慣れ親しんだステージでのライブ盤
Title:Live at Legends
Musician:Buddy Guy
昨年のフジロックでも熱いステージを見せてくれたアメリカはシカゴのブルースギタリスト、Buddy Guy。シカゴのブルースシーンの第一人者として、すっかり「リビング・レジェンド」的な位置付けになった感のある彼。しかし、御年76歳の大ベテランにして、昨年のフジロックのステージで見せてくれた通り、まだまだ若い者には負けない、とばかりの現役感バリバリのパフォーマンスを続けてくれています。
そんな彼がリリースした最新アルバムはライブ盤。彼がシカゴで経営するブルース・バー、Legendsでのライブの模様を収録したアルバム。現在は、既に移転したようですが、このライブ盤は、その創設当時の場所から移転する前、最後の、2010年1月のステージの模様を収録したアルバムだそうです。
「Mannish Boy」や「I Just Want To Make Love To You」みたいなおなじみのブルースナンバーのカバーもありつつ、ただ、ブルース以上に、ロック色の強い雰囲気。ギターの歪んだ音をギャンギャンと鳴らしまくるBuddy Guyのパフォーマンスは、年齢を感じさせない迫力があります。ご存知CREAMの「Sunshine Of Your Love」をカバーしたりもしており、まさにロックとブルースの垣根を感じさせない、現役感バリバリのパフォーマンスは、ブルースを普段聴かないような方でも、難なく楽しめそう。
ただ、ステージパフォーマンスは迫力があり、文句なしに楽しそうな雰囲気はつたわってくるのですが、やはり馴染みの場所でのパフォーマンスだからか、良い意味でアットホームな雰囲気が伝わる反面、少々内輪向きな雰囲気も。というよりも、昨年のフジロックのステージを見ても感じたのですが、彼のステージは、その会場の空気に応じた、即興的なパフォーマンスも多く、そんなパフォーマンスは、ある意味、その場にいないとわからない雰囲気を出しています。
もちろん、その場にいれば、そんなパフォーマンスを存分に楽しめるのですが、こうやってCD音源で聴くと、少々物足りなくも感じてしまいます・・・。そういう意味で、Buddy Guyのステージの魅力を感じながらも、CD音源としては、どこかもどかしさも感じてしまったアルバムでした。
ただ、このアルバム、そのライブ音源の後に、新曲が3曲収録されています。2010年にリリースされたオリジナルアルバム「Living Proof」の収録から漏れた曲らしいのですが、これが素晴らしい!特に「Coming For You」は、迫力あるファンキーなギターサウンドに、張り上げる彼のボーカルが、実に魅力的でゾクゾクと来ます。そこに軽快なホーンセッションが加わり、ロッキンで、楽しいナンバーに。この3曲は、ブルース好きならまずはチェックすべき。
もっとも、アルバムを通じて、70歳を過ぎてもバリバリ現役のBuddy Guyの元気の良さにうれしくなってきました。また、来日して、あの熱いステージを見せてほしいなぁ。これからも、末永くお元気で!!
評価:★★★★
Buddy Guy 過去の作品
LIVING PROOF
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