平均年齢16歳・・・だけれども。
Title:BLUE COLLAR JANE
Musician:THE STRYPES
今、注目のバンド、THE STRYPESの日本デビューアルバム。何が話題かといえば、その年齢。彼ら、平均年齢16歳(!)という、少年4人組。それだけでも大きな話題なのでしょうが、さらに話題となったのが彼らが奏でる音楽。ブルースからの影響をダイレクトに感じられるロックンロールは、60年代そのまんま。16歳という年齢と、その音楽性とのギャップが話題となっています。
今回のアルバムは、全7曲入りのミニアルバムなのですが、そのうち5曲がカバー。それも、ボ・ディドリーやウィリー・ディクソン、スリム・ハーポといった、50年代黎明期のロックンロールやブルースのカバー。それを、ガレージロック風にカバーしているスタイルは、まさに初期のローリング・ストーンズを思い出させるような内容になっています。
一方で2曲入っているオリジナル曲も、まさにそんなブルースからダイレクトに影響を受けたような、リズム&ブルース路線。正直、他5曲のブルースナンバーと並べても違和感ありません。もちろん、それはそれだけブルース色が色濃いという意味もあるのですが、ちゃんとブルースを消化し、自分たちのロックンロールを作り上げているという意味でも、彼らのポテンシャルを感じられます。
で、彼らの音楽を聴いていると、やはり思い出されるのが、現在、日本で人気沸騰中のTHE BAWDIES。THE STRYPESほど若くはないものの、やはり彼らもその年齢からすると不釣合いなほどの昔のリズム&ブルースの影響をダイレクトに受けた楽曲を書いていることで話題です。
ロックンロールの、さらにルーツであるブルースやソウルの影響を自らのロックに色濃く反映している点、おそらくTHE BAWDIESが好きな方なら、THE STRYPESも気に入ると思います。ただ、両者、ひとつ大きな違いがあり、THE BAWDIESはサザン・ソウル、オーティス・レディングやウィルソン・ピケットあたりの影響が強いのに対して、THE STRYPESは、サザンソウルよりもブルースの影響が強く、また今回のアルバムでもモータウンの著名なソングライター、エディ・ホーランドのカバーを収録していることから、THE BAWDIESに比べると、もうちょっとさっぱりしている感じがしました。
また、目新しいかと言われると少々微妙な点もあり、ちょっと前に「ロックンロール・リヴァイバル」という名前で、昔ながらのガレージロックバンドが話題となったことがありますが、いわばTHE STRYPESもそういうタイプのバンド。ただ、こういうタイプのロックンロールって、本当にみんな好きなんだなぁ、ということを感じます。ロックンロールの原点で、シンプルでわかりやすいからこそ、いまだに多くのロックリスナーがこういう音に惹かれるんでしょうね。
まあ、かく言う私もはまってしまったんですけどね(笑)。まだまだ若い彼らなだけに、どう成長していくのか楽しみでもあります。こういうロックンロールを、太く短く奏で、数枚の傑作をリリースして解散するのか、ストーンズみたいに、ブルースロックの中から、自分たちの音を生み出し、長くロック界に君臨するのか・・・これからが楽しみです。
評価:★★★★★
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