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2013年7月12日 (金)

アコギかかえて気楽に歌っているような

Title:Heavenly Music
Musician:細野晴臣

今年でソローデビューから40年となる細野晴臣。「HoSoNoVa」から約2年ぶりとなるニューアルバムがリリースされました。

前作「HoSoNoVa」でも、半数がカバーアルバムでしたが、本作は、全曲がカバーとなるカバーアルバム。カーペンターズの「Close to You」のようなおなじみのナンバーもありますが、大半は、知る人ぞ知る的な曲が多く収録されています。また、「Close to You」など、原曲がおなじみな曲も含めて、すっかり細野晴臣色に染めた仕上がりになっており、「知る人ぞ知る」的な側面も含めて、一種のオリジナルアルバムのような感覚で聴けるアルバムになっていました。

また、こちらも「HoSoNoVa」に引き続き、アコースティックなアレンジのアルバムになっています。そして特徴的だったのがボーカル。どこかラフな雰囲気の仕上がりになっていて、聴いていて、例えば、縁側に座りながらアコギ片手に気楽に歌っているおじいちゃん(失礼!)の歌を、すぐ横で聴いているような、そんな仕上がりになっているように感じます。

自分のルーツを好きなようにカバーしているようなスタイルといい、すぐ横で歌っているような感覚になるようなミックスといい、非常にラフで、肩の力の抜けたようなアルバム。常に新しい音楽性を求めていた頃から比べると、ちょっと枯れた感じを受ける方もいるかもしれませんし、確かに、そういう意味でのちょっと寂しさも感じない訳ではありませんが、それ以上に、ポップソングの楽しさをそのまま伝えてくれるような内容を楽しめたアルバムでした。

また、そのような中でも、親が子供を思う歌を日本語訳した「All La Glory」(The Bandのカバー)だったり、クラフトワークの「Radio Activity」を最後に持ってきたりと、どこか震災後の日本に対するメッセージ性も、その選曲から感じることが出来ます。そういう意味では、単なる好きな曲を並べたお気軽なアルバムでは決してないことも感じます。彼なりの主張が一本通っているアルバムでした。

評価:★★★★★

細野晴臣 過去の作品
細野晴臣アーカイヴスvol.1
HoSoNoVa


ほかに聴いたアルバム

Where to go my love?/KOKIA

こちらはデビュー15周年を迎える女性シンガーソングライターの新作。「ヒトの中にあるもの」などおもしろい曲もあるが、全体的に似たようなタイプが多い印象。幻想的な作風は独特だけど、今回の作品に関してはポップ寄りになった結果、いまひとつ突き抜けない、中途半端な雰囲気になったような・・・。

評価:★★★

KOKIA 過去の作品
The VOICE
KOKIA∞AKIKO~balance~
Coquillage~The Best Collection II~
REAL WORLD
Musique a la Carte
moment
pieces
心ばかり

VERY BEST OF PRINCESS PRINCESS TOUR 2012~再会~at 武道館/プリンセスプリンセス

昨年、1年間限定で復活したプリプリの、武道館ライブの模様を収めたライブアルバム。驚かされたのは、ボーカル奥居香が、全くプリプリ活動時と同じ声量を出していて、バンド自体、解散前と比べて全く遜色ないライブを聴かせてくれているという点。選曲も、代表曲ばかりなので、初心者がベスト盤感覚で聴いても問題ない内容だと思います。

ただ一方では、MCがカットされていたり、声援などもあまり収録されておらず、ライブの臨場感が欠けるという点。どちらかというと、このアルバムを求めるファンは、そういうライブの雰囲気を「記録」的に録音されていることを望んでいると思うだけに、この編集はちょっといただけない気も。

評価:★★★★

プリンセス・プリンセス 過去の作品
プリプリ・フユソン
THE REBIRTH BEST~再会~

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