歌謡曲」のオリジナルを歌ってみたかっただけかもしれませんが)。ゆったりと聴ける大人のポップスは、ライブよりも、ディナーショーが似合いそう。よくも悪くも・・・。

評価:★★★

徳永英明 過去の作品
SINGLES BEST
SINGLES B-Side BEST

WE ALL
VOCALIST4
VOCALIST&BALLADE BEST
VOCALIST VINTAGE

ビューティフォーEP/bomi

元気いっぱいのポップでキュートな楽曲を歌うbomiの、EPとしては1枚目となる作品。今回も、かわいらしく軽快なエレクトロポップが楽しめる作品・・・なのですが、やはりどこか物足りない。元気印の女の子なんだから、もっと突き抜けちゃったほうがいいような気がするんですが・・・。

評価:★★★

bomi 過去の作品
キーゼルバッファ
メニー・ア・マール

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2013年9月 6日 (金)

同じような、違うような・・・。

Title:TOWN AGE
Musician:相対性理論

純粋なオリジナルアルバムとしては、3年3ヶ月ぶりとなる相対性理論のニューアルバム。今回のアルバムで注目を集めたのは、久々の新作という点もそうなのですが、相対性理論のオリジナルメンバーの真部脩一と西浦謙助が脱退したこと。特に真部脩一は、「ハイファイ白書」まで、すべての楽曲の作詞作曲を手がけていただけに、彼が脱退した後の方向性について注目が集まりました。

楽曲の作詞作曲については、前作「シンクロニシティーン」発売直後に、「メンバー全員で作詞作曲を行っていた」というコメントが出されましたが、いや、これ、額面どおり取ることは出来ないんですが(^^;;「シンクロニシティーン」でも、真部脩一作詞作曲名義の楽曲と、それ以外の差を感じたのですが、今回のアルバムは、その真部脩一脱退の影響を強く感じるアルバムになっていました。

なんか今回のアルバムを聴いて感じたのは、相対性理論の物まねバンドが、やくしまるえつこのボーカルを借りて作ったアルバム、というもの。確かに歌詞にしてもメロディーにしても相対性理論っぽい。でも、聴いていて、どこか以前の相対性理論の楽曲とは違う、そう感じさせるアルバムでした。

ちょっと例えが古過ぎて、アラフォーにしかわからないかもしれませんが・・・宇都宮隆が浅倉大介の曲を歌っているような・・・TM NETWORKっぽいけど、あれ?ちょっと違うぞ??みたいな。

メロディーもそうなんですが、特に違和感があったのが歌詞。新生相対性理論の歌詞って、確かに以前ようなぶっとんだような歌詞が羅列されているんですが、楽曲の中で意味が通っちゃっているんですよね。いままでの相対性理論って、使われるフレーズもぶっとんじゃっていたんですが、意味もぶっとんじゃっていて、そのため、その歌詞でいろいろとイメージすることが出来ました。でも、今回の歌詞って、確かに選んでいるフレーズは相対性理論っぽいけど、歌詞の意味が固定されているだけに、物足りなさを感じてしまいました。

楽曲としては決して悪くなく、ポップスアルバムとしてはよく出来ていると思います。特に、やはりやくしまるえつこのボーカルは秀逸で、彼女のボーカルがこのアルバムの出来に大きく寄与していることは間違いないと思います。

ただ、どうしても相対性理論らしさがなくなり、普通のポップスバンドになっちゃったなぁ、という印象は否めませんでした。非常に個性的でおもしろいバンドだっただけに、残念・・・。ちょっと今後に不安を感じてしまったアルバムでした。

評価:★★★

相対性理論 過去の作品
ハイファイ新書
シンクロニシティーン
正しい相対性理論


ほかに聴いたアルバム

ASIAN KUNG-FU GENERATION presents NANO-MUGEN COMPILATION 2012

毎年恒例、ASIAN KUNG-FU GENERATION主宰のイベント「NANO-MUGEN FES.」に参加するミュージシャンを集めたコンピレーションアルバム。例年のように、アジカンと同系統のギターロックバンドを中心に、様々なミュージシャンが参加しています。ただ、アジカンファンがいかにも好みそうなギターロックをメインに、洋楽勢や、秦基博、岩崎愛、片平里菜のようなシンガーソングライター、80kidzのようなエレクトロ勢なども呼んでいるところがユニークなところ。個人的には、まあもともとから好きなミュージシャンなのですが、Fountains Of Wayne「Someone's Gonna Break Your Heart」が良かったなぁ。例年通り名曲揃いなので、アジカンファンでなくても是非。

評価:★★★★★

NANO-MUGEN COMPILATION 過去の作品
ASIAN KUNG-FU GENERATION presents NANO-MUGEN COMPILATION 2008
ASIAN KUNG-FU GENERATION presents NANO-MUGEN COMPILATION 2011

miusic ~The best of 1997-2012~/坂本美雨

ご存知、坂本龍一と矢野顕子の娘、坂本美雨の初となるベストアルバム。最近、ミュージシャンの2世タレントのデビューが少なくありませんが、デビュー時は話題になっても、ほとんどその後フェイドアウトしています。井上陽水の娘(依布サラサ)といい、矢沢永吉の娘(矢沢洋子)といい。ASKAや桑田佳祐の子供も話題になりましたが、話題になった一瞬の後はほとんど話を聞きません。

そんな中、彼女坂本美雨は、2世ミュージシャンとして、大成功とまではいかないのですが、それなりに生き残った数少ない成功例でしょう。正直、デビューから15年を経過していますが、このベストを聴いても、坂本美雨としての個性が楽曲の面で完全に確立しているかは微妙です。ただその一方で、彼女がちゃんと生き残ってきたのは、その美しいボーカル。事実上のデビューとなった「The Other Side Of Love」でもそうですが、その透き通るような美しいボーカルが彼女の大きな強みであり、かつ、その強みをきちんと生かした曲を歌いつづけています。様々なミュージシャンのアルバムに、ゲストとして呼ばれることも多い彼女ですが、それもこの美しいボーカルがあってのこと。今回のベスト盤では、その美しい歌声に、あらためて聴きほれた作品でした。

ああ、でも2世タレントでも、藤圭子の娘や、森進一・昌子の息子は大成功しているよなぁ。シンガーソングライター系よりも、演歌系の方が、2世タレントが成功する傾向にあるのか??

評価:★★★★

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名古屋圏フェス・イベント情報(9/6)

管理人の予定策定という実用を主目的とした、名古屋近辺の音楽イベント一覧。週一で更新の予定。週末中は微妙に変わっているかも。

主な選定基準は

複数ミュージシャンが参加する野外ライブや、複数のイベント会場で同時に行われる、ライブサーキット的なイベント。

ジャンルはポップス全般。ジャズも含む。演歌、クラシックは除く。

場所は、名古屋から新幹線を使わず日帰り圏内。具体的には東海3県と、静岡の掛川あたりまで、長野の木曽地域、滋賀の米原、彦根、長浜あたりまで。

一応、それぞれのイベントに、「行きたい度」をつけました。

行きたい度 ★★★★★ ⇒是非とも行きたいイベント
行きたい度 ★★★★   ⇒出来れば行きたいイベント
行きたい度 ★★★    ⇒お金と時間に余裕があれば。
行きたい度 ★★      ⇒タダ券が手に入り、暇なら。
行きたい度        ⇒行きません。

「行きたい度」はあくまでも管理人の趣味・主観によるものです。そのため、イベント自体の良し悪しとは一切関係ありません。ご了承ください。

9/6 主な更新
・響の森CAMP2013 開催決定
・TOYOTA ROCK FESTIVAL 2013 第3弾出演者発表
・伊賀忍者音楽祭=弐= 出演者発表
・TREASURE05X 10th Anniversary in 2013、THE OCEAN '13 終了

続きを読む "名古屋圏フェス・イベント情報(9/6)"

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2013年9月 5日 (木)

あまちゃん旋風!

今週のアルバムチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

最近、話題になっているNHK連続テレビ小説「あまちゃん」。今週は、関連アルバムが大量にランクイン。

まずはドラマ劇中で使用された楽曲を集めたアルバム「あまちゃん 歌のアルバム」が見事1位を獲得。初動売上は7万4千枚で、7月1日付でランクインした、「オリジナルサウンドトラック」の1万2千枚を大きく上回る結果となっています。

さらに10位には、「春子の部屋~あまちゃん 80's HITS~ビクター編」がランクイン。こちらは「あまちゃん」の脚本を手がける宮藤官九郎選曲・監修による80年代のヒット曲を集めたコンピレーション。「あまちゃん」に登場する天野春子が、高校生時代、部屋に流れていたであろう曲をコンセプトに選曲したアルバムだそうです。ちなみに、ソニーミュージックの曲を集めた「春子の部屋~あまちゃん 80's HITS~ソニーミュージック編」も同時に発売されていますが、こちらは惜しくも12位に留まりました。

で、続く2位3位はいずれもK-POP。2位には、韓国の4人組バンドCNBLUE「What turns you on?」が、3位には女性アイドルグループKARA「FANTASTIC GIRLS」がそれぞれランクインしています。

CNBLUEは、日本のメジャーからは2枚目となるアルバム。初動売上4万3千枚は、1位を獲得した前作「CODE NAME BLUE」の4万5千枚から若干ダウン。3位KARAは初動4万枚。前作「ガールズ フォーエバー」の7万3千枚から大きくダウン。前々作「スーパーガール」は初動27万5千枚を売り上げていたのですが、たった2年弱での凋落。かなり厳しい状況が続いています。

続いて、4位以下の初登場ですが、まずは6位。山下達郎「MELODIES(30th Anniversary Edition)」がランクインしています。このアルバムは、1983年にリリースし、邦楽の名盤として知られる作品。あの大ヒット曲「クリスマス・イブ」が収録されていることでも知られています。このアルバムが、リリースから30周年を記念して、ボーナストラックを追加し、リマスター。その記念盤が、見事6位初登場となりました。ちなみに1993年にリリースされた「SEASON'S GREETINGS」も20周年記念盤として再発。こちらも11位初登場と惜しくもベスト10入りは逃しましたが、健闘した結果となっています。

初登場最後は7位。阿部真央「貴方を好きな私」がランクイン。初動売上1万1千枚は、前作「戦いは終わらない」の1万7千枚からダウンしています。

今週のアルバムチャートは以上。チャート評は、また来週の水曜日に!

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2013年9月 4日 (水)

3作連続1位

今週のシングルチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週もベスト3はアイドルグループが占拠。

まず今週1位初登場はモーニング娘。「わがまま 気のまま 愛のジョーク」が獲得。これで3作連続の1位獲得となり、3作連続1位獲得は、2002年より11年半ぶりだとか。初動売上は14万4千枚で、前作「ブレインストーミング」の9万4千枚よりアップ。人気再燃という報道もあるものの、7種類のシングルを全部購入するとイベントに参加できる特典がついたり、複数買い戦略が最近AKB48以上に露骨さを増しており、今回の大幅アップも、イベント特典などの影響もあった模様。

2位は先週1位AKB48「恋するフォーチュンクッキー」がワンランクダウンでこの位置。3位はK-POPの男性アイドルグループB1A4「イゲ ムスン イリヤ ~なんで?どうして?」がランクイン。軽快でちょっとユーモラスなアイドルポップ。初動売上4万7千枚は前作「おやすみgood night」の3万6千枚より増。

続いて4位以下の初登場曲ですが、4位に氷川きよし「満天の瞳」が入ってきています。ちなみに、「瞳」と書いて「ほし」と読みます。今回は、演歌というよりもムード歌謡曲といった感じ。妙に懐かしい感じも。初動売上4万5千枚は、前作「しぐれの港」と同水準。完全に根強い固定ファンをガッチリ確保している感じ。

7位にはLUNA SEA「Thoughts」がランクイン。復帰後3作目となるシングルで、今回はメロウでポップなメロディーが印象的。前作同様、端整な河村隆一のボーカルと、ヘヴィーなバンドサウンドの対比がユニークな作品になっています。初動売上1万6千枚と、前作「The End of the Dream」の2万2千枚からダウン。

9位初登場はキャラソン。月読調名義「戦姫絶唱シンフォギアG キャラクターソング5(鏖鋸・シュルシャガナ)」。トランシーなアレンジのマイナーコードアップテンポ路線という、ある種様式化されたアニソン路線。アニメ「戦姫絶唱シンフォギアG」登場キャラクターによるキャラソンで、8週連続リリースの5作目。ベスト10入りは、1作目マリア×風鳴翼名義「戦姫絶唱シンフォギアG キャラクターソング1(不死鳥のフランメ)」以来.。ただし、初動1万1千枚は、「キャラクターソング1」の1万6千枚及び先週11位にランクインした風鳴翼「戦姫絶唱シンフォギアG キャラクターソング4(月煌ノ剣)」の1万5千枚よりもダウンしています。

初登場最後は10位、ゴスペラーズ「ロビンソン」が入ってきました。ご存知スピッツの1995年の大ヒットナンバーのカバー。ちなみに両A面曲「太陽の5人」は、アメリカの男性グループThe Four Seasonsの「Working My Way Back to You」のカバー。これらの曲も収録された、彼ら初のカバーアルバム「ハモ騒動 ~The Gospellers Covers~」も9月にリリースが予定されています。初動売上は9千枚。前作「氷の花」の初動1万1千枚より若干ダウン。

最後に、今週は圏外からの返り咲きが1枚。6位にEXILE「EXILE PRIDE~こんな世界を愛するため~」がベスト50圏外から一気にランクアップ。9月1日に行われたライブ会場での売上が加算されたようです。ベスト10入りは7月15日付チャートの2位から8週ぶり。ちなみに、この時もベスト50圏外から返り咲いています・・・。

そんな訳で、今週のシングルチャートは以上。アルバムチャートは、また明日に!

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2013年9月 3日 (火)

泣きメロ復活!

Title:WHERE YOU STAND
Musician:TRAVIS

TRAVISというと、どうしても比較対象として思い浮かぶのがCOLDPLAYとKEANE。いずれも、内省的な美メロを書くイギリスのギターロックバンド。デビュー時期も似ていて、イギリスで大ヒットを記録していることから、比較してしまいます。

ただ、ご存知の通り、既にイギリスを飛び出して、世界的な人気を獲得しているCOLDPLAYや、デビュー作以来、すべてのアルバムでチャート1位を記録しているKEANEと比べると(日本での知名度はいまひとつですが)、TRAVISは、後塵を拝している形になってしまっています。特に前作「Ode To J.Smith」は全英20位という残念な結果になってしまい、このアルバムの話題も、日本では以前と比べると、ちょっと寂しいものに感じます。

もっとも、前作「Ode To J.Smith」は、バンドサウンドをより多くいれてきて、あらたな境地を探ろうとした結果、いまひとつな作品になってしまっていました。それだけに、新作も、期待半分不安半分だったのですが・・・これが、TRAVIS復活を感じさせる傑作に仕上がっていました。

TRAVISの魅力といえば、やはりそのメロディー。「泣きメロ」などと称される美しいメロディーラインが魅力的。決して派手さはないものの、心に染み入るメロディーが大きな特徴。今回のアルバムは、前作で少々不足気味だった彼らの持ち味、泣きメロが全面的に復活したTRAVISらしい作品になっていました。

タイトルナンバーである「WHERE YOU STAND」も、彼ららしいメロディーの良さが堪能できる傑作でしたが、個人的にインパクトがあったのが、その前の「REMINDER」。わかりやすいサビがインパクトある一方、TRAVISらしい涙腺を刺激するようなメロが印象的なナンバーになっています。他にも冒頭を飾る「MOTHER」や、「A DIFFERENT ROOM」など、TRAVIS節が味わえる、美メロポップが並んでいて、彼らの持ち味が存分に発揮できるアルバムになっていました。

もうひとつTRAVISと、COLDPLAYやKEANEが異なる点として、COLDPLAYやKEANEが、その人気と比例するようにスケール感を獲得し、スタジアムバンドの装いを楽曲からも感じられるのに対して、TRAVISは、いい意味でのインディーっぽさを残している点。今回のアルバムでも、素朴なポップソングはインディーっぽさそのもの。このシンプルな曲づくりも、彼らの大きな魅力に感じます。

で、前作ではチャート20位と苦戦した彼らも、本作では全英チャート3位と見事復活を遂げたらしく、それもこのアルバムの内容を考えれば納得か?日本でも、またもっと人気が伸びてくれるといいと思うんですけどね。

評価:★★★★★

TRAIVS 過去の作品
Ode to J.Smith

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2013年9月 2日 (月)

22年ぶりの復活ライブ

Tilte:August 25,2013,Riot Fest,Fort York,Toronto,Ontario,Canada
Musician:THE REPLACEMENT

20130825_a1

1980年代に活動していた、アメリカのロックバンド、THE REPLACEMENT。GREEN DAYをはじめ、数多くのミュージシャンに影響を与えたパンクロックバンドです。バンドとしては、1991年に解散していましたが、2012年に再結成。さらについ先日、カナダ・トロントで22年ぶりとなるライブが行われました。

で、そのライブの模様が、ダウンロードで無料で配信されていました。

リプレイスメンツ、22年ぶりのライヴの音源が全編ダウンロード可能に
http://ro69.jp/news/detail/87799

ちなみに今回のダウンロード音源。「Live Archive Project」としてFacebookよりダウンロードできます。Facebookのサイトはこちらから。私は8月27日付でアップされた音源よりダウンロードして聴いてみました。

実は、THE REPLACEMENTというバンドの音を聴くのは今回がはじめて。不勉強ながら、バンドの名前もはじめて聞きました・・・(^^;;

このライブ音源、まず前半を聴くと70年代のオールドスタイルなパンクバンドだなぁ、という印象。いかにもパンクといった軽快なロックナンバーが続きます。ただ、その印象がかわったのは中盤以降。途中から、パンクらしい勢いよりも、メロディーを重視したような楽曲が続き、ここらへん、パンクバンドというよりも、90年代以降のオルタナロックバンドに繋がるものを感じました。

印象としては、70年代パンクと90年代オルタナをつなぐバンド、といった感じでしょうか。メロディーもアレンジも基本的に非常にシンプル。それだけにごまかしの効かない楽曲なのですが、ライブ音源を聴いている限りでは、今でも現役感があります。正直、22年ぶりというのが信じられないほど。

ただ、ちょっと残念だったのが、このダウンロード音源、音量が低くて、音質が悪かった点。音質が少々悪くても、逆にライブの臨場感が伝わるケースもあるのですが、残念ながら音量も低かったため、臨場感もいまひとつ。その点はちょっと残念でした。

評価:★★★★

⇒と思ったら、8月29日付で、もっと音質がいいファイルがアップされた模様。これからダウンロードされる方は、そちらをお薦めします。

ちなみに、この「Live Archive Project」。今回の音源のみならず、過去のライブ音源が順次アップされている模様。ファンの方は要注目ですし、この音源を聴いて気に入った方は、過去の音源をチェックしてみてもいいかも。さすがに全部チェックするのは大変そうだけども、80年代の全盛期の音源も、チラッと聴いてみようかなぁ~。

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2013年9月 1日 (日)

スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド2013 その4

Sukiyaki13_07

その3より

そして2時半より、ヘリオスステージがはじまりました。

MARIANA BARAJ MEETS DOS ORIENTALES

最初は、パーカッショニストのヤヒロトモヒロと、ウルグアイの鍵盤奏者、ウーゴ・ファトルーソのユニット、ドス・オリエンタレスと、アルゼンチンのシンガー、マリアナ・バラフとのコラボステージ。まずはドス・オリエンタレスの2人のみが登場。最初、ヤヒロトモヒロが、「2組で1時間のステージなので、途中のMCはなしでやります」という挨拶からスタート。文字通り、MC抜きでのステージとなりました。

まずはドス・オリエンタレスのステージ。基本的にピアノとパーカッションという組み合わせなのですが、ヤヒロトモヒロのパーカッションは実にダイナミックで迫力あるもの。一方、ウーゴのピアノは、ジャジーな雰囲気のピアノ。その音色はかなり繊細で、ヤヒロトモヒロのパーカッションとは対照的でした。このダイナミックなパーカッションと繊細なピアノのバランスが実に見事で、聴き入ってしまうステージでした。

途中、2人とも太鼓をかかえ、リズムを打ち鳴らしながら、観客席へ。観客席でみんなを煽った上に、一度、ステージ脇に消えていきます。

そして続いてはマリアナ・バラフの登場。昨日のスキヤキ・スティール・オーケストラのステージでも見たのですが、大柄な感じで、ちょっと失礼な言い方をするとパワフルなおばちゃんという感じでした(笑)。

ステージは最初彼女1人のみ。彼女自身がパーカッションを鳴らしたり、また手や足につけた楽器を鳴らしながらの歌に。ジャンルはフォルクローレと呼ばれるラテンアメリカの民謡になるのですが、非常にパワフルな、でも美しく表現力ある歌声にしんみりとしてしまいました。

その後、ドス・オリエンタレスの2人が登場し、2人のピアノとパーカッションをバックに数曲を披露。そして最後はふたたび彼女1人になると、マイクもつかわず、アカペラで歌いながら、彼女も観客席へ。客席の中で、アカペラで力強く歌い上げると、観客の喝采の中、ライブは終わりました。最後は、観客と抱き合い、喜びをわかちあいながら、ステージ脇に去っていきました。

ANTONIO LOUREIRO

2組目は、ブラジルのシンガーソングライター、アントニオ・ロウレイロの登場。今回、スキヤキに登場するミュージシャンのうち、スキヤキへの出演が発表される前に、既に音源を聴いたことのあったミュージシャンは、昨年も参加したサカキマンゴーを除いて、彼が唯一。それだけに、今回、とても楽しみにしてきたミュージシャンでした。

CDではバンド演奏の音源が収録されているのですが、この日は彼のピアノ演奏一本のステージ。楽曲は、とても優しい雰囲気の曲が多いのですが、ステージ上にあらわれた彼はとても繊細な雰囲気。あ、ちょっとマイナス的に言ってしまうと、ちょっと神経質そうな感じ(^^;;白いシャツと赤いズボンというとてもシンプルな出で立ちも印象的でした。

ピアノのタッチもとても優しい演奏。基本的に静かな雰囲気のポップスで、イメージ的にはブラジル音楽とジャズの中間を行くような独特なもの。特に、ピアノ1本での演奏は、CDで聴くよりもクラシカルなイメージの強く、スキヤキのステージとしてはちょっと異なった雰囲気の空気が流れていました。

途中、このステージで初めてという新曲も披露。また、ピアノをパーカッションのように叩くアグレッシブな楽曲もあったりして。最後まで、彼の静かな演奏にしんみりと聴き入るステージでした。

OLIVER MTUKUDZI&THE BLACK SPIRITS

そしてオオトリを飾るのが、ジンバブエの産んだ、アフリカミュージックのスーパースター、オリヴァー・ムトゥクジ。彼のバンド、THE BLACK SPIRITSを率いてのステージ。THE BLACK SPIRITSは、ドラム、ベース、パーカッション、さらにコーラスに女の子2人(が、とてもかわいかった(笑))というステージでした。

オリヴァーの楽曲は、アフリカ音楽らしい、パーカッション主体のアフロなビート、という感じではなく、メロディー主体の楽曲。ジンバブエのみながらず、南部アフリカの様々な音楽からの影響を受けているそうなのですが、メロディアスでポップな作風は、ソウルミュージックっぽさも感じました。もちろん、パーカッションのリズムや、アフリカらしいポリリズムも織り込んでいて、そのリズムも魅力的なのですが、なによりもメロディーの良さに聴き入ってしまうステージでした。

そしてさらに楽しかったのがそのステージング。彼自身、ステージ狭しとギターを持って踊りまわりますし、ドラマー以外のメンバー全員が(パーカッショニストも含んで)一緒にステージ上で楽しく踊りまわります。そのパフォーマンスも、音楽にあわせて気の向くまま踊る、という感じではなく、ちゃんと音楽にあわせて考えられた、息のあった踊り。そして何よりもユーモラス。前日のインタビューでも、彼が音楽をリスナーの心に届けるため、ユーモア精神を大切にしていることを語っていましたが、まさにそれを地で行くもの。パフォーマンスによっては、まるでコントみたいなものすらあり、このパフォーマンスを見るだけでも楽しめました。

ちなみにオリヴァーの立ち姿をこの日のステージではじめてみたのですが、最初に思ったのが「いかりや長介に似ている・・・・・・」(笑)。妙に高い背格好も、ルックスも、いかりや長介に似ているような(^^;;そのため、コントっぽいパフォーマンスが、ドリフに見えてきちゃったりして(笑)。

また、楽曲の途中のMCも(英語でしたが)多かったもの印象的。「気分が沈んだ時は、音楽を使えばいいんだよ」みたいなMCもあり、先日のインタビューの時に話していた、音楽の力によってみんなの心を癒そう、という彼の音楽に対する思いのわかるMCでした。

バンドメンバーもとても和気藹々と楽しそうに踊っており、そんな最後まで楽しい雰囲気が会場に流れた、とても素晴らしいステージでした。

Sukiyaki13_08

本編が終わり、アンコールがはじまる前に、名古屋に帰るための最終便に時間が迫っていたために、後ろ髪を引かれつつ、会場から退出。外では既にはじまっていたスキヤキ・ファイナルを横目に、2日間のスキヤキ・ミーツ・ザ・ワールドが終わりました。

昨年に引き続き2度目のスキヤキだったのですが、いやぁ、最高に楽しいですね!ライブは、本当にハズレがありません。どのミュージシャンも実に個性的な方ばかりですし、巷でよく流れているロックやポップスでは味わえないような、音楽の楽しさを体験することが出来ます。

去年もそうなんですが、帰る時に、なんともいえない喪失感というか、寂しさが残るんですよね。他のイベントでは、こういうことはほとんどないのですが・・・(フジロックとかも似たような感慨を覚えますが)。それだけ、魅力的なライブということなんでしょう。

来年は来れるかどうか微妙ですが、機会があれば、是非ともまた足を運びたいです!夏の最後に、本当に楽しい2日間でした。

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