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2013年2月 3日 (日)

2012年ベストアルバム(邦楽編) その2

昨日は6位まで紹介した2012年ベストアルバム。今日は5位から1位の紹介です。

5位 変身/チャットモンチー

聴いた当時の感想は、こちら

ドラムス高橋久美子脱退により、新メンバーやサポートメンバーを入れることなく、2ピースバンドとして新たな活動をスタートさせた彼女たち。曲によっては、サポートを入れている曲があるものの、基本的には2人のみでの演奏。そのため、音数を絞ったよりタイトなサウンドになっており、バンドとしての実力が、より前面に出ているアルバムに。チャットモンチーの、ロックバンドとしての基礎体力、実力を嫌というほど認識させられた傑作。にも関わらず、以前の通り、ポップなメロや、等身大の女の子を描いた歌詞はいつも通り。さらに大きな存在に変身を遂げたアルバムでした。

4位 リトルメロディ/七尾旅人

聴いた当時の感想は、こちら

七尾旅人については、以前からメディアなどでは非常に評判の高いミュージシャンだったものの、正直、私自身、そのアルバムはいまひとつ好きになれませんでした。というのも、実験的な作品が多く、どうもひねくり回した、という印象しか抱けなかったからです。ただ、前作「billion voices」から、メロディーを重視したポップな作品が増え、今回のアルバムは、ポップなメロディーの曲が主軸になっています。もともと、メロディーメイカーとして、美メロを多く書いてきた彼でしたが、その才能をフルに発揮した傑作になりました。特に傑作だったのは、「圏内の歌」。福島の被災者の心境を描いた歌詞は、おととしのライブでも聴いたのですが、あらためて聴くと、心に響きます。彼の天性の才能が発揮された傑作でした。

3位 すとーりーず/ZAZEN BOYS

聴いた当時の感想は、こちら

4年ぶりとなったZAZEN BOYSの新作は、前作同様、エレクトロの要素を多く取り入れた、向井秀徳のソロ的要素が強く出されたような作品。ただ、いままでの作品とひとつ異なった印象を受けたのが歌詞の世界で、いままでの「冷凍都市」から、歌詞の舞台に地方の都市が登場したりして、世界が広がった感じも。タイトル通り、向井秀徳がつむぐ、あらたな「ストーリー」が魅力的な作品に。一方で、サウンド的にはいままでのZAZEN BOYSの集大成的な感じも強く、そろそろ向井秀徳の次の一歩が見られそうな予感も。

2位 24HOURS DREAMERS ONLY!/N'夙川BOYS

聴いた当時の感想は、こちら

今年、もっともはまったアルバムは、このアルバムかもしれません。前作「PLANET MAGIC」で彼らにはまってしまいましたが、勢いにまかせている部分も否定できなかっただけに、次のアルバムはどうなるんだろう、と不安半分、期待半分で聴いた最新アルバムでしたが、前作を上回るような楽しいロックソングの連続でした。ワクワクするようなポップでキュートなメロディーラインに、ロックンロールなベースレスのサウンドも、時にはスリリングな展開が楽しめます。ロックンロールという音楽が本来持っていたような楽しさを体現化したようなアルバムで、難しい屁理屈抜きで楽しめる、とはまさにこのアルバムのこと。音楽が、本当に楽しく感じられるアルバムです。

そして・・・

1位 坩堝の電圧/くるり

聴いた当時の感想は、こちら

やはり総合的に見て、今年一番のアルバムといえば、これかなぁ。しばらく2人組として活動を続けていた彼らが、新メンバー2人を加入させ、4人組となった新生くるりとしての初のアルバム。いままで、ソングライターとしてくるりの主軸を一身に担っていた岸田繁の肩の荷が下り、バンドとしての自由な曲づくりを行ったように感じされる作品。ロック色が強く、あらたなくるりのスタンダードナンバー「everybogy feels the same」をはじめ、様々なタイプの曲があり、ユーモアさも、いままでのアルバム以上。個人的に、いまでもくるりの最高傑作だと思う「図鑑」みたいなぶっとんだ部分はなく、ちょうどよくまとまっている感じもしますが、非常にバランスもよく、多分、10年後20年後に振り返っても、くるりにとって重要なアルバムになっていることは間違いないと思わせるアルバムです。

以上。で、ベスト10をまとめると・・・

1位 坩堝の電圧/くるり
2位 24HOURS DREAMERS ONLY!/N'夙川BOYS
3位 すとーりーず/ZAZEN BOYS
4位 リトルメロディ/七尾旅人
5位 変身/チャットモンチー
6位 Force/Superfly
7位 親が泣くLIVE at 下北沢GARDEN 29 Feb.2012/井乃頭蓄音団
8位 100年後/OGRE YOU ASSHOLE
9位 B級映画のように2/田我流
10位 wordwide/たむらぱん

上半期と比べてもらうと気がつくと思うのですが、なんと、上期ベスト5で下期に残ったのが、わずか1枚のみ!それも、1位と2位の順位が入れ替わって、2位の田我流のみ、9位にランクインという結果になっています。ただ、かなり物足りなさを感じた上期と比べると、下期は傑作揃いになり、最終的に10枚を絞るのがかなり悩まされる豊作の1年になりました。

他にベスト10候補としては、上期ベスト5に残った
TOTAL/THA BLUE HERB
ULTRA/bonobos
MISOGI EP/GRAPEVINE
恋に似ている/THEラブ人間
や、上期で紹介した
うたびこ/青葉市子
STEREO WORXXX/capsule
この声/高橋優
の他・・・

時のシルエット/aiko
MOVE/上原ひろみ The Trio Project featuring Anthony Jackson&Simon Phillips
NEW FACE/トータス松本
銀河のほとり、路上の花/中川敬

と、まさに豊作となった1年。CD業界は、相変わらずの売上不振に悩んでいるようですが、傑作は間違いなくどんどんとリリースされているんですよね。そういう意味では、個人的に音楽業界の将来については、あまり心配していないのですが・・・。

アルバムのタイプも、上期ではメッセージ性の強い作品が目立ったのですが、年間を通じてみると、メッセージ性の強い作品はもちろん、エンタテイメント的な作品、サウンドを聴かせる作品、内省的な歌詞が特徴的な作品などなど、バラエティーに富んでいます。ベスト10圏内で新人は井乃頭蓄音団くらいで、その点はちょっと気にかかるものの、ベスト10からは漏れたものの、THEラヴ人間や青葉市子など、要注目の新人は出てきていて、その点も今後に期待が持てそう。

なんだかんだいっても、良い音楽というのは世の中にたくさん出てきますし、変に心配することはないんじゃないの?と楽観的な気分にさせられる1年でした。今年もまた、多くの傑作が生み出させることを、期待します。

2007年 年間1 
2008年 年間1  上半期
2009年 年間1  上半期
2010年 年間1  上半期
2011年 年間1  上半期

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