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2013年6月25日 (火)

明るい雰囲気の作品だが・・・。

Title:LAND
Musician:ゆず

例のごとく、村上隆デザインによるジャケットが印象的な、オリジナルとしては2年3ヶ月ぶりとなるゆずのニューアルバム。サーカスをモチーフにしたジャケットだけに、アルバム全体としては、ゆずらしい、軽快なポップで、明るくまとまっているアルバム、そんな印象があります。

まずは、冒頭を飾る前山田健一も参加している「REASON」。ヒャダインらしい・・・という感じは、そんなに強くないのですが、爽やかで明るいポップチューンですし、タイトル通り、とにかく明るく、ライブでも盛り上がりそうな「LOVE&PEACH」を挟みつつ、最後は、ジャケットの雰囲気にもピッタリのファンタジックなポップナンバー、「ムーンライトパレード」で締めくくっており、明るく楽しいポップソングというのが、このアルバムでひとつ大きな主軸となっています。

・・・というイメージで聴いていて、単なる明るいだけの脳天気なアルバムにはなっていないのが彼らの魅力で、その一方では、タイトル曲でもある「LAND」は、現在の日本に対して皮肉を効かせたナンバーになっていますし、「ゼラニウム」などは、東日本大震災へのレクイエムだそうで、決して明るいだけの一本調子ではない曲風が、アルバム全体に深みを与えています。

もうひとつ、このアルバムで大きな特徴的だったのが、スケール感のある曲が多く収録されている点。一番特徴的だったのは、「with you」でしょうか。ストリングスを用いたアレンジに、伸びやかなボーカル。スタジアムバンドとしてのスケール感を覚えるナンバーになっています。

でも、彼らの場合おもしろいのは、スケール感のあるナンバーを多く書いている一方、そのサウンドは、どこかストリートライブ時代のアコギ2本だけで演奏していた時代の地続きになっている点。今回のアルバムでもタイトル曲「LAND」の出だしでは、アコギの音から印象的にスタートしますし、「流れ星キラリ」のように、アコギを用いた曲もしっかり収録されており、スタジアムバンドとしての土台には、きちんと2人だけのストリートライブの時代に培ったものが残されているということを、今回のアルバムからもしっかりと感じることが出来ます。

そんな明るさと物悲しさが同居し、スケール感とアコースティックな感覚が同居している、ゆずというバンドが持つ、幅の広さを感じることのできるアルバムでした。ある意味、ゆずの完成形に近いアルバムなのかも。ゆずの魅力を再認識した1枚でした。

評価:★★★★★

ゆず 過去の作品
WONDERFUL WORLD
FURUSATO
2-NI-
YUZU YOU[2006-2011]


ほかに聴いたアルバム

NIAGARA SONG BOOK 30th Edition/NIAGARA FALL OF SOUND ORCHESTRAL

大瀧詠一の名盤「A LONG VACATION」の曲たちを、井上鑑によるオーケストラアレンジによって演奏されたインストアルバム。そのアルバムを、発売から30年を記念し、「幸せな結末」「恋するふたり」を加えてリマスタリングされて30周年記念盤としてリリースされました。インストアルバムということで、基本的には大瀧詠一のファンズアイテムといった感じですが、分厚いアレンジの幸福感たっぷりのアルバムで、熱心なファンでない私でも、聴いていて幸せな気分になりながら楽しめたアルバムでした。

評価:★★★★

Shout to the Walls!/NICO Touches the Walls

このアルバムでは、自己最高位になるチャート5位を記録。人気バンドへと、着実な一歩を進めているNICO Touches the Wallsの新作。相変わらずボーカルの歌い方といい、楽曲の雰囲気といい、ミスチルの亜流というイメージは相変わらず否めないのだが、楽曲の雰囲気としては、かなり垢ぬけた感もあり、大きな成長を感じるアルバム。もっと、彼らだけの個性を出せれば、おもしろくなると思うんですが・・・。

評価:★★★★

NICO Touches the Walls 過去の作品
Who are you?
オーロラ
PASSENGER
HUMANIA

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