がんばりすぎ
Title:UBU
Musician:illion
RADWIMPSのボーカリスト、野田洋次郎によるソロプロジェクト。海外への進出を意識してリリースされ、イギリスで先行リリース。その後、日本を含む8ヶ国でリリースされました。また、ライブもロンドン・シェパーズ・ブッシュ・エンパイアで初ライブ。さらにドイツ・ハンブルクでライブを行い、その後、東京の「TOKYO ROCKS」でも初ライブが予定されていましたが、ご存知の通り、そのフェス自体、中止になってしまいました・・・。
RADWIMPSでも、ちょっとひねくれたギターロックを聴かせてくれていましたが、このアルバムは、まさに様々なアイディアをつめたポップアルバムに仕上がっています。スタートを飾る「BRAIN DRAIN」はピアノとストリングスでスケール感を覚えるスタート。「MAHOROBA」はメロに和風なものを感じ、日本のシンガーという主張を感じますし、「FINGER PRINT」はポップで軽快な楽曲には、ブリットポップからの影響を感じます。
一方では「Y」は、フリーキーなピアノの音が印象的ですし、「GASSHOW」はちょっとポストロック風と、実験的なサウンドもチラホラ。そういう意味では非常にバラエティーに富んだ作風の意欲的な作品になっています。
・・・と、実に意欲を感じる作品になっている一方、アルバム全体として、感じたのは、なんか、頑張りすぎだなぁ・・・という感想でした。
いろいろなアイディアを詰め込んだ楽曲は、どうもRADWIMPSに比べると肩肘を張って感じられ、なによりそんな楽曲からは、「こんなにいろいろなアイディアを詰め込んで、すごいでしょ!」というような、主張が聴こえて来ちゃいそう。なんか、露骨に海外進出を、それもピッチフォーク系あたりからの受けを期待しちゃいそうなサウンドになっているなぁ、と感じてしまいました。
悪いアルバムではないものの、ちょっとがんばりすぎ。そう思ってしまうアルバム。もっと気楽に、肩の力を抜いて、いつもの作風でいいんじゃない?まあ、RADWIMPSも、いろいろとちょっとがんばりすぎな感じのする部分もあるんですが・・・(苦笑)。
評価:★★★★
ほかに聴いたアルバム
君想う、故に我在り/BIGMAMA
相変わらずの青臭いタイトルが、特徴的なBIGMAMAの最新作。この「青臭さ」は、いい意味でも楽曲に反映されており、ピアノやストリングスを多様したサウンドは少々仰々しいとも感じるのですが、メロディーの良さは、前作から上昇している感じ。特に「RAINBOW」など、胸をかきみだされるような切ないメロディーがインパクトがあります。もうちょっと楽曲のバリエーションが増えれば、もっとおもしろくなるとは思うのですが・・・。
評価:★★★★
BIGMAMA 過去の作品
Dowsing For The Future
君がまたブラウスのボタンを留めるまで
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