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2013年5月25日 (土)

サ上とロ吉の魅力がつまった作品

Title:TIC TAC
Musician:サイプレス上野とロベルト吉野

サイプレス上野とロベルト吉野、以下サ上とロ吉。去年、はじめて彼らのライブを見たのですが、とにかく楽しいステージでした。アップテンポな曲で場を沸かしたり、また、ユニークなリリックを聴かせてくれたり、エンターテイメント色の強いステージで、そのイベントはHIP HOPオンリーのイベントではなかったのですが、他のミュージシャン目当ての観客も巻き込み、大盛り上がりのステージを見せてくれました。

そのエンターテイメント性あふれるステージもそうなのですが、ひょっとしたら今、彼らはもっとも脂の乗った時期を迎えているのではないでしょうか。今回のアルバムを聴いて、そんな彼らの勢いを感じました。

一言で言えば、サ上とロ吉の魅力がつまったアルバム。アルバム冒頭の「ぶっかます」「LIVE GOES ON」は、まさにライブでの盛り上がり間違えなしのアゲアゲナンバー。OZROSAURUSを迎えた「ヨコハマシカ」は、地元横浜への愛情を綴ったナンバーも、彼ららしさが出た1曲といった感じ。

また、後半は、彼らのユーモラスな側面がよく出ている展開になっています。ライブでの盛り上がりを「体操」に例えた「ヒップホップ体操第二」は、まさにステージを意識したナンバー。特に歌詞が秀逸だったのが「YouTube見てます」で、「ファン」と名乗る人から、タイトルのように声をかけられて、ガクっと来たという、ユニークな歌詞で、ひょっとしたら実体験?結婚について歌ったラストの「GIVE ONE'S LIFE 4...」も、彼ららしいユーモアセンスを交えながらも、きちんと聴かせる楽曲に仕上がっています。

ライブを意識した曲ではきちんと盛り上げ、曲によってはしんみり聴かせ、また、ユーモアセンスある歌詞でリスナーを楽しませる、実にポップスとしてバランスの取れた作品であると同時に、HIP HOPとしても、力強いラップと、聴かせるトラックをしっかり用意している、まさにポップミュージックとして、理想的なアルバムかもしれません。前作「MUSIC EXPRES$」も傑作だったし、本当に勢いを感じるなぁ。サ上とロ吉の実力がつまった、傑作アルバムでした。

評価:★★★★★

サイプレス上野とロベルト吉野 過去の作品
WONDER WHEEL
YOKOHAMA LAUGHTER
サ上とロ吉のINMIX~non stop rental~
MUSIC EXPRES$

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