« 強いメッセージを感じる作品 | トップページ | 好きな曲に好きなようにチャレンジ »

2013年6月23日 (日)

変わる人、変わらない人

EGO-WRPPIN'とLOVE PSYCHEDELICO、反論も覚悟の上で書くと、個人的にこの両者、非常に似ているものを感じるバンドでした。確かに、音楽的には前者はジャジー路線、後者はロックンロールという違いはあります。でも、どちらも洋楽テイストが強いサウンドながらも、ポップ色も強く、ヒットチャート上位に食い込むだけの広い層に支持を得ている点、完成度が高い反面、良くも悪くも隙の無いサウンド、悪く言ってしまうと、少々あざとさも感じる点など、似たような雰囲気を感じていました。

そしてどちらも、ここ最近活動のペースを落とし、今回リリースしたアルバムが久しぶりという点でも共通。ただ、久々にリリースした新譜の方向性は、両者大きくことなっていました。

Title:steal a person's heart
Musician:EGO-WRAPPIN'

EGO-WRAPPIN'の約2年7ヶ月ぶりとなるアルバムは、そのイメージをガラリと変えるものでした。楽曲の雰囲気は、かなり爽やかでソフトな感じに。いままでの、ヘヴィーな歌謡風ジャジー路線は、ほとんど影をひそめてしまいます。あえていえば「女根の月」あたりが、いままでの彼女たちのイメージ通りの作品でしょうか。

ただ、前作「ないものねだりのデットヒート」も、肩の力が抜けたようなポップな作風になっていただけに、今回の作品はその延長線上ともいえるかもしれません。で、今回の作品で気がつくのは、楽曲のバリエーションがいままで以上に、実に豊富だなぁ、という点でした。

「水中の花」みたいにソフトロックみたいな曲があれば、「10万年後の君へ」みたいなファンキーな作品もあり、ロッキンな「ちりと灰」、さらにはオーケストラアレンジの「fine bitter」まで1曲1曲異なったEGO-WRAPPIN'の顔を見せてくれます。

昔のファンにとっては賛否両論みたいですし、確かに、昔のイメージで聴くと、かなり肩透かしをくらうようなアルバムだったと思います。ただ、前作から本作への流れを考えると、EGO-WRAPPIN'としては、かつての歌謡ジャズ路線は、ほぼやりつくしたと考えているのかなぁ、とも考えました。

個人的には、様々なアイディアが詰め込まれ、最後まで飽きさせない内容であり、まだまだこの路線では、新たな可能性も感じる点、いままでのEGO-WRAPPIN'のアルバムより楽しめました。ただ、一方では、まだ様々な曲に挑戦している点、次の一歩を定めきれない点も感じられ、そういう意味では、次回作の内容如何で、このアルバムの意味も変わってくるかもしれません。まさに「問題作」ともいえる作品。次回作に注目です。

評価:★★★★★

EGO-WRAPPIN' 過去の作品
ベストラッピン 1996-2008
EGO-WRAPPIN' AND THE GOSSIP OF JAXX
ないものねだりのデットヒート

Title:IN THIS BEAUTIFUL WORLD
Musician:LOVE PSYCHEDELICO

EGO-WRAPPIN'が久々の新作で大きくそのスタイルを変えたのに対して、3年3ヶ月ぶりとなるこの作品、LOVE PSYCHEDELICOのスタイルは、全く変わりませんでした。

よく言えば「大いなるマンネリ」、悪く言ってしまえば「マンネリ」。こちらも前作「ABBOT KINNEY」では、肩の力が抜けたように感じたのですが、本作では、ただただLOVE PSYCHEDELICOらしい曲を繰り返している、そういう風に感じてしまいました。

まあ、確かに愚直に、同じ路線を貫くというのもひとつの正解だと思います。ただ、今回の作品に関しては、少々「マンネリ」という部分が先に立ってしまったかなぁ・・・なんてことも感じてしまった作品。もちろん、LOVE PSYCHEDELICOのクオリティーは高い水準で保たれているだけに、ファンならば満足の行く作品、だとは思います。ただ、ちょっと次回作に不安を残すアルバムでした。

評価:★★★★

LOVE PSYCHEDELICO 過去の作品
This Is LOVE PSYCHEDELICO~U.S.Best
ABBOT KINNEY


ほかに聴いたアルバム

burundanga/FACT

最近、続々とヘヴィーロックバンドがブレイクし、チャート上位に顔をのぞかしていますが、今から考えると、その先駆け的存在だったのが彼らFACT。ただ、正直、一時期ほどの勢いを感じられないのが気にかかるところ。今回の作品も、ハードコアのみならず、メロパンクや、エレクトロなど様々なジャンルに挑戦しており、単なるヘヴィーロックバンドにとどまらない幅の広さを感じさせる反面、結果、少々散漫になってしまい、個性が薄くなってしまっています。いいアルバムだとは思うのですが・・・。

評価:★★★★

FACT 過去の作品
FACT
In the blink of an eye

|

« 強いメッセージを感じる作品 | トップページ | 好きな曲に好きなようにチャレンジ »

アルバムレビュー(邦楽)2013年」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/505136/52078030

この記事へのトラックバック一覧です: 変わる人、変わらない人:

« 強いメッセージを感じる作品 | トップページ | 好きな曲に好きなようにチャレンジ »