一時期ほどではないものの・・・。
90年代後半を代表する人気バンドGLAY。一時期に比べて、正直、勢いの面ではかなり衰えてしまい、人気も一時期ほどではありませんが、今なお、根強い人気を確保しています。そんな彼らが、今回リリースしたのは、なんとアルバムを2枚同時リリース。売上的にも、見事、チャートで1位2位のワンツーフィニッシュを達成しています。
その2枚のアルバムがこちら。
Title:JUSTICE
Musician:GLAY
Title:GUILTY
Musician:GLAY
まず2枚とも、ベースとしては実にGLAYらしい作品になっているなぁ、ということを感じました。BOOWYから続く、日本のビートロック路線を引き継ぎつつ、イギリスのギターロックなどの90年代オルタナティブロックの要素もそれなりに入れつつ、メロディーは至って歌謡ポップ。まさにこれぞJ-POPといった感じの、良くも悪くも歌謡ロックといった感じ。日本を代表する人気バンドだった90年代後半から、この主軸はほとんどずれていません。
そんな中、「GUILTY」の方は、バンドとしてのGLAYを押し出した作品が目立ちました。「Red moon&Silver sun~My Private "Jealousy"」や「冬の遊歩道」など、ノイジーなギターサウンドも目立ち、ロックバンドGLAYとしての主張を感じます。打ち込みも入れてダンサナブルな「everKrack」やパンク風の「Bible」なども、バンドとしての幅を広げようとする意思も感じられます。
ただ一方で、アルバムの冒頭からオーケストラでスタートするなど、全体的に、ストリングスをはじめとした様々な音を導入し、分厚い音づくりが目立ちます。その結果、アルバム全体は少々、仰々しい部分も目立ってしまったような・・・。もうちょっとシンプルな音づくりの方がおもしろかったのでは?ただ、こういう過剰感もまた、いかにも90年代J-POPといった感じもするのですが。
一方「JUSTICE」の方は、「LOVE IMPOSSIBLE」や「傷だらけの太陽」のような、歌謡曲といってもいいような、哀愁あるメロディーが目立った作品。こちらは、ポップスバンドとしてのGLAYを前に押し出したような内容になっています。ただ、こちらの作品も、比較的バンドサウンドはしっかりと打ち出しており、2枚を通じて、自分たちはバンドである、というGLAYの主張を感じられる内容になっていました。
一時期ほどではないとはいえ、そこはやはり2枚同時リリースするだけあって、それなりの勢いは感じさせます。また、それなりのボリュームある内容ながらも、ポップなメロディーとバリエーションある曲調で、最後まで飽きずに聴くことが出来ました。ただ、とはいえ、かつてのように、一度聴いたらメロディーがすぐ口につくような、キラーチューンがなかった点、一時期に比べての勢いの衰えも感じてしまったり。とはいえ、ファンなら十分満足できるようなアルバムではないでしょうか。まだまだ彼らの人気は続きそうです。
評価:
JUSTICE ★★★★
GUILTY ★★★★
GLAY 過去の作品
GLAY
ほかに聴いたアルバム
シャングリラ/ムック
良くも悪くも歌謡曲風なメロや、ベタなJ-POP風のメロなど、「よくありがち」というイメージを抱く一方、ハードコア風なナンバーや、ガレージロック風の曲など、バンドとしての力を感じさせる曲もチラホラ。「ハニー」や「狂乱狂唱」あたりがその典型となった感じで、彼らの実力を感じさせました。全体的には、聴きやすくポップにまとめた印象。正直、アルバム全体としては、いまひとつな部分が目立つのですが、前述の通り、カッコいい曲も少なくないですし、実力を感じさせる部分もチラホラあるため、良いバンドだとは思うのですが・・・・・・。
評価:★★★
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