リビングレジェンドの現役感バリバリの新作
Title:Cotton Mouth Man
Musician:JAMES COTTON
今回、アルバムを紹介するJAMES COTTONは、アメリカのブルース・ハーモニカ奏者。ブルース・ハーモニカの代表的な奏者であるサニー・ボーイ・ウィリアムソンIIに直接手ほどきを受け、さらには1950年代には、ブルース界を代表するミュージシャンである、マディー・ウォーターズのバンドにも所属していたという、すっかり数少なくなってしまった、ブルースの最盛期から活動を続けている、いわばリビング・レジェンドのひとりといっていいでしょう。
御歳77歳の彼ですが、いまだに積極的に活動を続けており、今年春には、来日公演も行ったほど。そして3年ぶりとなるオリジナルアルバムのリリースとなりました。今回、全13曲入りのアルバムながらも、うち12曲がオリジナル曲という、まだまだ現役であることを十分にアピールしたアルバムになっています。
アルバムの内容は、まさに王道を行くようなシカゴ・ブルース。ただ、パワフルな演奏に、全く古さを感じさせません。特に、ブオンブオン、パワフルなバンドに負けないように吹きまくるJAMES COTTONのハーモニカのサウンドは、全く年齢を感じさせません。ライナーツノートによると、「全盛期と比べて」という表現がされていましたが、しかし、パワフルな演奏に、顕著な衰えは感じません。
なおかつ、軽快なサウンドのロッキンな雰囲気の曲が多いので、比較的にロックリスナーにも楽しめる内容ではないでしょうか。また、その上でブルースの雰囲気を楽しめるアルバムだと思います。まあ、ブルースの最初の1枚、という感じではないのかもしれませんが・・・興味がある方は、是非どうぞ。
ちなみに、今回のアルバムは、彼の自伝的内容がアルバムのテーマとなっているとか。残念ながら、国内盤でも英語詞はついていても対訳がないため詳細はわからないのですが、タイトルナンバー「COTTON MOUTH MAN」や「BLUES IS GOOD FOR YOU」などでは、彼のブルースに対する愛情は、私の拙い英語の解釈でも感じることが出来ます。彼自体、残念ながら93年に喉頭がんを患い、その後、ボーカルを取ることは基本的になかったそうですが、今回のアルバムではラスト「BONNIE BLUE」ではなんと彼自身がボーカルを取っています。しゃがれた声で、少々聴きにくくも、力強いボーカルに、このアルバムにかける意気込みも感じました。
そんな訳で、決して「まだお元気でよかった」的なアルバムではなく、現役感をバリバリ感じることが出来る1枚。まだまだこれからもパワフルな作品を作り続けてほしいです。
評価:★★★★
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