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2013年7月15日 (月)

中高生の頃ならはまっていた・・・かも?

今日紹介するミュージシャン2組は、いずれも個人的に自分が中高生の頃ならはまっていた、かも?と感じるミュージシャン。要するに、少々「中2病」的な気があるミュージシャンという訳で・・・(^^;;

Title:メカクシティレコーズ
Musician:じん

まずは、初音ミクなどのボーカロイド(音声合成技術)を用いて、自作の曲をニコニコ動画などにアップし、人気を博した、いわゆるボカロ系プロデューサー、じんの2枚目となるアルバムです。

このアルバム、そのボカロ系プロデューサーによるソロ作としては、初のオリコンチャート1位を獲得して話題となりました。ただ、ボカロ系の作品でヒットしてきた作品は何枚か聴いているのですが、確かに、その中で彼の人気が一番という理由は納得できます。いろいろな意味で、一番その世界観を確立しており、かつ、サウンド的にも秀でているものを感じるからです。

前作から続き、「カゲロウプロジェクト」といって、音楽だけではなく、小説や漫画も同時に発表。ひとつの物語を作り上げています。Wikipediaで、ざっと概要だけながめたのですが、小説の内容的には、さすがにちょっと食指は動きません(^^;;というよりも、多分、中高生の頃だったら、興味を持っただろうなぁ、という内容。また同じ意味で、このアルバムの歌詞についても、中高生の頃なら、と思ってしまいました。

ただ、それは決して稚拙とか悪い意味ではなく、若い頃なら一度ははまりそうな世界観といった感想。そういう意味で、「中2病的」という表現はピッタリかもしれません。ある意味、とてもピュアな感じもして(もちろん、嫌味な意味ではなく)、その世界にははまれませんが、ある種の好感は持てました。

サウンドに関しても、オルタナ系ギターロック主体のサウンドは、こちらは今でも好きなのですが、J-POPのヒット曲から、ちょっと新たな音を模索してみたい中高生あたりの世代にとっては、ちょうどよい「新しい音」に感じるのかもしれません。また、楽曲全体に流れるノスタルジックな雰囲気もなかなか秀逸。正直、目新しさを感じるようなタイプではありませんが、確かにこれはヒットするだろうなぁ、と感じさせるポップソングをしっかりと聴かせてくれます。

ただ、これはボカロ系に共通するのですが、どうも機械音なので、歌詞が聴き取りにくいというのが最大の難点。また、機械音のボーカルは、長く聴くとちょっと辛くなってきてしまいます。歌詞が聴きとりにくいというのは、ボカロ系の場合、動画サイトにアップされるため、映像に歌詞を流すことによって補完されている部分が大きいのですが、やはりだから歌詞が聴きとりにくくてもOK、というのではなく、せっかくの世界観なのだから、音楽だけとっても、その世界観をしっかりアピールできるようにしてほしいなぁ、ということは感じてしまいます。

とりあえず「カゲロウプロジェクト」はこのアルバムで完結だそうで、次はあらたなプロジェクトをスタートさせるということ。そちらも楽しみです。個人的には、そろそろボカロの枠組みをはずれて、生ボーカルなどをもっと取り入れてほしいなぁ、ということを思わないこともないのですが・・・。

評価:★★★★

じん 過去の作品
メカクシティデイズ

Title:ねえママ あなたの言うとおり
Musician:amazarashi

タイプ的にはおそらく彼らも、「中高生の頃なら、もっとはまっていただろうなぁ」と思わせる世界観がひとつの大きな魅力となっています。

このアルバムでも、どこか世の中を斜に構えたように見た世界観や、虚無的な感覚を覚える世界観が魅力的であると共に、どこか「中2病」的(笑)。それが、決してバカにしている訳ではなく、逆に中高生あたりなら、当然悩みそうな課題であり、今となっては逆に微笑ましさすら感じます。

また、オルタナ系ギターロックを軸に、ピアノや打ち込みなどをいれた賑やかなサウンドも特徴的。ちょっと地味に感じられた前作に比べると、華やかな雰囲気になったかもしれません。

基本的に大きな流れは前作前々作と同様の雰囲気のアルバム。ただ、それだけに、ちょっとマンネリ気味を感じ始めたかな?メロにしろ歌詞にしろ、アルバム通して何度か聴けばその魅力は十分わかるのですが、一発でリスナーの耳をつかめるようなインパクトが薄いのも、ちょっとマンネリに感じてしまう要素かも。もう一歩、がんばってほしいバンドなんですが・・・。

評価:★★★★

amazarashi 過去の作品
千年幸福論
ラブソング


ほかに聴いたアルバム

Laugh,Cry,Sing...And Dance!!!/the telephones

フルアルバムとしては、約1年半ぶりとなるニューアルバム。いつも通り、軽快で鮮やかなディスコダンスナンバーが中心のアルバムなのですが、今回のアルバムは、パワーポップっぽい「Pa Pa Pa La Pa」をはじめ、ギターロックの要素を強く感じました。結果、いままでどうも一本調子でマンネリ気味に感じられたここ最近の作品に比べて、グッと楽しめ、最後まで飽きずに聴くことが出来ました。今後のライブでのキラーチューンになりそうな「Keep Your DISCO!!!」も名曲でしたし、私がいままで聴いたthe telephonesのアルバムでは、最高傑作では?

評価:★★★★★

the telephones 過去の作品
DANCE FLOOR MONSTER
A.B.C.D.e.p.
Oh My Telephones!!! e.p.

We Love Telephones!!!
100% DISCO HITS! SUMMER PACK
Rock Kingdom
D.E.N.W.A.e.p.

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