最も「売れてほしい」バンド
Title:人生×僕=
Musican:ONE OK ROCK
今、もっとも「売れそうなロック」を奏でているバンド、ONE OK ROCK。個人的には、昨今、R&BやHIP HOP、あるいはアイドル系に圧されがちな、ロックというジャンルをもっと一般的に広げるためにも、もっともがんばってほしいバンドだと思っています。
「売れそうなロック」というと、少々誤解があるかもしれません。ただ、彼らは、ロックという音楽が持つ、エンターテイメントな側面を引き出しつつ、アイドル性を兼ね備えた数少ないバンドのひとつだと思っています。
彼らのスタイルは、ヘヴィーロックなのですが、ダイナミックなバンドサウンドは迫力があり、ロックという音楽の持つ、聴いていて圧倒される音を体感できる楽しさを持っています。かつ、メロディーはJ-POPに通じるようななじみやすさを持っているだけに、あまりロックを聴かない層にも十分アピールできます。
アイドル性に関しては、彼らの紹介で何度も繰り返しているだけに言うまでもないでしょう。ただ、すっかりアイドル系に席巻された今のシーンで、ロックの側から、ちゃんと一定水準以上のロックサウンドを奏でつつ、かつ、ルックス的にもアイドル系に勝負できる、数少ないバンドとして、今の彼らの人気の上昇は頼もしくもあります。
以前から洋楽テイストの強い彼らでしたが、今回の作品はそれがさらに強まった感じも。メロディーはインパクト十分で、なによりも人気上昇中なバンドによく感じられる脂ののった勢いを感じます。特に「Be the light」や「All Mine」のような、ミディアムテンポのナンバーやバラードナンバーでも十分魅力のある耳に残るメロディーを聴かせてくれて、メロディーメイカーとしての実力も感じされます。
スケール感のあるサウンドは、スタジアムレベルでも十分通用しそうな感じで、そういう意味でも「売れてほしい」と感じるバンド。ただ一方で、以前から課題となっていた似たようなタイプの曲が多いというのは相変わらずで、それがマイナスポイント。前作よりはよかったのは、演奏能力が上昇したのと、勢いがあるだけに、それで乗り越えられたのと。勢いのある今のうちに、そのマイナスポイントも克服してほしいのですが・・・。ただ、勢いはまだまだ続きそうなだけに、これからの活躍も楽しみです。
評価:★★★★
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