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2013年5月 6日 (月)

はりつめた空気感

Title:SO
Musician:Antonio Loureiro

祝!スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールドで来日!!の第2弾。こちらはブラジル出身のミュージシャン。といっても、実は、これがはじめて聴くアルバムではなく、前作「Antonio Loureiro」が一部で話題となり、かつ、無料ダウンロードでアルバムが聴ける!ということでさっそく聴いてみた訳です。

で、本作は、そんな彼の第2弾アルバム。前作を聴いた時は、ほぼ無名のミュージシャンで、アルバムはamazonですら取り扱いのない状況だったのですが、その後、話題になったためか、この2ndアルバムは、タワレコでも比較的大きくディスプレイされていました。

発売当初も聴こうかどうか迷って、結局聴かずじまいだったのですが・・・遅ればせながら聴いてみました。そして、発売当初に聴かなかったことを、少々後悔しました・・・。

彼の音楽は、ひとつのジャンルで捉えづらい点に大きな特徴があります。基本的にピアノを中心に構成された美しいサウンドは、クラッシック音楽のようにも感じられますが、一方では、アルバム全体としては、ジャジーな雰囲気の強い作風になっています。

かと思えば、「Pelas aguas」をはじめとして、先を読めない複雑な構成にはポストロック的な雰囲気を感じますし、「Passagem」のような、静かなピアノにドラムがからむ緊張感あるサウンドには、ある種のロック的なダイナミズムすら感じます。

その一方で、「Cabe na minha ciranda」は、ちょっとブラジル音楽的なイメージを感じたり、タイトルチューンである「So」の哀愁あるメロディーには、どこか歌謡曲に通じるものを感じたり。

ただ、どの曲にも共通しているのは、非常にはりつめた空気感。どの曲も必要最小限の音だけを用いて、一音一音丁寧につむいでいるからこそ、こういう緊張感を覚えるのでしょう。先の見えない複雑な展開とあいまって、最後まで耳の離せないアルバムでした。

ライブでも、この緊張感を味わえることができたらたまらないだろうなぁ~。ちなみに、以前紹介した1stアルバムは、まだこちらのサイトで無料ダウンロードできる模様。興味のある方は、是非。

評価:★★★★★

Antonio Loureiro 過去の作品
Antonio Loureiro

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