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2013年3月23日 (土)

話題のライブイベントをムック本+CDで

Title:連載・おとといミーティング TRICERATOPS“12-Bar“
Musician:TRICERATOPS

同時中継したU-Streamの視聴者数が13万人を超えるなど、話題となったライブイベント「連載・おとといミーティング TRICERATOPS“12-Bar“」。もともとライターの森田恭子が提案した企画で、都内の小さなライブハウスで、アコースティック形式でのライブイベントなのですが、毎回、「宿題」と称して、カバー曲を勝手にセレクト。次のライブで、そのカバーを披露するという企画。また、ほぼ毎回ゲストを呼び、そのゲストとのセッションを行っていました。さらにその模様をU-Streamで同時中継。その結果は上記のとおりで、話題となったイベントです。

今回のこのアイテムは、そのイベントライブの模様を1冊のムック本にまとめ、かつ、「宿題」のカバーをCDにまとめた企画モノになっています。やはりファンとしては、まず気にかかるのが、カバーを収録したCD。これがまた、なかなか興味深い内容になっていました。

このカバーのユニークなところは、必ずしもTRICERATOPSが好き好んで選曲した内容ではない、という点。曲によっては、彼ら自身が選曲したら、まず選ばれないだろうなぁ、という曲も収録されています。

正直、そういう選曲であるため、特に序盤に関しては、かなりチグハグさを感じるカバーになっていました。特に最初のカバーがRCサクセションの「スローバラード」という、原曲が大きく立ちはだかりそうなナンバー。そのため、扱いが難しいような、おっかなビックリカバーしている姿が、CDを通じても感じられました。

ただ、このアルバムがおもしろいのが、そんなカバー曲の「宿題」に対して、メンバーが徐々に要領を得てきて、後半に関しては、いずれも名カバーに仕上がっている点でした。特にユニークな名カバーは、嵐の「MONSTER」のカバー。おそらく、本人たち選曲では、まず選ばれないようなカバーですが、これがTRICERATOPSの手にかかることにより、アコギで渋い雰囲気のカバーに仕上がっており、おそらく原曲を上回ったのでは?と思わせる名カバーに仕上げていました。

ライブ音源そのままなので、音質は少々悪いのですが、それもまた、ライブ会場の雰囲気を伝えている、と思える感じ。今回のカバーで、TRICERATOPSもバンドとして一回り成長したようにも感じました。

CDの評価は、文句なしに★5。ただし、気になるのは、このCDにムック本をつけて、5,000円という値段設定。ぶっちゃけ、高いです。ムック本もオールカバーで、ライブに参加していない身にはおもしろい内容だったのですが、ただ、CDが3,000円だとして、このムック本で2,000円もの価値があるかは正直、かなり微妙。最初、買う時にかなり迷いましたし、そういう意味ではかなりファン向けのアイテムといった感じがしました。

そういうわけで、CDは★5。ただし、ムック本は★3で、中間をとって以下の評価で。CDだけでも、3,000円くらいで発売してほしいなぁ。そういう意味では、CDの内容が良いだけに、ちょっと残念な部分が残ってしまうアルバムでした。

評価:★★★★

TRICERATOPS 過去の作品
SHAKE YOUR HIP!!!
MADE IN LOVE
WE ARE THE ONE
WE ARE ONE-CERTIFICATE-
LOVE IS LIVE
DINOSOUL -BEST OF TRICERATOPS-


ほかに聴いたアルバム

SINGLES BEST 2002-2012 MEMORIES/Round Table featuring Nino

残念ながら、これを最後に活動休止となるRound Table featuring Ninoのシングル集。どの曲も爽やかで軽快なポップス。なによりNinoのかわいらしいボーカルが耳を惹き、Round Tableとの相性の良さをうかがわせます。だからこそ、一時的な企画モノではなく、2002年から10年もの間にわたって、「featuring Nino」名義で活動を続けたのでしょう。インパクトのあるポップソングながらも、ベタになりすぎない内容も好印象。ただ、最近の曲になるにしたがって、似たような曲が増えてきた感じもします。そういう意味では、活動休止は、featuring Ninoとしてやれることはやりつくした、ということなのでしょうか?良いタイミングのようにも感じます。

評価:★★★★★

Round Table 過去の作品
FRIDAY,I'M IN LOVE
Distance
(featuring Nino)

Modanica/LAMA

元スパカのナカコー、フルカワミキ、元ナンバガの田渕ひさ子、そして牛尾憲輔からなるスーパーバンドLAMAの2ndアルバム。ポップ志向の曲もある反面、エレクトロニカ、ポストロック志向が強くなったように感じられる作品。アルバムとして悪くはないが、これだけのメンバーを集めて、新しい何かがはじまるような印象は薄いような・・・。

評価:★★★★

LAMA 過去の作品
New!

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