様々なタイプの曲が展開
Title:DA MIND OF TRAXMAN
Musician:TRAXMAN
80年代から活動を続ける、シカゴのハウスシーンにおける重鎮的なDJ、TRAXMANのニューアルバム・・・・・・といっても、今回のアルバムを聴くまで、完全に初耳だったのですが・・・(^^;;例によって、ミュージックマガジン誌のハウス/テクノ/グレイクビーツ部門で、2012年年間ベストアルバムに選出されていたので、遅ればせながら聴いてみました。
で、結論としては、これがなかなかおもしろい!ただ、どんなアルバムか、と問われると、一言で答えるのが難しいという印象を受けました。というのは、曲によって、その雰囲気が微妙に変化しているからです。
例えば「Itz Crack」はちょっとジャジーな雰囲気のトラックですし、「I Need Some Money」あたりは、ちょっと80年代的な匂いを感じたり。「1988」は、非常にユーモラスな電子音が展開されるナンバーですし、楽曲によって、様々な音を用いており、その展開を追っていくだけでも非常に楽しめます。
また、全18曲入りという内容ながらも、長さは60分弱。1曲あたり、わずか3~4分程度という、この手のジャンルとしてはちょっと珍しい構成。そのため、普通の歌モノポップスと同じ感覚で聴けて、なおかつ様々なタイプの音が展開されているため、飽きることがありません。
もっとも、様々なタイプの音が並んでいるとはいえ、やはりアルバムを貫くTRAXMANとしての特色があるわけで、共通項として一番感じたのは、曲に使われる音は、あくまでも最小限。音数を絞ったミニマルな作品多く、そのため、楽曲の雰囲気は非常にタイト。にも関わらず、様々なタイプの曲が展開するため、自然に使われる音も、多様になってくる訳で。また、ミニマルな展開に一種のトリップ感覚を覚えます。
今回、はじめてTRAXMANの作品は聴いたのですが、最後まで、飽きることなく、その内容にはまりこめた傑作でした。上にも書いた通り、1曲あたりが短い曲ばかりなので、いい意味で敷居が低く、入りこみやすい作品だと思います。興味のある方は、是非。
評価:★★★★★
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