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2013年3月19日 (火)

実に電気グルーヴらしい作品

Title:人間と動物
Musician:電気グルーヴ

先日、久々のワンマンライブに足を運んできた電気グルーヴですが、このアルバムは、そのライブツアーに先立ってリリースされたオリジナルアルバム。もちろん、ライブでも、このアルバムからの曲が数多く披露されました。

今回のアルバム、まず大きく感じるのは、実に電気グルーヴらしいアルバムだった、という点。原点回帰、と言ってしまうと、初期のHIP HOP色の強い時代に戻ってしまいますので(^^;;そういう表現は使えないのでしょうが、イメージとしては「ORAGNE」とか「A」とか、あの時代の雰囲気を久しぶりに復活させたようなアルバムになっています。

要するに、テクノサウンドをベースに、基本、歌モノ。ただし、その歌も、特段深い意味がある内容ではなく、サウンドに合うような歌詞、またはノリと勢いそのままのようなユーモラスな歌詞をのっけたようなスタイルになっています。

また、リズムも、すべての曲がBPMを同じというアルバムになっているそうで、そういう意味ではアルバム全体の流れが出来上がっている作品になっています。ただし、その中でも「The Big Chrts」や、「Missing Beatz」は80年代のディスコチューン風の作品になっていますし、「Oyster(私は牡蠣になりたい)」はビートも強くロッキンなナンバーに。また、「Slow Motion」は、どこか歌謡曲風のメロがインパクトになっており、アルバム通じて雅曲のバリエーションも豊富。BPMは同一でも全く飽きさせません。

ちなみにライブでは、先行シングルでもある「Upside Down」が、非常にリズミカルでノリがよくて、一番トリップできたなぁ。今後の新しいスタンダードナンバーになりそうな予感も。

そんな訳で、今回のアルバム、ファンの壺を上手くついた、卒のないアルバム、といった印象を受けました。確かに今回のアルバム、目新しいことをやったわけでもありませんし、今のシーンに一石を投じるようなタイプのアルバムではありません。ただ、ファンが望むような部分に上手く応えたようなアルバム、あるいは、ここ最近、「J-POP」「YELLOW」で、ちょっと異なるベクトルを見せた彼らが、ちゃんと以前の電気グルーヴの路線でも、これだけのアルバムを出せるんですよ、とあらためてファンに示した、そんなアルバムに感じました。

この間のライブでも、実に観客の壺をついたような、楽しいステージを見せてくれたのですが、そういう意味では、電気グルーヴって、ちゃんとファンの望むものをわかっていて、それにちゃんと高い水準で応えてくれていますよね。卒のない、といっても、ネガティブな意味ではなく、内容的には文句なしの傑作だったと思います。先日のライブともども、非常に楽しめました!

評価:★★★★★

電気グルーヴ 過去の作品
J-POP
YELLOW
20
ゴールデンヒッツ~Due To Contract


ほかに聴いたアルバム

Route29/HY

このアルバムに収録されている「いちばん近くに」が、NHK連続テレビ小説「純と愛」の主題歌に起用され、昨年の紅白出演も果たした彼ら。ここ最近の彼らの曲って、悪い意味でNHK向けなんだよなぁ。爽やかな優等生の若者といった感じで、典型的な前向きソングのJ-POP。沖縄音楽の要素を入れたり、時折、ヘヴィーロックを入れてきたり、おもしろいと思う部分も垣間見れるだけにアルバムを聴いているのですが・・・。

評価:★★★

HY 過去の作品
Whistle
PARADE

Handmade/WEAVER

個人的に、ピアノを入れたロックバンドというのは思いっきり壺なので、そういう意味でWEAVERなんかは、まさに思いっきり好みのタイプのバンド。爽やかなメロディーは勢いもあり、かつ、彼らの場合は、ピアノがやはり売りと考えているのか、非常に効果的に入れているのが大きな特徴となっています。ただ、残念ながらメロディーが、ちょっと平凡な曲が多く、後に残らない部分が。もう一歩だと思うのですが・・・。

評価:★★★★

WEAVER 過去の作品
Tapestry

新世界創造記・前編
新世界創造記・後編

ジュビレーション

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