好きな曲に好きなようにチャレンジ
Title:LOVER ALBUM 2
Musician:クラムボン
クラムボンのカバーアルバム第2弾。今回のアルバムは、前作以上にジャンルがバラバラ。好きな曲を好きなようにカバーしているアルバムになっています。
なんといっても、空気公団のように、女性ボーカルのソフトロックバンドあり、HUSKING BEEのようなパンクあり、中森明菜のような歌謡曲からThe Beatles、さらにはジャズに、ミトがお気に入りというアニメソングまで2曲収録。見事なまでにジャンルレスなカバーアルバムになっています。
そのため、アルバム全体としては寄せ集め感が強く、雰囲気的にはバラバラ。アルバムとしての統一感はほとんどありません。ただ、逆に言えば、アルバムの統一感を出すよりも、1曲1曲、それぞれの曲に似合った味付けをした、ということなのでしょう。
基本的に原田郁子の特徴あるやわらかいボーカルを主軸として、アコースティックな味付けをほどこしているのがメイン。そこは実力のある彼らだからこそ、ロック風の強い曲からポップ、ジャズ、レゲエなどなど、曲によってジャンルもたくみに使い分け、それぞれの曲の雰囲気に似合ったアレンジに見事仕立てています。
ただ、それだけジャンルがバラバラだからこそ、出来の良し悪しはあって、原田郁子のボーカルが曲にマッチした曲は、名カバーになっていました。例えば、空気公団の「呼び声」なんかはすぐイメージしやすいですし、アニメ「けいおん!」のキャラソン「U&I」なんかも原田郁子のボーカルがピッタリはまっていました。
逆にちょっと厳しかったのは中森明菜の「Desire」で、原曲とボーカルのタイプが違うのに、原曲と同じベクトルでカバーしているので、ちょっとボーカルと曲の雰囲気がアンマッチだったかも。TOKYO No.1 SOUL SETの「状態のハイウェイ」も、BIKKE本人が参加しちゃっているので、結果、カバーというよりも、TOKYO No.1 SOUL SETの曲にクラムボンがゲスト参加しているような雰囲気に・・・。
とはいえ、総じて好きな曲に好きなようにチャレンジしているだけに、メンバー全員の肩の力が抜けたような感じの、楽しい雰囲気のカバーアルバムになっていたと思います。なによりも本人たちが演奏していて楽しかったんでしょうね。そんな雰囲気が伝わってくるようなカバーアルバムでした。
評価:★★★★★
クラムボン 過去の作品
Re-clammbon2
JAPANESE MANNER ep
2010
ワーナーベスト
columbia best
3peace2
ほかに聴いたアルバム
野獣バイブレーター/ギターウルフ
途中、ジョンスペとの共同リリースとなるEPはあったものの、純然たるオリジナルとしては、2年5ヶ月ぶりとなるギターウルフの新作。とはいっても、基本的な路線はいつものギターウルフそのままなのでご安心を。ただ、本作は、以前よりも、よりヘヴィーに、またサイケっぽい雰囲気もまして、強烈なギターサウンドが、リスナーを襲い掛かるようなアルバムでした。
評価:★★★★
ギターウルフ 過去の作品
宇宙戦艦ラヴ
THE REVELATION/coldrain
名古屋で結成されたという、5人組ハードコアバンド。このアルバムも見事ベスト10ヒットを果たしたのですが、気がついたら、最近、この手のヘヴィーなバンドが増えたなぁ。やはりアイドル系やらK-POPやらがチャートを席巻する中、ヘヴィーな音を求める若者が増えてきているということなのでしょうか。このアルバム、ヘヴィーな音が終始耳を惹きますが、メロディーラインには哀愁もあって、とても聴きやすく、このヘヴィーだけどもポピュラリティーがあるというバランスが人気の理由でしょうか。はじめて聴きましたが、意外と聴きやすく、楽しめました。
評価:★★★★
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