スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド2013 その4
その3より
そして2時半より、ヘリオスステージがはじまりました。
MARIANA BARAJ MEETS DOS ORIENTALES
最初は、パーカッショニストのヤヒロトモヒロと、ウルグアイの鍵盤奏者、ウーゴ・ファトルーソのユニット、ドス・オリエンタレスと、アルゼンチンのシンガー、マリアナ・バラフとのコラボステージ。まずはドス・オリエンタレスの2人のみが登場。最初、ヤヒロトモヒロが、「2組で1時間のステージなので、途中のMCはなしでやります」という挨拶からスタート。文字通り、MC抜きでのステージとなりました。
まずはドス・オリエンタレスのステージ。基本的にピアノとパーカッションという組み合わせなのですが、ヤヒロトモヒロのパーカッションは実にダイナミックで迫力あるもの。一方、ウーゴのピアノは、ジャジーな雰囲気のピアノ。その音色はかなり繊細で、ヤヒロトモヒロのパーカッションとは対照的でした。このダイナミックなパーカッションと繊細なピアノのバランスが実に見事で、聴き入ってしまうステージでした。
途中、2人とも太鼓をかかえ、リズムを打ち鳴らしながら、観客席へ。観客席でみんなを煽った上に、一度、ステージ脇に消えていきます。
そして続いてはマリアナ・バラフの登場。昨日のスキヤキ・スティール・オーケストラのステージでも見たのですが、大柄な感じで、ちょっと失礼な言い方をするとパワフルなおばちゃんという感じでした(笑)。
ステージは最初彼女1人のみ。彼女自身がパーカッションを鳴らしたり、また手や足につけた楽器を鳴らしながらの歌に。ジャンルはフォルクローレと呼ばれるラテンアメリカの民謡になるのですが、非常にパワフルな、でも美しく表現力ある歌声にしんみりとしてしまいました。
その後、ドス・オリエンタレスの2人が登場し、2人のピアノとパーカッションをバックに数曲を披露。そして最後はふたたび彼女1人になると、マイクもつかわず、アカペラで歌いながら、彼女も観客席へ。客席の中で、アカペラで力強く歌い上げると、観客の喝采の中、ライブは終わりました。最後は、観客と抱き合い、喜びをわかちあいながら、ステージ脇に去っていきました。
ANTONIO LOUREIRO
2組目は、ブラジルのシンガーソングライター、アントニオ・ロウレイロの登場。今回、スキヤキに登場するミュージシャンのうち、スキヤキへの出演が発表される前に、既に音源を聴いたことのあったミュージシャンは、昨年も参加したサカキマンゴーを除いて、彼が唯一。それだけに、今回、とても楽しみにしてきたミュージシャンでした。
CDではバンド演奏の音源が収録されているのですが、この日は彼のピアノ演奏一本のステージ。楽曲は、とても優しい雰囲気の曲が多いのですが、ステージ上にあらわれた彼はとても繊細な雰囲気。あ、ちょっとマイナス的に言ってしまうと、ちょっと神経質そうな感じ(^^;;白いシャツと赤いズボンというとてもシンプルな出で立ちも印象的でした。
ピアノのタッチもとても優しい演奏。基本的に静かな雰囲気のポップスで、イメージ的にはブラジル音楽とジャズの中間を行くような独特なもの。特に、ピアノ1本での演奏は、CDで聴くよりもクラシカルなイメージの強く、スキヤキのステージとしてはちょっと異なった雰囲気の空気が流れていました。
途中、このステージで初めてという新曲も披露。また、ピアノをパーカッションのように叩くアグレッシブな楽曲もあったりして。最後まで、彼の静かな演奏にしんみりと聴き入るステージでした。
OLIVER MTUKUDZI&THE BLACK SPIRITS
そしてオオトリを飾るのが、ジンバブエの産んだ、アフリカミュージックのスーパースター、オリヴァー・ムトゥクジ。彼のバンド、THE BLACK SPIRITSを率いてのステージ。THE BLACK SPIRITSは、ドラム、ベース、パーカッション、さらにコーラスに女の子2人(が、とてもかわいかった(笑))というステージでした。
オリヴァーの楽曲は、アフリカ音楽らしい、パーカッション主体のアフロなビート、という感じではなく、メロディー主体の楽曲。ジンバブエのみながらず、南部アフリカの様々な音楽からの影響を受けているそうなのですが、メロディアスでポップな作風は、ソウルミュージックっぽさも感じました。もちろん、パーカッションのリズムや、アフリカらしいポリリズムも織り込んでいて、そのリズムも魅力的なのですが、なによりもメロディーの良さに聴き入ってしまうステージでした。
そしてさらに楽しかったのがそのステージング。彼自身、ステージ狭しとギターを持って踊りまわりますし、ドラマー以外のメンバー全員が(パーカッショニストも含んで)一緒にステージ上で楽しく踊りまわります。そのパフォーマンスも、音楽にあわせて気の向くまま踊る、という感じではなく、ちゃんと音楽にあわせて考えられた、息のあった踊り。そして何よりもユーモラス。前日のインタビューでも、彼が音楽をリスナーの心に届けるため、ユーモア精神を大切にしていることを語っていましたが、まさにそれを地で行くもの。パフォーマンスによっては、まるでコントみたいなものすらあり、このパフォーマンスを見るだけでも楽しめました。
ちなみにオリヴァーの立ち姿をこの日のステージではじめてみたのですが、最初に思ったのが「いかりや長介に似ている・・・・・・」(笑)。妙に高い背格好も、ルックスも、いかりや長介に似ているような(^^;;そのため、コントっぽいパフォーマンスが、ドリフに見えてきちゃったりして(笑)。
また、楽曲の途中のMCも(英語でしたが)多かったもの印象的。「気分が沈んだ時は、音楽を使えばいいんだよ」みたいなMCもあり、先日のインタビューの時に話していた、音楽の力によってみんなの心を癒そう、という彼の音楽に対する思いのわかるMCでした。
バンドメンバーもとても和気藹々と楽しそうに踊っており、そんな最後まで楽しい雰囲気が会場に流れた、とても素晴らしいステージでした。
本編が終わり、アンコールがはじまる前に、名古屋に帰るための最終便に時間が迫っていたために、後ろ髪を引かれつつ、会場から退出。外では既にはじまっていたスキヤキ・ファイナルを横目に、2日間のスキヤキ・ミーツ・ザ・ワールドが終わりました。
昨年に引き続き2度目のスキヤキだったのですが、いやぁ、最高に楽しいですね!ライブは、本当にハズレがありません。どのミュージシャンも実に個性的な方ばかりですし、巷でよく流れているロックやポップスでは味わえないような、音楽の楽しさを体験することが出来ます。
去年もそうなんですが、帰る時に、なんともいえない喪失感というか、寂しさが残るんですよね。他のイベントでは、こういうことはほとんどないのですが・・・(フジロックとかも似たような感慨を覚えますが)。それだけ、魅力的なライブということなんでしょう。
来年は来れるかどうか微妙ですが、機会があれば、是非ともまた足を運びたいです!夏の最後に、本当に楽しい2日間でした。
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