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2013年4月19日 (金)

彼らなりの原点

Title:Comedown Machine
Musician:The Strokes

いわゆるロックンロール・リバイバルと呼ばれたムーブメントのさきがけとなった「Is This It」のデビューからもう12年。これが5枚目のニューアルバムとなるTHE STROKESですが、しかし、いい意味で垢抜けないですね。おととし、サマソニではじめて彼らのステージを見たのですが、正直、いまだに大きなフェスの舞台よりも、ライブハウスの方が似合いそうな雰囲気が印象に残っています。いい意味で、インディーらしさをしっかり保っているバンドなのでしょう。

もっとも、そんな彼らも、前作「ANGELS」は、そんな垢抜けなさから、なんとか脱出を試みた、そんなアルバムに感じました。ただ、その結果は決して上手くいかず、チグハグな結果に終ってしまったように思います。

それに対して今回のアルバムは、またもやTHE STROKESらしいといってもいい、インディーっぽい音がインパクトとなっているアルバム。勢いのあるメロディーに、スカスカな音が特徴的な作品になっていました。

ただ、そんな中でもバラエティーをもたせようとした曲づくりも印象的で、「Tap Out」「One Way Trigger」は、軽快な打ち込みのリズムが心地よいナンバーですし、一方、「All The Time」は彼ららしいとも言えるガレージロックなナンバー。また「Slow Animals」みたいなメロディアスなナンバーには、インディーらしいとはいえ、そこはベテランとしての余裕や安定感みたいなものを感じました。

ちなみに、CDジャケットもかなり特徴的。インディーバンドっぽいシンプルな紙ジャケに、中のブックレットも含めて、本人たちの写真はありません。歌詞カードもついておらず、ちなみに国内盤でも歌詞及び対訳はなし(なので、無理に国内盤を買う必要性はないかも)。今回はツアーもなければ、PVもないそうで、目だったプロモーションもないそうです。

そういう意味で、このアルバム、「原点回帰」というと音楽的にはちょっと違うかもしれませんが、シンプルなガレージロックバンドとして音だけで勝負する、という点では、彼らなりの原点に戻ったアルバムという位置付けも出来るかもしれません。プロモーションもほとんど行わなかったためか、本作、チャート的にはイギリスでもアメリカでも最高位10位と、いままでの作品に比べると少々奮わなかったのですが、アルバムの内容的には、前作よりグッと良くなったように感じます。まだまだ、彼らの活躍は続きそうです。

評価:★★★★★

THE STROKES 過去の作品
ANGELS

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