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2013年8月12日 (月)

主観的な選曲に自分でつくる「ベスト」

Title:ReDiscoVer.Best,Re-recordings and Remixes of Buffalo Daughter
Musician:Buffalo Daughter

今年で結成20周年を迎えたBuffalo Daughter。日本のみならず海外でも積極的に活動を続ける彼女たちの、初となるベストアルバムがリリースされました。

ベスト盤といっても、14曲中7曲は、新録だったり、リミックス音源だったり、ライブ音源だったり。純然たるオリジナル作品から収録された曲はわずか7曲のみ。そういう意味ではベスト盤よりも、「企画盤」的な要素の強いアルバムになっていました(もっとも、新録やリミックスが多いのは、権利関係のため、仕方なく的な要素も強いみたいですが・・・)。

その新録やリミックス音源がなかなかユニーク。先日、ここのサイトでも紹介した、環ROYと、鎮座DOPENESSのユニット、KARATEを迎えた「New Rock 20th」は、もともとKARATEが、Buffalo Daughterの音を無断でサンプリングした曲を(ビートジャックと言うらしい)、彼女たちがおもしろがり、正式にコラボになった楽曲。なにげにテンポのよいリズムが耳に残ります。

cornelius小山田圭吾の「Great Five Lakes 20th」のリミックス音源もなかなかユニーク。どこかユーモラスで、明るいメロディーラインが妙にインパクトの強い作品になっています。さらには「Peace」では、ビースティー・ボーイズのAdrockがリミックスに参加。ちょっと不気味な雰囲気に、トライバル風のビートがインパクトある作品でした。

今回の作品で、もうひとつ特徴的なのが、選曲。メンバー自身やファン投票などによる選曲ではなく、英国人DJのニック・ラスコムにより曲が選ばれているという点。そのため、客観的な視点というよりは、むしろ選曲者の嗜好も反映されたベスト盤になっているのがユニーク。実際、彼らのエレクトロ的な側面は、このベスト盤にあまり反映されておらず、ギターロック的な側面が強く反映されたベスト盤になっています。

そのためでしょうか、もうひとつユニークなのが、このCDに収録されている、もう1枚のCD。こちらは何のデータも音源も入っていない、空のCD-R。要するに、自分だけのベスト盤をつくってね、ということなのでしょう。この発想、CD-Rを入れるというアイディア、なかなかおもしろいです。

オルタナ系のギターロックを軸に、ミニマルや現代音楽、ジャズ、ポストロックなどの要素も加えながらも、ポップなメロディーラインも根底に流れており、いい意味でのポピュラリティー、聴きやすさも兼ね備えています。新録やリミックスも多いため、オリジナルアルバム感覚でも聴ける作品。ファンの方は、これを聴きつつ、空のCD-Rに、自分だけのBuffalo Daughterベストをつくってみては?

評価:★★★★★

Buffalo Daughter 過去の作品
The Weapons Of Math Destruction

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