ブランキーの歩み
Title:Complete Single Collection "Singles"
Musician:BLANKEY JET CITY
解散から早くも13年。BLANKEY JET CITYのベスト盤が突然リリースされました。今回のアルバムは、彼らが発売したシングルを全収録した、シングル集。今年1月、彼らのラストツアーに密着したドキュメンタリー映画「VANISHING POINT」が公開され、その後、DVDで発売されましたが、今回のベスト盤は、それに合わせてのリリースということだそうです。
基本的に、シングルが発売順に並べているため、彼らの歩みも知ることが出来ます。並べて順番に聴くと、初期の作品を収録したDISC1と、後期の作品を収録したDISC2では、意外と違いを感じられるのがおもしろいと感じました。
具体的に言えば、DISC1は、やはりまだまだ若手バンドとしての荒削りなものを感じます。ただ、その一方で、勢いと、そして強烈な個性を感じることが出来ます。特にその荒涼とした雰囲気を感じさせる世界観は見事。デビューシングルでもある「不良少年の歌」や、歌詞の過激さからメジャーからは発売中止になり、インディーズでのリリースとなった「悪いひとたち」などは、世の中の善と悪を相対化させた視点での歌詞も、非常にインパクトがあります。
DISC2の作品は、ドラマ主題歌になり、チャート5位を記録した「ダンデライオン」をはじめ、オリコンチャートベスト10入りを記録した曲が続々。初期に比べれば、間違いなくバンドとしての完成度があがり、楽曲もいい意味でまとまっています。ただ、その一方で、初期のような荒々しさは薄れて、少々ブランキーとして様式化しちゃっている部分も。このパターン化しちゃった世界観が、正直、その後のベンジーの作品にも、悪い意味で続いてしまっていると思うのですが・・・。
とはいえ、DISC2の時期の作品も含めても、メンバー3人が出す音+ボーカルが、それぞれ個性を持ちながら、決してぶつかりあうことなく、高い次元で融合しているバンドサウンドは、今なお鳥肌が立つほど。彼らが唯一無二のバンドだった、ということをあらためて実感させられるベスト盤です。
ただ今回はあくまでもシングル曲をまとめたベストで、また、アルバム「BANG!」の購入者特典CDにのみ収録されていた「My Way」収録という点、ファンにはうれしいかもしれませんが、こちらはわずか47秒の小品。そういう意味では、どちらかというと、入門盤的、あるいはよっぽどのコアなファン向けアイテムといった感じの作品かも。とはいえ、やはり名曲揃いのベスト盤なだけに、評価は・・・
評価:★★★★★
BLANKEY JET CITY 過去の作品
RARE TRACKS
MONKEY STRIP ACT 2
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