アルジェリア出身バンドの再結成作
Title:SHOCK EL HAL(邦題 時代の棘)
Musician:GNAWA DIFFUSION
今回紹介するGNAWA DIFFUSION(グナワ・ディフュージョン)は、フランス在住のアルジェリア移民、アマジーグ・カテブを中心に、フランス在住アルジェリア出身のメンバーにより構成されたバンド。1992年に結成したものの、2002年に解散。しかし、昨年、再結成し、待望のアルバムリリースとなりました。
彼らの音楽は、バンド名通り、西アフリカのトランス音楽、グワナや、アルジェリアの大衆音楽、マグレブとロックを融合させた「ミクスチャーロック」。昨年8月に日本にも来日し、私も、スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールドでそのステージを体験してきました。そのボーカリストでありリーダー、アマジーグ・カテブのアルバムも、以前、当サイトでは紹介したことがあります
今回、スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールドでのステージを思い出しつつ、今回のアルバムを聴いたのですが、そのグナワ独特のリズムにすっかりはまってしまいました。グナワはもともと「モロッコのレゲエ」とも呼ばれており、レゲエ風の横ノリのリズムが特徴的。ただ、レゲエのように、リズムをあまり強調しすぎず、アラブ風のサウンドを取り入れたようなサウンドが、エキゾチックな雰囲気があり、一方、アフリカ音楽的なトランシーなリズムが実に魅力的。そのリズムは中毒性が強く、一度はまり込むと、やめなれなくなる強烈な魅力があります。
一方で、グナワ・ディフュージョンのアルバム、以前のアマジーグ・カテブのソロよりもかなり聴きやすかったような印象があります。おそらく大きな理由として、ロックのテイストが強く、北アフリカやアラブ音楽に聴きなれていない人にとっても、なじみやすかったからではないでしょうか。ギターの音色は時としてフュージョン風な音色が爽やかで聴きやすく、メロディーも、アラブ風な雰囲気を感じるものの、さほどアクの強いものではありません。いい意味で、ポピュラリティーのある作品に仕上がっているように感じました。
また、歌詞に強烈なメッセージを持っているのも彼らの特徴。一番インパクトがあったのあ「COPLICES」(邦題「共犯」)で、強烈にグローバル経済を批判している内容になっています。国内盤では邦訳がついているため、彼らのメッセージも十分伝わってきます。この歌詞も彼らの大きな魅力なだけに、買われる時は、邦訳のついている国内盤を是非。
そんな訳で、すっかり彼らの音楽にはまってしまった私。このアルバム、間違いなく今年のベスト盤候補の1枚です。間違いなく、とっつきやすい作品なので、興味のある方は是非。中毒性あるリズムにはまりますよ~。
評価:★★★★★
| 固定リンク
「アルバムレビュー(洋楽)2013年」カテゴリの記事
- 44年ぶり(2013.12.29)
- 荒々しいトラックが強烈(2013.12.24)
- あの傑作アルバムの続編(2013.12.23)
- 早くも2作目!(2013.12.21)
- 驚愕のライヴ!(2013.12.15)
コメント