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2013年4月16日 (火)

ベボベらしさを確立

Title:バンドBのベスト
Musician:Base Ball Bear

Base Ball Bearのベスト盤。メジャーデビュー後は初となるベスト盤ですが、インディーズ時代をまとめたベスト「完全版『バンドBについて』」をリリースしているため、厳密には2枚目のベスト盤ということになります。

「完全版『バンドBについて』」と、このベスト盤を比べると、Base Ball Bearというバンドが、メジャーデビューあたりを境として急激に成長していることがわかります。インディーズ時代の彼らは、「バンドBについて」の感想でも書いたのですが、露骨にスーパーカーやNUMBER GIRLの影響を感じるバンドでした。もちろん、その中にBase Ball Bearらしさも顔をのぞかせていましたが、まだまだバンドとしての個性は確立されていませんでした。

それとは逆に、メジャー時代の代表曲をあつめたこのベスト盤では、聴けばまず「ああ、Base Ball Bearの音だ」と明確にわかる曲ばかりとなっています。彼らのデビューアルバムの1曲目を飾り、ベスト盤でも1曲目を飾っている「CRAZY FOR YOUの季節」あたりは、ナンバガの影響が顕著ながら、それ以降は、彼らの個性が強く出た楽曲になっています。

分厚いバンドサウンドに、独特の雰囲気のヒネた、でもどこか切ないメロディーラインが彼らの特徴。そして、それ以上に大きな特徴なのがその歌詞。学生時代のノスタルジックな恋愛風景を描いたような歌詞が、甘酸っぱさを感じさせます。このメロディーも含めてのノスタルジックで甘酸っぱい切なさが、彼らの大きな個性であり、魅力になっています。

ただ、あらためて聴くと、自分が彼らに抱いていたイメージ以上に、美メロを書いているなぁ、ということを再認識しました。特に「抱きしめたい」あたりのメロディーは絶品。疾走感あるメロディーラインが、好きな人を抱きしめたいという感情の高鳴りとピッタリマッチしている名曲に仕上がっています。「17才」なんかも、彼ららしい切なさと甘酸っぱさを感じさせてくれて、いいですね~。ここらへん、Base Ball Bearsの本領発揮といったところでしょうか。

一方で、今回のベスト盤であらためて感じたのが、意外とJ-POPの王道とも言える、売れ線っぽいメロも書いているなぁ、ということでした。「神々LOOKS YOU」のメロなんかは、ちょっとミスチルっぽいと思ったり、「yoakemae」なんかもメロは結構、ヒットチャートで上位に入ってきても違和感ない感じ。いや、それはだからダメとか、つまらない、とか言いたいんじゃなくて、もっと売れてもいいのにな、ということ。「初恋」なんかも、かなりインパクトあるメロだと思うんだけどなぁ。

もちろん、彼らも既にそれなりのブレイクを果たしていて、このアルバムもチャート6位を記録しているんですけどね。ただ、もうひとつ壁を超えて、ロック系でいえば、サカナクションやONE OK ROCK、RADWIMPSくらいのレベルまで人気の面で行ってもいいバンドだと思うんですよ。まだ、これから人気が上昇する機会もあるとは思うんですが。

そんな訳で、Base Ball Bearの成長と勢いを感じることの出来るベスト盤。バンドとしては、もっともいい時期を切り取ったベストであり、一番最初に聴くアルバムとしても最適。これからの彼らの活躍にも期待したくなるアルバムでした。

評価:★★★★★

Base Ball Bear 過去の作品
十七歳
完全版「バンドBについて」
(WHAT IS THE)LOVE&POP?
1235
CYPRESS GIRLS
DETECTIVE BOYS

新呼吸
初恋


ほかに聴いたアルバム

「NHKデザインあ」/cornelius

NHK教育で放送されている、デザインをテーマとした子供向け番組「デザインあ」。そのサウンドトラックが発売されたのですが、その音楽を担当したのが、あのcornelius。そんな訳で、このサントラ盤、事実上、corneliusのニューアルバムとなっています。

「デザインあ」というタイトル通り、「あ」という音の響きだけで、重層なコーラスをつくりあげたり、様々な音と重ねたり、実験的な作風をつくりあげつつも、ポップでどこかユーモアのある作品になっています。テレビ番組のサントラということで、corneliusとして「新しい音」に挑戦した感じではないものの、彼の新作と考えても十分な、非常に刺激的な作品になっていました。

cornelius 過去の作品
CM3
FANTASMA

18/吉井和哉

YOSHII LOVINSON名義の時代を含む、吉井和哉ソロでの初のベスト盤。発売順ではないものの、2枚組のうち1枚目はYOSHII LOVINSON時代を含む初期の作品が、2枚目は最近の作品が収録されています(初回盤はライブ音源を中心に収録したボーナスディスクとDVD付)。

1枚目は、どちらかというとポップス色、歌謡曲色が強い雰囲気。2枚目はギターロックの色合いが濃くなっています。どちらかというと、個人的には1枚目の方が好きですね。歌謡曲的な側面をもっと押し出した方が、吉井和哉らしい個性があらわれるような気もするのですが・・・。また、「母いすゞ」をはじめとして、身近な人に対する優しいまなざしを感じられる曲が多いのも特徴的。ラブソングにしても、そんな暖かさを感じられる曲が印象に残りました。

評価:★★★★★

吉井和哉 過去の作品
Hummingbird in Forest of Space
Dragon head Miracle
VOLT
The Apples
After The Apples

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