2012年ベストアルバム(邦楽編) その1
昨日の洋楽編に続いて、私的ベストアルバム邦楽編。今日と明日、2回にわけて。
10位 wordwide/たむらぱん
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「天才たむらぱん」復活。「ノウニウノウン」「ナクナイ」と傑作アルバムを次々リリースしてきた彼女でしたが、前作「mitaina」は彼女にしては取り留めて特徴のない凡作(とはいっても、一般的なミュージシャンにしてみれば十分に傑作なのですが・・・)で、ちょっと心配していたのですが、最新作はそんな心配を吹き飛ばす傑作に仕上がっていました。彼女らしいひねくれたポップスは相変わらず健在でしたが、ひとつ大きな特徴だったのは、ラッパーShing02が参加した「なくない」。HIP HOPの要素を取り入れたアレンジに、人との関わりあいの悩みを描いた歌詞が、単なるポップではない奥深さを与えていました。
9位 B級映画のように2/田我流
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東日本大震災後、強いメッセージを放つミュージシャンが増えましたが、そんな中でも最もストレート、かつ強烈なメッセージを聴かせてくれたのがこのアルバム。ユーモアセンスを交えつつ、皮肉たっぷりに綴られたリリックに、さらにそれでも前へ進もうとする力強さは、「前向き」といっても、巷にあふれる「がんばろう」ソングとはあきらかに一線を画するリアリティーが。
8位 100年後/OGRE YOU ASSHOLE
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前作「homely」も傑作でしたが、それに続く最新アルバムも、またもや傑作アルバムを産み出してくれました。音数を絞ったシンプルなアレンジは、「音」というよりも「空間」を聴かせるような独特の世界。ゆらゆら帝国の後継者的な音という指摘も多くされましたが、確かに、音的には近いものを感じます。ただ、メロディーはゆらゆら帝国よりも人なつっこい感じがして、より広い層にも支持されそう。まだまだ、彼らの快進撃は止まらなさそうです。
7位 親が泣くLIVE at 下北沢GARDEN 29 Feb.2012/井乃頭蓄音団
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知名度は、まだまだ低いものの、徐々に人気を伸ばしているロックバンドの、最新アルバムにしてライブ盤。フォークなメロを主軸に、ハードロックなアレンジを加えてくるサウンドもなかなかおもしろいものの、なんといってもインパクトがあったのはその歌詞。「ダメな自分をそのまま吐露した歌詞」というと、一般的なJ-POPにもありがちなようで、彼らほど内面の奥底までそのままさらけ出した歌詞は、皆無ではないでしょうか。そんな人間の弱さゆえにあらわれる醜さまで描写した歌詞は、人によっては「気持ち悪い」と捉えられるかも。でも、彼らの唱える現実は、実に身に染みます。
6位 Force/Superfly
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もともとSuperflyは、洋楽の影響を取り入れながらも、メロディーはベタなJ-POPで面白みがなく、あまり好印象なミュージシャンではありませんでした。しかし、前作「Mind Travel」から、そのメロディーのベタさが逆に楽曲のインパクトとなり、リスナーをグイグイと惹きこむ力を持つようになりました。そして最新アルバム。ライブを意識したアルバムは、まさに彼女の持ち味が最大限発揮された傑作アルバム。ロックの持つダイナミズムとエンターテイメント性を見事に両立されたアルバムで、ロックという音楽の持つ楽しさを最も前に押し出したアルバムと言えるかもしれません。
そんな訳で、明日は5位から1位!
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