今、もっともはまっているバンドです。
Title:THANK YOU!!!
Musician:N'夙川BOYS
個人的に、時々、おもいっきり壺に入ってはまってしまうミュージシャンがいます。昔はGO!GO!7188やNUMBER GIRL、もうちょっと最近になるとSUEMITSU AND THE SUEMITHなどがまさにその例。CDも聴きまくり、機会があればライブにも足を運び、曲のクオリティー云々以前に、まず自分の壺にはまってしまう、そんなミュージシャンが時々あらわれます。
で、今まさに壺にはまりまくっているのが彼ら(正確には、前作「24HOUR DREAMERS ONLY!」がリリースされた直後が一番はまっていました)。「物語はちと?不安定」が映画「モテキ」に起用されて話題となった3人組ロックバンド。今回、初となるベスト盤がリリースされました。
ガレージロック、それもベースレスな、ロックンロールとしての最小限の音で構成されたバンドサウンドを奏でながらも、メロディーはポップ、という以上にキュート。男女デゥオの構成もまた、楽曲のポピュラリティーを際立たせています。そして、一度聴いたら忘れられないようなキャッチーなサビ。個人的には、やはりメロディーがポップ、というのがはまる大きなポイントだったりするのですが、彼らの中毒性のあるポップなメロディーが、一時期、頭の中にヘヴィーローテーション状態でした。
ただ、今回のアルバムで、「物語はちと?不安定」以外のインディーズ時代の楽曲をはじめて聴いたのですが、残念ながらこの時期の曲に関しては、最近の曲にように、インパクトあるメロディーのポップチューンではありませんでした。「CANDY PEOPLE」のような、その後のN'夙川BOYSの原点と言えるようなポップチューンもあるものの、ノイズミュージック?と思わせるような曲もあったりして、いまひとつ方向性がはっきり定まっていない部分を感じました。
「物語はちと?不安定」から、いまの方向性が明確になったものの、ガレージロックらしい荒いアレンジのため、楽曲全体が、グチャっとした印象を受けます。しかし、それがガラリと変わったのがメジャーデビュー後。明確にポップに、そして音が聴きやすくなっています。口悪く言ってしまうと、「売れ線」ということになるのかもしれません。ただ、インディーズ時代の彼らの楽曲と比べると、彼らの進む道がわかりやすくなったような印象を受けます。例えて言えば「交通整理された」といった感じでしょうか。
そんな訳で、いままで聴いていなかったインディーズ時代の作品を期待したのですが、正直、期待したほどではなかったなぁ、というのが感想。ただもっとも、それを差し引いても、魅力的な楽曲ばかりなので、アルバム全体としては文句なしの傑作だと思います。ま、ベスト盤ですしね。ジャケットは非常にシンプルだけど、歌詞カードには、彼らのいままでの歩みも解説されていて、初心者ファンとしてはうれしい感じ。ただ、一番はじめの1枚としては、これも悪くないけど、メジャーから出た2枚のアルバムのどちらから入るのが無難かも。
評価:★★★★★
N'夙川BOYS 過去の作品
PLANET MAGIC
24HOURS DREAMERS ONLY!
| 固定リンク
「アルバムレビュー(邦楽)2013年」カテゴリの記事
- 9年ぶりのオリジナル(2014.03.14)
- 削除クロース(笑)(2013.12.28)
- 音楽シーンへの憤りも感じる(2013.12.27)
- 脱EDM(2013.12.20)
- やさしくなりたい(2013.12.17)
コメント