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2013年7月22日 (月)

15周年

Title:BUMP OF CHICKEN Ⅰ[1999-2004]
Musician:BUMP OF CHICKEN

Title:BUMP OF CHICKEN II [2005-2010]
Musician:BUMP OF CHICKEN

インディーデビューから15年。そんなになるんだ・・・と我ながらビックリしています。私がはじめて彼らのアルバムで聴いたのは、1999年の1stアルバム「LAMP」。その後、インディー時代のアルバム「THE LIVING DEAD」を聴き、一気に気に入り、今日に至っています。

インディー時代にはまったということから、悪い癖かもしれませんが、いままで、BUMP OF CHICKENの最高傑作といえば、やはり「THE LIVING DEAD」で、その中に収録されている「LAMP」や「K」、あるいは「ガラスのブルース」が最高点で、その後の楽曲は、それを超えられない・・・というイメージを少なからず持っていました。

ただ、今回のベスト盤で、あらためて彼らの曲をデビューから最新作まで続けて聴くと、BUMP OF CHICKENの楽曲の魅力は、デビュー時から今に至るまで、決して衰えていなかったんだなぁ、ということを、当たり前ながら実感してしまいました。IIに収録されている曲でも「プラネタリウム」「supernova」など、決してインディー時代やデビュー当初に負けずとも劣らない傑作揃い。もっとも逆に、インディー時代に彼らのスタイルが既に完成されていた、という点も、再認識したベスト盤でもあった訳ですが。

また、こうやって代表曲を並べて聴くと、彼らの曲って、本当におもしろいまでにひとつのスタイルをデビュー時から今まで貫いているということを実感しました。基本的にメロディアスなオルタナギターロック路線を主軸に、歌詞は、どこか孤独を抱えたような若者の、背中を押すような内容。歌詞のスタンスはほとんど変わりませんし、決してエレクトロに手を出したり、レゲエやHIP HOPを取り入れたり、そういう音楽的なブレは全くありません。

ともすれば「マンネリ」を招きかねない彼らのスタンスですが、この2枚組のアルバム、最後まで全く飽きることがありませんでした。それだけ、彼らのメロディーや歌詞が秀逸ということでしょう。そういう意味でも、BUMP OF CHICKENの魅力を再認識するベスト盤でした。

しかし、彼らの曲って、40歳に近づいてきた今聴いても、どこかワクワクするものがあるんですよね。あえていえば彼らの曲を聴いていると、子供の頃に読んでワクワクした、良質な冒険小説や、冒険モノの漫画をあらためて読んでいるような、そんな感じを覚えます。

彼らの曲も、おそらくメインとなるターゲットは10代や20代前半。ファンタジックな作風といい、ここ最近増えている、例えばSEKAI NO OWARIやamazarashiのような「中2病」的バンドとリスナー層は近いのかもしれません。ただ、「中2病」バンドと大きく異なるのは、彼らの歌詞が、ファンタジックながらも、若者の妄想ではなく、その向うにきちんと地に足をつけたテーマ性を持った物語という点でしょう。そんな彼らの作風だからこそ、40歳に近い私が聴いていても、どこかワクワクするような感覚を覚えるのかもしれません。

BUMP OF CHICKENというバンドの魅力を再認識したベスト盤。ちょっと残念だったのは、新曲などが全くなくて、アルバムを全部持っているファンにとっては、ちょっと購買意欲をそそられなかった点でしょうか。例のごとく、シークレットトラックは収録されているのですが。その点だけはちょっと残念だった、かも。

評価:
I ★★★★★
II ★★★★★

BUMP OF CHICKEN 過去の作品
orbital period
COSMONAUT

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