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2013年8月24日 (土)

インディーバンドらしい新作

Title:An Object
Musician:No Age

ロサンジェルス出身の2人組インディーロックバンド、No Ageのニューアルバム。大きな話題となったアルバム「Nonus」を受けて、はじめてリアルタイムで聴いた前作「EVERYTHING IN BETWEEN」は、幻想的な色合いも濃い、ちょっと実験的な方面にシフトしたアルバムになっていました。しかし、3年ぶりとなるニューアルバムは、シンプルなギターロックに戻っているようなアルバムでした。

楽曲全体を覆うような、ラフでノイジーなギターサウンドに、ポップなメロディーラインがこのアルバムの主軸。小難しいところも一切なく、ギターノイズも、かなり荒々しいものを感じます。いい意味で、インディーバンドらしい、手作り感とでも言うのでしょうか、バンドとしてのリアリティーを感じさせる音づくりになっていました。

メロディーも、ポップでわかりやすい反面、「No Ground」のように、ともすればワンコードやツーコードで展開するようなシンプルな曲も多く、あまり懲りすぎていません。No Ageといえば、ニュー・ゲイザーなどといわれ、マイブラをはじめとするシューゲイザーバンドからの流れで語られることが多いバンド。確かに、ホワイトノイズにポップなメロディーという部分はシューゲイザーバンドと共通しています。ただ、アルバム全体に流れるシンプルなメロディーは、キュートなメロが特徴的なシューゲイザー系というよりも、例えばSONIC YOUTHのようなインディーバンド、あるいは「Running From A-Go-Go」などは、もっと遡って、THE VELVET UNDERGROUNDと似ているものを感じました。

後半には、「A Ceiling Dreams of A Floor」のような、もっとローファイ色が強い曲や、楽曲を覆いつくすノイズが幻想的な「Commerce,Comment,Commence」のような曲もありますが、全体的には似たようなタイプの曲が並んでいます。ただ、アルバム全体としても30分程度の長さであるため、ほとんど飽きる前にアルバムが終わってしまい、似た曲が並んでいるという点は全く問題になりません。むしろ、下手に凝ったりしないシンプルさが、アルバムの大きな魅力になっているように感じました。

そんな訳で、インディーバンドらしいシンプルな内容が魅力的なアルバム。「Nonus」で彼らにはまったものの、前作「EVERYTHING IN BETWEEN」がいまひとつピンとこなかった私にとっては、このアルバムには十分はまりました。期待通りの傑作でした。

評価:★★★★★

No Age 過去の作品
EVERYTHING IN BETWEEN


ほかに聴いたアルバム

ANTENNAS to HELL/slipknot

アメリカのヘヴィーロックバンドslipknotの初となるベスト盤。ヘヴィーメタルの枠内で語られることも少なくないバンドですが、意外にポップなメロも流れており、全体的にはヘヴィメタリスナー以外にもアピールできるような曲調。ただ、個人的にこの手のヘヴィーなサウンドは、最初は気持ちよく聴けるものの、全19曲となると、さすがに最後はお腹いっぱいになってしまいました・・・。

評価:★★★★

slipknot 過去の作品
All Hope Is Gone

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