フェラ・クティの遺志を継ぎ
Title:NO PLACE FOR MY DREAM
Musician:FEMI KUTI
アフロ・ビートの創始者として、今なお多くのミュージシャンに影響を与えるフェラ・クティ。その末の息子で、フェラのバンド「エジプト80」を引き継いでいるのがシェウン・クティ。以前、アルバムを聴いて、ここでも紹介したことがあります。一方、彼も同じくフェラ・クティの息子、長男にして、アフロ・ビートをついでいるフェミ・クティ。はじめて彼のアルバムを聴いてみました。
情熱的なアフロ・ビートのリズムがアルバムを通じて軽快に響き渡るアルバム。ただ、このアルバム、ひとつ大きな特徴に感じたのは、全11曲入りながらも50分程度の長さという点でした。
そのため、1曲あたりが長くて5、6分程度の長さ。アフロ・ビートの作品としては、かなり短さを感じました。その影響もあってか、ポップな感覚で楽しめる作品。例えばこのアルバムでも、タイトル曲にもなっている「NO PLACE FOR MY DREAM」などは、哀愁感もあるメロディーラインも印象的で、4分弱の長さの作品は、ポップスとしても広いリスナー層に楽しめそう。
ただその反面、楽曲の長さが短めだったため、アフロ・ビートを聴いていて気分が盛り上がってくる前に終わってしまう、という点が少々マイナスポイントにも感じました。そのため、アフロ・ビートらしい高揚感はちょっと薄めだったかな?
歌詞の方は、「THE WORLD IS CHANGING」だとか「NO WORK NO JOB NO MONEY」だとか、父の遺志を継ぐような社会派な楽曲も多いのですが(ゴミの山の中を歩く女性を描いたジャケット写真も印象的)、国内盤でも訳詩がつかないのが非常に残念・・・(まあ、そんなに難しい英語ではないのですが・・・)。こういう曲だから、是非、邦訳をつけてほしかったなぁ。
とはいえ、フェラ・クティ直系のアフロ・ビートのリズムはやはり魅力的。ライブとかも楽しそう。アフロ・ビートが好きなら、とりあえずはチェックしておきたいアルバムでしょう。
評価:★★★★
| 固定リンク
「アルバムレビュー(洋楽)2013年」カテゴリの記事
- 44年ぶり(2013.12.29)
- 荒々しいトラックが強烈(2013.12.24)
- あの傑作アルバムの続編(2013.12.23)
- 早くも2作目!(2013.12.21)
- 驚愕のライヴ!(2013.12.15)
コメント