謹賀新年
新年、あけましておめでとうございます。
昨年は、たくさんの方に当サイトに遊びに来ていただき、大変感謝しております。本年も、「ゆういちの音楽研究所」をよろしくお願いします。
大晦日の夜は、また、例年と同じように、紅白をみながら、のんびりと年越しを迎えました。なんだかんだいっても、裏番組が全然おもしろそうじゃないため、ここ数年、ほとんど紅白にかかりっきりになっています。
今年は大きな目玉がないように言われていましたが、美輪明宏の「ヨイトマケの歌」は、ここ数年の紅白の中でもベストと思うようなパフォーマンスで、まさに圧倒的でしたね。個人的には、彼の出場決定したときからとても楽しみにしていたのですが、期待以上のパフォーマンスで、テレビの前に釘付けになってしまいました。
その直後に和田アキコが出ていたのは厳しかったなぁ。浜崎あゆみと、森進一と、和田アキコの歌唱力の劣化が、すごく気になってしまいました。「冬のリヴィエラ」は大瀧詠一作曲で、結構好きな曲だったのに・・・。
逆にaikoなんかは、特に目立った声量はないのに、あれだけ難しい音程を、難なく歌い上げるところ、実はかなりの歌唱力の持ち主なんだなぁ、と再認識したり。水樹奈々は、演技の入ったような歌い方が、ある意味声優らしく、なんだかんだいっても上手いなぁ、と思ったり。あと、石川さゆりと北島三郎は、演歌歌手の中でも、頭2つくらい出ているよなぁ、と思ったり。
斉藤和義は、やはりいいなぁ、と思いつつ、ああいう正統派のロック歌手が、他に矢沢永吉が出ていたくらいで、ほとんど出演していないのに、ちょっと寂しく感じられたり。ゴールデン・ボンバーは、正直、氣志團とかと比べると、かなり期待はずれで残念に感じたり・・・。
ナンダカンダ言っても今年の紅白、何気に楽しめたような気がします。今年もたくさんのヒット曲が産まれて、年末の紅白も、楽しいものでありますように。
さて、昨年の音楽シーンの話で、話題になったことがあります。
【邦楽完全終了のお知らせ】2012年オリコン年間シングルランキングトップ20、ついにAKB48グループとジャニーズで埋まる!
まあ、タイトル通り。ここでもヒットチャートを紹介していますので、そうだろうなぁ、と思った方は多いと思いますが・・・。
握手会参加券をつけたり、複数枚買いを促したりする商法に関しては、批判も多いようです。これに関して、「こうしないと売れないのだから仕方ない」「彼女たちが売れているおかげで音楽業界が保たれている」という反論も見受けられます。
ただ、おまけ商法や、同一の消費者に、ほぼ同じ内容の商品を複数買わせる手法は、経済的にも決して健全な状況だと思いません。また、CDが(特にシングルCDが)、既に商品として過去のものに完全になってしまっているのに、こういう商法で、無理やり生きながらえているとするのであれば、逆に音楽業界全体の構造改革が後手にまわってしまい、長い目で見れば、自ら首を絞めている状況に陥る危険性が高いと思います。(ちょうど、ガラケーが普及しすぎて、スマホへの移行に失敗した日本の携帯電話メーカーみたいに。)
そういう意味では、正直、AKB48に限らないのですが、最近の音楽業界の複数枚買い狙いの商法は、とても擁護できないと思っています。
それにからみ、昨年のレコ大で、こういう話も話題になりました。
AKBレコ大に「これが歌謡界の現状」 音楽家・服部克久氏の発言が波紋
まあ、服部克久氏くらいの世代で、最近のヒットシーンがおもしろくなく思っているのは、なにもAKB48に限らず、おそらくここ10年20年くらいのずっとでしょうが、昨年はちらりと本音が出てしまった、ということでしょうか。
もっとも、レコード大賞は、決して最も売れた曲に与えられる賞ではなく、(売れているかどうかも選考要素ですが)最も優れた曲に与える賞であるため、別にAKB48が問題と思えば、違う曲に賞を与えればいいだけの話で、そういうことを差し置いて、本当に皮肉を込めて「現状です」といったのであれば、ちょっと筋違いの批判だとは思うんですけどね。
ただ、こういう状況以上に気にかかるのは、ここ最近、特に昨年に関しては、純粋に「歌」だけで売れている、と言えるようなミュージシャンが、ほとんどいない、という状況がすごく気にかかります。
ちょうど昨年の年末、友人と忘年会でカラオケに行ったのですが、そこで、「最近って、どういう曲が売れているの??」と聴かれて、言いよどんでしまった自分がいました。確かに、ゴールデン・ボンバーやももクロなどは売れていますが、純粋に歌が売れているというよりも、パフォーマンス込みで売れているように思いますし、THE BAWDIESやONE OK ROCKなんかも売れていますが、サブカル系周辺のみのヒットに留まっています。
AKB48関係やジャニーズ系関係が売れている、という事実上に、それ以外が、特にアイドル系以外が、ほとんど売れていないという事実が、むしろ重要ではないでしょうか。今年は、アイドル系の人気に負けない、新人ミュージシャンのブレイクに期待したいところなのですが・・・。
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コメント
遅くなりましたが新年あけましておめでとうございます。
私も近年の大晦日はほぼ紅白を見て年越しを迎える事が多くなりましたが、ゆういち様同様に裏番組に紅白以上の面白さを感じられるものが無くて消去法で紅白を選ぶという感じであったりします。紅白に関してはながら見で見たいアーティストの時だけガッツリ見るというのがベストではないかと思っていたりもします。
今回の紅白については、MISIAや矢沢永吉氏の特別ゲストと福山雅治氏のパシフィコ横浜からの中継、水樹奈々さんと斎藤和義氏のステージに紅組キャプテンの堀北真希ちゃんの活躍が個人的には目当てにしていたのですが、全体的にも一年の締めくくりとしては楽しめた内容だったと思います。ちなみに私もゆういち様同様に美輪明宏氏の「ヨイトマケの唄」には相当なインパクトを感じてしまいました。近年の紅白は純粋に曲を聴かせる編成になっているように感じていますが、今年に関しては演歌・歌謡曲系の歌手の次にポップス系の歌手といった感じで途中で視聴者がチャンネルを変えたりしないような編成にされているような印象がありました。
もう一つのトピックの2012年の音楽シーンについてですが、年間ヒットチャートを見ても純粋に音楽勝負というのはもう完全に消滅したように思えてなかったりします。同じ内容のものを複数枚売るやり方にも見ていて面白くありませんが、握手会参加券との抱き合わせなんかにしても握手会参加券だけを安い値段で売ればいいじゃないかとも思わざるを得ませんが、もう付加価値(本当にそう言えるものかは分かりませんが)を付けない限り売れなくなったのかとも思ってしまいます。そのうちAKB48系やジャニーズ系あたりだったら写真集の付録のような形でPV入りDVDと一緒に、みたいな感じで販売される事もあるのでないかという気すらします(今やPV入りDVD付きは初回限定仕様としては定番化していますね)。
音楽業界が生き残るためにはなりふり構っていられない、とにかくどんな事をしてもCDを売るんだなんてやり方など長続きするとは思えませんが、未だに音楽業界は90年代のミリオン連発で儲かってしょうがなかった頃が忘れられないのでしょうか。90年代についてはミリオンが連発していた事もあってか邦楽の全盛期のような声を聞きますが、個人的にはあんまりそう思えなかったりします。あの時代はあの時代でタイアップやら当時のカラオケブームに乗っかかったような風潮があって決して良かった時代とも言い難い面もあると思っています。
投稿: MoTo | 2013年1月 6日 (日) 16時11分
>MoToさん
すっかり遅くなってしまいましたが、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
>途中で視聴者がチャンネルを変えたりしないような編成
そうですね。確かに、よく考えられているようにも思います。最近、くだらない余興も少なくなったし、いい意味でがんばっているのかなぁ、という感じもします。なにげに、見所が少なそうだった昨年の紅白も、いろいろ楽しめたし。
>未だに音楽業界は90年代のミリオン連発で儲かってしょうがなかった頃が忘れられないのでしょうか。
というよりも、90年代のCDバブルで、それ以前に、どうやってCD(レコード)を売っていたかのノウハウを忘れてしまった感じもします。そのため、結局、90年代と同様に、若い世代にターゲットを絞った、初動売上重視の売り方しか出来ない結果、過剰な抱き合わせor複数枚商法に走ってしまった印象があります。
MoToさんもご指摘の通り、90年代もタイアップやカラオケブームに乗っかった感もあり、必ずしもいい時代だったとは思わないんですけどね。確かに、いろいろな意味で余裕はあったとは思うのですが・・・。
投稿: ゆういち | 2013年1月22日 (火) 00時39分