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2013年1月19日 (土)

3部作の締めくくり

Title:TRE!
Musician:GREEN DAY

昨年、リリースされたGREEN DAYの3部作の締めくくりとなるアルバム。以前にも書いた通り、この3部作、以前にも書いた通り、1作目「UNO!」は青春時代、2作目「DOS!」はセックス、ドラッグ、ロックンロール、そして3作目である本作はパーティーの翌朝の自己反省をコンセプトとした内容に仕上がっています。

そのコンセプトの影響か、このアルバムは、全体的にミディアムテンポの聴かせるナンバーが主体。メロディーを聴かせるこのアルバムは、メロディーメイカーとしての彼らの実力を感じさせるアルバムになっています。

そしてラストの「THE FORGOTTEN」は、この3部作を締めくくるような、ストリングスとピアノを入れたバラードナンバー。彼らが単なるパンクバンドではない、ということを主張するかのような、ラストナンバーとなっています。

ただ、日本盤だと、この後に、「NUCLEAR FAMILY」のライブバージョンがボーナストラックとして入るんですよね。彼ららしいパンクナンバーでの締めくくりは、ある意味、GREEN DAYらしい終わり方ともいえるのですが・・・コンセプトを意識した展開で、最後にボーナストラックというのは、完全に蛇足だよなぁ・・・。

そんな訳で、フルアルバム3枚というボリュームでの新作となったGREEN DAYのアルバム。かなり挑戦的なリリースでしたが、このタイミングで、この3部作というのは、実に上手いリリースだったなぁ、と思います。

というのも、彼らはこのアルバムの前に「American Idiot」と「21st Century Breakdown」という傑作をリリース。社会派な内容が強かったこれらのアルバムで、単なる若者向けのパンクバンドではない、社会派のロックバンドというイメージをつけることに成功しました。

しかし、それは同時に、GREEN DAYというバンドのイメージを、拘束する結果にもなりかねません。かといって、昔と同じようなパンクアルバムを作るのも芸のない話。そこで3部作という形にして、一気に3枚分のアルバムをリリースしたことにより、原点回帰的なパンキッシュな内容と、様々なタイプの作品をリリースすることによる、彼らの実力をアピールを同時に出来た、今回の3部作を聴いて、そう感じました。

3枚目となる今回のアルバムは、まさにそんなGREEN DAYのパンクバンドだけではない様々な側面を感じられるアルバムで、バラードナンバーからギターポップ、あるいはパワーポップなナンバーまでズラリと揃っています。正直、少々インパクトの側面では物足りなさも感じられるものの、メロディーの良さはさすが。聴きどころも多いアルバムだったと思います。

3部作で、まさにGREEN DAYにはお腹いっぱい、といった感じ。とはいえ、次の展開にも期待・・・といったところなのですが、昨年は、ビリーが薬物乱用の治療のため、リハビリ施設におくられたという気になるニュースも。一日も早く復帰して、また、素晴らしいロックンロールを、私たちに聴かせてほしいです!

評価:★★★★★

GREEN DAY 過去の作品
STOP DROP AND FALL!!!(FOXBORO HOTTUBS)
21st Century Breakdown
AWESOME AS F**K(邦題:最強ライヴ!)
UNO!
DOS!


ほかに聴いたアルバム

LuLu/LOU REED&METALLICA

元Velvet Undergroundのボーカル&ギタリストにして、オルタナティヴロックに大きな影響を与えたルー・リードと、メタルバンドの大御所、メタリカのコラボ。19世紀のドイツの古典ミュージカル「LULU」を基にしたアルバムだそうですが、ある意味、同じロックとはいえ、ジャンルが全く違う、水と油的なコラボに、かなり驚いた方も少なくないのではないでしょうか。

楽曲の雰囲気としては、ルー・リードのボーカルに、メタリカのバンドサウンドといった感じで、メタル色は強いものの、一方では、メタリカがルー・リードに遠慮したのか、あまりメタリックなサウンドにはなっていません。異色コラボは非常におもしろさを感じたものの、お互い、少々遠慮気味なのか、少々中途半端で、全く新しい音、といった感じにはなっていないのは残念。ルー・リード、メタリカ双方のファンにとって、少々物足りないかも。

評価:★★★★

2012 Grammy Nominees

毎年おなじみ、グラミー賞のノミネート作品を集めたオムニバス盤の、こちらは2012年度版。やはり2012年といえば、圧巻だったのはAdeleで、もちろん1曲目を飾っています。そのAdeleにしても同じく最近人気のMumford&Sonsにしても、最近のエレクトロ主体のブラックミュージックと対比するかのような、アコースティックな歌モノが目立ち、例えばこのアルバムにも収録されているBon Iverなんかにしてもそうなのですが、歌モノへの回帰が強いのかなぁ、という印象も。平凡な曲も少なくありませんが、アルバム全体としておもしろくなく、音楽シーン全体の停滞を感じた2011年のバージョンと比べると、グッとおもしろくなった印象が。

評価:★★★★

Grammy Nominees 過去の作品
2011 GRAMMY NOMINEES

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