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2013年5月 3日 (金)

トラックメイカーとしての自信

Title:SPACE
Musician:Kreva

今回のKrevaのニューアルバムに関しては、ちょっとおもしろい試みがなされました。それは、このアルバムリリースの1週間前に、このアルバムのインストバージョン「SPACE Instrumentals」をリリースしたということ。本人曰く「ファンの皆さんにインストで聞いてもらって、そこにどんな言葉が乗ってくるかを楽しんでほしい」ということでしたが、トラックだけのアルバムでも十分作品として通用する、という、彼の自信を感じました。

確かに、今回のアルバムは、そんな彼の自信に納得がいくような内容だっと思います。それだけ、アルバムの中で、トラックに耳を奪われるような作品になっていました。エレクトロサウンドがメインのトラックですが、タイトル通りスペーシーなサウンドが楽しい「SPACE」や、ちょっとこじゃれたジャズっぽいトラックが魅力の「ma cherie」、分厚いサウンドが耳を惹く「言ってなカッタカナ?」、タイトなトラックの「Link」など、実に魅力的なトラックの展開を楽しむことが出来ました。

さすがに熱烈なファンでもないので、「SPACE Instrumentals」は聴いていないのですが、このアルバムを聴いて、逆に、トラックのみの「SPACE Instrumentals」を聴いてみたくなったくらい、それだけ今回の作品は、トラックに耳を惹く内容だったと思います。

また、トラックが印象的ということは、それだけ音楽的なアルバムだったということ。まあ、もともとKREVAの作品はポップス色が強いのですが、その上これだけトラックにインパクトがあると、ラップを普段あまり聴かない方でも楽しめるのでは?

もちろん、そんなトラックに載るKREVAのラップ自体も魅力的だったのも間違いありません。というよりも、いつも通りの安定感。特にラップに独特な個性があるわけではないのですが、きちんとリズムに言葉をのせながらも、聴いていて、ちゃんと言葉が耳に入ってくる彼のラップって、やはり上手いよなぁ、ということをラップに関しては素人ながらもそういう感想を抱きました。

「Space Dancer」みたいな、哀愁たっぷりの歌を聴かせてくれたりして、アルバム全体、バリエーション豊富な内容。ここ最近のKrevaのアルバムは、どれも高い評価を得ているような印象を受け、実際、傑作続きなのですが、今回のアルバムも安心の内容。いい意味での安定感も感じる作品だったと思います。

評価:★★★★★

KREVA 過去の作品
心臓
OASYS
GO
BEST OF MIXCD NO.2

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