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2013年3月 8日 (金)

バンドとしての自信

Title:マリアンヌの誘惑
Musician:キノコホテル

ベースのエマニュエル小湊が「退職」し、ジュリエッタ霧島が「入社」した後、初となるオリジナルアルバム。今回の新作でまず感じたのは、キノコホテルというバンドは、完全に一皮むけたなぁ、ということでした。

今回のアルバム、大きな特徴としてガレージロックバンドの色合いを強く出していたという点。もちろん、以前から彼女たちはガレージロックがそのベースとなっていましたが、以前の作品は、ロックバンドという側面より、昭和風というイメージ作りが前に出て、ロックバンドのインパクトとしてはいまひとつ、という印象を受けていました。それが、前作「マリアンヌの恍惚」より、ガレージロックやサイケの要素を強く前に押し出してきて、ロックバンドキノコホテルという輪郭がより明確になってきました。

その、ロックバンドであるキノコホテルという輪郭が、完全に明確になったのが今回の作品。例えば今回のアルバムの前半戦を飾る「業火」にしろ「愛と教育」にしろ、昭和歌謡という側面よりも、まずはそのヘヴィーなバンドサウンドに耳がいきます。中盤の「エロス+独裁」にしろ、昭和歌謡風なコーラスラインとメロディーが展開されていますが、それ以上に、ブルージーな雰囲気のギターに耳が奪われる構成に。ロックバンド、キノコホテルを存分に堪能できる内容と言えるでしょう。

また、全編通じて鳴り響く、サイケなオルガンの音もインパクト大。「悪魔なファズ」ではスカ風なリズム、ラストを飾る「#84」ではソウルでファンキーな曲に仕上げており、楽曲の幅もグッと広がった感じがします。

今回、ロックバンドとしての側面を強く打ち出せた大きな要素は、やはりキノコホテルとして、昭和歌謡的な要素をあえて前に押し出さなくても、十分その個性を打ち出せるという自信があったからではないでしょうか。バンドとしての自信が、今回のような、よりロック色の強い作品に仕上がったように感じました。そして、今回のアルバムを聴いて、あらためて彼女たちのライブを見てみたい、そうとも感じられるアルバムだったと思います。前作も傑作でしたが、さらに大きく成長した新作。まさに一皮むけた作品でした。

評価:★★★★★

キノコホテル 過去の作品
マリアンヌの憂鬱
マリアンヌの休日
クラダ・シ・キノコ
マリアンヌの恍惚


Get Together~LIVE IN TOKYO~/矢野顕子×上原ひろみ

2011年9月に、昭和女子大学人見記念講堂で行われたレコーディングライブの模様を収録したライブ盤。上原ひろみといえば、Anthony Jackson、Simon Phillipsと組んだ傑作アルバムをリリースしていますが、そのアルバムは、彼らといわば対峙する形で、緊張感あるセッションを演じていました。しかし、矢野顕子とのコラボでは逆。矢野顕子と一緒に、まさに「音楽」の文字通り、音を楽しむかのようなセッションで、2人の音は見事に重なり合い、融合するようなセッションになっていました。しかし、その上で、きちんと矢野顕子、上原ひろみの個性はきちんと発揮されている点はさすが。

矢野顕子といえば、森山良子やレイハラカミなど、数多くのミュージシャンとセッションしています。それは、彼女が、他のミュージシャンに対する大きな包容力と、それでも全く軸のぶれない彼女の個性を持っているからこそ、多くのミュージシャンとコラボすることが出来るんだなぁ、ということを実感しました。聴いていて、実に楽しくなってくるセッションでした。

評価:★★★★★

矢野顕子 過去の作品
akiko
音楽堂
荒野の呼び声-東京録音-

上原ひろみ 過去の作品
BEYOUND THE STANDARD(HIROMI'S SONICBLOOM)
Duet(Chick&Hiromi)
VOICE(上原ひろみ featuring Anthony Jackson and Simon Phillips)
MOVE(上原ひろみ featuring Anthony Jackson and Simon Phillips)

The Grails/HAWAIIAN6

その哀愁漂うメロディーと独特な歌詞の世界観で高い人気を誇るメロコアバンドの約3年ぶりというから、かなり久々となるニューアルバム。あいかわらずメロディーを前面に押し出し、メロディアスに聴かせる路線は変わらないものの、以前と比べて、全体的に明るくなった印象が。その結果、ちょっとあっさり風味な印象も。

評価:★★★★

HAWAIIAN6 過去の作品
BONDS

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