日本語詞に挑戦
Title:街の14景
Musician:the band apart
the band apart2年ぶりの新作。今回の新作で、ファンを驚かせたのは、全曲日本語詞に挑戦したアルバムだった、という点。確かに、昨年リリースしたシングル「2012 e.p.」が、全日本語詞のシングルだっただけに、この方向性も予想は出来たといえば出来たのかもしれませんが、それでも、少々驚きをもって迎え入れられたアルバムでした。
正直言うと、アルバム全体の印象としては、少々地味かも。まあ、もともと淡々とした曲調が多いバンドだとは思うのですが、そんな中でも、これといったインパクトある曲が今回のアルバムにはなく、さらりと聴いていたら、さらりと流せてしまうほどの内容になっていました。
ただ、そんな中、きちんと聴き込めば、しっかり味の出てくるアルバムになっているのはさすが。「街の14景」というタイトル通り、街の風景を切り取ったような歌詞が多いのが印象的。日本語初挑戦ながらも、the band apartのリズムともしっかりマッチしており、日本語であることの違和感は全くありません。
ロックにシティポップ、アシッドジャズ、ファンクなど様々な要素を取り込んだサウンドは相変わらず。「AKIRAM」「泳ぐ針」あたりは、まさにthe band apartの王道とも言うべき作品。ただ、その一方で、「いつかの」や「black」のような、ノイジーなギターサウンドを前に押し出して、よりロック色を強くした作品が目立ったような印象を受けました。
the band apartの色をしっかり残しつつ、日本語詞といい、ロック色強いサウンドといい、新たなthe band apartとしての可能性も模索している、といった感じでしょうか。ちょっと地味な作風で、the band apartの最初の1枚としては、入りにくい作品かもしれませんが・・・ファンとしては、これからのthe band apartも楽しみになってくる作品でした。
評価:★★★★
the band apart 過去の作品
Adze of penguin
shit
the Surface ep
SCENT OF AUGUST
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