気持ちよいほどにポップ
Title:A.C.E.2
Musician:堂島孝平
堂島孝平のニューアルバムは、前作に引き続き、ライブ&レコーディングメンバーA.C.E.を率いての新作。そのA.C.E.を、前作に続きアルバムタイトルにするあたり、よっぽどやりやすいんだなぁ、ということを感じます。
堂島孝平といえば、以前からポップ職人として、爽快なポップソングが彼の持ち味だったのですが、この「A.C.E.2」では、そのポップスセンスが冴えまくっています。何も考えずに、ポップに楽しむアルバム、といった感じでしょうか。その結果、アルバムの印象は、かなり軽いアルバムだなぁ、というものでした。日本のポップソングでは珍しい、底抜けの明るさ、それがこのアルバムの大きな売りだと思います。
特に先行シングルにもなった「き、ぜ、つ、し、ちゃ、う」は、まさにこのアルバムを代表するようなポップチューン。まるで80年代のアイドルソングのようなタイトルと、同じく80年代のカラーをふんだんに取り込んだ軽快なポップソングが魅力。なにかと複雑になりすぎた現状の中で、この軽いポップソングは、むしろ新鮮に感じます。
もちろん、このアルバムにはただただ明るいポップソングだけ入っているわけではありません。個人的に、このアルバムの中でメロディーが一番気に入ったのが「君の髪がなびくのを見ている」。タイトルからしてどこか切ないのですが、メロディーも、まさに美メロという言葉がピッタリの切ないポップチューン。ポップス職人としての本領発揮の作品になっています。
他にも、お掃除について歌ったファンクポップナンバー「クリーニング・グルーヴィー」や、軽快なチップチューン風の「キッチン・ダンスホール」など、ポップなメロディーを軸足にバラエティーのある内容で、最後まで飽きさせません。アルバム全体40分程度という短さも、気軽に聴けるには最適といった感じ。前作「A.C.E.」に続き、聴くだけで楽しくなってくる、そんな素敵なアルバムでした。
評価:★★★★★
堂島孝平 過去の作品
UNIRVANA
VIVAP
Best of HARD CORE POP!
A.C.E.
ほかに聴いたアルバム
バーベアマン/地球三兄弟
真心ブラザーズの2人と、奥田民生が組んで結成したユニット、地球三兄弟のデビューアルバム。まあ、大物同士のコラボとはいっても、気合が入ったユニットではなく、むしろ、かなりユルユルな雰囲気・・・なのは、あの3人なので想像通り(^^;;気負わない感じで、好きなロックを好きに演奏している、といった雰囲気が、アルバムを通じても伝わってきます。ただ、ユルユルすぎて、目新しさはないし、インパクトも薄め。悪いアルバムではないのですが、3人のファン以外には積極的にお薦め、という感じでもないのは残念・・・。
評価:★★★★
ポップンブルース/ヘンリーヘンリーズ
これが2作目となるヘンリーヘンリーズは、全員現役高校生という、若干18歳のバンド。前作から引き続き、王道のガレージロックサウンドは、とにかく勢いがあって若々しさを感じます。ただ、敬愛するフラワーカンパニーズからの影響が強く、彼らなりの個性が、十分に発揮できていないような印象を受けます。いままでは、「現役高校生バンド」がひとつの個性として売りになってきましたが、それだけでは徐々に売りにならなくなってきそうな感じ。もっとも、伸びしろはまだまだありそうなバンドなので、これからに期待したいところです。
評価:★★★★
ヘンリーヘンリーズ 過去の作品
ヘンリーズ革命、後の
| 固定リンク
「アルバムレビュー(邦楽)2013年」カテゴリの記事
- 9年ぶりのオリジナル(2014.03.14)
- 削除クロース(笑)(2013.12.28)
- 音楽シーンへの憤りも感じる(2013.12.27)
- 脱EDM(2013.12.20)
- やさしくなりたい(2013.12.17)
コメント