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2013年6月

2013年6月30日 (日)

フェラ・クティの遺志を継ぎ

Title:NO PLACE FOR MY DREAM
Musician:FEMI KUTI

アフロ・ビートの創始者として、今なお多くのミュージシャンに影響を与えるフェラ・クティ。その末の息子で、フェラのバンド「エジプト80」を引き継いでいるのがシェウン・クティ。以前、アルバムを聴いて、ここでも紹介したことがあります。一方、彼も同じくフェラ・クティの息子、長男にして、アフロ・ビートをついでいるフェミ・クティ。はじめて彼のアルバムを聴いてみました。

情熱的なアフロ・ビートのリズムがアルバムを通じて軽快に響き渡るアルバム。ただ、このアルバム、ひとつ大きな特徴に感じたのは、全11曲入りながらも50分程度の長さという点でした。

そのため、1曲あたりが長くて5、6分程度の長さ。アフロ・ビートの作品としては、かなり短さを感じました。その影響もあってか、ポップな感覚で楽しめる作品。例えばこのアルバムでも、タイトル曲にもなっている「NO PLACE FOR MY DREAM」などは、哀愁感もあるメロディーラインも印象的で、4分弱の長さの作品は、ポップスとしても広いリスナー層に楽しめそう。

ただその反面、楽曲の長さが短めだったため、アフロ・ビートを聴いていて気分が盛り上がってくる前に終わってしまう、という点が少々マイナスポイントにも感じました。そのため、アフロ・ビートらしい高揚感はちょっと薄めだったかな?

歌詞の方は、「THE WORLD IS CHANGING」だとか「NO WORK NO JOB NO MONEY」だとか、父の遺志を継ぐような社会派な楽曲も多いのですが(ゴミの山の中を歩く女性を描いたジャケット写真も印象的)、国内盤でも訳詩がつかないのが非常に残念・・・(まあ、そんなに難しい英語ではないのですが・・・)。こういう曲だから、是非、邦訳をつけてほしかったなぁ。

とはいえ、フェラ・クティ直系のアフロ・ビートのリズムはやはり魅力的。ライブとかも楽しそう。アフロ・ビートが好きなら、とりあえずはチェックしておきたいアルバムでしょう。

評価:★★★★

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2013年6月29日 (土)

現実を生きること

Title:Stranger
Musician:星野源

昨年12月、くも膜下出血を発症し、活動を休止。その容態が心配されたものの、無事復帰を果たした星野源の待望のニューアルバムがリリースされました。

基本的に、いつもの通り、アコースティック主体のサウンドの、暖かい雰囲気の曲調が特徴的。目新しさというものはないかもしれませんが、安定感があり、なにより、決して派手ではないものの、しっかりと心に染み入ってくるようなメロディーが大きな魅力となっています。

そして彼のもうひとつ大きな魅力はその歌詞の世界。現実世界にしっかりと立脚して、日常風景を歌うスタイルは以前からの彼と同じ。ただ、今回の作品は、その「現実を生きる」というテーマが、より強く感じられました。それはやはり、病気から復帰してきたからこそ、「今」の大切さを実感したから・・・というのは安易な解釈でしょうか?

例えば、そのままストレートに「働け」と歌う「ワークソング」なんかは、まさにそんな「現実」に立脚した楽曲(「定時まで」とエクスキューズを入れているのがちょっとユニークですが)。また、タイトルそのもの「夢の外へ」なども

「ドアの外へ連れてって
ただ笑う声を聞かせて
この世は光 映してるだけ」

(「夢の外へ」より 作詞 星野源)

と、「今」を生きる喜びを歌っているのが印象的。また、「生まれ変わり」では、「生まれ変わりなんてない」と歌いながら、

「決してもう二度と戻らぬ日が
いつまでも輝けばいいな
何度も何度も見上げた背中はもう
前を向いたまま
前を 前を向いたまま」

(「生まれ変わり」より 作詞 星野源)

現実の中で前を向いていくことを歌っています。

かと思えば、「知らない」では

「物語つづく 絶望のそばで
温もりが消えるその時まで」

(「知らない」より 作詞 星野源)

と、楽しいことと同時に苦しいことも多い現実を、でも死ぬまで生きていかなければいけない、と歌っています。

もともとから、日常を歌っていた彼らですが、死線をさまよい、生きることの重要性を悟った今だからこそ、こういう歌詞になったのでしょうか。ただ、とはいって、決して仰々しく生きることを歌っているわけではありません。あくまでもいつもの星野源の作風の中で、さりげなく生きることの楽しさ、そして苦しさを歌っている、そんなアルバムでした。

・・・・・・・・・ということを書いた直後に、予後があまりよくないようで、治療に専念するために、再度活動休止を発表しました。非常に心配なのですが、ここはゆっくりと治療に専念し、また、元気な姿を見せてください!

評価:★★★★★

星野源 過去の作品
ばかのうた
エピソード


ほかに聴いたアルバム

21st CENTURY ROCK BAND/ストレイテナー

今年でメジャーデビュー10年となるオルタナ系ギターロックバンドの、メジャーデビュー後初となるベストアルバム。ヘヴィーなギターサウンドに対して、メロディーは意外とポップで聴きやすいのが特徴的。ただ、初期の作品に関してはメロディーはインパクトもあるのですが、最近の作品になると、バンドサウンドが前に出すぎて、メロディーはちょっと薄味に。結果、いまひとつインパクトが薄くなってしまったように思います。また、ベストに収録された曲に関しては、決してバリエーション豊富なわけではなく、似たタイプの曲が多いのは残念な感じ。

評価:★★★★

ストレイテナー過去の作品
Immortal
Nexus
CREATURES
STOUT
STRAIGHTENER

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2013年6月28日 (金)

30年を超えて今でも

Title:ZOOEY
Musician:佐野元春

企画盤などのリリースはあったものの、オリジナルアルバムとしては「COYOTE」以来、約5年9ヶ月ぶりとなるニューアルバム。前作同様、深沼元昭や高桑圭らが参加したTHE COYOTE BANDをバックに率いての演奏となっています。

前作「COYOTE」も、この新しいTHE COYOTE BANDによって、若々しさを感じられる勢いある作風に仕上がっていましたが、今回のアルバムも、デビュー30周年というベテランとは思えないような、若々しさと勢いのある作品になっていたと思います。例えば「ビートニクス」のような、今回のアルバムでは、特に分厚いギターロックを奏でる作品が多く、いわゆるオルタナ系ギターロックが好きな方にとっては、壺にはまるような音が多いのではないでしょうか。

一方では「君と一緒でなけりゃ」のような、ソウル風でちょっとファンキーな作品などもあったりもして、ベテランらしい安定感もアルバムの随所で感じられます。前作「COYOTE」でも感じたのですが、まるで若手のような瑞々しさと、ベテランとしての風格を同時に兼ね備えたような内容で、まさに佐野元春でしかつくれないようなロックのアルバムといった感じでしょうか。

また、若々しさという意味では、かなりストレートで暖かいラブソングを、惜しげもなく歌っているのも今回の特徴。タイトルそのままな「君と一緒でなけりゃ」や「愛のためにできたこと」など、愛の力について、素直に歌ったような歌詞が目立ちます。また、「世界は慈悲を待っている」「虹をつかむ人」のような、明るい未来を指し示したような前向きな曲も多かったような印象も受けました。

それはもちろん、ここ最近の能天気な前向きJ-POPのような、お気軽応援歌では決してありません。おそらく混沌とした今の世の中だからこそ、その中で見える希望を懸命に歌ったのではないでしょうか。そこに、彼の優しさが垣間見れるような、そんな作品でした。

ここ最近のアルバム、特に私がリアルタイムで聴いたアルバムの中では、一番の出来だったかも?依然としてロックミュージシャンとして最先端で活躍を続ける彼の魅力を、存分に感じたアルバムでした。

評価:★★★★★

佐野元春 過去の作品
ベリー・ベスト・オブ・佐野元春 ソウルボーイへの伝言
月と専制君主


ほかに聴いたアルバム

キノコホテルの逆襲/キノコホテル

メンバーチェンジ後初となる6曲入りのミニアルバム。東京ブラボーやカルメン・マキの曲を取り上げたカバーアルバムなのですが、その選曲はかなりマニアックなので、原曲は知らない曲ばかり(^^;;それなので結果、キノコホテルのオリジナルのように楽しめてしまう内容になっています。結果は、いつも通りの歌謡ガレージロック。ちょっとどこまでキノコホテルの解釈が出ているのか、わかりずらいのが玉に瑕・・・。

評価:★★★★

キノコホテル 過去の作品
マリアンヌの憂鬱
マリアンヌの休日
クラダ・シ・キノコ
マリアンヌの恍惚
マリアンヌの誘惑

DEBF3/小室哲哉

小室哲哉のソロアルバム「Digitalian is eating breakfast」シリーズの第3弾。2枚組のアルバムで、1枚はソロ作、もう1枚はライブストリーミングチャンネル「DOMMUNE」でのライブの模様を収録したライブアルバムになっています。

ソロ作の方は、特にひねりもない、最近はやりのEDM。ただ、一昔前の彼なら、無理に最先端の音を取り入れようとして、結果、どうにもつまらない作品が出来ていたところでしょうが、今の彼はいい意味で肩の力が抜け、変に凝らない、ポップで聴きやすい内容に仕上げてきています。最近、楽曲提供なども積極的に行っている彼ですが、再び小室作品がヒットを飛ばす日も遠くないかも?

ライブ盤は既存曲のアレンジ。こちらは既存曲をひねくりまわしている曲も多く、タイトルから期待するような高揚感がなくなってしまった曲もあり、そういう意味ではちょっと残念な部分が。まあ、単なる過去の曲をつないだDJ盤ではなく、過去の曲をリアレンジした作品、ということなんでしょうが。

評価:★★★★

小室哲哉 過去の作品
Digitalian is eating breakfast 2
Far Eastern Wind-Complete

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名古屋圏フェス・イベント情報(6/28)

管理人の予定策定という実用を主目的とした、名古屋近辺の音楽イベント一覧。週一で更新の予定。週末中は微妙に変わっているかも。

主な選定基準は

複数ミュージシャンが参加する野外ライブや、複数のイベント会場で同時に行われる、ライブサーキット的なイベント。

ジャンルはポップス全般。ジャズも含む。演歌、クラシックは除く。

場所は、名古屋から新幹線を使わず日帰り圏内。具体的には東海3県と、静岡の掛川あたりまで、長野の木曽地域、滋賀の米原、彦根、長浜あたりまで。

一応、それぞれのイベントに、「行きたい度」をつけました。

行きたい度 ★★★★★ ⇒是非とも行きたいイベント
行きたい度 ★★★★   ⇒出来れば行きたいイベント
行きたい度 ★★★    ⇒お金と時間に余裕があれば。
行きたい度 ★★      ⇒タダ券が手に入り、暇なら。
行きたい度        ⇒行きません。

「行きたい度」はあくまでも管理人の趣味・主観によるものです。そのため、イベント自体の良し悪しとは一切関係ありません。ご了承ください。

6/28 主な更新
・MONSTER VIBES 2013 第3弾出演者発表
・聖地巡礼!!2013 ~夏休み合宿編~ 最終出演者発表
・TREASURE05X 最終出演者発表
・中津川THE SOLAR BUDOKAN 2013 日割り発表

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2013年6月27日 (木)

やはりB'zは強い・・・のか?

今週のアルバムチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今週の1位2位は、先週と変わらず。

今週も1位2位は、それぞれ「B'z The Best XXV 1988-1998」「B'z The Best XXV 1999-2012」が2週連続で獲得。さすがB'z強い!・・・と言いたいところですが、売上はそれぞれ8万2千枚と7万9千枚で、累計46万枚と45万枚程度で、2週目にこの数値だとミリオンは厳しそう・・・。一時期の彼らの人気を考えると、かなり苦戦といったイメージも。

初登場の最高位は、3位GReeeeN「いいね!(´・ω・`)☆」。シングルではこのところ、ベスト10ヒットも怪しくなってきた彼らですが、アルバムでは見事ベスト3入り・・・なのですが、初動売上6万3千枚は、前作「歌うたいが歌うたいに来て 歌うたえと言うが 歌うたいが歌うたうだけうたい切れば 歌うたうけれども 歌うたいだけ 歌うたい切れないから 歌うたわぬ!?」の9万枚からダウン。前々作「塩、コショウ」の初動42万5千枚からの下落率に比べると、下げ止まった感もありますが、それでも下落傾向は続いています。超長いタイトルだった前作から一変、顔文字付のタイトルなのですが、前作同様「オレたちのアルバムタイトル、ユニークだろ」という主張がウザイ感じ。

続いて4位以下の初登場ですが、まずは4位。女性シンガーMay J.「Summer Ballad Cover」が入ってきています。「島唄」や「渚」など、J-POPのカバーを収録したカバーアルバム。ベスト10入りは2010年の「for you」以来。前作「Brave」は最高位57位まで落ち込んでいたので、急激に売上を回復した結果となりました。JUJU以降、J-POPのカバーアルバムが売れるという傾向が、続いている印象があります。

そして今週、注目なのが5位初登場大友良英「連続テレビ小説『あまちゃん』オリジナル・サウンドトラック」。今、人気爆発中の朝の連続テレビ小説「あまちゃん」のサントラ盤。朝の連ドラのサントラ盤がベスト10入りしたのは史上初だそうで、ドラマの高い人気が伺えます。もっとも、ドラマと同様、音楽も注目されているみたいで、ちょっと前にこんなニュースが話題になったりもしました。

6位にはRED SPIDER「逆ギレ・アウチ!!」がランクイン。RED SPIDERは大阪を拠点に活動するレゲエ・ミュージシャン。ワンマンライブでは1万人を超える動員を記録するなど、人気を集めているということ。いままでインディーズで活動を続けていましたが、このアルバムでメジャーデビューとなりました。ちなみに初動売上は1万1千枚。前作「大爆走エンジェル」の最高位13位9千枚からアップし、初のベスト10ヒットとなりました。

7位初登場は__(アンダーバー)「EXIT TUNES PRESENTS フリーバム~フリーダムに歌ってみた~」。ニコニコ動画で人気のボーカリストによる2作目。人気の楽曲を大幅にアレンジして歌う「フリーダム」というスタイルと、原曲に忠実に歌う「フツーダム」というスタイルを使い分けることにより話題となっているそうで、前作は、その普通に歌った「EXIT TUNES PRESENTS フツーバム~フツーダムに歌ってみた~」をリリース。最高位12位初動1万枚を記録しました。本作は初動1万1千枚と、微増でしたが、初のベスト10入りを記録しています。

8位には、男性ギタリストMIYAVI「MIYAVI」がランクイン。もともと、ヴィジュアル系の範疇で活躍していたギタリストでしたが、ここ最近では急速にオルタナ寄りにスイッチ。前作「SAMURA SESSIONS vol.1」では、the HIATUSの細美武士やKREVAとのコラボでも話題になりました。初動売上9千枚は、その21位だった「SAMURAI SESSIONS vol.1」の7千枚よりアップし、ベスト10入り。なんとベスト10入りは、2005年にリリースした「雅-miyavizm-主義」、8年ぶりの返り咲きとなりました。

最後、10位にはイギリスのヘヴィーメタルバンドBlack Sabbath「13」がランクインしています。1969年に結成された、ベテランバンドの彼らは、もちろん、ロック史上に大きな足跡を残したレジェンドの一組。長らく活動休止状態でしたが、なんと2011年、オジー・オズボーンをはじめとしたオリジナルメンバーにより再結成。そして18年ぶりとなるニューアルバムリリースとなりました。このアルバムは、イギリス及びアメリカで、バンド初となるチャート1位を獲得。日本でも見事ベスト10ヒットを獲得し、その人気のほどをみせつけています。

今週のアルバムチャートは以上。チャート評は、また来週の水曜日に~。

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2013年6月26日 (水)

アイドルだらけ・・・

今週のシングルチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週は、9曲が初登場ですが、うち8曲までがアイドル系というチャートとなっています。

まず1位はAKB48の姉妹グループ、NMB48「僕らのユリイカ」がランクイン。初動売上は48万1千枚で、前作「北川謙二」の31万7千枚より大幅アップしてきました。

2位はEXILE「Flower Song」が入ってきました。初動売上10万7千枚は、前作「EXILE PRIDE~こんな世界を愛するため~」の56万5千枚より大幅ダウン。もっとも前作は、ファンクラブ向けのライブチケットにCDをつけて、その売上を加算という、AKB48並のチャート戦略を取っていた影響。ただし、前々作「BOW&ARROWS」の初動9万2千枚は上回っています。日テレ系ドラマ「35歳の女子高生」主題歌。ミディアムテンポのメロウなナンバーですが、前作に引き続き、特にこれといって特徴もないR&B風ポップ。

3位にはSUPER JUNIOR DONGHAE & EUNHYUK「I WANNA DANCE」。韓国のアイドルグループSUPER JUNIORのメンバー2人によるユニット。楽曲は、80年代のストレートなファンキーディスコチューンで、そのまんまなディスコナンバーがちょっと懐かしさも感じます。初動売上は5万4千枚。SUPER JUNIORとしての前作「Sexy,Free&Single」の10万9千枚から大幅にダウン。他のメンバーによるユニットSUPER JUNIOR-K.R.Y.の直近作「Promise You」の6万9千枚よりもダウンしています。

続いて、ベスト3以下の初登場ですが、4位もK-POPアイドル。少女時代「LOVE&GIRLS」がこの位置に。タイトル通り、ガーリーな雰囲気を前に出した、軽快で明るいポップチューン。初動売上4万2千枚は、前作「FLOWER POWER」の2万9千枚からアップしたものの、これは前作が、アルバム先行のシングルだった影響。前々作「Oh!」の6万6千枚よりダウンしており、一時期の人気からするとかなり厳しい状況に。他のK-POPアイドル同様、一部の固定ファンのみの人気になってきた模様。

5位は、こちらは日本。男性アイドルグループLead「Upturn」が入ってきています。前作に続きエレクトロ風アレンジの壮大なナンバーで、いかにも「未来への希望」という雰囲気がアイドルソングっぽい感じ。初動売上4万1千枚は、前作「Still」の3万枚からアップ。アイドルブームが続く中、ベテラングループの彼らの人気も盛り返している模様。

6位ランクインはBerryz工房「ゴールデン チャイナタウン」。前作「アジアン セレブレイション」に引き続き、アジアンテイストのディスコチューン。サビはベタベタな80年代アイドル歌謡曲っぽい感じ。初動売上3万1千枚は、その前作の初動2万8千枚から若干アップ。

7位には、アイドルグループさくら学院からの派生ユニット、BABYMETAL「メギツネ」がランクイン。タイトル通り、アレンジが完全にヘヴィーメタルのアイドルグループ。正直、アレンジとボーカルが乖離しちゃった結果、アイドルちっくなボーカルが浮かび上がっていて、ちょっと聴いていて厳しいものが。初動売上2万1千枚は、初のベスト10ヒットとなった前作「イジメ、ダメ、ゼッタイ」の1万8千枚よりアップ。

9位は、男性アイドルグループDISH//のメジャーデビューシングル「I Can Hear」がランクイン。テレビ東京系アニメ「NARUTO-ナルト-疾風伝」エンディング。一応、楽器を持ったバンドスタイルで、今風のミクスチャーロック風のポップソングを歌っています。でも売り文句が「楽器を持ちながら、激しいダンスパフォーマンスも行うという、今だかつてないダンスロ­ックバンド!」・・・・・・いやいや、楽器は「持つ」ものじゃなくて「弾く」ものなんですが・・・(苦笑)。

最後10位には、また出てきた女性アイドルグループ愛乙女★DOLL「Paradise in the summer」がランクイン。正直、似たような多人数の女性アイドルグループが次ぎから次へと出てきて、いい加減うんざりなんですが・・・。初のベスト10ヒットで、初動1万4千枚は、前作「ビターチョコ・バレンタイン」の4千枚より大幅にアップ。

今週のシングルチャートは以上。アルバムチャートはまた明日!

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2013年6月25日 (火)

明るい雰囲気の作品だが・・・。

Title:LAND
Musician:ゆず

例のごとく、村上隆デザインによるジャケットが印象的な、オリジナルとしては2年3ヶ月ぶりとなるゆずのニューアルバム。サーカスをモチーフにしたジャケットだけに、アルバム全体としては、ゆずらしい、軽快なポップで、明るくまとまっているアルバム、そんな印象があります。

まずは、冒頭を飾る前山田健一も参加している「REASON」。ヒャダインらしい・・・という感じは、そんなに強くないのですが、爽やかで明るいポップチューンですし、タイトル通り、とにかく明るく、ライブでも盛り上がりそうな「LOVE&PEACH」を挟みつつ、最後は、ジャケットの雰囲気にもピッタリのファンタジックなポップナンバー、「ムーンライトパレード」で締めくくっており、明るく楽しいポップソングというのが、このアルバムでひとつ大きな主軸となっています。

・・・というイメージで聴いていて、単なる明るいだけの脳天気なアルバムにはなっていないのが彼らの魅力で、その一方では、タイトル曲でもある「LAND」は、現在の日本に対して皮肉を効かせたナンバーになっていますし、「ゼラニウム」などは、東日本大震災へのレクイエムだそうで、決して明るいだけの一本調子ではない曲風が、アルバム全体に深みを与えています。

もうひとつ、このアルバムで大きな特徴的だったのが、スケール感のある曲が多く収録されている点。一番特徴的だったのは、「with you」でしょうか。ストリングスを用いたアレンジに、伸びやかなボーカル。スタジアムバンドとしてのスケール感を覚えるナンバーになっています。

でも、彼らの場合おもしろいのは、スケール感のあるナンバーを多く書いている一方、そのサウンドは、どこかストリートライブ時代のアコギ2本だけで演奏していた時代の地続きになっている点。今回のアルバムでもタイトル曲「LAND」の出だしでは、アコギの音から印象的にスタートしますし、「流れ星キラリ」のように、アコギを用いた曲もしっかり収録されており、スタジアムバンドとしての土台には、きちんと2人だけのストリートライブの時代に培ったものが残されているということを、今回のアルバムからもしっかりと感じることが出来ます。

そんな明るさと物悲しさが同居し、スケール感とアコースティックな感覚が同居している、ゆずというバンドが持つ、幅の広さを感じることのできるアルバムでした。ある意味、ゆずの完成形に近いアルバムなのかも。ゆずの魅力を再認識した1枚でした。

評価:★★★★★

ゆず 過去の作品
WONDERFUL WORLD
FURUSATO
2-NI-
YUZU YOU[2006-2011]


ほかに聴いたアルバム

NIAGARA SONG BOOK 30th Edition/NIAGARA FALL OF SOUND ORCHESTRAL

大瀧詠一の名盤「A LONG VACATION」の曲たちを、井上鑑によるオーケストラアレンジによって演奏されたインストアルバム。そのアルバムを、発売から30年を記念し、「幸せな結末」「恋するふたり」を加えてリマスタリングされて30周年記念盤としてリリースされました。インストアルバムということで、基本的には大瀧詠一のファンズアイテムといった感じですが、分厚いアレンジの幸福感たっぷりのアルバムで、熱心なファンでない私でも、聴いていて幸せな気分になりながら楽しめたアルバムでした。

評価:★★★★

Shout to the Walls!/NICO Touches the Walls

このアルバムでは、自己最高位になるチャート5位を記録。人気バンドへと、着実な一歩を進めているNICO Touches the Wallsの新作。相変わらずボーカルの歌い方といい、楽曲の雰囲気といい、ミスチルの亜流というイメージは相変わらず否めないのだが、楽曲の雰囲気としては、かなり垢ぬけた感もあり、大きな成長を感じるアルバム。もっと、彼らだけの個性を出せれば、おもしろくなると思うんですが・・・。

評価:★★★★

NICO Touches the Walls 過去の作品
Who are you?
オーロラ
PASSENGER
HUMANIA

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2013年6月24日 (月)

好きな曲に好きなようにチャレンジ

Title:LOVER ALBUM 2
Musician:クラムボン

クラムボンのカバーアルバム第2弾。今回のアルバムは、前作以上にジャンルがバラバラ。好きな曲を好きなようにカバーしているアルバムになっています。

なんといっても、空気公団のように、女性ボーカルのソフトロックバンドあり、HUSKING BEEのようなパンクあり、中森明菜のような歌謡曲からThe Beatles、さらにはジャズに、ミトがお気に入りというアニメソングまで2曲収録。見事なまでにジャンルレスなカバーアルバムになっています。

そのため、アルバム全体としては寄せ集め感が強く、雰囲気的にはバラバラ。アルバムとしての統一感はほとんどありません。ただ、逆に言えば、アルバムの統一感を出すよりも、1曲1曲、それぞれの曲に似合った味付けをした、ということなのでしょう。

基本的に原田郁子の特徴あるやわらかいボーカルを主軸として、アコースティックな味付けをほどこしているのがメイン。そこは実力のある彼らだからこそ、ロック風の強い曲からポップ、ジャズ、レゲエなどなど、曲によってジャンルもたくみに使い分け、それぞれの曲の雰囲気に似合ったアレンジに見事仕立てています。

ただ、それだけジャンルがバラバラだからこそ、出来の良し悪しはあって、原田郁子のボーカルが曲にマッチした曲は、名カバーになっていました。例えば、空気公団の「呼び声」なんかはすぐイメージしやすいですし、アニメ「けいおん!」のキャラソン「U&I」なんかも原田郁子のボーカルがピッタリはまっていました。

逆にちょっと厳しかったのは中森明菜の「Desire」で、原曲とボーカルのタイプが違うのに、原曲と同じベクトルでカバーしているので、ちょっとボーカルと曲の雰囲気がアンマッチだったかも。TOKYO No.1 SOUL SETの「状態のハイウェイ」も、BIKKE本人が参加しちゃっているので、結果、カバーというよりも、TOKYO No.1 SOUL SETの曲にクラムボンがゲスト参加しているような雰囲気に・・・。

とはいえ、総じて好きな曲に好きなようにチャレンジしているだけに、メンバー全員の肩の力が抜けたような感じの、楽しい雰囲気のカバーアルバムになっていたと思います。なによりも本人たちが演奏していて楽しかったんでしょうね。そんな雰囲気が伝わってくるようなカバーアルバムでした。

評価:★★★★★

クラムボン 過去の作品
Re-clammbon2
JAPANESE MANNER ep
2010

ワーナーベスト
columbia best

3peace2


ほかに聴いたアルバム

野獣バイブレーター/ギターウルフ

途中、ジョンスペとの共同リリースとなるEPはあったものの、純然たるオリジナルとしては、2年5ヶ月ぶりとなるギターウルフの新作。とはいっても、基本的な路線はいつものギターウルフそのままなのでご安心を。ただ、本作は、以前よりも、よりヘヴィーに、またサイケっぽい雰囲気もまして、強烈なギターサウンドが、リスナーを襲い掛かるようなアルバムでした。

評価:★★★★

ギターウルフ 過去の作品
宇宙戦艦ラヴ

THE REVELATION/coldrain

名古屋で結成されたという、5人組ハードコアバンド。このアルバムも見事ベスト10ヒットを果たしたのですが、気がついたら、最近、この手のヘヴィーなバンドが増えたなぁ。やはりアイドル系やらK-POPやらがチャートを席巻する中、ヘヴィーな音を求める若者が増えてきているということなのでしょうか。このアルバム、ヘヴィーな音が終始耳を惹きますが、メロディーラインには哀愁もあって、とても聴きやすく、このヘヴィーだけどもポピュラリティーがあるというバランスが人気の理由でしょうか。はじめて聴きましたが、意外と聴きやすく、楽しめました。

評価:★★★★

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2013年6月23日 (日)

変わる人、変わらない人

EGO-WRPPIN'とLOVE PSYCHEDELICO、反論も覚悟の上で書くと、個人的にこの両者、非常に似ているものを感じるバンドでした。確かに、音楽的には前者はジャジー路線、後者はロックンロールという違いはあります。でも、どちらも洋楽テイストが強いサウンドながらも、ポップ色も強く、ヒットチャート上位に食い込むだけの広い層に支持を得ている点、完成度が高い反面、良くも悪くも隙の無いサウンド、悪く言ってしまうと、少々あざとさも感じる点など、似たような雰囲気を感じていました。

そしてどちらも、ここ最近活動のペースを落とし、今回リリースしたアルバムが久しぶりという点でも共通。ただ、久々にリリースした新譜の方向性は、両者大きくことなっていました。

Title:steal a person's heart
Musician:EGO-WRAPPIN'

EGO-WRAPPIN'の約2年7ヶ月ぶりとなるアルバムは、そのイメージをガラリと変えるものでした。楽曲の雰囲気は、かなり爽やかでソフトな感じに。いままでの、ヘヴィーな歌謡風ジャジー路線は、ほとんど影をひそめてしまいます。あえていえば「女根の月」あたりが、いままでの彼女たちのイメージ通りの作品でしょうか。

ただ、前作「ないものねだりのデットヒート」も、肩の力が抜けたようなポップな作風になっていただけに、今回の作品はその延長線上ともいえるかもしれません。で、今回の作品で気がつくのは、楽曲のバリエーションがいままで以上に、実に豊富だなぁ、という点でした。

「水中の花」みたいにソフトロックみたいな曲があれば、「10万年後の君へ」みたいなファンキーな作品もあり、ロッキンな「ちりと灰」、さらにはオーケストラアレンジの「fine bitter」まで1曲1曲異なったEGO-WRAPPIN'の顔を見せてくれます。

昔のファンにとっては賛否両論みたいですし、確かに、昔のイメージで聴くと、かなり肩透かしをくらうようなアルバムだったと思います。ただ、前作から本作への流れを考えると、EGO-WRAPPIN'としては、かつての歌謡ジャズ路線は、ほぼやりつくしたと考えているのかなぁ、とも考えました。

個人的には、様々なアイディアが詰め込まれ、最後まで飽きさせない内容であり、まだまだこの路線では、新たな可能性も感じる点、いままでのEGO-WRAPPIN'のアルバムより楽しめました。ただ、一方では、まだ様々な曲に挑戦している点、次の一歩を定めきれない点も感じられ、そういう意味では、次回作の内容如何で、このアルバムの意味も変わってくるかもしれません。まさに「問題作」ともいえる作品。次回作に注目です。

評価:★★★★★

EGO-WRAPPIN' 過去の作品
ベストラッピン 1996-2008
EGO-WRAPPIN' AND THE GOSSIP OF JAXX
ないものねだりのデットヒート

Title:IN THIS BEAUTIFUL WORLD
Musician:LOVE PSYCHEDELICO

EGO-WRAPPIN'が久々の新作で大きくそのスタイルを変えたのに対して、3年3ヶ月ぶりとなるこの作品、LOVE PSYCHEDELICOのスタイルは、全く変わりませんでした。

よく言えば「大いなるマンネリ」、悪く言ってしまえば「マンネリ」。こちらも前作「ABBOT KINNEY」では、肩の力が抜けたように感じたのですが、本作では、ただただLOVE PSYCHEDELICOらしい曲を繰り返している、そういう風に感じてしまいました。

まあ、確かに愚直に、同じ路線を貫くというのもひとつの正解だと思います。ただ、今回の作品に関しては、少々「マンネリ」という部分が先に立ってしまったかなぁ・・・なんてことも感じてしまった作品。もちろん、LOVE PSYCHEDELICOのクオリティーは高い水準で保たれているだけに、ファンならば満足の行く作品、だとは思います。ただ、ちょっと次回作に不安を残すアルバムでした。

評価:★★★★

LOVE PSYCHEDELICO 過去の作品
This Is LOVE PSYCHEDELICO~U.S.Best
ABBOT KINNEY


ほかに聴いたアルバム

burundanga/FACT

最近、続々とヘヴィーロックバンドがブレイクし、チャート上位に顔をのぞかしていますが、今から考えると、その先駆け的存在だったのが彼らFACT。ただ、正直、一時期ほどの勢いを感じられないのが気にかかるところ。今回の作品も、ハードコアのみならず、メロパンクや、エレクトロなど様々なジャンルに挑戦しており、単なるヘヴィーロックバンドにとどまらない幅の広さを感じさせる反面、結果、少々散漫になってしまい、個性が薄くなってしまっています。いいアルバムだとは思うのですが・・・。

評価:★★★★

FACT 過去の作品
FACT
In the blink of an eye

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2013年6月22日 (土)

強いメッセージを感じる作品

Title:SONGS
Musician:THEラブ人間

前作「恋に似ている」で、じわりじわりとはまってしまったギターロックバンド、THEラブ人間。その彼らの、メジャー2作目となるアルバムがリリースされました。

作詞作曲を担当する金田康平によると、その歌詞は実体験しか歌詞にしないとか。そう考えると、このアルバムは、彼がここ最近に経験した内容を歌詞にしているのでしょうか。まるでアルバム全体を通じて、ひとつの物語を味わっているような、そんなアルバムに感じました。

例えば、1曲目の「ラブパレードはつづく」は、恋人との出会いであり、「きみが最後の女だ」と歌う「アンカーソング」は、まさに情熱的な愛情を歌うナンバー。「ちょっと梅ヶ丘まで」「ウミノ」は、好きな人との幸せな日々を感じます。

その一方では、「bedside baby blue」ではふたりのすれ違いを感じ、最後の「体は冷たく、心臓は燃えている」は、別れた後の2人の歌のようでした。

ただ、このアルバム、決して単純な「ラブソング」を歌っているわけではありません。ラブソングを通じて、「生きること」の意味を強烈に問いかけているような作品。特に、バンドのことを歌ったような「犬の人生」では

「結局は『生き様 / 死に様』
わかっているなら お前も見せろ!
血も精液も混ざってるよ?
お前にその覚悟はあるか!?」

(「犬の人生」より 作詞 金田康平)

と強烈に歌い上げていますし、そのラストを締めくくる「体は冷たく、心臓は燃えている」でも最後の最後に

「『何もない!何もない!何もかもいらないよ!』
なんてきみは言うのなら

今すぐ殺してあげるよ」

(「体は冷たく、心臓は燃えている」より 作詞 金田康平)

と逆説的に、生きることの意味を強烈なメッセージで歌っています。

「BGMにはしたくない」と、インタビューで語っていましたが、まさに聴き始めたら、とてもBGMとして聞流せないメッセージが印象的。そのメッセージ性の強さは、前作を上回っていたと思います。

逆にサウンドやメロディーは、比較的シンプルなギターロックで、特にメロディーに強いフックがあったり、バイオリンの音色は印象的なのですが、際立って個性的なサウンドがあるわけではありません。ただ、そのシンプルさが、彼らのメッセージにより耳を傾けられる要素になっているようにも感じました。パッと聴いた感じでは、ちょっと地味な印象も否めませんでしたが、前作同様、聴けば聴くほど、ズブズブはまっていくような、そんなアルバムになっていました。

以下、余談。

ちなみに名古屋人として印象的なのが、「体は冷たく、心臓は燃えている」で「名古屋駅太閤口にもなかなか行かなくなるね」なんて歌詞が登場してくること。ちなみに、名古屋駅太閤口というのは、名古屋の駅西。駅西というと、年配者にはドヤ街、私くらいの世代には予備校というイメージがあるのですが、おそらくここで歌われているのは新幹線乗り場のこと。ちなみに、その前の「きらり」の歌詞にも「新幹線で一時間半じゃ
見えてる景色も天気も違うのに」
なんて歌詞もあるのですが、「新幹線で一時間半」というのは、ちょうど東京名古屋間のこと。そういうことは、ちょうど東京名古屋で遠距離恋愛していた、ということ?ちょっと気になった歌詞でした。

評価:★★★★★

THEラブ人間 過去の作品
恋に似ている


THE UNRAVELING/DIR EN GREY

DIR EN GREY今回の新作は、7曲入りのミニアルバム。過去の作品を再構築した企画盤的なアルバムだとか。正直、過去の作品と聴きくらべていないので、なんとも言えない部分もあるのですが、基本的には、ここ最近のDIR EN GREYを踏襲した、実に彼ららしい作品といった感じ。特に目新しさもなかったのですが、迫力あるサウンドに、バンドとしての安定感も覚えた内容でした。

評価:★★★★

DIR EN GREY 過去の作品
UROBOROS
DUM SPIRO SPERO

ALL SONGS MUST PASS - BEST LIVE RECORDINGS From Augusta Camp 2012 –/福耳 + All Stars

昨年、オフィスオーガスタ20周年を記念し、横浜・高知・奄美で行われたAugasta Campから、ベストアクトを収録したライブ盤。スペシャルゲストとして、横浜だけですが、スガシカオも参加しているのは、ちょっとうれしいところ。気のあった事務所仲間でのライブだからか、メンバー全員楽しそうな雰囲気が伝わってくるステージ。基本的に原曲より大きく変わるアレンジはないものの、原曲よりも、より感情豊かなボーカルの曲が多いのは印象的でした。

評価:★★★★★

福耳 過去の作品
10th Anniversary Songs~tribute to COIL
福耳 THE BEST ACOUSTIC WORKS
HOME~山崎まさよしトリビュート
ALL SONGS MUST PASS~Office Augusta 20th Anniversary BEST~

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2013年6月21日 (金)

ゆらゆら帝国の歩み

Title:SINGLES 1998-2002
Musician:ゆらゆら帝国

2000年代の日本のロックシーンにおいて、絶大な支持を得たロックバンド、ゆらゆら帝国。2010年に惜しまれつつ解散した彼らですが、このたび、ベスト盤がリリースされました。といっても、オールタイムベストではなく、かつて所属していたミディ時代のシングル曲を集めたベスト盤。レコード会社を移籍したミュージシャンによくありがちな、移籍前のレコード会社に残った音源で、お小遣い稼ぎにリリースされる例のアレですね。

そういう意味では、ファンにとっては賛否両論ありそう。ただし、現時点では入手困難なシングルを、カップリングを含めて全曲収録というのは、やはりファンにとってはありがたいのでは。特に「彼女のサソリ」など、シングル以外では聴くことが出来ないような曲も収録されており、そういう意味でも、要チェックの1枚です。

また、それに加えて、ゆらゆら帝国の歩みがわかるベスト盤としても最適なアルバムのように感じました。シングル曲というと、どうしてもバンドのプロモーション目的も兼ねており、それだけではバンドの本来の姿がわからな、という部分も少なくありません。確かに、ゆらゆら帝国に関しても、シングル曲については、比較的「聴きやすい」曲が多いようにも感じます。

ただ、彼らの場合、シングル曲を並べて聴いただけでも、しっかりとゆらゆら帝国のその時その時の指向を強く感じさせます。特に、このミディ所属時期というのは、徐々にその音楽性をソリッドに追及していった時期になり、その変遷が、シングル曲にも如実にあらわれています。

デビュー直後や、このアルバムで言えば、1枚目に収録している曲については、ノイジーなギターサウンドをかきならす、ガレージロックバンドという側面が強くあらわれています。それが、2枚目になると、もっと音数がシンプルに、必要な音だけをつむぐような作品が目立ってきます。特に「3x3x3」は、そんな空間を生かした音づくりが特徴的。この、より空間を生かしたような音づくりは、さらにソニーへ移籍した後も続き、その究極の地としてたどりついたのは、歴史的名盤として名高い「空洞です」ということになるのでしょう。そういう意味でも、彼らが「空洞です」にたどりつく前の軌跡をたどるベスト盤とも言えるかもしれません。

また、2枚組とはいえ、2枚あわせて90分程度の長さ。ゆらゆら帝国をはじめて聴くための1枚としてもちょうどよい最適な長さになっており、そういう意味でもお薦めできるアルバムかもしれません。本当はオールタイムベストを・・・と言いたいところだけども、ゆらゆら帝国としての音は「空洞です」で完成しているだけに、下手なベスト盤をつくるよりも、こういうシングル集の方がいいのかなぁ、なんてことも考えたりして。ともかく、偉大なバンドの軌跡を追えるという意味でも、とりあえずチェックしておきたいベスト盤です。

評価:★★★★★

ゆらゆら帝国 過去の作品
空洞です
REMIX 2005-2008


ほかに聴いたアルバム

シンガーソングライター/坂本真綾

坂本真綾の新作は、タイトル通り、全曲みずから作詞作曲にいどんだ意欲作。ご存知の通り、彼女はいままで菅野よう子をはじめ、様々な優れたライターから楽曲提供を受けていました。今回は、そんな作家陣の手を離れて、自らの手で楽曲をつくっています。ただ、基本的には、ここ最近の彼女の延長線上な雰囲気。爽やかでソフトなポップス路線となっています。SSWに挑戦した1作目としては十分な出来かも。ただ、彼女だけの個性という点では薄く、まだまだ成長の余地は大きそう。とはいえ、今回の経験を糧に、今後、再び外部の作家を入れるかSSWを続けるのか、どちらにしろ大きな期待はもてそうな作品でした。

評価:★★★★

坂本真綾 過去の作品
かぜよみ
everywhere
You can't catch me
Driving in the silence
シングルクレクション+ ミツバチ

トーマの心臓/トーマ

ボカロ系プロデューサーとして、人気を博し、このアルバムではベスト10ヒットを記録したトーマのアルバム。ハードロックの影響を強く受けた、ギターサウンドを軸としたサウンドは、ロックリスナーにも聴きやすい反面、打ち込みを多く導入した結果、かなりゴチャゴチャした音に仕上がってしまっています。ボカロのボーカルゆえの歌詞の聴き取りにくさも、ボカロ系でよくありがち。独自の世界観を構築した上で、その上で展開する歌詞の世界は、こちらもボカロ系プロデューサーらしく、強烈な個性を発揮しているのですが、音的にはもうちょっと交通整理した方がよかったかも。

評価:★★★

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名古屋圏フェス・イベント情報(6/21)

管理人の予定策定という実用を主目的とした、名古屋近辺の音楽イベント一覧。週一で更新の予定。週末中は微妙に変わっているかも。

主な選定基準は

複数ミュージシャンが参加する野外ライブや、複数のイベント会場で同時に行われる、ライブサーキット的なイベント。

ジャンルはポップス全般。ジャズも含む。演歌、クラシックは除く。

場所は、名古屋から新幹線を使わず日帰り圏内。具体的には東海3県と、静岡の掛川あたりまで、長野の木曽地域、滋賀の米原、彦根、長浜あたりまで。

一応、それぞれのイベントに、「行きたい度」をつけました。

行きたい度 ★★★★★ ⇒是非とも行きたいイベント
行きたい度 ★★★★   ⇒出来れば行きたいイベント
行きたい度 ★★★    ⇒お金と時間に余裕があれば。
行きたい度 ★★      ⇒タダ券が手に入り、暇なら。
行きたい度        ⇒行きません。

「行きたい度」はあくまでも管理人の趣味・主観によるものです。そのため、イベント自体の良し悪しとは一切関係ありません。ご了承ください。

6/21 主な更新
・ハママツ・ジャズ・ウィーク開催決定!
・Zip Autumn Square 開催決定!
・TOKAI SUMMIT'13 第5弾出演者発表
・Re:mix 2013 第2弾出演者発表
・愛知REGGAE BREEZE 2013 第2弾出演者発表
・第23回めいほう高原音楽祭 第2弾出演者発表
・聖地巡礼!!2013 ~夏休み合宿編~ 第2弾出演者発表
・中津川THE SOLAR BUDOKAN 2013 第2弾出演者発表
・蒲郡Rock Fes2013~大事なのは心意気~ 追加
・club solanin festival '13 終了

続きを読む "名古屋圏フェス・イベント情報(6/21)"

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2013年6月20日 (木)

EDM旋風の中で

Title:RANDOM ACCESS MEMORIES
Musician:DAFT PUNK

ここ最近、EDMという言葉をよく耳にするのではないでしょうか。エレクトロニック・ダンス・ミュージックの略。その名前の通り、電子音によるダンスミュージック。ここ最近、このEDMがすっかりブームになってしまっています。

で、このEDMの流れ、よくよく考えると、おそらくそのスタートのひとつが、彼ら、DAFT PUNKのヒット。2001年のアルバム「Discovery」は日本でも大ヒットを記録しましたが、このアルバムや、松本零士によるPVが日本でも話題になった「One More Time」の大ヒットが、間違いなく、今に続くEDMブームの源流のひとつ、と言えるでしょう。

しかし、当の本人たちはそんなブームはどこ吹く風。雑誌のインタビューでも「誰かDJの略かと思った」なんてコメントを残しています。そしてそんなEDMブームの中で発表された新作は、そんなブームを鼻で笑うかのような、いわば格の違いを感じさせる作品でした。

今回のアルバムで流れてきた曲を聴いて、かつての彼らのようなエレクトロを想像すると、かなり驚いたのではないでしょうか。今回のアルバムは、ストレートに70年代のディスコサウンドに大きな影響を受けたサウンド。いや、影響を受けたどころか、当時のディスコブームの中心にいたシックのギタリスト、ナイル・ロジャースも参加しており、「影響」どころか、まんま70年代のディスコサウンドを、現代によみがえらせています。

それを「懐古趣味」と言ってしまうのはたやすいでしょう。でも、今回のアルバムは聴いていると、とてもワクワクしてくるというのか、楽しくなってしまうそんなアルバムでした。決して、いままでの彼らの曲のようにアゲアゲのダンスチューンで踊れるナンバーではありません。ただ、ストレートでメロウなポップソングと、心地よいファンキーなリズムの楽曲は、まさにポップミュージックの楽しさを体現化しているように感じます。そして、この聴いた時にワクワクしてくる感覚は、まさにかつて「One More Time」をはじめて聴いた時と一緒・・・。そういう意味では、楽曲の雰囲気は変わっても、根本のところではDAFT PUNKは全く変わっていないのではないでしょうか。

そんな懐かしさを感じるアルバムである反面、同時にある種の新しさも感じるのも大きな特徴。ファレル・ウッィリアムスのように、まさに現代のプロデューサーも参加している今回のアルバムは、エフェクトのかかったボーカルを用いたり、あるいはベースやドラムスのリズムを強調したり、アレンジに関してはかなり今風な部分も多く、その点では、かつてのディスコサウンドに、現代の調味料を加えた作品と言えるのかもしれません。

また、EMD全盛期の中、生音主体という点も大きな特徴のひとつ。ダンサナブルなディスコサウンドながらも、どこか暖かさを感じさせる音になっています。

結果、意図していたかどうかは別として、EDMブームに対するDAFT PUNKからの回答のようになった今回のアルバム。そういう意味では、おそらくこの作品がリリースされたことで、EDMブームの大きな岐路になったでしょうし、また大きな意味を持つ作品だったと思います。

聴き始めると、そのポップなメロとファンクなリズムが楽しくて、ついつい聴き入ってしまう、そんなアルバム。おそらく、今年を代表する1枚にもなりそう・・・。ダンスミュージック好き、特に懐かしいディスコサウンドが好きな方には必聴。ポップミュージックフリークにもお薦めです。

評価:★★★★★

DAFT PUNK 過去の作品
TRON:Legacy


ほかに聴いたアルバム

Visions/Grimes

かなり奇抜なジャケットですが・・・Grimesは、カナダはバンクーバーを拠点に活動している、女性ソロミュージシャン、クレア・バウチャーのソロプロジェクト。この作品は大きな話題となり、2012年のベストアルバムにも多く選出されていました。

甲高い女性ボーカルに、アバンギャルドなエレクトロポップが特徴的なアルバム。いわゆる宅録系のミュージシャンなのですが、宅録らしい、自由度の高いサウンドが特徴的です。ちょっと幻想的で、不思議ちゃん的な様相も強く、そのキャラも含めて、今度が楽しみなミュージシャンです。

評価:★★★★★

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2013年6月19日 (水)

今週はシングルで日韓のアイドルグループが・・・

今週は、アルバムの初登場が少なかったため、シングルアルバム同時にアップです。

今週のシングルチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週1位は、ジャニーズ系。関ジャニ∞「涙の答え」が獲得。映画「100回泣くこと」主題歌ですが、なんと作詞作曲が、SEKAI NO OWARIのSaoriが作詞、Nakajinが作曲という構成。ノスタルジックな郷愁感あるナンバーは、ちょっとセカオワのイメージとは違う感じもするのですが。初動売上は24万8千枚。前作「へそ曲がり」の29万5千枚から大きくダウン。ただ、前々作「あおっぱな」の20万8千枚は大きく上回る結果となっています。

2位は韓国の人気アイドルユニット、東方神起「OCEAN」がランクインです。最近流行のエレクトロダンスナンバーで、ここ数作、この路線が続いています。初動売上14万枚は、前作「Catch Me -If you wanna-」の13万7千枚から若干アップ。ただし、前々作の「ANDROID」の15万2千枚の水準には戻せませんでした。

3位は女性アイドルグループSUPER☆GiRLS「常夏ハイタッチ」。いかにも夏っぽいアイドルソングは、AKBを意識した・・・というよりもありがちなポップソングで特に特徴もない感じ。初動売上7万5千枚は、前作「赤い情熱」の5万3千枚よりもアップ。

続いて4位以下の初登場曲ですが、4位に板野友美「1%」がランクイン。初動売上は4万4千枚で、前作「10年後の君へ」の7万2千枚から大きくダウンし、ソロ4枚目にして、順調に枚数を落としています。「劇場版」ではカップリングで中森明菜の「少女A」をカバーしていますが、この曲もそんな80年代歌謡曲を意識したような楽曲、なのですがいかんせん歌唱力が・・・。

で、5位にはまた出てきました。一ノ瀬トキヤ(宮野真守) 「うたの☆プリンスさまっ♪マジLOVE2000% アイドルソング 一ノ瀬トキヤ(宮野真守)(CRYSTAL TIME)」。アニメ「うたの☆プリンスさまっ♪マジLOVE2000%」のキャラクターソング。今回は、ちょっとT.M.Revolutionあたりが歌いそうなバラードナンバーといった感じですが、いつも通り平凡なポップスで曲として面白みは皆無。初動売上3万4千枚は、先週ランクインした愛島セシル(鳥海浩輔) 「うたの☆プリンスさまっ♪マジLOVE2000% アイドルソング 愛島セシル(鳥海浩輔)(星のファンタジア)」の2万2千枚を上回っています。

7位は、ワタナベエンターテイメント所属の若手俳優によるユニットD☆DATE「GLORY DAYS」。NHKアニメ「キングダム2」オープニングテーマ。楽曲の雰囲気は、ジャニーズ系っぽいアイドルソング。初動2万3千枚は、前作「JOKER」の2万枚よりアップ。これで6枚目のシングルですが、うち5枚が最高位7位という、ちょっと珍しい記録が。

8位にはDorothy Little Happy「colorful life」がランクイン。仙台発の女性アイドルグループらしく、初のベスト10入り。1万7千枚は、前作「風よはやく」の6千枚よりアップ。雰囲気的には、90年代前半あたりのガールスポップといった感じ。

最後10位にはsupercell「拍手喝采歌合」がランクイン。フジテレビ系アニメ「刀語」オープニングテーマ。ハードロック風のアレンジなのですが、マイナーコードのハイテンポナンバーはいかにもアニソンといった感じで、ちょっといまひとつかも・・・。ただ、ベスト10入りは昨年3月の「告白」以来3作ぶり。初動売上1万5千枚は、11位に終わった前作「The Bravery」の1万1千枚よりアップしています。


今週のアルバムチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今週1位2位は、B'zのベスト盤が、当然のごとく1位2位に並びました。

結果は1位「B'z The Best XXV 1988-1998」、2位「B'z The Best XXV 1999-2012」。売上は、それぞれ38万5千枚と37万7千枚。やはり初期の方が1位でしたか・・・。全シングルと、さらにPVがついたベスト盤なのですが、さすがに乱発気味ということもあって、数字の方は、正直、ちょっと厳しい結果に。直近のアルバム「C'mon」の初動27万2千枚は上回ったものの、浮動層狙いということを考えると、伸び幅はあまりなかった感じも。2008年にリリースしたベスト盤「B'z The Best “ULTRA Treasure”」の41万3千枚も下回る結果になっています。

3位は韓国のバンドFTISLAND「RATED-FT」がランクイン。初動売上3万2千枚は、「20[twenty]」の4万1千枚よりダウンしています。

続いて4位以下の初登場ですが、実は今週、初登場はあと1枚のみ。9位にTommy february6「TOMMY CANDY SHOP SUGAR ME」が入ってきています。ベスト10入りは、Tommy february6名義では2009年の「Strawberry Cream Soda Pop “Daydream”」の5位、川瀬智子ソロと考えると、Tommy hevenly6名義の、同じ2009年の「I KILL MY HEART」の9位以来のベスト10ヒットとなりました。初動売上7千枚と、初登場が少なかった週ということもあってのベスト10入りとなりましたが、最高位17位だった前作Tommy february6&Tommy heavenly6名義の「HALLOWEEN ADDICTION」の5千枚は上回る結果となっています。

今週のアルバムチャートは以上ですが、今週は初登場が少なかったこともあって、先週ランクインしたアルバムで、順位を大きく伸ばしたアルバムが1枚。それが先週9位にランクインした高橋真梨子のベストアルバム「高橋40年」。今週、なんと9位から4位に大幅にランクアップ。売上は先週とかわらず1万2千枚と、低水準のチャートだったから、という理由も大きいのですが、特に支持層が高年齢層の彼女なだけに、今後、ロングヒットが期待できそうです。

今週のチャート評は以上。来週は、また水曜日にシングル、木曜日にアルバムの予定です。

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2013年6月18日 (火)

踊れ!踊らされる前に

ソウル・フラワー・ユニオン 踊れ!踊らされる前に ~ミニアルバム発売記念ツアー

会場:ell.FITS ALL 日時:2013年6月14日(金) 19:00~

Soulflower_odore

先週、「橋の下音楽祭」でモノノケのライブを見たばかりなのですが、1週間のインターバルもなく、今度はソウルフラワーのライブに行ってきました。場所は大須のell.FITS ALL。昔、1度だけ足を運んだことあるのですが、比較的小さいライブハウス。確かにクワトロだと、ガラガラだったからなぁ。これだけいいライブを演るバンドなのに、もうちょっと客が入ってもいいと思うんだけど・・・。

とはいえ、会場が狭いゆえに、いつも以上にライブの迫力を感じられたのが今回のライブ。1曲目、いきなり「ブルー・マンデー・パレード」からスタート。会場は一気に盛り上がります。その後は、懐かしいナンバーながらも最新アルバムにも収録されている「陽炎の国、鉛のうた」。さらに「月光ファンファーレ」と続き、序盤からハイテンションでライブはスタートします。

ここで最初のMC。先日の「橋の下音楽祭」の話題となり、「行った人!」と会場に声をかけたところ、8割くらいの手があがっていました(もちろん自分も手をあげました)。この割合にはちょっとビックリ。その後、中川さんは、「いいイベントだったなぁ・・・」としみじみと語っていました。

続くはこの日はじめて聴いた新曲。MCでは「燃やされた刺繍」といってしましたが、厳密には不明。その後は高木克ボーカルの曲など挟みつつ、ここで「荒野にて」をしんみりと聴かせてくれました。

さらにMCでは、先日の「橋の下音楽祭」の時同様、お世話になった方が、最近、次々亡くなるという話から、田端義夫のエピソード。以前、共演した時、既に70歳を過ぎていたのですが、伊丹英子をくどいていたという微笑ましいエピソードなどを披露しつつ、田端義夫のヒット曲「島育ち」へ。先日のモノノケでもカバーしていましたが、今後はライブの定番になるのかな?さらに大定番「満月の夕」へ。途中、観客の大合唱では、中川敬が歌をやめ、観客のみが歌う場面も。会場の一体感を感じました。その後上村美保子ボーカルで「ひぐらし」と、しんみりと聴き入るナンバーが続いたかと思えば、「ダンスは機会均等」「ホライズン・マーチ」と、また一気に盛り上がりました。

その後のMCでは最近定番になりつつあるドラゴンズの話題(笑)。「やはり名古屋は落合支持なの?」という問いかけに、ちょっと微妙な空気が流れると、「やはり賛否まっぷたつ」。うーん、私は落合支持だし、周りも支持が多く、反対しているのは一部のタニマチ連中だけと思うんですけどね(^^;;

で、後半は、「リベラリストに踏絵を」。これ、ライブでははじめて聴いたかも。最近のお祭り系の曲とはちょっと違う雰囲気だけど、ファンキーでロッキンで、かなりカッコいいなぁ。その後は「キセキの渚」「平和に生きる権利」「極東戦線異常なし」などと続きます。ここでは、途中、長くジャムったり、ヘヴィーなバンドサウンドをゴリゴリ聴かせる、ロックバンドとしての側面を強く押し出していました。

さらにMCもはさみ、クライマックスへ。こちらも最近のライブではおなじみ、JIGENボーカルによる「秋田音頭」で会場は盛り上がり、本編ラストは「うたは自由をめざす」で締めくくり。会場は最高潮のテンションのまま、一度、幕が降りました。

もちろん、その後は盛大なアンコールが。やがてメンバーが戻ってきて、これまたライブの定番「風の市」。さらに会場を沸かした後、またメンバーがステージを降ります。もちろん、さらにアンコールが。オーラスは、こちらもおなじみの「海行かば 山行かば 踊るかばね」で締めくくり。途中、ここ最近のお決まりのコールアンドレスポンズ「原発いらない 再稼動反対 核よりおっぱい おっぱいおっぱい」のコールで盛り上がりつつ、ライブは終了しました。

全編2時間45分程度。彼らのいつものライブに比べると、ちょっとだけ短めか?普通のライブに比べると、十分すぎるほど長いけど(笑)。でも、相変わらずの盛り上がりで、あっという間に時間が過ぎました。特にこの日は、会場がここ最近のワンマンに比べると狭めの会場だっただけに、ステージも見やすく、かつ、会場の一体感が一番だったように感じました。

もう、何度きても、ソウルフラワーのライブは楽しいなぁ~。お決まりのナンバーでは、いつものように、思いっきり踊ってしまったし、なによりそのステージの良さには、いい意味で安定感があります。言うまでもなく最高のステージでした。また、彼らのワンマン、是非とも足を運びたいです!

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2013年6月17日 (月)

橋の下音楽祭 その2

その1から続き

Hashinoshita2013_04

↑メインステージの様子

その後、再び、骸骨の集団が登場。投げ銭をアピールしながら、会場を賑わせて、やがてOOIOOのステージがはじまります。

OOIOO

ご存知ボアダムスのヨシミを中心とした4人組ガールズバンド(って表現にも違和感がありますが(^^;;)。なにげにおそらくライブははじめて。この日も楽しみにしてきたステージでした。

ヨシミのボーカルによる甲高い、何語か不明なボーカルが、不思議なインパクトがあります。ダイナミックな演奏で、バンドの息もピッタリの迫力ある演奏はさすが。特にドラムスの演奏が力強く、胸に響いてきたのが印象的でした。

また、この日のステージでは、ステージ中央の一番いい場所に、インドネシアの民族楽器、ガムランが置かれ、ガムランの奏者2人が、OOIOOのサポートに入っていました。OOIOOのバンドサウンドと、ガムランの高音に響くリズムがピッタリ。ステージのトランシーな雰囲気をより強調していました。

後半は、さらにグイグイとグルーヴ感が増していきライブは盛り上がります。50分弱のステージ、MCはほとんどなしで、音もほぼ途切れることなく、音でちょっとトリップしてしまった、そんな迫力満点のステージでした。なにより演奏力の高さは圧倒的ですね。素晴らしいステージでした。

ソウルフラワーモノノケサミット

そして、この日の一番のお目当て、ソウルフラワーモノノケサミットが登場!彼らの登場前、このイベントのスタッフから、このイベントでの発電システムについての説明がありました。この日のイベントは、すべて太陽光発電によって補っているとか。確かに、会場の横には、大量の太陽光発電のパネルが設置されていました。

メンバーが登場すると、いきなり「サウンドチェック」といいながら、「美しき天然」を聴かせてくれました。途中、「これはサウンドチェックだから聴くな~」なんてコメントを挟みながら(笑)。で、本番。「聞け万国の労働者」「アリラン」さらに「ああ、わからない」とモノノケではおなじみのナンバーが続き、会場は盛り上がります。

中盤では、最近、一緒に仕事をしていたような人が、よく亡くなる・・・という話題になり、まずはバタやんこと田端義夫に捧げるという形で彼のヒット曲「島育ち」を、続いては今年3月に亡くなった、ソウルフラワーと共演したこともある登川誠仁の「国頭ジントーヨー」、さらに、昨年12月に亡くなった小沢昭一が「ソウルフラワーのバージョンもいいねぇ」と言ったらしい「蒲田行進曲」。いずれも最近なくなった方へ捧げる曲でしたが、そこはモノノケ。決してしんみりするわけではなく、陽気な歌で盛り上げつつ、故人を偲んでいました。

そして続いては、「数少ないけどオリジナルを」というMCを挟んで、名曲「満月の夕」へ!で、この曲の途中、なんといきなり電気システムがダウン。会場は一瞬真っ暗になります。でも、この時は観客がみんなで「満月の夕」を熱唱していました。まさに会場がひとつになった印象的な瞬間でした。

その後、なんとか電気システムも復帰し、「お富さん」「がんばろう」、そして最後は「豊年音頭」と続きます。最後の「豊年音頭」では、途中、「原発反対」「核よりおっぱい」「おっぱいおっぱい」という、彼ららしい(笑)コールアンドレスポンズで会場を盛り上げます。そんな最高潮のままライブは終了。時間にして1時間以上のたっぷりなステージ。いやぁ、相変わらずソウルフラワーは楽しい!!すごく幸せな気分になったステージでした。

ソウルフラワーが終わると、メインステージの電気も消え、まだ8時前というのに会場は真っ暗。太陽光発電のみで電気をつくっているだけに、会場の電気もかなり控えめ。でも、そんな中、やがて賑やかな祭りばやしが聴こえてきました。

阿波踊り太閤連

阿波踊り太閤連の集団が、ステージ脇から登場。パレードのように練り歩き、また、会場は盛り上がります。そのまま会場を半周すると、ステージの上へ。ここで賑やかな阿波踊りを披露してくれました。

Hashinoshita2013_05

最近、ワールドミュージックの観点から、阿波踊りなど日本の盆踊りを評価する風潮が強いようです(というか、この日のイベントも、まさにそんな流れの一環ですが)。でもそう考えて、あらためて阿波踊りをこうやって聴くと、アップテンポな太鼓とお鈴からなるビートは、かなりトランス調だったり、時としてファンキーにすら感じたり、決してロックにも負けないパワーを感じました。

最初は踊り子さんたちがステージ上で踊るのをステージ下からながめていたのですが、途中、「みんなも踊りましょう」の掛け声で、提灯を中心として、グルグル回りながら、みんなで踊り始めました。とはいえ、さすがに人がいっぱいすぎて、ちょっとこの時は上手く踊れなかったのですが(^^;;

最後は再び阿波踊り太閤連のみなさんが、会場の一番後ろまで練り歩きます。そして再び、会場の一番後ろのスペースで、みんなで集まり踊り始めました。この時は、踊り子も観客も、まさに一緒になって踊り始めます。この時はかなり盛り上がっていましたね。私ももちろん踊りました(笑)。阿波踊りのパワー、そして日本人の民衆が、本来持っていたパワーをあらためて感じました。

その後もイベントが続き、また翌日も開催されたのですが、私はここで会場を後にしました。

このイベント、去年も実施していて、行きたいなぁ、と思いつつ行けずじまいだったのですが、いやぁ、予想以上に楽しいイベントでした!日本やアジアの民謡、民俗音楽を取り入れたバンドに、阿波踊りやじゃんがら念仏踊りも同列に聴かせるというスタイルで、まさに大衆音楽の魅力をあらためて感じたライブでした。

なによりも無料ということもあってか、観客層も幅広かった。おじいちゃんおばあちゃんから、今風の若者、さらには子供の姿もすごく多かったのが特徴的。また、なぜか犬もたくさん見かけました(笑)。そういう意味では、まさに大衆のための本当の意味でのポピュラーミュージックがここにありました。

会場は意外と広くて、屋台もバリエーションがあって、観客の入りもほどほどで、なによりも音楽は最高で。心の底から楽しめたイベントでした。これは本当に楽しかったなぁ~。また、次回開催の時も、是非とも足を運びたいです!

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2013年6月16日 (日)

大衆音楽のパワーを感じる

橋の下世界音楽祭~SOULBEAT ASIA 2013

会場:豊田大橋下千石公園特設ステージ 日時:6月6日(土)

今年の「フェス」第2弾。今回は、橋の下世界音楽祭に出かけてきました。TURTLE ISLANDが主催するライブで、民謡やアジアの大衆音楽を取り込んだ音を鳴らすミュージシャンたちが参加しているいわゆるワールドミュージックのイベント。ライブは「投げ銭」式で、基本無料で、参加者が自由にお金を払うシステム。そのため、誰もが気軽に参加できるイベントになっていました。

会場は、その名前の通り、豊田大橋の下。ちなみに豊田大橋というのは、豊田市駅から、トヨタスタジアムに向かう途中、矢作川にかかる橋のこと。その橋の下に、特設ステージや、数多くの屋台を設置し、野外フェスの会場にしていました。会場の全景は↓な感じ。

Hashinoshita2013_01

奥に見えるのがメインステージ。橋の下という場所ながらも、思ったよりも広く、かなり多くの屋台が並んでいました。ちなみに一番向こうに見えるのがメインステージです。

馬喰町バンド

12時過ぎに会場についたのですが、この時は、サブステージで、馬喰町バンドが演奏していました。馬喰町バンドは、3人組のロックバンド。民謡のメロディーを積極的に取り入れた楽曲が特徴的。以前、「DISCOVER NEW JAPAN 民謡ニューウェーヴ Vol.1」というコンピアルバムに、「あんせんこんせん」という曲で参加していたので聴いたことがあったのですが、この日もこの曲を披露してくれました。

その他の曲も、アコースティックな楽器で、まさにお祭りの雰囲気を醸し出しているステージで、このライブイベントに抱いていた雰囲気にピッタリのステージ。ハッピーな雰囲気が会場を包み込み、会場も盛り上がっていました。後半には、インドネシアの民謡などもとりいれており、こちらも楽しい雰囲気で聴かせてくれます。とても楽しいステージで、また是非ともライブを見てみたいなぁ。まさにこの日のイベントにピッタリなスタートでした。

その後は昼飯をあさりがてら会場をブラブラ。思った以上にたくさんのお店がありました。いわゆるフェス系でおなじみの屋台はもちろん、地元らしい五平餅やたませんなんて懐かしいお店、お祭りらしいお面が売っていたり、雑貨屋や、さらにはなぜか土俵まで用意されていて、自由に相撲が取れるようになっていました(謎)。

EKD

やがてメインステージでEKDというバンドのステージ。ラテンをベースとしたリズムに、ガレージロックっぽいサウンド。くすんだ雰囲気がなかなかカッコいい雰囲気。イメージとしては、昔のスカパラっぽい感じかな?名前も音もはじめて聴いたのですが、なかなか楽しめました。

で、EKDのライブが終わった途端、いきなり不思議な集団が登場。

Hashinoshita2013_02

お祭り囃子の陽気なリズムを鳴らしながら、奇妙な骸骨の人形を操りつつ、パレードが登場。会場を沸かしました。投げ銭のPRも兼ねているみたいで、最後は会場の中央で、みんなで踊りながら、みんな投げ銭をしていました。もちろん、私も(笑)。

知久寿焼

続いてはメインステージで、知久寿焼。ご存知、たまのメンバー(一般的には「ボーカル」のイメージが強いでしょうか?)。この日は1人だけのステージで、ウクレレやアコギと、ハーモニカのみでのステージでした。

雰囲気としては、まさにたまの時代のイメージそのまま。曲も、「ロシアのパン」や「らんちゅう」など、懐かしいたまのナンバーも聴かせてくれました。アコースティックなサウンドは暖かみがあって、歌詞にしろメロにしろ、確かにパッと聴くと奇抜な部分はあるものの、でも、ライブでじっくりと聴くと、なにげに日本の民謡の雰囲気なども取り入れており、実に優れた大衆音楽を奏でていたんだなぁ、ということを再認識しました。

あの独特なボーカルも相変わらずで、ユーモラスで、不思議な、でもとても暖かい空気がその場をつつんだライブ。最後は、彼のソロ曲「いたわさ」で締めくくり。これも、たまの時代といい意味で全くかわらない雰囲気のユーモラスなナンバー。この日楽しみにしていたミュージシャンの一組なのですが、予想以上に素晴らしいステージでした!

ちなみにその後、彼がひとりで会場内をブラブラしているのを目撃(笑)。ファンなどに握手やサインを求められて、気さくに応じていました。私は勇気がなく、サインとか求められませんでしたが・・・(^^;;

NICE VIEW

次はサブステージでNICE VIEWというバンド。これがこの日のイベントのイメージに反して、メタリックなハードコアバンド。ステージの前は完全にモッシュピットと化していました。私はさすがにちょっと好みではなかったので、1、2曲聴いて退散(^^;;会場の後ろの方の芝生で、一休みしていました。

OLEDICKFOGGY

やがて、メインステージで、OLEDICKFOGGYというバンドのライブがスタートしたので、メインステージに戻ってきました。バンジョーやアコーディオンがメンバーにいて、フォークやカントリーっぽい雰囲気を出しつつも、基本的にはパンキッシュなギターロック。ちょっとベタな歌謡ロック的な側面も。個人的には、正直、いまひとつピンと来ない部分が・・・もうちょっとフォークやカントリーの色を強く出したほうがおもしろいかなぁ、と思いました。

磐城じゃんがら遊撃隊

続いては、福島県いわき市から、磐城じゃんがら遊撃隊という、いわき市指定無形民俗文化財のじゃんがら念仏踊りを踊る集団が登場。といっても、ステージ上ではなく、会場内を練り歩き、最後は会場中央で、踊りを披露してくれました↓

Hashinoshita2013_03

なんでも、いわき市ではいろいろな席で踊られるような踊りだそうで、太鼓の強いリズムと、お鈴の甲高いリズムが対照的に奏でられていました。かなりテンポのよいリズムで、太鼓とお鈴の音色の対比が、どこか幻想的な雰囲気すら感じる、トランシーなサウンド。その踊りとリズムに、思わず魅入ってしまいました。

その2に続く

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2013年6月15日 (土)

奥に秘めたパワー

Title:反面教師
Musician:伊吹留香

本作が、メジャーデビュー作となる女性シンガーソングライター。実は、彼女、以前、私のサイトによく遊びに来てくださっていて、私も昔、彼女のライブに足を運んだり、実際にお会いしたこともあったりして。今回、メジャーデビューということで、音楽雑誌などでも比較的大きく取り上げられたりしていたのには、ちょっとビックリ。もちろん、さっそく購入して聴いてみました。

まず、このアルバムで耳を惹いたのが、かなりブルース、あるいはハードロック色の強いサウンドでした。「Warm Up」「惚れ込め詐欺」などは、かなりブルース色の強いナンバーですし、「それだけは確か」では、ゴリゴリのギターリフは、まさに王道のハードロック。昔見た彼女のライブでは、確かにハードロック色の強いサウンドを感じたのですが、正直、これだけブルース色が強いアルバムになるというのは、ちょっと意外にも感じました。

ただ、アルバム全体の雰囲気としては、このブルースやハードロック色を前面に押し出した作品というよりも、むしろ、シンプルに歌詞やメロディーを聴かせる構成になっていたように思います。そのため、メロディーにしても、彼女の歌い方にしても比較的シンプル。より歌詞を聴かせようとする意向があったように感じました。

CDの帯にも「昭和」っぽい雰囲気が、イメージみたいに謡われています。ミュージックマガジンの記事によると、彼女自身、ちわきなおみや浅川マキ、中島みゆきをフェイバリットにあげているそうで、確かに「夜を行く性」では、そのムーディーな雰囲気は、そんなミュージシャンたちの影響を感じます。ただ、この点に関しても、「昭和」というイメージを、あまり強く押し出している訳でありません。あくまでも「歌」を聴かせる、という点が主眼にあるように感じました。

で、その歌なのですが、比較的、癖のないシンプルなボーカルのため、最初はさらりと聴けてしまう印象を受けます。ただ、じっくりと聴くと、かなり楽曲自体に秘めた力のようなものを感じました。そのもの「生きる」ことについて歌った「Warm Up」のような曲はもちろん、ラヴソングにしても、非常に強い情熱のようなものを感じ、楽曲の奥に秘めた力を感じます。

全体的には、比較的シンプルな構成になっているのですが、それだけではない、深い部分に彼女の主張も感じるアルバムでした。評価は応援の意味も込めてといった感じなのですが、どうしても必要以上に情熱的なボーカルを押し付けるタイプの多い女性シンガーソングライターの中で、彼女のように、シンプルなボーカルだけど、その奥に力を秘めているタイプは貴重な存在かも。これからの活躍も期待したいです!

評価:★★★★★

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2013年6月14日 (金)

今回も「スルメ」なアルバム

Title:MONOMANIA
Musician:DEERHUNTER

アメリカの4人組インディーギターロックバンド、DEERHUNTERの新譜。いわゆる「ニューゲイザー」と呼ばれる、シューゲイザーバンドに大きな影響を受けたバンドと言われています。

私は、前作「HALCYON DIGEST」ではじめて彼らの音楽を聴きました。その時のイメージとしては、TEENAGE FANCLUB Meets My Bloody Valentine。マイブラらしいシューゲイザーなサウンドと、TFCらしいポップな美メロの融合が、個人的には壺にはまったアルバムでした。

今回の新作については、シューゲイザー色がちょっと弱くなって、一方では、ガレージ色、あるいは、もうちょっと60年代70年代のサイケっぽい雰囲気が強くなったような印象があります。ガレージっぽいというと、「PENSACOLA」あたりがそんな雰囲気。サイケっぽいというと、「PUNK(La Vie Anterleure)」がそんなイメージでしょうか。全体的には、ちょっとルーツ指向のような雰囲気も感じさせるアルバムでした。

また、その一方で、シンプルでローファイなサウンドというインディーバンドらしさもそのまま。スカスカなサウンドが、いい意味でインディーバンドらしい雰囲気を感じられます。そういう意味では、サイケっぽいといっても、昔のサイケバンドのイメージとはちょっと違うかも。

ちなみに、前作で大きな魅力だった美メロは本作でも健在でした。前作同様、決して強いインパクトあるメロがあるわけではないものの、2度3度聴くうちにはまっていってしまうようなメロディーがとても魅力的。今回のアルバムの中では、特に「DREAM CAPTAIN」あたりが、そんな彼らの美メロの魅力を最も強く感じることの出来る曲だったと思います。

前作同様、決して派手さはないものの、2度3度聴くうちにはまっていってしまいそうな、そんなスルメ味の魅力あふれたアルバムだったと思います。まだまだ、何度か聴くうちに、さらにはまっていきそう・・・。

評価:★★★★★

DEERHUNTER 過去の作品
HALCYON DIGEST

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名古屋圏フェス・イベント情報(6/14)

管理人の予定策定という実用を主目的とした、名古屋近辺の音楽イベント一覧。週一で更新の予定。週末中は微妙に変わっているかも。

主な選定基準は

複数ミュージシャンが参加する野外ライブや、複数のイベント会場で同時に行われる、ライブサーキット的なイベント。

ジャンルはポップス全般。ジャズも含む。演歌、クラシックは除く。

場所は、名古屋から新幹線を使わず日帰り圏内。具体的には東海3県と、静岡の掛川あたりまで、長野の木曽地域、滋賀の米原、彦根、長浜あたりまで。

一応、それぞれのイベントに、「行きたい度」をつけました。

行きたい度 ★★★★★ ⇒是非とも行きたいイベント
行きたい度 ★★★★   ⇒出来れば行きたいイベント
行きたい度 ★★★    ⇒お金と時間に余裕があれば。
行きたい度 ★★      ⇒タダ券が手に入り、暇なら。
行きたい度        ⇒行きません。

「行きたい度」はあくまでも管理人の趣味・主観によるものです。そのため、イベント自体の良し悪しとは一切関係ありません。ご了承ください。

6/14 主な更新
・Re:mix 2013 追加
・NAGOYA GROOVIN’ SUMMER 2013 ゲストミュージシャン発表
・TREASURE05X 第2弾出演者発表
・Mt.Ena Rock Festival 第1弾出演者発表
・中津川THE SOLAR BUDOKAN 2013 第1弾出演者発表
・FUKUNE MUSIC FES 2013、SAKAE SP-RING 2013、SOUL BEAT ASIS 2013~橋の下音楽祭~
 終了

続きを読む "名古屋圏フェス・イベント情報(6/14)"

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2013年6月13日 (木)

日韓アイドルが1位2位

今週のアルバムチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今週の1位は、韓流アイドルグループが獲得。

今週1位は、これが日本でのデビューアルバムとなるINFINITE「恋に落ちるとき」が獲得。初動売上は6万9千枚で、先週に引き続き、比較的低水準での1位獲得でしたが、直近のシングル「She's Back」の初動3万8千枚からは大きくアップしました。

2位は先週6位だったももいろクローバー「入口のない出口」がランクアップして、2週目にしてベスト10入り。本来、6月5日発売で、今週でのチャート入りだったのですが、ファンクラブやイベントでの先行販売の影響で、先週、初登場でランクインしていた模様。売上も、先週の1万4千枚から6万9千枚にアップ。

で、3位にはちょっと謎な外国人が。Chris Hart「Heart Song」がランクイン。彼はアメリカ・サンフランシスコ出身で日本在住の黒人シンガー。日テレ系バラエティー「のどじまん ザ!ワールド」に出演して話題を集めたそうで、このJ-POPのカバーを多く収録したカバーアルバムがいきなりベスト3ヒットを記録しました。

続いて、4位以下の初登場です。

4位に、アイドルグループw-indsのメンバー、橘慶太ことKEITAによるソロアルバム「SIDE BY SIDE」がランクイン。KEITA名義では初となるアルバム。2006年に橘慶太名義でアルバム「声」をリリースしており、それ以来のソロ作。4位は、その「声」の最高位10位を大きく上回りましたが、初動売上1万4千枚は、3万4千枚からダウン。わずか7年前ですが、CD市場の縮小ぶりを感じます。

5位には、松田聖子1年ぶりのオリジナルアルバム「A Girl in the Wonder Land」が入ってきました。初動売上は1万3千枚。前作「Very Very」の1万1千枚より若干あげてきました。ちなみにジャケット写真は水着姿・・・・・・はさすがにちょっと厳しいものも・・・?

8位には、テレビ東京系アニメ「ゆるゆり」の主題歌などを集めたアルバム「YURUYURI♪1st.Series Best Album ゆるゆりずむ♪」がランクイン。初動売上1万1千枚。このアニメ番組がらみのアルバムとしては、2月にリリースした「ゆるゆりのうた♪あるばむ2『はいっ!テ・ウ・ガ♪~High Tension Ultra girls~』」以来。前作は、最高位36位初動3千枚なので、こちらからは大きくアップしています。

9位には、今年で歌手生活40年となる高橋真梨子の3枚組ベストアルバム「高橋40年」が入ってきました。「桃色吐息」「はがゆい唇」「遥かな人へ・・・」など、代表曲を網羅したオールタイムベスト。最近、CDメディア衰退を見込んでか、ベテラン勢のベスト盤が続いていますが、その一環でしょうか。2010年にリリースしたカバーアルバム「No Reason 2~もっとオトコゴコロ~」に続くベスト10ヒット。初動売上1万1千枚は、そのカバーアルバムの1万2千枚からほぼ横バイ。

最後、10位には、ボーカルのリアム・ギャラガーはじめ、元oasisのメンバーからなるイギリスのロックバンドBEADY EYEの2枚目のアルバム「BE」がランクインしています。初動売上1万1千枚は、前作「Different Gear,Still Speeding」の2万8千枚から半減以下。ちょっと厳しい結果になっています。

今週のアルバムチャートは以上。チャート評は、また来週の水曜日に!

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2013年6月12日 (水)

これで50作目

今週のシングルチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

これで50作目だそうです。

今週の1位はSMAP「Joy!!」。これが50枚目のシングルだそうです。今回は、その節目のシングルということで、かなりプロモーション活動に力を入れていましたが、その結果、初動売上32万7千枚と、前作「Mistake!」の16万1千枚より大きくアップしています。

続く2位初登場は、韓国のアイドルグループSS501のメンバー、キム・ヒョンジュン 「TONIGHT」がランクインです。初動売上は11万5千枚で、1位を獲得した前作「HEAT」の18万3千枚よりダウン。本作も、5種類発売されているシングルを全て購入すると、イベントへの参加券を応募できるなど、相変わらずなりふりかまわない複数枚買い戦略が目立ちましたが、さすがに前作より大きくダウンしてしまいました。

3位は、AKB48「さよならクロール」がベスト3をキープしています。

続いて4位以下の初登場ですが、また女性アイドルグループが2組、チャートでは並んでいました。

5位に私立恵比寿中学 「手をつなごう」、6位に東京女子流 「運命」がそれぞれランクイン。私立恵比寿中学は、初動3万4千枚で、前作「梅」の4万1千枚よりダウン。前々作から前作へは、2万枚→4万1千枚と倍増したのですが、人気は一息ついた感じ。正直、明るいアイドルポップスなのですが、ヒャダイン作曲の前作と比べると、特に特色もなく、おもしろみに欠ける点も、初動減少の要因か?東京女子流は、初動2万3千枚は、「ROAD TO BUDOKAN 2012 -Bad Flower-」の2万2千枚から微増。ソウルな曲調とアレンジはおもしろい感じなのですが、平坦なボーカルがそれにいまひとつついていっていないような・・・。

7位には、西野カナ「Believe」がランクイン。明るい雰囲気のアップテンポナンバー。初動売上2万2千枚は、前作「Always」の2万1千枚より微増となっています。

8位には、今週も入ってきましたアニメ「うたの☆プリンスさまっ♪マジLOVE2000%」のキャラクターソング、愛島セシル(鳥海浩輔) 「うたの☆プリンスさまっ♪マジLOVE2000% アイドルソング 愛島セシル(鳥海浩輔)(星のファンタジア)」。初動売上2万2千枚は、先週ランクインした四ノ宮那月(谷山紀章) 「うたの☆プリンスさまっ♪マジLOVE2000% アイドルソング 四ノ宮那月(谷山紀章)(シリウスへの誓い)」の2万7千枚よりダウン。特に特徴もない、ミディアムテンポの聴かせるナンバー。正直、毎回、特に特徴もないありきたりな雰囲気の曲の連続で、少々うんざり気味なんですが、購買層は、やはり曲の中身よりも、キャラクターが重要ということなのでしょうか。

9位初登場が、いきものがかり「1 2 3~恋がはじまる~」。カルピスウォーターCMソング。これからの夏の季節にピッタリの爽快なナンバー。初動売上1万7千枚は、前作「風が吹いている」の2万9千枚よりダウン。ここ最近、3万5千枚→2万9千枚→1万7千枚と大きくダウンしているのが気にかかります。7月にアルバム発売が予定されているので、その影響もあるのでしょうが・・・。アイドルやキャラソンばかりのチャートの中で、純粋に曲で勝負しているユニットとしては、もうちょっとがんばってほしいところなのですが・・・。

最後10位には、超特急「Bloody Night」がランクイン。韓流のアイドルグループ・・・と思ったのですが、ももクロや私立恵比寿中学が所属するスターダストプロモーション所属の男性アイドルグループらしいです。曲は、まあ、よくありがちなマイナーコード主体のちょっとホラーチックなアイドルナンバーなのですが。初動売上1万1千枚は、前作「POLICEMEN」の4千枚より大きくアップ。初のベスト10ヒットとなりました。

そんな訳で、今週のシングルチャートは以上。アルバムチャートは、また明日に!

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2013年6月11日 (火)

リビングレジェンドの現役感バリバリの新作

Title:Cotton Mouth Man
Musician:JAMES COTTON

今回、アルバムを紹介するJAMES COTTONは、アメリカのブルース・ハーモニカ奏者。ブルース・ハーモニカの代表的な奏者であるサニー・ボーイ・ウィリアムソンIIに直接手ほどきを受け、さらには1950年代には、ブルース界を代表するミュージシャンである、マディー・ウォーターズのバンドにも所属していたという、すっかり数少なくなってしまった、ブルースの最盛期から活動を続けている、いわばリビング・レジェンドのひとりといっていいでしょう。

御歳77歳の彼ですが、いまだに積極的に活動を続けており、今年春には、来日公演も行ったほど。そして3年ぶりとなるオリジナルアルバムのリリースとなりました。今回、全13曲入りのアルバムながらも、うち12曲がオリジナル曲という、まだまだ現役であることを十分にアピールしたアルバムになっています。

アルバムの内容は、まさに王道を行くようなシカゴ・ブルース。ただ、パワフルな演奏に、全く古さを感じさせません。特に、ブオンブオン、パワフルなバンドに負けないように吹きまくるJAMES COTTONのハーモニカのサウンドは、全く年齢を感じさせません。ライナーツノートによると、「全盛期と比べて」という表現がされていましたが、しかし、パワフルな演奏に、顕著な衰えは感じません。

なおかつ、軽快なサウンドのロッキンな雰囲気の曲が多いので、比較的にロックリスナーにも楽しめる内容ではないでしょうか。また、その上でブルースの雰囲気を楽しめるアルバムだと思います。まあ、ブルースの最初の1枚、という感じではないのかもしれませんが・・・興味がある方は、是非どうぞ。

ちなみに、今回のアルバムは、彼の自伝的内容がアルバムのテーマとなっているとか。残念ながら、国内盤でも英語詞はついていても対訳がないため詳細はわからないのですが、タイトルナンバー「COTTON MOUTH MAN」「BLUES IS GOOD FOR YOU」などでは、彼のブルースに対する愛情は、私の拙い英語の解釈でも感じることが出来ます。彼自体、残念ながら93年に喉頭がんを患い、その後、ボーカルを取ることは基本的になかったそうですが、今回のアルバムではラスト「BONNIE BLUE」ではなんと彼自身がボーカルを取っています。しゃがれた声で、少々聴きにくくも、力強いボーカルに、このアルバムにかける意気込みも感じました。

そんな訳で、決して「まだお元気でよかった」的なアルバムではなく、現役感をバリバリ感じることが出来る1枚。まだまだこれからもパワフルな作品を作り続けてほしいです。

評価:★★★★

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2013年6月10日 (月)

懐かしいバンドが復活!

Title:The Best Of Hermann H.&The Pacemakers
Musician:Hermann H.&The Pacemakers

まずなによりも「懐かしい!」という感情が先に走りました、Hermann H.&The Pacemakersのベスト盤。1999年、ミニアルバム「HEAVY FITNESS」でデビュー。当初は、期待のギターロックバンドと目され、ブレイク候補の最右翼とも言われていました。

特にライブパフォーマンスでは、担当パートが「ウルフ」と名乗る、パフォーマンス担当のメンバー若井悠樹も参加しているなど、定評があり、人気を確保していきましたが、人気上昇中の2003年に、サウンドの要のひとりだったギターの平床政治が脱退。その後も勢力的に活動を続けていたものの、2005年に活動を休止していました。

それが昨年2月に1日限りの再結成。さらに6月には正式な活動再会宣言を経て、今年1月には、なんと平床政治が再加入。新曲1曲を含む、ベスト盤がリリースされました。

ブレイクの最右翼、なんていわれていたのですが、今回、あらためて調べてみると、チャート的には、「PINKIE'S ROCK SHOW」の35位が最高位なんですね。もっとも、今と比べるとかなりCDが売れていた時代なので、単純比較は出来ないのですが、イメージしていたほど、ブレイクしていなかったんだなぁ、と思いました。

ただ、今回のベスト盤で久しぶりに彼らの曲を聴くと、なんでブレイクできなかったのか、あらためて不思議に感じます。ちょっと60年代のテイストを感じる、哀愁あるメロディーラインは、日本人の琴線に触れそうなポピュラリティーを感じますし、微妙にひねくれた展開を感じるメロディーラインはインパクト十分。このひねくれ系メロは、現在でいえば、ちょっとフジファブリックあたりを思い起こさせる部分もあります。また、このアルバムにどこか懐かしさを感じるのも、もちろんバンドの曲自体を久しぶりに聴いたという理由も大きいのでしょうが、それ以上にこの哀愁あるメロが大きな要因になっているのかも。もっとも、自分が書いた当時のアルバムの感想を読むと、シングル曲以外のインパクトが少々不足しており、そこらへんがブレイクしそこねた原因にも思われるのですが。

今回のベスト盤、全22曲70分を超えるフルボリュームだったのですが、それだけインパクトある曲が並んでいるため、だれることなく、一気に聴きとおすことが出来ました。ちなみに最後に新曲「OEM」が収録されているのですが、軽快なポップソングは悪くはないのですが、久々のご挨拶程度の小品といった感じで、かつてのファンの過大な期待は禁物かも。とはいえ、彼ららしいポップなナンバーに仕上がっていて、ライブではそれなりに盛り上がりそうですが。

次はオリジナルアルバムのリリースがあるのでしょうか。本格的に活動を再開するなら、今度こそブレイクを期待したいなぁ。Hermann H.&The Pacemakersという長い名前に懐かしさを感じる方は必聴の1枚。また、フジファブ、MONOBRIGHT、アナログフィッシュあたりのひねくれポップ好きは要チェックのミュージシャンかも。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

CIDER ROAD/UNISON SQUARE GRADEN

このアルバムにも収録されたシングル「リニアブルーを聴きながら」が映画「劇場版 TIGER & BUNNY -The Beginning-」主題歌に起用され、ベスト10ヒットを記録したスリーピースバンドのアルバム。このアルバムも、ベスト10ヒットを記録し、アニメ主題歌というタイアップ効果抜きで、人気上昇中のバンドです。

楽曲は、良くも悪くもJ-POPらしい、90年代風のビートロック。そのシングル曲もはじめ、1曲1曲にインパクトがあり、確かに十分なヒットポテンシャルのあるバンドに思います。ただ、その一方で、似たような楽曲が多く、バリエーションが少ないのが少々難点。楽曲にしても、よくありがちなビートロックなので、ちょっと最後の方は飽きてきてしまったかも。

評価:★★★

Hot Number/オレスカバンド

デビュー時は、現役高校生バンドとして話題となった彼女たちですが、既に20代半ばにさしかかり(とはいえ、まだ若い!)、今回のアルバムでは大人のバンドへの成長を感じます。前作「COLOR」でも、元気一辺倒ではなくなったバラエティーある音楽性を聴かせてくれましたが、本作も、ファンキーなナンバーやエレクトロチューンなども入れ、スカ一辺倒ではない、バラエティー富んだ作風を聴かせてくれます。ただ、その反面、ちょっといい意味でも悪い意味でも落ち着いちゃった感も。ただ、大人のバンドとしての成長を感じる彼女たち。これからの活躍に期待したいところです。

評価:★★★★

オレスカバンド 過去の作品
What a Wonderful World! vol.1
What a Wonderful World! vol.2

COLOR

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2013年6月 9日 (日)

カバーアルバム第2弾

以前、ユニコーンと奥田民生の楽曲を、様々なミュージシャンがカバーする企画アルバムがリリースされました。それから約5年。なんと、その第2弾シリーズがリリースされました。

Title:ユニコーン・カバーズ

まずはユニコーンのカバーアルバム。くるりの「デーゲーム」や、YUKIの「自転車泥棒」、ちょっと変わったところだと、Scott&Riversによる「雪が降る町」や、Andy Sturmerの「ひまわり」など、外国勢も参加しています。

もともと、ユニコーンの曲自体、楽曲の雰囲気とアレンジが密接にむすびついている曲が多く、それを変えようとすると、自分たちのスタイルにそれなりの自信が必要。前回は、特にベテラン勢が、きちんと自分たちの持ち味を入れつつ、ユニコーンらしさを残したカバーを聴かせてくれたのですが、今回の作品に関しては、基本的に原曲に忠実なカバーが多く、新しい発見みたいなものはあまりありませんでした。

ただ、その中でおもしろかったのは氣志團の「人生は上々だ」で、原曲は後半になるとどんどんアップテンポに狂ったような曲調になるのですが、このユーモラスな雰囲気が、氣志團のイメージとピッタリマッチしていました。おそらく、これだけこの曲をイメージそのままでカバーできるのは、氣志團くらいだろうなぁ~。

グループ魂の「服部」も、相変わらずコントを挟んでのパンキッシュなカバー。ここは、どんなカバーでも、いつも通りって感じですね(笑)。

悪くはないけど、原曲のイメージに捕らわれすぎて、ちょっとこれは、といったカバーが少なかったかな。惜しいカバーアルバムでした。

評価:★★★★

Title:奥田民生カバーズ2

ユニコーンは、曲とアレンジが一体となっていましたが、奥田民生のソロ作は、さらにそこにボーカルが加わり、独特の曲のイメージを作り出しています。つまり、奥田民生のボーカルあっての曲が多いわけで。前作も、その点で苦労していたミュージシャンが多かったのですが、今回のカバー第2弾は、さらに苦労していたミュージシャンが多かったように思います。

なので、原曲のイメージを残したままでは、例外なく無残に敗れ去っています。逆に、奥田民生をカバーするには、原曲のイメージを引っぺがし、その上で自分のイメージを塗りこむしかないのでしょう。ただ、the HIATUSが「さすらい」をちょっとポストロック風に、最近はジャズミュージシャンになった大江千里が「御免ライダー」をジャズにしてカバーしていますが、正直、とってつけたようなアレンジで、原曲には到底及ばなかったような・・・。

ただ、そんな中、強烈な個性を放って名カバーを聴かせてくれたのがCharaの「The STANDARD」と矢野顕子の「野ばら」。どちらも、その特徴的なボーカルで、完全に自身の曲として生まれかわらせたカバーになっていました。奥田民生くらい強烈な個性を持つボーカリストに対抗するには、これだけ強烈な個性を出さなくてはいけない、ってことなんでしょうね。

カバーアルバム全体としては、ちょっと残念な内容で、奥田民生のボーカリストとしての魅力を、逆に再認識できたアルバムでした。

評価:★★★

ユニコーン・トリビュート
奥田民生カバーズ


ほかに聴いたアルバム

neuron/sleepy.ab

sleepy.abは、毎回アルバムを聴いています。で、毎回、それなりにいいアルバムはリリースしてくるのですが、どうもブレイクしきれないですね・・・。幻想的な雰囲気のギターロックは、しっかり個性として確立しているものの、バンドサウンド、幻想的な雰囲気、メロディーライン、どこもいまひとつ突き抜けていないからか??

評価:★★★★

sleepy.ab 過去の作品
paratroop
Mother Goose

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2013年6月 8日 (土)

吹っ切れた傑作

Title:More Light
Musician:Primal Scream

Primal Screamといえば、ご存知2000年に大傑作「XTRMNTR」が大きな話題となりました。しかし、それ以降もコンスタントにアルバムのリリースを続けた彼らですが、その「XTRMNTR」を超える傑作はリリースされませんでした。どのアルバムも、どこか「XTRMNTR」の影を追い求める作品、または、こじんまりとした普通のギターロックのアルバムに留まってしまっていました。その典型的だったのが前作「Beautiful Future」。タイトルとは裏腹に、彼らの美しい未来が、どうにも見通せないアルバムになっていました。

しかし、前作から5年、彼らにしてみたら長いインターバルの末発売された最新アルバムは、ファンとしては「やった!」と叫びたくなるような傑作をリリースしてくれました。

まず冒頭を飾る「2013」。サイケでスペーシーなサウンドは、どこか傑作「screamadelica」の雰囲気を受け継いだようなナンバー。グイグイと惹き込まれる勢いあるナンバーになっています。9分にも及ぶ長大なナンバーですが、まったくダレル気配もありまん。歌詞も強烈。

"What happend to the voices of dissent?
Getting rich I guess
Become part of the establishment
Power corrupts the best"

(邦訳 「国教に反対する者たちの声」はどうなった?
たぶんやつらは裕福になったんじゃないかな
「権威」の一部になる
「権力は腐敗する」んだよ どこまでも)
(「2013」より Written by Gillespie/Innes 邦訳 伊藤英嗣)

と、あいかわらず権力に中指立てる姿勢は変わりません。

今回の作品、これだけの傑作になったのは、吹っ切れてしまったから、というのが大きな理由のように感じます。実際、このアルバムに収録されている曲は、実に様々なタイプの曲が収録されており、まさに彼らが好き勝手に、やりたい音楽を演ったように感じられます。

エスニックな雰囲気のある「RIVER OF PAIN」、シューゲイザー色の強いロックンロールナンバー「HIT VOID」、和風なストリングスが耳を惹く「SIDEMAN」に、ムーディーな「GOODBYE JOHNNY」とバリエーション豊富な作風が展開されていきます。

そんな中で、ライブで特に盛り上がりそうなのが、中盤の「INVISIBLE CITY」。ホーンセッションも取り入れたパンキッシュなナンバー。ロンドンの現状を皮肉った歌詞も彼ららしくてユニーク。さらに終盤「IT'S ALRIGHT,IT'S OK」。タイトル通り、前向きで明るいポップナンバー。サビは、みんなでシンガロングで盛り上がりそう。

そんな音楽的に幅の広い作風になりながらも、でもどこかアルバム全体にPrimal Screamらしさを感じられ、緩くまとまっているように感じるのも不思議。もっとも、Primal Screamといえば、アルバム毎にタイプの異なる作品を次々リリースしてきただけに、同じタイプで小さくまとまったアルバムよりも、こういう様々なタイプの曲を好き勝手に収録したアルバムの方が、彼ららしさを感じるのかも?

その結果、アルバム全体としては70分を超える大作になってしまった今回のアルバム。でも、これだけバラエティー富んだ作風のため、最後まで飽きることはありません。「Screamadelica」「XTRMNTR」と並ぶ、Primal Screamの傑作アルバムが誕生したと思います。デビューから25年以上のベテランバンドの彼らですが、その勢いはまだまだ続きそうです。

評価:★★★★★

primal scream 過去の作品
Beautiful Future
Screamadelica 20th Anniversary Edition

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2013年6月 7日 (金)

名実ともに人気バンドへ

Title:Modern Vampire Of The City
Musician:VAMPIRE WEEKEND

ここ最近、アメリカではインディーロックバンドの活躍が目立ちます。え?このバンドも?と思うようなミュージシャンが、ビルボードチャートの上位に顔をのぞかせ、ビックリすることも少なくありません。ただ、そんな活躍著しいインディーバンドの中で、おそらく頭ひとつ抜けた感じなのが、彼ら、VAMPIRE WEEKENDではないでしょうか。2ndアルバム「Contra」でチャート1位を獲得。このアルバムも、13万枚を売上げ、2作連続アルバム1位を記録。アメリカを代表する人気バンドになりつつあります。

人気面でアメリカを代表するバンドになりつつある彼らですが、前作「Contra」までは、そのサウンドはいかにもインディーバンドのそれといった雰囲気でした。音的に絞ったバンドサウンドに、トライバルなリズムは非常にシンプル。スタジアムよりもライブハウスが実に似合いそうなサウンドが特徴的なバンドでした。

そんな人気を反映したから、という訳ではないと思うのですが、3作目となった今回のアルバムは、バンドとして一回り大きくなったように感じます。冒頭を飾る「OBVIOUS BICYCLE」は、ピアノを使ったメロウなサウンドは、いままでの彼らとはちょっと違ったものも感じますし、続く「UNBELIEVERS」も、彼ららしいメロディアスなポップソングなのですが、その美メロは、どこか垢抜けたものも感じます。

他にも、ストリングスで壮大にまとめている「DON'T LIE」だったり、ちょっとホラーテイストの「HUDSON」だったり、いままでの彼らの作品とはちょっと異なるような、スケール感があったり、サウンドの広がりを感じたりする楽曲が並んでいます。

ただ、だからといってVAMPIRE WEEKENDは売れてしまって、変わってしまった・・・・・・・という訳ではありません。例えば「DIANE YOUNG」にしろ「FINGER BACK」にしろ、シンプルなサウンドと軽快なリズムが、実にVAMPIRE WEEKENDらしいナンバー。他の曲にしろ、確かにスケール感はあるのですが、決して過剰なサウンドメイクになった訳ではなく、決してこれでもかと、音を塗りたくるようなスタジアムバンドになった訳ではないのでご安心を。アルバム全体的にはポップなメロと軽快なリズムの曲が並んでいるので、いままでの彼ららしさを求めるファンにも納得いくアルバムだったと思います。

VAMPIRE WEEKENDの良さを残しつつ、新たな一歩を踏み出したアルバム。そういう意味では、まさに名実ともに、アメリカを代表する人気バンドへ踏み出したアルバム、ともいえるかもしれません。彼らの成長を感じる、これからがますます楽しみになってくる新作でした。

評価:★★★★★

VAMPIRE WEEKEND 過去の作品
VAMPIRE WEEKEND
CONTRA

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名古屋圏フェス・イベント情報(6/7)

管理人の予定策定という実用を主目的とした、名古屋近辺の音楽イベント一覧。週一で更新の予定。週末中は微妙に変わっているかも。

主な選定基準は

複数ミュージシャンが参加する野外ライブや、複数のイベント会場で同時に行われる、ライブサーキット的なイベント。

ジャンルはポップス全般。ジャズも含む。演歌、クラシックは除く。

場所は、名古屋から新幹線を使わず日帰り圏内。具体的には東海3県と、静岡の掛川あたりまで、長野の木曽地域、滋賀の米原、彦根、長浜あたりまで。

一応、それぞれのイベントに、「行きたい度」をつけました。

行きたい度 ★★★★★ ⇒是非とも行きたいイベント
行きたい度 ★★★★   ⇒出来れば行きたいイベント
行きたい度 ★★★    ⇒お金と時間に余裕があれば。
行きたい度 ★★      ⇒タダ券が手に入り、暇なら。
行きたい度        ⇒行きません。

「行きたい度」はあくまでも管理人の趣味・主観によるものです。そのため、イベント自体の良し悪しとは一切関係ありません。ご了承ください。

6/7 主な更新
・聖地巡礼!!2013 ~夏休み合宿編~ 追加
・愛知REGGAE BREEZE 第1弾出演者発表
・Amuse 35th Anniversary BBQ in つま恋 スペシャルゲスト発表
・FREEDOM NAGOYA 2013 最終出演者発表
・Nagoya HAWAII Festival 2013、TAICOCLUB'13、頂 ITADAKI 2013、FRESH AIR in SAKAE 2013
 終了

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2013年6月 6日 (木)

ボカロ系ソロ作品では初

今週のアルバムチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今週の1位は史上初。

今週1位を獲得したのは、初音ミクなどのボーカロイドを使用し、ニコニコ動画などを主戦場に活動する、いわゆるボカロ系のプロデューサー、じんによるアルバム「メカクシティレコーズ」。ボーカロイドがらみでは、オムニバスアルバムの1位獲得はあったものの、ソロ作での1位獲得はこれが初という快挙になりました。初動売上7万5千枚は、1位としてはちょっと寂しいものの、前作「メカクシティデイズ」の2万2千枚から3倍以上の大幅増になっています。

2位には、韓国の人気俳優、チャン・グンソク「Nature Boy」がランクイン。初動売上5万6千枚は、1位を獲得した前作「Just Crazy」の8万8千枚よりダウン。ただし、TEAM Hとしてリリースした直近作「I JUST WANNA HAVE FUN」の2万8千枚よりはアップしています。

3位は氷川きよし「演歌名曲コレクション18~しぐれの港~」。なんとなく、おなじおばちゃま勢で、ファン層がチャン・グンソクと微妙にかぶりそうだなぁ・・・あくまでもイメージ論ですが。初動売上2万6千枚。前作「演歌名曲コレクション17~最後と決めた女だから~」の2万9千枚から若干ダウン。

続いて、4位以下の初登場です。

まず初登場6位にももいろクローバー「入口のない出口」がランクイン。インディーズ時代の楽曲を集めた企画盤だそうです。アルバム「5TH DIMENSION」とあわせてデビューアルバム「バトル アンド ロマンス」を再発売してきたりして、今の人気に乗じて、いろいろと「売り」に来ているように感じます。

7位には、韓流のアイドルグループBOYFRIEND「SEVENTH MISSION」が入ってきています。初動売上1万1千枚は、前作「We are “BOYFRIEND”」の初動8千枚よりアップ。アルバムでは初のベスト10入り。ただ、直近のシングル「瞳のメロディ」が初動3万4千枚と考えると、かなり苦戦。You TubeでCMを流しまくっていたり、ポスターをよくみかけたり、ビーイング系らしくCMにかなり力を入れていたみたいですが、思ったほど効果があがらなかった感も。

最後、10位には、「THE IDOLM@STER LIVE THE@TER PERFORMANCE 02 アイドルマスター ミリオンライブ!」。こちらも、最近、ヒットチャートではおなじみのアイドルマスターシリーズ、GREE用ゲーム「アイドルマスター・ミリオンライブ!」のキャラクターによるキャラソンを集めたミニアルバム。アイドルマスターからみのアルバムでは、4月にランクインした「THE IDOLM@STER ANIM@TION MASTER 生っすかSPECIAL 弦楽四重奏 初恋組曲」の最高位11位初動7千枚以来で、初動売上8千枚は、その作品より若干アップ。ベスト10入りは、1月に7位にランクインした「THE IDOLM@STER ANIM@TION MASTER 生っすかSPECIAL カーテンコール」以来。

今週のアルバムチャートは以上。チャート評は、また来週の水曜日に!

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2013年6月 5日 (水)

今週はジャニーズ系の大物が・・・。

今週のシングルチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

先週はAKB48がチャートを席巻していきましたが、今週はジャニーズ系の大物がランクインしています。

今週1位は嵐「Endless Game」が獲得。櫻井翔主演のフジテレビ系ドラマ「家族ゲーム」主題歌。初動売上47万7千枚は、前作「Calling」の75万6千枚から大きくダウン。前々作「Your Eyes」と同水準に戻しています。ストリングスでスケール感を出しつつ、怪しげな雰囲気のナンバーになっていますが、少々インパクトは弱いような。

2位は韓国の男性アイドルグループ2PM「GIVE ME LOVE」。TBS系ドラマ「TAKE FIVE~俺たちは愛を盗めるか~」。ちょっとジャニーズ系っぽいエレクトロアレンジで歌謡曲風哀愁メロという路線は前作「マスカレード~Masquerade~」と同様。初動売上13万7千枚は、その前作の13万枚からアップしています。

3位は先週1位だったAKB48「さよならクロール」が、今週もベスト3をキープしました。

続いて4位以下の初登場ですが、もういっちょAKB48がらみ。AKB48の倉持明日香のソロデビューシングル「いつもそばに」がランクインしています。なんか、90年代の売れなかったガールズポップみたいな感じの曲だなぁ・・・。初動売上3万1千枚は、AKB48のソロデビュー作としては、岩佐美咲「無人駅」の2万3千枚は上回ったものの、河西智美「まさか」の3万2千枚を下回る、少々寂しい結果。

で、5位には今週も入ってきました。アニメ「うたの☆プリンスさまっ♪マジLOVE2000%」のキャラクターソング、四ノ宮那月(谷山紀章) 「うたの☆プリンスさまっ♪マジLOVE2000% アイドルソング 四ノ宮那月(谷山紀章)(シリウスへの誓い)」。初動売上2万7千枚は、先週の神宮寺レン(諏訪部順一) 「うたの☆プリンスさまっ♪マジLOVE2000% アイドルソング 神宮寺レン(諏訪部順一)(オレンジラプソディ)」の2万6千枚から微増。楽曲は、いわゆるヴィジュアル系ですね、といわれそうな感じのなんのひねりもない曲。

6位7位には、女性アイドルグループが並びました。6位でんぱ組.inc「でんでんぱっしょん」、7位Dream「Only You」。でんぱ組.incは2作目のベスト10入り。アイドルグループなのですが、下手なキャラソンや女性声優の曲以上のアニメ声は聴いていてちょっときついなぁ。初動2万7千枚は、「W.W.D」の9千枚よりアップ。Dreamは、なにげに1999年デビューのメンバーを変えつつもベテラングループ。ベスト10入りは、なんとdreamと名乗っていた2003年の「I love dream world」以来。こちらはアイドルソングというよりも、R&Bなポップソングで、どちらかというと女性層狙いか?初動2万枚は、前作「Ev'rybody Alright!」の最高位34位4千枚より大幅アップ。「サマンサタバサジャパンリミテッド」CMソングというタイアップ効果か?

8位には、椎名林檎「いろはにほへと」がランクイン。椎名林檎名義としては2011年の「カーネーション」以来、1年半ぶり、東京事変解散後は初となるシングル。フジテレビ系ドラマ「鴨、京都へ行く。~老舗旅館の女将日記~」主題歌。和風で、ちょっと耽美的な雰囲気が魅力的な、椎名林檎らしい作品。初動売上1万7千枚は、前作「カーネーション」の1万8千枚から微減。

9位はヴィジュアル系バンド己龍「愛怨忌焔」が入ってきています。和風をテーマとしたインパクトあるヴィジュアルに曲風は、かなり個性的。これで2作目のベスト10ヒット。初動売上1万5千枚は、初のベスト10ヒットとなった前作「悦ト鬱」の1万3千枚から若干のアップ。

最後、10位にはロックバンド9mm Parabellum Bullet「Answer And Answer」がランクインしています。こちらも和風で歌謡曲風なメロに、メタリックなサウンドがインパクトあるバンド。初動売上1万1千枚は、前作「ハートに火をつけて」から横バイ。6月にリリース予定のアルバム「Dawning」の先行シングルと考えると、健闘した方か?

そんな感じで、今週のシングルチャートは以上。アルバムチャートは、また明日に~。

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2013年6月 4日 (火)

インドネシアの音楽

Title:インドネシア音楽歴史物語

今回紹介するアルバムは、タイトル通り、インドネシアの大衆音楽、それも1920年代から60年代の音源を集めた2枚組のアルバムです。音楽評論家の田中勝則氏が、「レコード学」という意味のレーベル「ディスコロヒア」を立ち上げ、そこからリリースされる第1弾アルバムだそうです。レーベル名やアルバムタイトル通り、インドネシアの大衆音楽を学ぶ目的で楽しめるアルバムといった感じでしょうか。

インドネシアの大衆音楽で、人気があるのはクロンチョンというジャンルだそうです。今回のアルバムも、このクロンチョンの曲がほとんど。クロンチョンという曲に関しては、Wikipediaでは、以下のように説明されています。

クロンチョン(Kroncong)は、インドネシアを代表する大衆音楽のジャンルである。演奏は、男性(or/and)女性歌手に伴奏楽器としてフルート、ヴァイオリン、チェロ、ギター、ベース、チャッ、チュッ(弦3本の小型ギター)が加わり、打楽器は使用されず、弦楽器だけでリズムを作るのが特徴である。

いわゆるリズム楽器がなく、ストリングスやフルートがサウンドのメインになっているため、優しい音感になっているのが特徴的。メロディーや歌詞に主眼が置かれたようなポップスに仕上がっています。

さて、そんなインドネシアのクロンチョン。日本ではほとんどなじみのないジャンルなだけに、とっつき難い印象を受けるかもしれません。しかし、実際には、全く逆。哀愁たっぷりに歌われるメロディーライン主導の音楽性は、むしろ歌謡曲っぽい部分を強く感じました。イメージとしては、昭和30年代あたりの、歌謡曲黎明期の日本の流行歌に雰囲気がかなり近いものがあります。

よくよく考えれば、インドネシアはかつて日本の植民地でもあったことがあった訳で、このアルバムでも、日本で植民地時代に紹介、販売された音源から収録された曲もあり、日本の大衆音楽と相互に影響しあった部分もあるのかもしれません。

また、他国の様々なジャンルの音楽を貪欲に取り込んでいるのも特徴的。ジャズやハワイアン、ラテン、さらに時代が下った作品ではロックからの影響を感じる作品も。そういう良くも悪くも節操のなさも、歌謡曲と同じものを感じます。

そういう意味では、ワールドミュージックというジャンルに難解さを感じることなく、日本のポップスを聴く感覚と、同じように楽しめるアルバムだったと思います。インドネシアという国は、国としては日本でも比較的なじみのある国かもしれませんが、音楽というと、なかなか知られていない感じ。かくいう私も、今回、このアルバムでインドネシアの音楽にはじめて触れたのですが、日本にもなじみやすい音楽が楽しめました。これを機に、興味のある方は是非。

評価:★★★★★

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2013年6月 3日 (月)

異例の大ヒット

Title:佐村河内守:交響曲第1番 HIROSHIMA
Musician:大友直人指揮 東京交響楽団

今回、このサイトでは、はじめてクラシックのアルバムを紹介しようと思います。現在、アルバムチャートで大ヒットを記録していますので、クラシックに興味のない方もご存知でしょう。両耳の聴力を失いながら作曲を続け、日本のベートーベンとも呼ばれる作曲家、佐村河内守の手による交響曲。昨年11月にNHKの情報番組に取り上げられ、オリコンチャートの9位にランクイン。さらに今年3月にはNHKスペシャルにも取り上げられ、一気にオリコンチャートで2位という、クラシックのアルバムとして異例とも言える大ヒットを記録しています。

今回、普段はほとんど聴かないクラシックのアルバムを聴いたのは、それだけ話題のアルバムなだけに、ミーハー心から取りあえず聴いてみた、といったところでしょうか。それだけに、この手の交響曲に詳しい人の感想ではないので、あらかじめご了承ください。

これだけ大ヒットを記録したアルバムですが、その内容は、決して簡単に聴きやすいものではありません。CD容量いっぱいというフルボリュームの長さに、例えばモーツァルトだったりベートーベンだったり、一発で覚えられるようなわかりやすいフレーズが登場する訳ではありません。むしろ、ちょっと不条理な構成の音が登場したり、イメージとしては、現代音楽に近いものがあります。

ただ、とはいってもその一方、「HIROSHIMA」というテーマ性の下でのわかりやすさも感じました。第1楽章と第2楽章では、静寂と悲しげで、しかし心揺さぶられるような音には、広島という街の悲劇性と、魂の叫びを感じますし、その一方では、第3楽章では明るい雰囲気を感じ、その向こうにある希望を感じさせます。

決して聴きやすい内容ではないこのアルバムが、ヒットチャート2位を記録するほど売れたという事実は、やはりテレビで取り上げられた話題性が大きいのは否定できません。ただ、楽曲のテーマ性のわかりやすさがあればこそ、テレビを見た多くの視聴者がCDを買いに走った大きな理由とも言えるかもしれません。

また、それに加えて、このアルバムの大ヒットには、多くの人たちが音楽に飢えているのではないか、ということも感じました。今、30代以上の世代が、音楽を聴こうとした時に、どんな曲を聴けばいいのか、選ぶことが出来ません。それは、今の音楽がつまらないから、ではなく、何がヒットしているのかよくわからない、というのが大きな理由のひとつではないでしょうか。90年代から、日本のヒット曲は、発売第1週に、どれだけ売れるかが勝負の、極端な初動偏重主義に陥っています。その初動偏重主義の行き着いた先が、ちょうど今週のチャートで驚異的な初動売上を記録した、AKB48の「CD付人気投票券」という手法というわけです。

ただ、この初動偏重主義のため、日本のヒットチャートは毎週、めまぐるしくヒット曲が変わっていっています。その結果、時間に余裕のある学生や、私のような音楽マニア、ヒットチャートマニアはともかく、普通に仕事を抱えて、時間に余裕があるわけではない社会人にとっては、今、何がヒットしているのか、全くわからないような状況に陥ってしまっています。そして、この「ヒット曲がわかりにくい」状況こそが、音楽不況の大きな理由のひとつだと、私は思います。

そんな中、あらわれたのが今回のアルバム。テレビで取り上げられただけに話題性もありますし、また、クラシックというジャンルの関係上、30代40代以上の世代にとっても、難なく楽しめるであろうことは容易に想像できます。まさに、「音楽を聴きたいけど、何を聴いていいかわからない」という層にはピッタリのアルバムだったのではないでしょうか。その結果、決して聴きやすいわけではないこのアルバムがヒットしたのでしょう。

クラシックに興味があるけど、何を聴いていいかわからない・・・という方が最初に聴くべきアルバム・・・では正直ないと思います。私自身も、クラシックに詳しい訳ではないため、テレビ的な話題を除いて、この作品が、世界レベルでどの程度の内容なのか、正直、わかりかねる部分があります。ただ、確かに、「何か音楽を聴きたいけど、何を聴いていいかわからない」という方には、今の「ヒット曲」として、聴きやすい最適なアルバムかもしれません。このヒットを機に、久しぶりにCD屋に足を運んだ、という方が増えれば、音楽ファンとしてもうれしいのですが・・・。

評価:★★★★

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2013年6月 2日 (日)

日本語詞に挑戦

Title:街の14景
Musician:the band apart

the band apart2年ぶりの新作。今回の新作で、ファンを驚かせたのは、全曲日本語詞に挑戦したアルバムだった、という点。確かに、昨年リリースしたシングル「2012 e.p.」が、全日本語詞のシングルだっただけに、この方向性も予想は出来たといえば出来たのかもしれませんが、それでも、少々驚きをもって迎え入れられたアルバムでした。

正直言うと、アルバム全体の印象としては、少々地味かも。まあ、もともと淡々とした曲調が多いバンドだとは思うのですが、そんな中でも、これといったインパクトある曲が今回のアルバムにはなく、さらりと聴いていたら、さらりと流せてしまうほどの内容になっていました。

ただ、そんな中、きちんと聴き込めば、しっかり味の出てくるアルバムになっているのはさすが。「街の14景」というタイトル通り、街の風景を切り取ったような歌詞が多いのが印象的。日本語初挑戦ながらも、the band apartのリズムともしっかりマッチしており、日本語であることの違和感は全くありません。

ロックにシティポップ、アシッドジャズ、ファンクなど様々な要素を取り込んだサウンドは相変わらず。「AKIRAM」「泳ぐ針」あたりは、まさにthe band apartの王道とも言うべき作品。ただ、その一方で、「いつかの」「black」のような、ノイジーなギターサウンドを前に押し出して、よりロック色を強くした作品が目立ったような印象を受けました。

the band apartの色をしっかり残しつつ、日本語詞といい、ロック色強いサウンドといい、新たなthe band apartとしての可能性も模索している、といった感じでしょうか。ちょっと地味な作風で、the band apartの最初の1枚としては、入りにくい作品かもしれませんが・・・ファンとしては、これからのthe band apartも楽しみになってくる作品でした。

評価:★★★★

the band apart 過去の作品
Adze of penguin
shit
the Surface ep
SCENT OF AUGUST

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2013年6月 1日 (土)

ブランキーの歩み

Title:Complete Single Collection "Singles"
Musician:BLANKEY JET CITY

解散から早くも13年。BLANKEY JET CITYのベスト盤が突然リリースされました。今回のアルバムは、彼らが発売したシングルを全収録した、シングル集。今年1月、彼らのラストツアーに密着したドキュメンタリー映画「VANISHING POINT」が公開され、その後、DVDで発売されましたが、今回のベスト盤は、それに合わせてのリリースということだそうです。

基本的に、シングルが発売順に並べているため、彼らの歩みも知ることが出来ます。並べて順番に聴くと、初期の作品を収録したDISC1と、後期の作品を収録したDISC2では、意外と違いを感じられるのがおもしろいと感じました。

具体的に言えば、DISC1は、やはりまだまだ若手バンドとしての荒削りなものを感じます。ただ、その一方で、勢いと、そして強烈な個性を感じることが出来ます。特にその荒涼とした雰囲気を感じさせる世界観は見事。デビューシングルでもある「不良少年の歌」や、歌詞の過激さからメジャーからは発売中止になり、インディーズでのリリースとなった「悪いひとたち」などは、世の中の善と悪を相対化させた視点での歌詞も、非常にインパクトがあります。

DISC2の作品は、ドラマ主題歌になり、チャート5位を記録した「ダンデライオン」をはじめ、オリコンチャートベスト10入りを記録した曲が続々。初期に比べれば、間違いなくバンドとしての完成度があがり、楽曲もいい意味でまとまっています。ただ、その一方で、初期のような荒々しさは薄れて、少々ブランキーとして様式化しちゃっている部分も。このパターン化しちゃった世界観が、正直、その後のベンジーの作品にも、悪い意味で続いてしまっていると思うのですが・・・。

とはいえ、DISC2の時期の作品も含めても、メンバー3人が出す音+ボーカルが、それぞれ個性を持ちながら、決してぶつかりあうことなく、高い次元で融合しているバンドサウンドは、今なお鳥肌が立つほど。彼らが唯一無二のバンドだった、ということをあらためて実感させられるベスト盤です。

ただ今回はあくまでもシングル曲をまとめたベストで、また、アルバム「BANG!」の購入者特典CDにのみ収録されていた「My Way」収録という点、ファンにはうれしいかもしれませんが、こちらはわずか47秒の小品。そういう意味では、どちらかというと、入門盤的、あるいはよっぽどのコアなファン向けアイテムといった感じの作品かも。とはいえ、やはり名曲揃いのベスト盤なだけに、評価は・・・

評価:★★★★★

BLANKEY JET CITY 過去の作品
RARE TRACKS
MONKEY STRIP ACT 2

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