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2013年2月 9日 (土)

槇原敬之の今と昔

Title:秋うた、冬うた
Musician:槇原敬之

またかよ~~(呆)。という感じが強い、マッキーのベスト盤。今回は、タイトル通り、秋、冬をテーマとした曲を集めた企画盤的な要素も強い内容に。察しのとおり、夏と春をテーマとしたベスト盤も近日中に発売されるとか。てか「遠く 遠く」ってむしろ春の歌だと思うんですが・・・。

ただ、今回のアルバム、企画盤的な内容のためか、「北風~君にとどきますように」「冬がはじまるよ」「もう恋なんてしない」みたいなおなじみの代表曲が収録されている反面、ベスト盤初登場となる曲もチラホラ。個人的に特にうれしかったのは、「3月の雪」が収録されたこと。1991年のアルバム「君は誰と幸せなあくびをしますか」収録の曲なのですが、卒業式の後、これから別れ別れになる学校の友だちたちと遊んだ1シーンを描いた作品。リアルタイムに聴いた20年前(!)も聴いて涙したのですが、今聴いても、涙腺が緩くなってしまう、マッキー屈指の名曲。個人的にも、マッキーの好きな曲ベスト10には必ず入ってきそうな曲で、このアルバムに入っていて、久しぶりに聴き入ってしまいました。

他にも、「さみしいきもち」「12月の魔法」など、あれだけ手を変え品を変え、ベスト盤をリリースしながらも、まだこんな名曲が漏れていたのか!(というよりも、ファンとしての立場では、まだあの名曲がベスト盤に収録されたことなかったのか!)という、彼の楽曲の層の厚さには驚かされる選曲になっています。

ワーナーミュージックからのリリースということで、原則、初期の作品を収録されているのですが、それに加えて秋、冬のイメージの曲という縛りがあることによって、意外な選曲となり、あれだけベスト盤を頻発していながらも、新鮮味を感じられる内容になっていました。「どんなときも。」など、代表曲が収録されていないという点では(多分、「春、夏」盤にとってあるのでしょうが)初心者向きではないような気がする反面、逆に変な手垢のついていない、微妙な恋愛風景や心象風景の描写が見事なシンプルな初期の名曲が並んでいる点、槇原敬之というミュージシャンの魅力を感じるにはうってつけの1枚と言えるかもしれません。

久しぶりに初期のアルバムを聴きなおしたくなったアルバムで、いままで発売されているベスト盤の中では、下手したら一番はまったかも。もう、ベスト盤はいい加減にしてほしい・・・という意味で、3でしたが、内容の素晴らしさで、1つ追加で・・・

評価:★★★★

で、このベスト盤が昔のマッキーだとしたら、こちらは今の槇原敬之。

Title:Dawn Over the Clover Field
Musician:槇原敬之

お説教くさいメッセージソングを彼が主軸に据えてきて、かなり久しくなってしまいました。ここ最近は、比較的、あまりにもな曲は(前作「Heart to Heart」では別の意味であまりにもな曲がありましたが)後ろに下がっていたような感じがしましたが、残念ながら最新作では、再びお説教くさい曲が目立ってしまったような気がします。

1曲目「Theme Song」では「消防車のサイレンの音は、誰かを助けに行く音だからうるさいなんて思っちゃダメだよ」って、そんなことわざわざ歌にするようなこと??彼のリスナーの対象が小学生くらいなら、まあわからないこともないけど、彼の曲を聴いているようないい年をした大人に、こういうメッセージを伝える意味はどこにあるの?

でまあ、こういうメッセージ性の強い曲はともかく、今回のアルバムはラヴソングが大幅に増えて、そのラヴソングには期待していたのですが、ところが、そのラヴソングすら、やけに説教くさくなってしまっていました。

「Birds Stop Twittering Tonight」では、メールや携帯でつながる最近の恋愛事情を否定したり、最後の「Boys&Girls!」では、恋愛をめんどくさがる若者に恋をしようと呼びかけたり。

でもさあ、以前のマッキーのラヴソングなら、こんなメッセージを直接歌にしなくても、好きな人を思う心象描写から、好きな人に直接会うことの素晴らしさや、ひいては恋をすることの素晴らしさを、その曲から感じることが出来たんですよね。なんか、全体的に歌詞が練れていないというか、上の「秋うた、冬うた」と続けて聴くと、どうしちゃったんだろう?という歌詞の出来に、心配になってきてしまいます・・・。

ただ、その気になる歌詞の反面、メロディーに関しては、かなりの安定感で名曲揃いとすらいえてしまう内容。「アイルランド」がテーマという今回のアルバムらしい、アイリッシュケルトの要素を取り入れた「四つ葉のクローバー」をはじめ、マッキーのイメージにピッタリの暖かみのあるアレンジも印象的。ここらへんは、ベテランらしい安定感と、天性のメロディーメイカーとしての才能を、しっかりとみせてくれたアルバムになっていたと思います。

なんだかんだいっても、「Season's Greeting」みたいな、マッキーらしい名曲も紛れ込んでいたりするんですけどね・・・。ここ最近、比較的、説教くささの薄い、いいアルバムが続いていたので残念な限り。歌詞は3、メロとアレンジは5ということで・・・。

評価:★★★★

槇原敬之 過去の作品
悲しみなんて何の役に立たないと思っていた
Personal Soundtracks
Best LOVE
Best LIFE

不安の中に手を突っ込んで
NORIYUKI MAKIHARA SYMPHONY ORCHESTRA CONCERT CELEBRATION 2010~SING OUT GLEEFULLY!~
Heart to Heart

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コメント

 ベストに関しては「またか」と思いつつ、iTunesでランキングに顔を出していたりすると、「まぁ、別に嫌らしく未発表曲を入れて既存のファンに買わせようというわけではないから、いいか」と思うマッキーファンであります。春夏バージョンの注目は「もう恋」のカップリング「夏のスピード」が収録されるかどうかでしょうか。

 新譜に関してですが、マッキーは「説法をポップスでやりたい」んでしょうね。ただ、説教臭いなぁという自覚はあると思いますよ。そういう曲ほどアレンジとメロディーがカッコよくして何とかバランスを取りにかかっているのが、最近解かりますから。

 ただ、「Theme Song」に関しては、ゆういちさんと全く意見が反対で、「こんなことも曲にできるのか」という面白味のほうが強いです。最近、当たり前のことが通じない場面をチラチラ見かけたりすると、マッキーのファン層にはそろそろ子どもがいる(僕もそうですが)ことも含めて、こういう曲があってもいいと思っています。

投稿: げどー | 2013年2月12日 (火) 02時18分

>げどーさん
「夏のスピード」収録されましたね~。なにげにこのシリーズ、選曲が絶妙かもしれません。
新譜の感想、ありがとうございます。うーん、そうですか。ただ、私はそれならば、もっと語り方をひねるなり、深く突っ込みなりしてほしいなぁ、と思います。ちょっとさすがにそのままの歌詞というのは、正直、抵抗感が・・・(苦笑)。

投稿: ゆういち | 2013年3月 5日 (火) 00時12分

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