4人組になり、レーベルも移籍
Title:Mira
Musician:COMEBACK MY DAUGHTERS
オリジナルでは約2年ぶりとなるCOMEBACK MY DAUGHTERの新作。その2年の間に、彼らをめぐる環境が大きく変わりました。メンバー2人が脱退し、新メンバーを加えての4人組バンドとなり、レーベルもPIZZA OF DEATHから日本コロンビアに移籍。大きく環境の変わった中での新作となりました。
そんな彼らの新作は、キュートでポップなメロディーラインという、彼らの特徴はそのままに、ちょっと雰囲気の変わった新作となりました。特に1曲目「Cold Audiences」、さらに「21 years old」は、リヴァーブの効いたドラムの音に分厚いサウンドという、大瀧詠一やPET SOUNDSあたりを彷彿とさせるような心地よい音の壁を楽しめるポップソングに仕上がっています。
この、ちょっとベタともいえるアレンジが、アルバムの中で大きなインパクトになっているように感じました。特にCOMEBACK MY DAUGHTERSといえば、美しいメロディーラインを書いていながらも、どうもインパクトが不足していて物足りなさを感じる、というイメージが強かったのですが、今回のアルバムでは、これらの曲がアルバムの中で大きなインパクトを与えていました。
また、大きなインパクトといえば、もうひとつのポイントが日本語詞。彼らは、いままで英語で曲を書いてきましたが、このアルバムではじめて日本語詞の曲に挑戦しています。それがこのアルバムの「ちょっと違う雰囲気」を与える要因になっているのですが、日本語詞なだけに、歌詞を含めて曲が頭の中にストレートに入ってきて、これもアルバムにインパクトを与えています。確かに、英語詞の曲の方が、洋楽風に垢抜けているように感じ、一方、日本語詞の曲は、どこか垢抜けなさを感じるのですが、そのJ-POPっぽい垢抜けなさが、逆にすんなりと心の中に入ってくるような、そんな印象を受けました。
その一方、「Meatpacking」や「Steal her lips」あたりは、アコースティックなサウンドが心地よいポップスに、カントリーや、ちょっとブルージーな香りもまじった、ルーツ志向を感じる曲もチラホラ。いままでと異なる日本語詞の曲に挑戦しながらも、逆にCOMEBACK MY DAUGHTERSのルーツを再確認するかのようなこれらの曲。それだけに、COMEBACK MY DAUGHTERSらしからぬ雰囲気を醸し出す一方、間違いなく、COMEBACK MY DAUGHTHERSのアルバムであると、強く感じることの出来る作品になっていました。
個人的に、いままで聴いた彼らの中では一番の出来だったように感じました。4人組になり、レーベルも移籍し、新たな一歩を踏み出した彼ら。これからにも期待できそうです。
評価:★★★★★
COMEBACK MY DAUGHTERS 過去の作品
EXPerience
OUTTA HERE
Back in the Summer
ほかに聴いたアルバム
THE CUT/Base Ball Bear
Base Ball Bearのミニアルバムは、また3曲の新曲に、1時間にも及ぶワントラックのライブ音源が収録され、全80分近くにも及ぶ「ミニアルバム」。新曲の方は、異種格闘戦とでも言うべきでしょうか。RHYMESTERをゲストに迎えた表題曲に、人気声優花澤香菜を迎えた「恋する感覚」。「THE CUT」の方は、カッコいい曲に仕上がっていましたが、全面的にRHYMESTERがフューチャーされていて、完全にRHYMESTERの曲に(笑)。「恋する感覚」も、かわいらしいボーカルが耳に残るアイドルポップになっていて、どちらもBase Ball Bearらしさがあまり感じられませんでした・・・。
4月のライブの模様を収録したライブ音源は、代表曲の連続であるものの、音がどうにも悪く、いまひとつ。音が悪いというと、その分、臨場感が・・・というケースが多いのですが、このライブ音源の場合、ただ単にバンドの音が悪いという以上でも以下でもなく、いまひとつ楽しめませんでした。
評価:★★★★
Base Ball Bear 過去の作品
十七歳
完全版「バンドBについて」
(WHAT IS THE)LOVE&POP?
1235
CYPRESS GIRLS
DETECTIVE BOYS
新呼吸
初恋
バンドBのベスト
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