スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド2013 その3
その2より
日付かわって8月25日。この日はまず高岡からバスで福野へ(ちょうどよい時間の列車がなかったので)。10時30分から、昨日の公開インタビューを行った場所と同じ、ヘリオス内アートスペースで行われたワークショップ「マリの音楽と文化」に参加してきました。
↑左の建物が会場のヘリオス。まだ朝なので人はまばらです・・・。
このワークショップは、マリの代表的な楽器、コラの奏者で、日本在住20年に及ぶマリ人のミュージシャン、ママドゥ・ドゥンビアが、マリの現状や、音楽・文化などを語るという企画。ママドゥ氏は、在日20年なだけに日本語はペラペラでした。
最初は、マリという国の現状や問題点について
・「マリ」というのは、現地の言葉で「カバ」を意味するということ。
・天気はカラッとしているが、暑い。
・日本にはマリ人は少ないが、ヨーロッパにはたくさん移住している。親戚か知り合いの誰か1人はヨーロッパに言っているという感じ。
・マリは黒人だけではない。北へ行くほど白くなる。
・民族の居住地域と国境が異なる。⇒アフリカでは一番大きな問題。
・マリには23の民族と言語がある。そのため、コミュニケーションがやりにくい。ニュースでも、日本だと5分くらいで終わるニュースが、マリではいろいろな言語で報道するため、2時間くらいかかる。
・学校がたりない。教育はタダだが、遠いから行けない。
・マリの公用語はフランス語だが、30%くらいしか学校へ行っていないから、残りはフランス語がわからない。
この23の民族と言語ということについて、「外の人はいろいろな文化があって良いというが、自分たちは全くそうは思わない」という言葉が印象的でした。
そしてその後は、マリが現在抱えている問題について。1月に起こったアルジェリアの人質拘束事件にもからんだ話をお話ししてくれました。
・マリ、アルジェリア、ニジェールにまたがった地域に住むタマシェク族(外ではトゥアラグと呼ばれている)は自分たちの国をほしがっている。
・アルジェリアやニジェールは強いため、弱い国であるマリに侵攻してきた。
・タマシェク人はそれまでリビアのカダフィの軍にいたが、カダフィ政権が倒れたことにより、武器を持ってマリに移住した(アルジェリアを通ったが、アルジェリア政府は見てみぬふりをした)。
・ただし、侵攻してきた地域には、アルジェリアでクーデターがあり、住めなくなったアラブ人たちが住んでいた。
・アラブ人はイスラム過激派がサウジなどの闇での支援を受けており、とても強かったため、タマシェク人たちを追い出し、マリはイスラム過激派の支配下になってしまった。
・その過程でマリ在住の多くのフランス人が人質に取られて、身代金が支払われた。マリ南部には多くのフランス人がいるため、フランス軍が来て、イスラム過激派を追い出した。
この話は人質事件の際、簡単にニュースで流れていましたが、あらためてアフリカの厳しい現状を思い知らされました。ちなみにマリとフランスは交流が盛んだが、フランス人は本心で何を考えているのかわからず、複雑な状況である、という話も印象的でした。また、土地はいくらでもあるのだから、なんで喧嘩するのかわからない、という話も印象に残りました。
そして最後は音楽の話。彼曰く、アフリカでは音楽は生活の一部であり、日常のあらゆる部分に音楽がある、ということ。また、マリではグリオという職業の話になりました。グリオはミュージシャンと紹介されることも多いけど、社会の儀礼などをつかさどる人で、音楽をやる人は一部らしいです。また、グリオのいうことはみんな守るため、マリでは基本的に民族紛争は起きないということ。上の民族紛争は、ただひとつの民族だけが言うことを聞かないために起きてしまった、という話でした。
また、マリの音楽が基本的に2種類。ピアノの白鍵の音色が出るコラの音色と、日本の三味線や民謡に似ているバンバラ族の音階があるそうです。
最後に、マリの楽器について紹介してくれました。主な楽器はムゴニという楽器とコラという楽器。ムゴニはウクレレみたいな弦楽器で、木と牛の皮と釣り糸でつくられるとか。基本的に自分たちでつくり、マリ人にとっては、ノスタルジーを感じる音だそうです。
そして、彼自身も奏者であるコラ。ひょうたんと羊の皮と釣り糸でつくられる弦楽器で、こちらは王様が誰か奏者に弾かせるような楽器で、ヨーロッパのハープみたいなイメージだそうです。
そんなこんなで1時間半。かなりボリュームある講演でした。前半のマリの現状に時間がさかれ、マリの音楽についてはちょっと短めだったのは残念だったのですが、マリという国やアフリカの現状について、よく学ぶことが出来ました。とても有意義な時間でした。
←カフェステージのテント
その後は、ヘリオスステージのライブがスタートするまで、ヘリオスの外のフードマーケットやグッズマーケットをブラブラ。昼食にタコスやベトナムのフォーをビールと一緒にいただきました。
そして、カフェステージのライブで楽しみます。
ハナサーサー
最初は沖縄民謡を歌う、男女5人組のグループ。「安里屋ユンタク」をはじめ、沖縄の有名な民謡などを歌ってくれました。沖縄民謡らしい横ノリの心地よいリズムとメロディーがとても心地よいステージでした。
最後は、なぜか忌野清志郎の「デイドリームビリーバー」で締めくくり。カフェステージらしい、暖かい雰囲気のステージでした。
THE POT STILL BAND
で、カフェステージで見たのはもう1組。THE POT STILL BANDという11人組という大所帯でのアイリッシュトラッドバンド。バイオリンなども加えての、こちらも爽やかなアイリッシュメロディーを聴かせてくれるバンド。爽やかなインストナンバーで、爽快な空気が会場を流れるような、心地よい音色が楽しめたステージでした。
そしていよいよ、ヘリオスステージの開場となりました。
その4へ続く
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