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2013年2月 8日 (金)

暖かさがあふれだしています。

Title:Oh!SHIGOTO Special
Musician:つじあやの

約2年ぶり、ちょっと久しぶりとなるつじあやのの新作は、タイトルの通り、彼女が手がけたCMソングやタイアップ曲、あるいは企業などとのコラボ曲を収録した、「お仕事」な曲を収録したアルバム。

・・・というと、一種の企画盤みたいに思われるかもしれませんが、これらの曲、全曲が前回のアルバム「虹色の花咲きほこるとき」以降に手がけた曲だとか。そういう意味では、列記としたオリジナルアルバムである今回の作品。正直、CDの売上という側面では、一時期よりちょっと寂しい感じのする彼女ですが、ところがどっこい、この手のタイアップに関しては、引っ張りだこの人気者ということがわかるアルバムだと思います。

で、今回のアルバム、ウクレレを中心としたアレンジに、身の回りの日常を歌った暖かい歌詞という、実につじあやのらしい出来に仕上がっていました。前々作「Sweet, Sweet Happy Birthday」は大人っぽい歌詞が目立ち、前作「虹色の花咲きほこるとき」は逆にアレンジから、ウクレレの音色が少なくなり、と、いままでのつじあやのとはちょっと異なる側面を見せたアルバムが続いていました。しかし、このアルバムに関しては、「これぞ、つじあやの!!」と満足できるようなアルバムになっていたのではないでしょうか。

もちろん、この手のタイアップ曲なだけに、つじあやのらしさを望まれ、新しい挑戦は出来なかった、という面はあるのでしょう。ただ、ほっこりとつつまれるような暖かいメロディーラインや歌詞、そしてそんな曲にピッタリな、暖かい彼女の歌声を聴くと、やはり彼女にとっては、ウクレレ片手にのんびりと歌えるような曲が一番しっくり来るなぁ、なんてことを思ってしまいます。

そして、そんな誰もが幸せになるようなつじあやのの歌を聴いていると、彼女がなんでこれほどタイアップに引っ張りだこなのか、よく理解できるような気がします。ただ、それだけなら単なる「万人受けするポップス」となりそうですが、決して平凡なポップスになっていないのは、彼女のメロディーセンスの良さ所以でしょう。わかりやすいフックや、リズムなどに頼ることなく、1曲全部で聴かせるような美メロには、彼女のセンスの良さが光ります。

また、タイアップがついているとはいえ、こういうシンプルな曲を集めて1枚のアルバムとしてリリースするあたり、今の彼女の興味が、こういう原点回帰的な方向に行っているのかなぁ、なんてことを感じたりして。どちらにしろ、つじあやのの魅力が最大限発揮されたアルバム。1枚のオリジナルアルバムとして、文句なしの傑作です。

評価:★★★★★

つじあやの 過去の作品
Sweet,Sweet Happy Birthday
COVER GIRL2
つじギフト~10th Anniversary BEST~
虹色の花咲きほこるとき

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