ロックを聴いたなぁ、と感じさせる作品
Title:Graffiti On The Train
Musician:Stereophonics
UKを代表するギターロックバンドのStereophonics。前作「Keep Calm and Carry On」で残念ながら途切れてしまったものの、1999年の「Performance and Cocktails」から2007年の「Pull the Pin」まで5作連続1位を獲得するなど、おそらくイギリスでは、日本で思っている以上に高い人気を誇るバンドなんでしょうね。
そんな彼らの4年ぶりとなるニューアルバム。一時期、泥臭いアメリカンロック路線に傾倒していた彼らですが、前作ではグッと軽くなり、ポップなメロディーが前面に出た印象がありました。今回の作品については、前作に比べて、泥臭さが戻った反面、ポップなメロディーも健在。アメリカンロックからの影響も感じるものの、イギリスのバンドらしい、ギターロックを聴かせてくれます。
特に、「Catacomb」では、イギリスのギターロックらしい、ポップなメロと、グランジ風のギターサウンドがインパクト大。タイトルナンバーの「Graffiti On The Train」や「Take Me」あたりは、哀愁たっぷりのメロが、イギリスのバンドらしさを感じさせます。
一方、泥臭さでいえば、正統派ブルースロック路線の「Seen That Look Before」。ここらへんは、むしろアメリカのバンドみたいな雰囲気が。おなじくブルージーなギターを聴かせてくれる「Been Caught Cheating」も同じく。ここらへんの雰囲気は、他のイギリスのギターロックバンドとは異なる、いかにもStereophonicsならでは、といった感じでしょうか。
グランジ寄りから、ブルースロック路線まで、幅を持たせながら、いかにもロックといった曲が展開し、スケール感と、ベテランの彼ららしい余裕も感じさせるアルバム。ただ、そのスケール感を、ストリングスなどを用いて醸し出しており、そのため、少々仰々しさも感じてしまいました。ロックンロールとしてのダイナミズムさも、前作の方が良かったかも?
前作「Keep Calm and Carry On」では、最高位11位に終わったUKチャートでも、本作は最高位3位に復帰。ファンにとっては、おおむね好評だったようですが・・・個人的には、前作の方が好みだったかも。とはいえ、ロックが好きならば、満足が出来る作品だったのではないでしょうか。良い意味での安定感のある1枚でした。
評価:★★★★
STEREOPHONICS 過去の作品
Decade In The Sun-Best Of Stereophonics
KEEP CALM AND CARRY ON
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