ソロアルバムらしい2作目
Title:ゆめとうつつとまぼろしと
Musician:百々和宏
MO'SOME TONBENDERのフロントマン、百々和宏の、2枚目となるソロアルバム。ソロデビュー作「窓」では、モーサムとは全く異なったタイプの曲を披露。さらには中島みゆきなど、歌謡曲のカバーまで収録されており、百々和宏の音楽性の幅広さを実感させる内容になっていましたが、2枚目となるソロアルバムも、基本的に1枚目同様、彼の音楽性の幅広さを実感する内容になっていました。
アコースティックで爽やかなポップチューン「天気雨」に、「ともをまつ」では、あの向井秀徳が参加し、ラップを披露しています。「ワルツ」は、完全にシューゲイザーな作品になっていますし、「なんだか愉快なぼくたちは」や「お酒にまつわるエトセトラ」は、フォーキーな作風に仕上がっています。
さらに、本作では、山口百恵の、事実上のラストシングル「さよならの向う側」をカバー。サイケ風なギターサウンドにのせていますが、歌詞をしっかりと歌い上げるカバーは、原曲お魅力をしっかりと残しています。
ただ、どの曲も基本的にポップな曲がメインというのは前作と同様。ガレージロック全開のモーサムとはかなり異なった雰囲気ですが、一方で、このメロディーセンスの良さが、モーサムの魅力の大きなポイントだったんだなぁ、ということは、前作同様、強く感じる作品になっています。
また今回のアルバムで強く印象に残ったのがこのアルバムの1曲目の「ロックンロールハート(イズヒアトゥステイ)」。前作「窓」でも、「ロックンロールハート」という自伝的なナンバーが収録されていましたが、今回はその続編とも言える内容。まさにソロアルバムならではといえる歌詞が、インパクトある楽曲になっています。
バラエティーに富んだ作風に、ポップなメロディー。ソロ作らしい、いい意味で肩の力の抜けた雰囲気。下手したら、モーサムのアルバムより良いんじゃないの?と思ってしまうほどの良作。ミュージシャン百々和宏の魅力を存分に感じられたアルバムでした。
評価:★★★★★
百々和宏 過去の作品
窓
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