カバーアルバム第2弾
以前、ユニコーンと奥田民生の楽曲を、様々なミュージシャンがカバーする企画アルバムがリリースされました。それから約5年。なんと、その第2弾シリーズがリリースされました。
Title:ユニコーン・カバーズ
まずはユニコーンのカバーアルバム。くるりの「デーゲーム」や、YUKIの「自転車泥棒」、ちょっと変わったところだと、Scott&Riversによる「雪が降る町」や、Andy Sturmerの「ひまわり」など、外国勢も参加しています。
もともと、ユニコーンの曲自体、楽曲の雰囲気とアレンジが密接にむすびついている曲が多く、それを変えようとすると、自分たちのスタイルにそれなりの自信が必要。前回は、特にベテラン勢が、きちんと自分たちの持ち味を入れつつ、ユニコーンらしさを残したカバーを聴かせてくれたのですが、今回の作品に関しては、基本的に原曲に忠実なカバーが多く、新しい発見みたいなものはあまりありませんでした。
ただ、その中でおもしろかったのは氣志團の「人生は上々だ」で、原曲は後半になるとどんどんアップテンポに狂ったような曲調になるのですが、このユーモラスな雰囲気が、氣志團のイメージとピッタリマッチしていました。おそらく、これだけこの曲をイメージそのままでカバーできるのは、氣志團くらいだろうなぁ~。
グループ魂の「服部」も、相変わらずコントを挟んでのパンキッシュなカバー。ここは、どんなカバーでも、いつも通りって感じですね(笑)。
悪くはないけど、原曲のイメージに捕らわれすぎて、ちょっとこれは、といったカバーが少なかったかな。惜しいカバーアルバムでした。
評価:★★★★
Title:奥田民生カバーズ2
ユニコーンは、曲とアレンジが一体となっていましたが、奥田民生のソロ作は、さらにそこにボーカルが加わり、独特の曲のイメージを作り出しています。つまり、奥田民生のボーカルあっての曲が多いわけで。前作も、その点で苦労していたミュージシャンが多かったのですが、今回のカバー第2弾は、さらに苦労していたミュージシャンが多かったように思います。
なので、原曲のイメージを残したままでは、例外なく無残に敗れ去っています。逆に、奥田民生をカバーするには、原曲のイメージを引っぺがし、その上で自分のイメージを塗りこむしかないのでしょう。ただ、the HIATUSが「さすらい」をちょっとポストロック風に、最近はジャズミュージシャンになった大江千里が「御免ライダー」をジャズにしてカバーしていますが、正直、とってつけたようなアレンジで、原曲には到底及ばなかったような・・・。
ただ、そんな中、強烈な個性を放って名カバーを聴かせてくれたのがCharaの「The STANDARD」と矢野顕子の「野ばら」。どちらも、その特徴的なボーカルで、完全に自身の曲として生まれかわらせたカバーになっていました。奥田民生くらい強烈な個性を持つボーカリストに対抗するには、これだけ強烈な個性を出さなくてはいけない、ってことなんでしょうね。
カバーアルバム全体としては、ちょっと残念な内容で、奥田民生のボーカリストとしての魅力を、逆に再認識できたアルバムでした。
評価:★★★
ほかに聴いたアルバム
neuron/sleepy.ab
sleepy.abは、毎回アルバムを聴いています。で、毎回、それなりにいいアルバムはリリースしてくるのですが、どうもブレイクしきれないですね・・・。幻想的な雰囲気のギターロックは、しっかり個性として確立しているものの、バンドサウンド、幻想的な雰囲気、メロディーライン、どこもいまひとつ突き抜けていないからか??
評価:★★★★
sleepy.ab 過去の作品
paratroop
Mother Goose
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